Paris: la collection de Haute Couture printemps / ete 2008
2008年 春夏 パリ・オート・クチュール・コレクション レビュー




2008年1月4週目に、3日間のスケジュールで行われたのが、2008年春夏パリ・オート・クチュール・コレクション。
世界で最も贅沢なファッション・ショーが 世界的な株安に見舞われた週に行われたのは何とも皮肉な巡り合わせであったけれど、 各メゾンのいつもながらのゴージャスなクリエーションは リセッションも何処吹く風といった印象。
でも今回のクチュール・コレクションはアメリカで脚本家組合のストライキが行われており、授賞式イベントがぐっと地味で、 数も少ないことから、会場に姿を見せるAリスト・セレブリティの顔ぶれも いつもに比べて少なめ。 でもこれをロシアや中東の若いニューリッチのクチュール顧客達が補っているという印象だった。
今シーズンの最大の話題は、今回をもって引退を発表していた ヴァレンティノ・ガラヴァーニのラスト・コレクションであったけれど、その出来が素晴らしかっただけに 彼の引退を惜しむ声が多くのファッション&メディア関係者から聞かれていました。

ここでは、メジャー・メゾン9つのクリエーションをご紹介します。





Armani Prive / アルマーニ・プリヴェ



ウエストをマークしたフェミニンなボディ・コレシャスな作品が目立った今シーズン。 ドレープを用いた作品と共に 多く見られたのが大きめのバングル・ブレスレットとネックレス。
後半にはオーガンジーを用いたイブニング・ガウンが登場していたけれど、これは彼と同じくイタリア人として パリでクチュール・コレクションを発表し、今シーズンを最後に引退するヴァレンティノの功績に敬意を示したものと説明されている。





Chanel / シャネル



ステージに巨大なグレーのシャネル・ジャケットをフィーチャーしたランウェイ・ショー。 このセットが象徴するようにロング丈、ショート丈のシャネル・ジャケットが ミニ・スカートとバレエ・フラットにコーディネートされていたコレクション。 足元がフラットにも関わらず、ヘアバンドでアップにボリュームを出したヘアでモデルが登場していたので、 作品のプロポーションとしてはあまり感心できない作品が多かったのが実際のところ。 またバレエ・フラット+ミニスカート+ダークなストッキングの組み合わせはプロの モデルでもその立ち姿で脚が曲がっているのばかりが目立っている印象だった。
エンディングでデヴォン・アオキが着用したグレーのマリエもかなり不思議な作品。





Christian Dior / クリスチャン・ディオール



昨年60周年のセレブレーション・イベントを行った ジョン・ガリアーノがデザインするクリスチャン・ディオール。 今回のオートクチュール・コレクションでも、いつもながらの鮮やかなカラーと、 美しいエンブロイダリーがふんだんにあしらわれた作品が登場していたけれど、 そのモチーフに用いられていたのがグスタフ・クリムトの幾何学模様の数々。
この他、ジョン・ガリアーノのインスピレーションになったといわれるのが ジョン・シンガー・サージェントの 「マダム X」の肖像画。 オートクチュールのブランドの中で、特に売り上げが伸びていると言われるディオールが 引き続き クチュール本来の魅力を見せたコレクション。





Givency / ジヴァンシー



リカルド・ティッシがデザインを手掛けるジヴァンシーは、プレタポルテもクチュールも若い層を中心に 着々と支持者を集めているブランド。
今シーズンは、前半はプレタポルテ・コレクションのようなシンプルなアイテムが中心で、 その後半に素材の技巧を凝らした作品が登場していたけれど、その一部は過去の作品を手直ししたような イメージのものになっていた。





Jean Paul Gaultier / ジャン・ポール・ゴルティエ



ジャン・ポール・ゴルティエの今シーズンは、セーラー(水兵)とマーメイド(人魚)をモチーフにした 数々の作品が登場したコレクション。
セーラー・ルックはワイドパンツ・スーツやボーダーのトップ、マーメイド・ルックは 言うまでも無くマーメイド・シェイプのイブニング・ガウンや、 鱗をイメージしたようなファブリックや刺繍、シークィン。
モデルのヘアも、マーメイドをイメージしてウェーブがかかったロングに統一されていた。





Christian Lacroix / クリスチャン・ラクロア



「An Angel Passing By / 通り過ぎる天使」 とクリスチャン・ラクロア自身が名付けている今シーズンのオートクチュール・コレクション。 カラフルで、フェミニン。いかにもオートクチュールらしい高級で華やかな素材をふんだんにミックスしたコレクションは、 近年の彼のコレクションの中でもベストの呼び声が高いもの。
作風としては彼の古巣であるジャン・パトゥ時代に戻ったようなエレガントなゴージャスさが目立っていた。 いうと、必ずモデルが同じようなウィッグをつけて登場する傾向にあるけれど、





Valentino / ヴァレンティノ



今回のクチュール・コレクションを最後に引退を表明していたデザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニ。
その引退コレクションは、これまでの彼の作品のヒット・パレードとも言える74作品を集めたもので、 エレガントなデイタイム・スーツからカクテル・ドレス、イブニング・ガウンまでが バランス良く構成されたスタイリッシュなコレクション。 会場にはランバンのアルバー・エルベ、ミューシャ・プラダ、 元スーパーモデルのクラウディア・シファー、エヴァ・ヘルツィコヴァ、ナディア・アールマン ウマ・サーマンらが姿を見せ、彼のフィナーレをスタンディング・オーベーションで飾っていました。





Elie Saab / エリー・サーブ



ビヨンセも好んで着用するエリー・サーブ。このところ似たようなホワイト、グレー、ラヴェンダー、シルバーのパレットで、 ビーズ刺繍をふんだんにあしらった作品ばかりを発表していた彼だけれど、今シーズンはカラー・パレットにヴァラエティが加わった分、 新鮮味が感じられていた。 しかしながら、似たような刺繍モチーフのドレスが何度も登場したり、ドレスのストラップ・デザインが似通っているため、 1つのショーの中に同じドレスが2度も3度も登場しているような印象を与えていたのは残念な限り。





Atelier Versace / アトリエ・ヴェルサーチ



今回はファッション・ショーではなく、パリのブティックのバック・ルームで アポイントメント制で コレクション・ヴューイングが 行われたアトリエ・ヴェルサーチ。 コレクション自体も15作品と極めて小さいものであったけれど、無駄のないコンパクトなコレクションとして 評価されていた。