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Paris: la haute couture automne-hiver 2006-2007
2006-2007 秋冬 パリ・オート・クチュール・コレクション レビュー
7月5日水曜日から、3日間のスケジュールで行われたのが、2006年秋冬パリ・オート・クチュール・コレクション。
ワールド・カップでのフランス・チーム決勝進出で街中が湧き上がっていた中での開催だけに、人々の関心は クチュールよりサッカーであったけれど、
今回もランウェイ・ショーをメインに、合計約30のプレゼンテーションがファッション・プレスやクチュール顧客、セレブリティを招いて行われている。
オート・クチュールとは、通称サンディカと呼ばれる パリ高級服飾組合 (La Chambre Syndicale de la Couture Parisienne /
ラ・シャンブル・サンディカール・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ )にクチュール・メゾンとして登録されているデザイナーによる 最高級のオーダー・メイド・コレクション。
今回サンディカのオフィシャル・カレンダーにリストされていたのは17のショーで、その内訳は、サンディカが定めるクチュール・メゾンの
厳格な規定を満たした8つのフレンチ・ブランドと、9つのゲスト・ブランド。
そのラインナップには、シャネル、クリスチャン・ディオール、クリスチャン・ラクロア、ジヴァンシーといった常連から、ヴァレンチノ、アルマーニ・プリヴェの
イタリア勢、そして、Adeline Andre / アデリーヌ・アンドレ, Dominique Sirop / ドミニーク・シロー、Eymeric Francois / エイメリック・フランソワといった
やや知名度が劣るデザイナーらが名を連ねている。
プレタ・ポルテ(既製服)コレクションとは異なり、ショーの数も少なく、日程も短いオート・クチュールであるものの、そのファッション・ショーの
マーケティング効果は絶大であるために、各メゾンが数千万〜1億円を投じたステージ・セットを用意し、
1枚1千万円を超えるドレスも決して珍しくは無い、超ゴージャスなファッションの饗宴が繰り広げられるのがオート・クチュール・コレクション。
オート・クチュールが着用できる顧客と言えば、メゾンから衣装提供を受けるセレブリティか、世界でも指折りのリッチ・ピープルと
相場が決まっているけれど、クチュール・コレクションを行うからこそ、一般の人々が、香水や化粧品、その他のライセンス商品を購入し、
それが服よりもずっと大きな利益をメゾンにもたらすもの。
それだけに、どんなに顧客層が限られようとも、続いていくのがオート・クチュールであるけれど、それと同時に、
デザイナー達が、最高級の素材、最高の縫製技術を駆使して、利益効率に振り回されることのない
贅を尽くしたクリエーションが出来るのもオートクチュールである。
ここでは、メジャー・メゾン8つのクリエーションをご紹介します。
Armani Prive / アルマーニ・プリヴェ
グレー、ブラック、ピーチ、ホワイトといった抑えたトーンのカラー・パレットで、シックに纏められたコレクションは、
40年代のファッションにインスピレーションのソースを求めたと言われるもの。
でもそれがアルマーニ感覚のモダンなテイストで再現されていた今回のコレクションであるけれど、服に対してヘッド・ピースが
オールド・ファッションだった印象が否めないのが残念なところ。
イブニングに関しては、いかにもセレブリティやソーシャリートが着用しそうな、ゴージャスでありながら、ラグジュアリアスになり過ぎない秀作が多く観られていた。
Chanel / シャネル
華やかさという点では、他のメゾンには劣るけれど、新しいアイデアを見せたと同時に、セレブリティやソーシャリートが、
カジュアルなパーティーやナイトライフに着用したがりそうなトレンド・セッティング・コレクションを展開したのが今シーズンのシャネル。
「オートクチュールのアイデンティティ・クライシス」とも言われたほど、限りなくプレタポルテ的とも言えたコレクションでもあったけれど、
作品の大半は、シャネルスーツ&ドレスにサイハイ(太腿丈)・ブーツや細身のデニムを合わせたレイヤー。
ミニ・ドレスにジーンズを合わせてチュニックのように着用するのは、昨年夏からのストリートでのトレンドではあるけれど、
これはそれをシャネル的に解釈した着こなし。アクセサリーとしては指抜きのグローブが多数登場していたのが印象的だった。
Christian Dior / クリスチャン・ディオール
ジョン・ガリアーノがデザインするクリスチャン・ディオールは毎シーズン最もシアトリカルでドラマティック、かつ高額のプレゼンテーションを行う
ことで知られているけれど、今シーズン彼のインスピレーションの1つとなったのがルシファー。
ルシファーとは、古代ローマの占星術では明け方の星(金星)を示す言葉だけれど、キリスト教では堕ちた天使、サタン、神の敵を示す言葉。
その言葉の通り、「美しくも、恐ろしいコレクション」とメディアが評した今シーズンの装飾的なドレスやモデルのメークは、「決してリアリティとして通用するものではない」とも指摘されたもの。客席にはドリュー・バリモア、シェール、ミーシャ・バートン、リブ・タイラーなどのセレブリティが姿を見せていたけれど、
一度ショーが始まると、人々の目はそのラグジュアリアスと奇抜を極めたクリエーションに釘付け。
エンディングに登場したガリアーノ自身は、宇宙飛行士のファッションで現れて、人々を驚かせていた。
Givency / ジヴァンシー
リカルド・ティッシがデザインを手掛けるジヴァンシー。彼の感覚は、クチュールを手掛けるには若過ぎる、モダン過ぎるとの声も聞かれるけれど、
事実コレクションの前半は、プレタポルテと見紛うようなライン。中盤になってクチュールらしい、ラグジュアリアスな素材や高度な縫製技術が
感じられる作品が登場しているが、華やかさには欠けるコレクション。
フィナーレはマリエの代わりに、ブラック・オーガンジーのドレスで締めくくっている。
Jean Paul Gaultier / ジャン・ポール・ゴルティエ
下で紹介するクリスチャン・ラクロア同様、かつてはジャン・パトゥのアシスタント・デザインを務めたこともある
ジャン・ポール・ゴルティエは、97年からオートクチュールを発表している。
今回のコレクションは、スキャパレリ、ジャン・コクトー、サルバトール・ダリらをインスピレーションにクリエイトされたもの。
モデルの多くが、写真上中央の山高帽のヘッドピースを付けて登場したけれど、これはヘアピースを帽子の形にクリエイトしたもの。
フィナーレのマリエはシンプルなデザインで、ビルマの踊り子のようなヘッドピースがアクセントになっていた。
Christian Lacroix / クリスチャン・ラクロア
モデルが全てお椀をかぶったようなウィッグを付けて登場したコレクション。
クリスチャン・ラクロアというと、80年代後半、彼がジャン・パトゥから独立し、LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の傘下で
自らのブランドをスタートし、世界中から大注目を浴びていた華々しい時代をピークに、彼の装飾性が時代のトレンドとマッチしなくなって久しいけれど、
オートクチュールは、そんな彼が本来の持ち味を発揮できるコレクション。
フィナーレのマリエ(写真上一番右)はヴェルヴェットのバルーン・スリーブが中世のプリンセスを彷彿させるクラシックなものになっていた。
Valentino / ヴァレンチノ
1957年にビジネスをスタートしたヴァレンチノは、パリのオートクチュール・コレクションには欠かせない存在。
刺繍入りのゴージャスなコートで幕を開けたコレクションは、ロシアをテーマにカクテル・ドレス、デイタイム&イヴニング・スーツ、イブニング・ガウン
までの42点のコレクション。ラストはマリエではなく、ブラック・ドレスによるフィナーレ。
長年変わらない ヴァレンチノのビジョンを反映したコレクションであったけれど、カレーのトレードマーク・カラー、
ヴァレンチノ・レッドのドレスが少なかったのは残念。
Elie Saab / エリー・サーブ
回を重ねるごとに、オートクチュールらしいコレクションになって来ていると言われる、レバノン、ベイルート出身のデザイナー。
エリー・サーブの名前が初めてメディアに大きく報道されたのは、2002年のオスカーで、この年の主演女優賞を受賞したハリー・ベリーが、
その作品を着用した際。以来、ハリウッド・スターがレッド・カーペット上でコンスタントに着用するようになったのが、エリー・サーブの
イヴニング・ドレスである。
今回のコレクションでは、新しさは無いものの、イヴニングとしてはモダンで、エレガントかつ ラグジュアリアスなクチュールを展開。
エリー・サーブの魅力は、実際にセレブリティやソーシャリートが着用できるリアリティのあるドレスを製作している点であるけれど、
ヘアやメークをシンプルに纏めて、ドレスを美しく見せることに重点を置いたプレゼンテーションも好評を集めていた。
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