La Premier Dame, Carla Buruni-Sarkozy
カーラ・ブルーニ・サルコジ、訪英ファッションと
プレジデンシャル・ロマンスの裏話




3月25日から、36時間に渡って国賓としてイギリスを訪問したのが、フランスの二コラ・サルコジ大統領と、 結婚したばかりの彼の3人目の妻、元スーパーモデルで現在はシンガーの カーラ・ブルーニ・サルコジである。
2月2日に挙式したばかりのカーラ夫人にとって、ファースト・レディとしての初の大役となったのが今回の訪英であったけれど、 夫妻がイギリスに到着した、25日水曜日のイギリス各紙が大々的にフィーチャーしたのが、今から10年以上前、 カーラが未だスーパーモデル時代に撮影された全裸写真。 このヌード写真が大きくフィーチャーされた理由は、4月10日に この写真を含む ケイト・モス、ジゼル・ブンチェンといった スーパーモデルのヌード写真の数々がニューヨークのクリスティーズでオークションに掛けられることが 報じられたタイミングと重なったためである。 でもこの写真を含む、カーラ・ブルーニのヌード・フォトの数々は、彼女とサルコジ大統領のロマンスが浮上してからというもの、 インターネット上に出回っていただけでなく、数々の雑誌にも掲載されていたもので 突如出現したスキャンダラスなヌード写真という要素は全く無いもの。
しかしながら、そんなヌード写真がイギリスの一流メディアやタブロイド誌の表紙を一度に飾ったことで、 フランス大統領夫妻歓迎ムードより 非難ムードが強い印象を世界中に与える結果になっていたのは紛れもない事実であった。


そんな冷やかなイギリス国民のカーラを見る目が 一変したと言われるのが 彼女が サルコジ大統領夫人として ヒースロー空港に降り立った瞬間。
若い頃のオードリー・ヘップバーンやジャクリーヌ・ケネディ夫人を彷彿させると評されたカーラのファッションは、 クリスチャン・ディオールのグレーのコートにベルトでアクセントを付け、ジャクリーヌ夫人のトレード・マークとして知られたピルボックス・ハットと いかにもフランスらしいベレー帽を融合させたようなハット。足元は彼女の長身を緩和するフラット・シューズ、 そして手に持っているのは、ひと目見ただけではどこのブランドのものだか分からない 地味なハンドバッグ。 ヌード写真のイメージとは全く異なる、フランスのファースト・レディ という使命をまじめに捉えた 控えめなアウトフィットで 出迎えに訪れたチャールズ皇太子&カミラ夫人、待ち受けた報道陣の前に登場したのだった。


カミラ夫人、エリザベス女王との コート・ファッションの競演 だけで、イギリスよりもずっとシックなフランスのファッションをアピールしたと言われた カーラであるけれど、イギリス王室並みにコンサバにして現れたのも事実で、 ことに彼女のバッグは、「マダムというよりママさんバッグのよう」という指摘を受けていたのだった。
つい先ごろ、サルコジ大統領の前妻であるセシリア夫人は、35cmのブラックのバーキンを下げてさっそうとニューヨーク入りをしていたけれど、 カーラが今回イギリスに持参したバッグは、初日のバッグも翌日のバッグも、 はっきり言ってしまえば ”ババ臭い” という印象で、ファッション関係者の間では極めて不評だったもの。
でもこのバッグは驚くなかれ クリスチャン・ディオールの最新のバッグで、その年配臭いルックスとは正反対に ”Babe / ベイブ” とネーミングされたもの。 もちろん、フランスのファースト・レディー、カーラがこのバッグを手にした最初の女性という訳であるけれど、 彼女のバッグは、特に英国総理大臣夫人である サラー・ブラウンが ランカスター・ハウスで ホストしたランチョンの際は、 集まった来賓の英国人女性達が フランスのファースト・レディに敬意を表して、こぞってエルメスのバーキンやシャネルのバッグで現れただけに、 「かなり見劣りがした」 とファッション・インサイダーに指摘されていたのだった。

さて、今回の訪英に際して、カーラが持参したアウトフィットやバッグ、シューズを含むアクセサリーは、全てカーラの依頼を受けたフレンチ・ブランドが 特別にクリエイトしたもの。
一部には、ヌード写真が公開されたため、わざとコンサバなアウトフィットを選んだのでは?という憶測も報道されていたけれど、 サルコジ大統領の訪英は、昨年秋前には決定していたもので、これがファースト・レディになったカーラの インターナショナルなお披露目イベント となることは当初から明らかであったために、全てのアウトフィットやアクセサリーは、かなり前から準備されていたものである。

ファースト・レディになってからというもの、ウェディング・ドレスも、初めての公式ディナーの席でも ジャン・ポール・ゴルティエがデザインするエルメスのドレスを着用したカーラであるけれど(写真右)、 今回の2日間の訪英のアウトフィットは全て サルコジ大統領が彼女にプレゼントしたエンゲージメント・リングのブランドでもあるクリスチャン・ディオールのもの。 ディオール以外ではロジェ・ヴィヴィエが一部アクセサリーを提供したと言われている。
初日のロイヤル・ファミリーを中心のイベントの際はネイビーやグレーなどの地味なカラーで、翌日の政治家や財界人、ソーシャライトを中心としたイベントでは、 パープルやワイン・レッドなどのカラーを打ち出したアウトフィットにしていたのが今回のカーラの訪英のファッション・ストラトジー。 また女王陛下の前で女性がパンツルックを着用することは許されないので、初日はスカート、2日目は彼女らしいパンツルックが登場するという 構成になっていた。
そしてファースト・レディらしく、スカートを着用の際はきちんとストッキングを履いているところが、スーパーモデル時代の ”磨き上げた素足にハイヒール”のカーラとは異なる点。 そして指先も、フレンチ・ネールさえしていない透明のマニキュアに短い爪という地味さである。

さてそのファースト・レディのマナーとしては、彼女と対話する機会を持った人々はそれぞれに、 彼女の美しさとエレガントさを称えていたけれど、それと同時にカーラの悪女的魅力も感じ取っていたとのことで、 ロンドンのデイリー・テレグラフ紙は、 「カーラをフォトスタジオから連れ出して、エリゼ宮に住ませることは出来ても、 カーラの中からスーパーモデルのパーソナリティを抜き取ることは出来ない」と記事の中で述べている。
その一方で、夫のスピーチの最中に腕組みをしたり、疲れが出てくると肘を突いて それが表情に表れるなど、 撮影のカメラに向かってポーズをすれば良いモデルと、常にレンズが向けられているファースト・レディの違いを 学ぶべき との 厳しい指摘も聞かれているという。

以下、今回の訪英でスナップされたファッションをご紹介すると・・・


写真上、左はエリザベス女王がホストする ロイヤル・ファミリーとのホワイト・タイの晩餐会でのクリスチャン・ディオールのドレス。 ドレスは「シックであるけれど無難」、「地味」と指摘され、アップにしたヘアは「老けて見える」 と、決して評判が良くは無かったアウトフィット。

右側はその翌日のギルド・ホールでのホワイト・タイ・ディナーでのスナップ、クリスチャン・ディオールのストラップレス・ドレスと 美しくカールされたヘアは、元スーパーモデルのゴージャスさを存分にアピールしていた。 それでも足元のクリスチャン・ディオールのローファーがせっかくのアウトフィットを台無しにしていたという印象。 これだけドレスアップしたら、足元はイヴニング・サンダルを履くべきという指摘が ファッション関係者の中には多かった。身長176cmで、夫より10cm以上背が高いカーラの場合 ハイヒールというチョイスは無いにしても、ローファーとドレスの色と合わせるか、さもなくば、もうちょっと繊細なデザインの シューズを選んで欲しかったという印象。



写真上左は、夫妻揃ってのギルド・ホールでのホワイト・タイ・ディナーでのスナップ。 サルコジ大統領のホワイト・タイは、プラダで 特注したもの。今回の訪英ではカーラと身長の差がそれほど目立たなかったので、 大統領のシューズに細工があるのでは?との憶測を呼んいる。
ちなみに大統領は カーラとの結婚後、彼のトレードマークだったロレックスの時計をパテック・フィリップに替えており、 これも ”カーラ効果” と呼ばれている。

写真右側は、2日目にカールトン・ガーデンで行われたイベントに登場した際のカーラ。 「来賓客がオーバードレスアップしているように見えてしまった」 と言われるほど、カーラがカジュアル・シックで装っていたアウトフィット。 コートも、シャツ&パンツも全てディオール。



写真上は 初日の日程中、イギリス議会を訪れた際のアウトフィット。グレーのウールのドレスに、ネイビーのコートというコーディネート。 一番左のスナップは、ボディ・ランゲージで疲れが出ているとメディアに指摘されたもの。


さて、出会ってから約80日でスピード結婚した2人であるけれど、結婚後初めてインタビューに応えたカーラによれば、 「決して早すぎたとは思わない」どころか 「それでも時間を掛けすぎたくらい」と表現されるもの。
彼女がファースト・レディになったのを前後して、フランスではカーラに関する書籍が3冊出版されているけれど、 それに書かれていた内容によれば 2人のロマンスは、決して 偶然の衝撃的な出会いではなかったようである。
2人が出会ったのは、友人が主催するディナー・パーティーとされているけれど、そもそも このパーティーはサルコジ大統領が 友人であるジャック・セギュー氏に依頼してセットアップさせたもの。当時、離婚したばかりだった大統領は 「自宅で1人で過ごしていると落ち込むので、(自分のために)ディナー・パーティーを計画して欲しい」 と依頼してきたそうで、そのパーティーに カーラ・ブルーニのミュージック・パフォーマンスを入れるようにと リクエストしてきたとのこと。
一方のカーラは、大統領出席のディナー・パーティーのインヴィテーションを受ける前から、 公にサルコジ氏の政治ポリシーに共鳴していることや、彼がチャーミングであることを 語っていただけでなく、「核爆弾が落とせるようなパワーがある男性が好み」ともコメントしていたという。
すなわち2人が出会ったディナー・パーティーは、妻とまでは行かなくても 新しいパートナーが欲しかったサルコジ大統領と、 パワフルな有名人と浮名を流すのがライフ・ワークになっているカーラが お互いに 意図した出会いだったようである。

そのディナー・パーティーでは、カーラは7曲のパフォーマンスを披露したけれど、曲が終わる度に「ブラボー」とテーブルを叩きながら 叫んでいた サルコジ氏の姿は、パーティーに列席していた他7人のゲストを驚かせており、 その後2人は、他のゲストを無視したまま 2人きりで2時間も喋り続けていたという。
その後、外に車を待たせてあるか?を大統領に尋ねたのがカーラで、2人は連れ添ってパーティーを後にしたけれど、 パリ8区にあるカーラのアパートに到着して、大統領を 部屋でのコーヒーに招待した カーラに対して、「最初のデートでは関係を持たない主義」 としてこれを断わったのがサルコジ氏。 もちろんこれはプレーガール、カーラに対する大統領の戦略だったのは言うまでも無いこと。
一方のカーラも 決して負けてはいなくて、大統領の車が走り去ってから パーティーのホストであるセギュー氏に電話をして、 その日のお礼を述べると同時に、セギュー氏からサルコジ氏へのフィードバックが行くのを見越して、 「大統領が私を残して帰ってしまってから もう5分が経つけれど、彼は未だ電話をして来ないわ」 と、 サルコジ氏に自分を口説くための 自信を持たせる根回しをしてきたという。

その後スタートしたのが、サルコジ大統領からカラーへのテキスト・メッセージ攻撃と、高価なフローリストからの花束や、 エルメスからの高額ギフトの数々を贈りつけるというプレゼント作戦。また大統領の特権ともいえる、 エリゼ宮でのディナー・デートも頻繁に行われていたという。
しかし、そのプロポーズは決してロマンティックなものではなかったそうで、 「自分には対外的なクソ事情があるから、3週間以内の年内までに返事をしてくれ」と 放送禁止用語を交えながら 語ったことが伝えられている。
また、大統領がカーラに贈ったクリスチャン・ディオールのハート・シェイプのピンク・ダイヤモンドのエンゲージメント・リングは、 前セシリア夫人に贈ったものと酷似していたことがメディアで指摘されていたけれど、 実際にはカーラに贈ったものの方が高額であったこともレポートされている。

でも、カーラ・ブルーニといえば、既に報じらている通り、エリック・クラプトン、ドナルド・トランプと浮名を流しただけでなく、 モデルのジェリー・ホールと結婚生活を続けていたミック・ジャガーと自分の密会写真を パパラッツィに自ら情報を流してスナップさせるなど、恋愛の戦略家として知られる存在。 でも彼女にとって最もスキャンダラスだった恋愛は、 作家のジュスティーヌ・レヴィと結婚していた哲学者ラファエル・エントヴァンと 不倫の末の略奪愛で 結ばれたことで、この時カーラは ラファエルの父親の恋人として彼に出会っている。 その後2人の間には息子が生まれるものの、数年後には離婚をしている。


一方の二コラ・サルコジ大統領の方も大の女性好きで知られる存在で、その”女癖の悪さ”は離婚したセシリア夫人が著書の中でも暴露しているもの。 彼は、女性を自宅での 夜中のカラオケ・パーティーに誘うのが 口説きの手段であったという。
その大統領がセシリア夫人との離婚後に最も恐れていたと言われていたのが今回の訪英。
国賓として1人でイギリスを訪ずれて、エスコートする女性無しで女王陛下がホストする晩餐会等のイベントをこなすのは、 かなり気が重いことだったようである。
だからと言って カーラとの結婚が サルコジ大統領がイギリスに1人で行きたくないから 実現したという訳ではないけれど、 彼が「対外的」を理由に 結婚を急いだ 大きな部分を占めていると言われるのがこの訪英で、 2人が訪英中ずっと手を繋いでいたのも、愛情表現と同時に、お互いの緊張をほぐすため とも分析されているものである。
また サルコジ大統領としては、メディアや王室関係者の関心がモデル出身の新米ファースト・レディ、カーラに集中しているのは 政治的に有り難いこと。
ところで本国、フランスにおける カーラのファースト・レディとしての初の大役のリアクションは、 「思ったよりもまともだった」というものから、「フランスが世界のファッション・キャピタルであることをイギリスに示した」 というものまで、 総じてポジティブなものだった。

さて当初 危惧されたのが、「複数の夫を持つのが自分には合っている」 などと コメントしていたカーラとサルコジ氏の結婚が 何時まで続くか?ということであったけれど、 カーラは2月2日の挙式以前に、大統領との結婚についての契約書にサインしており、そこにはサルコジ氏が大統領である任期中には 離婚をしないことが記されているとのこと。 したがって、フランス大統領の前代未聞の ”任期中2度目の離婚 ” という事態が 起こらないことだけは確かのようである。