週末はブロカントへ・・・
By Mami Kanki





パリの「蚤の市」といえば、最も歴史が古く、大規模なクリニャン・クール、中規模のヴァンヴ、そしてガレージ・セールのようなモントイユの 3つがあまりに有名で、どんなガイド・ブックにもフィーチャーされているけれど、日本語の「蚤の市」、 英語の「Flea Market / フリー・マーケット (”フリー” = ”蚤”)」は、 フランス語の「marche aux puces / マルシェ・オ・ピュス (”ピュス” = ”蚤”)」の直訳から生まれた言葉。
だから、フランスではフリー・マーケットのことを 「ピュス」 と呼ぶけれど、中でも1918年にオープンしたクリニャン・クールは、 登録店だけでも2000以上。マーケットが開かれる、土曜、日曜、月曜の3日間に、平均7万人が訪れるとのことで、 とても1日では回りきれない大きさです。

これに対して、ブロカントは直訳すれば 「古物市」。 同じフリー・マーケットではあるけれど、パリ市内の区のいずれかの通り沿いで、週ごとに場所を変えて行われるもので、 そのロケーションは、マルシェ(市場)で食料品の調達をしている時に見かけるポスター等で知ることがことが出来ます。 扱われているものは、1930年代から 現代までの家具や小物。 でも、高価な古美術品や骨董品ではなく、実用品や生活雑貨等、生活の中で身近に使えるものが中心です。









今回ご紹介するのは、メトロ6番線のLa Motte Picquet Grenelle / ラ・モット・ピッケル・グルネル と Dupleix / デュプレクスの駅の間の高架下のブロカント。 普段は水曜日と日曜日に野菜や果物の朝市が出る所です。
ブロカント・ハンティングで一番大切なことは、「今日はどんな物を探すか」というショッピングのテーマを絞ってから 散策すること。 そうしないと、ブロカントには常に、家具から食器、アクセサリー等、とにかくいろいろなモノがあるので、フラフラと歩いているうちに、「あれも欲しい」、「これも欲しい」と 収集がつかなくなってしまうし、その場の物欲にかられて、使えないもの、飾れないないもの、置けないものを買ってしまうことにもなりかねないため。
私は服を作る仕事をしている関係上、自然に足はリネンや生地、レースなどの売り場に向かってしまいます。 時に、ブロカントではシャネルやサンローランのアトリエ流れの物の素材が見つかることもありますが、 こういう掘り出し物は、運を天に任せて巡り会えるもの。
今回、私はキッチン・リネンをいくつか見つけたけれど、どれも厚みがあって、色といい、風合いといい、何とも心がくすぐられるものでした。 これらは、その昔、何処かの小さな街で 手織りで製作されたものであるから、現在の既製品とは一目見てその質感の違いが分かるもの。 ディスプレーも素朴で可愛らしいもので、足を止めずにはいられない感じです。

さて、気に入ったものがあれば、まずは値段を聞いてみます。こうしたマーケットでは、フレンドリーな人が多いので、フランス語が分からなくても大丈夫。 もちろん値段の交渉も 楽しみの1つであるけれど、私は値切るのが苦手なので、なるべく同じ店でいくつかを購入して、 最後に小さな物を 「これおまけして!」 と言ってみるのが常套手段。大抵は 「プチカドー(プレゼント)だよ」 ということになります。
でも、品物が高価で 即決出来ない時は、時間をおいて再度挑戦。 お店の人が覚えていてくれた場合、「いくらなら買う?」と 逆に尋ねて来ることも・・・。 そうなったら頑張って値段交渉するしかないですね。







ブロカントでは、お友達と一緒に出掛けても、回る時は別行動。、 そして最後にカフェで落ち合って、お互いの戦利品を見せ合います。 何を手に入れたかだけでなく、いくらで手に入れたかを自慢しあうのも醍醐味の1つ。
時に、以前購入したものが、その時より安い価格で出ていて、「しまった!」と思うこともあるけれど、 その逆に、自分が持っている品物が、買ったときの値段よりもずっと高く売られていて、気分が良くなることも・・・。
例えば、写真上、上段中央のテーブルは、以前 私が同じものを 先述のヴァンヴのマーケットで購入していて、 ちょっと壊れていたけれど、お値段は150フラン(20ユーロ)。今回のブロカントでは、280ユーロで売られていたので、 思わず嬉しくなってしまいました。



さて、今日の私のお買い物・・・

写真下、左側 : 水玉のパイル生地とチェックのは薄手。手前のギンガムのハンカチは、掛け合ってプチ・カドー(プレゼント)にしてもらったもの。
写真下、右側 : コレクション中の水玉カップ、写真ではわかりずらいのですが、陶器の質感が独特です。





ブロカントの日程は「オヴニー」という日本人向けのフリー・ペーパーなどにも時々掲載されています。 詳しくは http://www.spam.fr/brocantes.htm を参照のこと
また、フリー・マーケットを真剣に回りたい人にお薦めのマガジンとしては、月刊誌の「Aladin / アラダン」があります。 これはパリだけでなく、フランス全土のフリー・マーケットやフェアの日程をフィーチャーしているだけでなく、 コレクティブル・アイテムの購入のコツや、収集品に関するアドバイスなども掲載されていますが、フランス語版のみです。

いずれにしても、散歩がてらに出掛けるブロカントは、気候が温かくなるこれからの季節に是非お薦めの週末のアクティビティ。 アンティークやヴィンテージが好きな人も、そうでもない人も、自分だけの宝モノや パリの思い出の品が見つかるかもしれません。



執筆者プロフィール: 神吉 まみ
日本で、ニット・メーカーで働いた後、1999年に渡仏。以来パリ在住。
フリーランスで、パターン・メイキングを始めとする服飾業に従事。パリコレの サポート等もこなしながら、現在に至る。