80th Academy Awards Nominations & Winners
2008年、第80回 アカデミー賞受賞者発表!



以下が、2月24日に行われたアカデミー賞の受賞者。各部門のノミネーション・リストの受賞者のマークがつけてありますが、文章はノミネート発表時のままになっています。

今年で80回目を数える2008年のアカデミー賞。そのノミネーションが1月22日、火曜日早朝に発表されている。
今年の授賞式が行われるのは、2月24日の日曜日。会場は 例年通りロサンジェルスのコダック・シアターとなっている。
しかしながら、心配されているのが昨年秋から続いている脚本家組合のストライキが原因で、授賞式が行えないのでは?ということ。 1月13日に行われたゴールデン・グローブ賞も このストライキの影響で授賞式をキャンセルし、記者会見スタイルで受賞者のみを発表するという レッド・カーペットも受賞者スピーチも無いイベントとなり、大幅に視聴率を落としている。
アカデミーのメンバーをはじめ、俳優達は今回のストライキで脚本家組合側を支持しているため、 もしストライキ中に授賞式が行われた場合、俳優達が授賞式に参列しないことが懸念されている一方で、 レッド・カーペット上での組合のデモが予想されるのが現状である。

さて、今回アカデミー賞で 最多の8つのノミネーションを獲得したのは「ノー・カントリー・フォー・オールド・マン」と「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」。 次いで 「マイケル・クライトン」、「アトーンメント」の7部門となっている。
俳優部門は、さすがにオスカーとあって、演技重視、興行成績は2の次のシリアスなリストになっているけれど、 主要部門の有力候補がかなりはっきりしていた昨年に比べ、今年は実力作品が多く、 予想が難しい激戦部門 がいくつもあるだけに、もし授賞式が行われなかった場合は、非常に残念という内容のノミネーションである。

さて、例年のように歴史を紐解いてみれば、史上最多ノミネーションを獲得しているのは1997年の「タイタニック」、 1950年の「イブのすべて」で、共に14部門のノミネーションを獲得。そして、どちらも11部門を受賞し、最多受賞記録を保持している。
2003年度にこの最多受賞記録に並んだのは、「ロード・オブ・ザ・リング:ザ・リターン・オブ・ザ・キング」で、 同作品は11部門のノミネートで、11部門全てを受賞するという 勝率100%を達成したという点で、 オスカー史上に新たな歴史を刻むこととなっている。
ノミネーションの数だけに絞ってみれば、最多記録に次ぐ 13部門を獲得していたのは、2002年に公開された「シカゴ」、 2001年の「ザ・ロード・オブ・ザ・リング:フェローシップ・オブ・ザ・リング」、1998年の「シェイクスピア・イン・ラブ」、1994年の「フォレスト・ガンプ」、1966年の「フーズ・アフレイド・オブ・ヴァージニア・ウルフ」、 1964年の「メアリー・ポピンズ」、1953年の「フロム・ヒア・トゥ・エタニティ」、 1939年の「風と共に去りぬ」。

さて、毎年、「誰がノミネートされたか」よりも「誰がノミネートされなかったか」が話題となるオスカーだけれど、 今年サプライズとなっているのは リドレー・スコット監督の「アメリカン・ギャングスター」が作品賞にノミネートされなかったこと。 そしてジュリアン・シュナベル監督の「ダイヴィング・ベル&ザ・バタフライ」が外国映画賞にノミネートされなかったこと。 「ダイヴィング・ベル&ザ・バタフライ」は最優秀作品賞へのノミネーションが見込まれていただけに、 あえて外国映画賞から外されてしまったという見方が有力であるけれど、ジュリアン・シュナベルが監督賞にノミネートされながらも、 作品賞にも外国映画賞にもノミネートされなかったのは、サプライズとして受け取られている。
ゴールデン・グローブ賞にノミネートされていて、オスカーではノミネーションを逃した顔ぶれとしては、「アトーンメント」の主演の2人、 キアラ・ナイトリーとジェームス・マッカヴォイが挙げられるけれど、これは特にサプライズとは見なされていないもの。
全体的に今年のノミネーションは、有名、無名、ベテラン、新顔がバランス良くミックスされた順当のノミネーションと見なす声が 多いようである。


ノミネーションと最終投票のシステム

今年のノミネーションをご紹介する前に、例年の通りオスカー・ノミネーションのシステムをご説明しておくと、 投票するのは、アカデミー・オブ・モーション・ピクチャー・アーツ&サイエンシスの現在約5800人以上にも及ぶメンバー。 だから外国人記者80人程度の投票で決められるゴールデン・グローブ賞とは規模も格も違うのは当然のこと。
このアカデミーのメンバーを構成しているのは映画監督、脚本家、俳優の他に照明、編集、ビジュアル・エフェクト等を手掛ける 映画業界で最も功績が認められ、実力が評価されている人々。どの分野においても過去のオスカー受賞者の殆どがそのメンバーである。
ノミネーションでは、俳優が投票できるのは俳優部門のみ、映画監督が投票できるのは映画監督部門のみ、というように個々のメンバーがその専門分野にしか投票できないことになっているが、 作品賞部門に関しては、メンバー全員によって投票されることになっている。
各部門は最高5候補までをノミネートとすることが出来、外国映画賞、ドキュメンタリーといった部門に関しては、アカデミーのメンバーが選考の小委員会を作り、 そこでノミネーションが選ばれる。そして最終選考は、ほぼ全ての部門がメンバー全員の投票によって決定されることになる。





第80回 アカデミー賞ノミネーション

(作品名のリンクをクリックすると、”Movie This Week” の中の 各作品のトレーラーを含む紹介にジャンプします。)


Actor In A Supporting Role / 最優秀助演男優賞



助演男優の部門で、有力候補と見られているのはゴールデン・グローブ賞の同部門受賞者でもある、 「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」のハヴィエル・バルデムで、彼がほぼオスカー像を手中に収めているといわれるほど有力視されている。
幅広い年齢層でノミネートされている今年の同部門であるけれど、ハル・ホルブルックはショーン・ペン監督作品で、地味ながら高い評価を得ている 「イントゥ・ザ・ワイルド」からの唯一のノミネーションであると同時に、彼自身にとって初であり、オスカー史上最年長の主演男優ノミネート。
万一、ハヴィエル・バルデムが受賞しなかった場合は、ケーシー・アフレックとトム・ウィルキンソンが五分の戦いといった印象。





Actress In A Supporting Role / 最優秀助演女優賞



ゴールデン・グローブ賞とほぼ同じ顔ぶれのノミネーションとなった同部門。唯一異なるのが「チャーリー・ウィルソンズ・ワー」のジュリア・ロバーツに替わって、 「アメリカン・ギャングスター」の ルビー・ディーがノミネートされていることだけれど、ジュリア・ロバーツの演技は特に特出したものが無かっただけに、 彼女がノミネーションを逃したのはサプライズとはいえないもの。
有力視されるのは、以下で紹介する主演女優賞と2部門に渡ってノミネートされているケイト・ブランシェットで、ボブ・ディランを演じた 「アイム・ノット・ゼア」で彼女が「アヴィエーター」に続く助演女優賞を獲得するという見方が有力である。 しかしながら、ケイト・ブランシェットはアヴィエーターでもキャサリーン・ヘップバーンという実在の人物を演じていただけに、 オスカーが果たしてケイト・ブランシェットの実在キャラクターに2度目のオスカーを与えるか?は投票者の意見の分かれるところ。
彼女を追う存在と言えるのは「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のエイミー・ライアン。彼女の演技が絶大な評価を獲得している上に、 助演部門はサプライズ受賞があり得るだけに、彼女が受賞する可能性も高いといえる。





Actor In A Leading Role / 最優秀主演男優賞



同部門は、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門の主演男優を受賞している「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイスが 最も有力視されており、それを追うのが、「マイケル・クレイトン」のジョージ・クルーニ。 ジョニー・デップのノミネーションは順当。サプライズだったのは、ありとあらゆるアワードにノミネートされていなかった トミー・リー・ジョーンズの名前が上がっていることだけれど、彼とヴィーゴ・モンテンセンの受賞の可能性は極めて低いのが実情である。





Actress In A Leading Roles / 最優秀主演女優賞



同部門の最有力候補は、ゴールデン・グローブを始め、多くの映画賞の主演女優賞を獲得している「アウェイ・フロム・ハー」の ジュリー・クリスティ。今回が4度目のノミネートになる彼女は、43年前の1965年に「ダーリン」で女優賞を受賞している。
これを追うのはゴールデン・グローブのコメディ&ミュージカル部門を受賞しているマリオン・コティアーで、 「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の中でエディット・ピアフを演じた彼女は高い評価を受けているけれど、フランス語作品である分が若干不利。 そして、猛烈な追い上げを見せているのは「ジューノ」のエレン・ペイジで、どちらも初のノミネート。
主演女優賞はこの3人の誰が受賞しても不思議ではないという今回のオスカーの激戦部門となっている。
「ザ・サベージュ」で名演技を見せたローラ・リニーは、この中にあってはサプライズ・ノミネーションであったけれど、 逆にノミネートされなかった方のサプライズは、「ア・マイティ・ハート」のアンジェリーナ・ジョリーで、興行成績が極めて低かったこと、 夏に公開された作品で印象が薄れていることが不利に働いていたといわれている。





Best Director / 最優秀監督賞



例年、作品賞にノミネートされていない 映画の監督がこの部門を受賞することは無いと言われ、 監督がノミネートされていない映画の作品賞受賞も無いと言われるのがオスカー。
その意味で、カンヌ映画祭、ゴールデン・グローブで同部門を受賞したジュリアン・シュナベルは作品賞にノミネートされていないので 受賞は無いであろうと見込まれているけれど、 逆に有力視されているのは「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」のジョエル&イーサン・コーエン。 ハリウッドでは常に高い評価を受けてきたコーエン・ブラザースであるだけに、そろそろオスカー像を与えるべき時期という見方は 非常に強いと言える。






Best Animated Film/ 最優秀アニメーション賞



この中の最有力候補と目されるのは、ゴールデン・グローブも受賞した「ラタトュイユ」。 興行成績的にも、アニメーションのテクニカル面でも 「ラタトュイユ」が他2本をリードしているけれど、 作品の内容としては「ペルセポリス」の評価が非常に高いのが事実。 「サーフス・アップ」の受賞は極めて可能性薄。





Best Picture / 最優秀作品賞



同部門で批評家の間で、ノミネーションがサプライズとは言わないものの少々意外視されていたのが、このところ 評価が下がり気味の 「アトーンメント」。 逆にノミネートを逃して驚かれているのが ジュリアン・シュナベル監督の 「ダイヴィング・ベル&ザ・バタフライ」。 したがって「アトーンメント」は7部門でノミネートされてはいるものの、作品賞受賞は無いだろうと言われる作品。
小規模なインディペンデント・フィルムが目立つ今年のノミネーションであるけれど、この中で最も興行成績が高いのは「ジューノ」。 次いで「ノー・カントリー・フォー・オールド・マン」。
先述のように最多ノミネーションを獲得しているのは「ノー・カントリー・フォー・オールド・マン」と「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」であるけれど、 同部門で最有力と言われるのは「ノー・カントリー・フォー・オールド・マン」。 万一、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は作品としての評価が分かれているだけに受賞は難しいであろうと予想されている。 「ノー・カントリー・フォー・オールド・マン」が受賞を逃した場合は、昨今アワード・レースで猛烈な追い上げを見せる 「ジューノ」が受賞する可能性が高いといえる。





その他部門ノミネーション

Art Direction / アート・ディレクション





Cinematography / シネマトグラフィー





Costume Design / コスチューム・デザイン





Documentary Feature / ドキュメンタリー・フィーチャー

  • No End In Sight / ノー・エンド・イン・サイト

  • Operation Homecoming: Writing the Wartime Experience / オペレーション・ホームカミング:ライティング・ザ・ワータイム・エクスペリエンス

  • Sicko / スィッコ

  • Taxi to the Dark Side / タクシー・トゥ・ザ・ダーク・サイド Winner! / 受賞者!

  • War Dance / ワー・ダンス





Documentary Short / ドキュメンタリー ショート (短編)

  • Freeheld / フリーヘルド Winner! / 受賞者!

  • La Corona (The Crown) / ラ・コロナ (ザ・クラウン)

  • Salim Baba / サリム・ババ

  • Sari's Mother / サリズ・マザー





Film Editing / フィルム・エディティング (編集)





Foreign Language Film / 外国語映画

  • Beaufort / ビューフォート (Israel / イスラエル)

  • The Counterfeiters / ザ・カウンターフェイター (Austria / オーストリア) Winner! / 受賞者!

  • Katyn / カティン (Poland / ポーランド)

  • Mongol  / モンゴル (Kazakhstan / カザキスタン)

  • 12 / トゥエルブ (Russia / ロシア)





Make Up / メイクアップ





Music Original Score / ミュージック・オリジナル・スコア





Music Original Song / ミュージック・オリジナル・ソング (主題歌)





Sound Editing / サウンド・エディティング (音響編集)





Sound Mixing / サウンド・ミキシング





Visual Effects / ヴィジュアル・エフェクト





Writing - Adapted Screenplay / 脚本 - アダプテッド・スクリーンプレー





Writing - Original Screenplay / 脚本 - オリジナル・スクリーンプレー









Sony Pictures, Universal Pictures, Miramax, New Line Cinema, 20 Century Fox, Universal Dream Works, Warner Bros., USA Films, Columbia Pictures, Lion Gate Films