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Fall & Winter 2006 Paris Collection
2006年秋冬Paris コレクション・レビュー!!
On The Runway, What's New For The Season?
3月1週目、オスカー・ウィークに重なって行われた2006年秋冬シーズンのパリ・コレクション。
このスケジュールのため、パリのデザイナーの作品は、それほどオスカーのレッド・カーペット上には登場していなかったけれど、
コレクション全体としては、まだまだ世界のスタイル・トレンドはパリがリードしていることを見せ付けた質の高いものとなっていた。
プレゼンテーションとしては、不健康に見える白塗りメークや、顔をマスクで被ったり、インパクトのあるヘッド・ピースを付ける等、
相変わらず、アーティスティック=クレージーな傾向も多く見受けられていた。
さて、今シーズンと言えば、ニューヨーク、ロンドン、ミラノのコレクションから明確になってきたトレンドとして、
80年代の、構築的なシルエットというのがあるけれど、これはパリでも顕著に見られていたもの。
チューリップ・スカート、トランペット・スリーブといった80年代的なデザインも多くのデザイナーが手掛けていたし、
様々なレイヤーリングが見られたのも、他の都市のコレクションと同様の傾向。
またカラー・パレットもブラック、グレー等、ダークなものが多かったけれど、パリでは
カラーに止まらず、デカダンスを感じさせるダークな印象のコレクションが多く、
そのダークなエレガンスが一際輝いて見えたのが今シーズン。
以下、主だったデザイナーの各コレクションをご紹介します。
(写真右:ルイ・ヴィトン、 写真左:バレンシアガ)
写真上左より
アレクサンダー・マックィーン :
常にショーマンシップに溢れるコレクションを展開するアレクサンダー・マックイーン。今シーズンは、
彼自身のスコットランドのルーツを感じさせるキルトやハンティング・スーツがロマンティックなテイストで登場し、
最後はシアトリカルなヴィクトリアン・イヴニングのシリーズで締めくくったコレクション。
モデル達が蝶のように見える鳥の羽根のオーナメントを、髪につけて登場したのが最もインパクトの強いアクセサリーだった。
バレンシアガ :
クリストバル・バレンシアガの原点に立ち返ったような、ドラマティックなシルエットをモダンに再現して、
今シーズンのパリのベスト・コレクションと言われたのが、ニコラス・ゲスキエールがデザインするバレンシアガ。
実生活の中で、着用できる服もあれば、モードの1ページとして終わる作品もあったけれど、
プレスとバイヤーがため息をもらしながら、目がランウェイに釘付けになった傑作コレクション。
シャネル :
ニー・ハイ・ブーツとショート・スカートのドレスやスーツで幕を開けた今シーズンのシャネル。
同じホワイトのブーツは、イヴニング・ガウンに至るまで、ショーのあらゆるコーディネートに見られたけれど、
これによってあえてカラーとシルエットのバランスを崩して、若さを強調しようとした試みは残念ながら失敗。
写真のシフォンのロング・ブラウスとシャネルジャケットのレイヤーは、服のムーブメントを重んじた今シーズンのベスト・コーディネート。
エルメス :
ジャン・ポール・ゴルチェがデザインするエルメスは、彼自身のコレクションより大人しく、
エルメスのクラシックなブランド・イメージを反映して、素材の良さを存分に強調したもの。
エルメスが馬具ブランドからスタートしたことを思い出させるかのように乗馬ハットを被ったり、鞭を持ってモデルが登場していた。
ブラック・レザーのケープのようなエッジーなスタイルも数点見られたけれど、もっぱら人々の視線はモデルが手に持っていた
新しい素材やスタイルのケリーやバーキンに注がれていた。
フセイン・チャラヤン :
飛行機の中で付けるネック・ピロウ(首枕)のように、詰め物が入った立体的なレザー・カラーのジャケットとドレスで幕を開けたコレクション。
これに象徴されるように、ショー全体にフューチャリスティックなディテールを盛り込んだデザインが盛り込まれていたけれど、
これらは成功しているとは言い難いアイテム。それよりもシンプルなフォルムのドレスやコートに評価が集まっていた。
写真上左より
ジョン・ガリアーノ :
クリスチャン・ディオールのデザインも手掛けるジョン・ガリアーノであるけれど、自身のブランドの方が デザイナーの本音が出る分、
よりハードコアな仕上がりになるのは毎シーズンのこと。今回は不気味とも言える不健康メークもさることながら、
ビッグな ソバージュ・ヘア、テンガロン・ハットを始めとする帽子の数々、そしてフラット・シューズンのせいで、
ヒールを履けば10頭身のモデル達も 5頭身に見えていた。
服としては今シーズン頻繁に見られるミリタリー・テイストがアメリカン・ウェスタンの騎兵隊ルックとして取り入れられいたのを始め、
開拓者時代のアメリカン・スタイルのアレンジが、カントリー・ミュージックをBGMに展開されるものだった。
ドリス・ヴァン・ノッテン :
ゴールド・リーフでデコレートされた今シーズンのドリス・ヴァン・ノッテンのランウェイで展開されたのは、
ミスマッチな異素材の巧みなコーディネートやレイヤーリング。今シーズンの新しい試みとしては、
バスト・ラインの10cm上を、リボンで結ぶデザインで、ジャケットやブラウスに繰り返し登場していた。
ルイ・ヴィトン :
ニューヨーク・コレクションでデザイナー、マーク・ジェイコブスが見せた作品の数々を
ルイ・ヴィトンのテイストに落とし込んでクリエイトしたようなコレクション。
しかしながら、バイヤーとプレスのリアクションは、マーク・ジェイコブスのコレクションの方が遥かに評価が高かったのが実際のところ。
違いとしては、ヴィトンのコレクションにはマーク・ジェイコブスに見られたセンシティビティや、優れた単品アイテムが生み出す
レイヤー・コーディネートの妙が見られないことが指摘されていた。
ケンゾー :
ルイ・ヴィトンの傘下にあるケンゾー。プッチーニのオペラ「トゥーランドット」がインスピレーションだったという今回のコレクションで、
デザイナーのアントニオ・マーラスが見せたのは西洋人がイメージするモダンなチャイニーズ・プリンセス。
これをいかにもケンゾーらしいカラフルなニットやエスニック素材で表現した作品の数々が登場していた。
クリスチャン・ラクロア :
メンズとウーマンズをミックスした、全57点を見せたショー。80年代の構築的なシルエットがカムバックしているだけに、
80年代後半、彼が世界のファッションにセンセーションを巻き起こした時代のスタイルのモダンなリピートを期待したプレスやバイヤーも居たけれど、
今シーズンはそれよりも遥かに大人しく、インパクトにも欠けたコレクションに仕上がっていた。
写真上左より
クロエ :
クロエをホットなブランドに仕立て上げたフィービー・フィロが、家族との時間を大切にしたいことを理由にクロエを去ってしまったため、
彼女の下で働いていたデザイン・チームによってクリエイトされた今回のコレクション。そんなデザイン側への偏見は抜きにしても、
肝心なヘッドを失った、以前のクロエとは似て非なるコレクションに仕上がっていたのが今回。やはりこのクラスのブランドのコレクションには、
リーダーとなるデザイナーのはっきりした方向性や個性が無ければ、単なるアパレル会社のコピーのように見えてしまうことを
実感させられたショーだった。
リック・オーウェン :
細身のシルエットのレイヤーを得意にするリック・オーウェン。カリフォルニア出身で、以前はニューヨークでコレクションを発表していた彼であるけれど、
その彼の持ち味は、パリでショーを行う今も、全く以前と変わらないもの。でも今シーズンは、
彼のレザー、カシミア、ウールフェルトを用いたコクーンのようなレイヤーとダークでデカダントなイメージがトレンディに感じられたと同時に、
バイヤーやプレスからも評価を集めていた。
パコ・ラバンヌ :
デザイナーのパトリック・ロビンソンが、6シーズン前に、ニューヨークのペリー・エリスのデザイナーとして、同ブランドを復活させたのは
ファッション関係者の間では未だ記憶に新しいところ。でもパコ・ラバンヌに関しては、未だにブランド・イメージの解釈に苦しむ
コレクションを展開しているのは作品から見て取れるところ。シンプルな作品ほど服のデザインとしては成功していたけれど、
残念ながら、そういった作品からは 彼のクリエイトするパコ・ラバンヌのイメージが見えてこないのも事実。
ロシャス :
オリビエ・ティスケンスが手掛けるロシャスは、オープニングでモデルがミニチュアの梯子を手に持って登場。
その後もモデル達が、梯子に見立てたヘア・バンドを着けて登場していたけれど、この梯子が意味するのは、ティケンスが
今シーズンのインスピレーションを得た「煙突掃除人」。このインスピレーションを反映して、カラー・パレットはブラックとグレーが中心であったけれど、
作品そのものは、ブルー・カラー・ウォーカーとは無縁の、細身のパンツ・スーツから、ショート丈のドレス、イヴニング・ガウンまでをフィーチャーした
ダーク・エレガンス。
ミュウ・ミュウ :
今シーズンが、パリ・コレクションデビューとなったのがミュウ・ミュウ。リブ・ゴーシュ(左岸)のクラシックなレストラン、Laperouse を会場に
行われたショーで見せたのは、ミューシャ・プラダ曰く 「基本的にはプラダと同じ流れであるけれど、よりエンジェリックな(天使のような)作品」。
スカート丈は短めで若々しく、生活の中で着用し易いアイテムが多い点が好評だった。
写真上左より
エリー・サーブ :
オスカードレスの常連デザイナーとしても知られるエリー・サーブ。ショー全体がブラック&ホワイト、リボン、フリル、シフォン、フラワー、レース
で構成されていたコレクション。
ヴァレンティノ :
ブラック&ホワイトで幕を開け、最後はヴァレンティノ・レッドのイブニング・ガウンで締めくくったコレクション。
イヴニングの前に見せたミニ・ブラックドレスのセクションが最も纏まったクォリティであったけれど、反面失敗していたのは
ショーの中盤に見せたジャン・ミシェル・バスキアのペイントをプリントにフィーチャーした、パステル・カラーのシリーズだった。
ヴィクター&ロルフ :
モデルが笊のようなマスクで顔を被って登場したコレクション。ヴィクター&ロルフが不思議なプレゼンテーションでモデルをランウェイに
送り出すのは決して珍しいことでは無いけれど、服そのものはシックなミニ・ブラック・ドレスから、モダンなツイストを加えたトレンチ・コート、
そしてスカートにボリュームを持たせたイヴニングまで、エッジーでありながら、正統派のエレガンスを追及したものに仕上がっていた。
ジヴァンシー :
先シーズンからリカルド・ティッシがデザインを担当するジヴァンシー。第1回目のコレクションはあまりに不評で、今回のコレクション直前も、
経営側が彼に代わって、ローランド・ムーレをデザイナーにヘッドハントしようとしているとの噂も流れていたけれど、
今回は、その評価がかなりアップ。ブラック、ホワイトに加えてシーズンのトレンド・カラー、レッドを旨く使った構成も評価されていた。
クリスチャン・ディオール :
ジョン・ガリアーノがデザインするディオールは、モデル達がロング・ストレート・ヘアに太いヘアバンド、そして大きな黒いサングラスをして、
ロッカーの雰囲気で登場。パット・べネターやボン・ジョビのBGMが、そのロック・コンサートのムードを盛り上げていたけれど、
イヴニングのセクションに来ると、サングラスに変わって、大きな真っ赤なクロス(十字架)のネックレスが
アクセサリーとして取って変わっていたのが印象的だった。服自体はハード・エッジな作品に混じってソフト・エッジなコーディネートが若干登場していた
という印象。
写真上左より
ステラ・マッカートニー :
ニット素材とルースなシルエットが目立った今シーズンのステラ・マッカートニー。
昨年11月に発売された、ステラ・マッカートニー For H&M のコレクションの方がエキサイティングだったとの指摘もあったけれど、
そのH&Mで数分で完売したニット・ブルゾンも、デザインとカラーを刷新して登場していた。
ソフィア・ココサラキ :
今も、アテネ・オリンピックの開会式の女神のドレスが その代表作と言われるソフィア・ココサラキ。
ブラック、ブラウン、グレー、ホワイトという無彩色のパレットに、終盤で、ゴールドのカクテル・ドレスを加えたコレクションは、
全てにおいて中途半端で、インパクトに欠けるという印象のコレクションに仕上がっていた。
ソニア・リキエル :
殆どのモデルがニットの大きめのベレーを被って登場したソニア・リキエルのショー。今も「ニットの女王」の
肩書きは健在で、ショーの終盤に見せたレースのスケスケのドレスのシリーズや、タキシード感覚のパンツ・スーツよりも
オープニングから前半で見せたニット・コーディネーションが好評を博していた。
エマニュエル・ウンガロ :
今シーズンから経営が変わり、それと同時にデザインも ノルウェイ系アメリカ人、ピーター・デュンダ率いるチームが
担当するようになったエマニュエル・ウンガロ。ピーター・デュンダは、つい最近までロベルト・カヴァーリの下で働いていたデザイナーで、
よりセクシーでモダンにブランドを生まれ変わらせ、若い客層を獲得しようという狙いが感じられたコレクション。
ジャン・ポール・ゴルチェ :
今シーズンは、時折モデルが犬やネコ、それも見た目にかなりインパクトがある変わった犬やネコを連れて
ランウェイに登場して、それがプレスやバイヤーの間では 総じて不評を呼んでいたゴルチェのコレクション。
メンズ数点を含む67点を見せたショーは、ペットの登場無しでも十分にエンターテイメント性もあれば、
ファッション・ショーとしても充実したものだっただけに 残念なばかり。
写真上左より
ヨージ・ヤマモト :
レイヤー・ルックが多い今シーズンの中でも、ひと際ビッグなシルエットで、マニッシュなレイヤーを見せていたのが、
ヨージ・ヤマモト。多くファッション関係者が そのビジョンに着目するのがヨージ・ヤマモトのコレクションであるけれど、
ニューヨークのデザイナー、ドナ・キャランもその1人で、客席とバック・ステージに姿を見せていた。
バイヤーの間ではコートに秀作が見られたと評判。
コスチューム・ナショナル :
エンニョ・カパサがデザインするコスチューム・ナショナルは、ミラノ・コレクションにおけるマックス・マーラのように、
ランウェイにリアリティが反映されているブランド。
今シーズンは、ほぼ全アイテムがブラックとグレーで展開されており、着用オケージョンが容易に頭に浮かぶような
スーツ、ニット、コート、ドレスが登場していた。
ランバン :
2〜3シーズン前のウルトラ・ホットなBuzz(バズ:騒ぎ)は一段落した感があるランバン。デザイナーのアルベル・エルバが今シーズン見せたのは、
膝丈のドレスとタキシード・アレンジのパンツ・スーツやニット。デザイナー本人も蝶タイの愛用者であるけれど、
アクセサリーとして、蝶タイが様々なコーディネートに登場しており、それと同時に評判だったのはサテン素材の切り替えドレス。
昨年秋冬大ヒットしたファッション・ジュエリーは今シーズンも同じようなタイプがリピートされていた。
アントニオ・べラルディ :
パリ・コレクション参加2シーズン目となるアントニオ・べラルディ。今回は、彼が得意とする構築的なシルエットが
カムバックして来ているけれど、「Orverdone / オーバーダン」、すなわち「やり過ぎ」というリアクションが聞かれており、
何がやり過ぎかと言えば、「シルエットを絞り過ぎ」、「セクシー過ぎ」、「デコラティブ過ぎ」というのがその具体内容。
同じコレクションを80年代に見せていたら、メガヒットになっていたかも・・・。
コム・デ・ギャルソン :
今回は多くのモデルが「オペラ座の怪人」や、ヴェニスのマスカレードのようなマスクを付けてランウェイに登場したコレクション。
ヨージ・ヤマモト同様、多くのデザイナーやファッション関係者がそのビジョンやコンセプトに注目するのが
コム・デ・ギャルソンであるけれど、レイ・カワクボのコメント曰く、今シーズンのコンセプトは「ペルソナ(人格)」。表の人格と
裏の人格を表現したという作品は、ビッグシルエットの服の中にマニッシュとフェミニンが混在するような仕上がりで、
いつもながらプレスはコレクションに評価を下すよりも、コレクションの解釈を模索するようなレビューを行っていた。
写真上左より
アンドリュー・ゲン :
ファー・カラー付きのAライン・コートに秀作が多かったコレクション。
殆どの作品のアクセサリーにジェット・ジュエリーとブラック・レザー・グローブが登場していたけれど、
実はアンドリュー・ゲンは、今シーズンからコスチューム・ジュエリーのコレクションもスタートしている。
彼のジェット好きは、ジェット・ビーズをあしらったコート(写真上)、ジャケット、スカート、ニットにも反映されており、
それがコレクションに高級ヴィンテージっぽい雰囲気を与えていた。
セリーヌ :
マイケル・コースが復活させたブランド・イメージをロベルト・メニチェッティが引き継ぎ、その後を現在のデザイナー、イヴァナ・オマヅィックが
引き継いで2シーズン目になるセリーヌ。
ショーのリアクションとして確実に言えるのは、先シーズンの春夏コレクションよりも進歩しているということ。
それでも未だデザイナーのブランド解釈の曖昧さを感じさせると同時に、マイケル・コース時代のセリーヌの持ち味であった
「リッチでセンスが良い女性が、肩の力を抜いてファッショナブルに装う雰囲気」が欠落していて、
「頑張り過ぎるスタイリッシュ」になっているところは、未だ彼女の経験不足を感じさせるところ。
マルタン・グラント :
16世紀の肖像画家、コルネイユ・ド・リヨンからインスピレーションを得たという今回のコレクション。
マルタン・グラントといえば、その完璧なテーラー・テクニックでも知られるけれど、今回は、それを美しいトランペット・スリーブのシェイプで、
存分に見せ付けていたという印象。一部垢抜けない印象のアイテムが含まれていたのと、リヨンのペイントを真似たメークアップが
どのモデルにも似合わず、不自然に受け取られていた。
イヴ・サン・ローラン :
デザイナーのステファノ・ピラーティ曰く「女性が着たがるパワフルな服、着まわしが効くユニフォームのような服」がコンセプトだった今シーズン。
以前のデザイナーである トム・フォード色が完全に払拭された一方で、「オリジナルのイヴ・サンローランの50年代、60年代への回帰が感じられる」という声と、「オリジナルのサンローランとは全く別物になりつつある」という声の両方が聞かれていたコレクション。
バイヤーやプレスの間では好き嫌いが分かれていたけれど、モデルのボディに着せても、バランスの悪いアイテムが何点も見られたのは事実。
ヴェロニク・ブランクィーノ :
メンズ仕立てのコートやパンツ、シャツがダーク・カラーで展開される中に、シンプルなドレスやブラウス、ロング・スカートが見られたコレクション。
メンズとウーマンズの境界線を取り払ったようなコレクションを展開して久しいヴェロニク・バランキーノであるけれど、
ドレスやスカートを着用したモデルが中性的に見えた反面、メンズ仕立てのアイテムを着用したモデル達はセクシーに見受けられていた。
写真上左より
アクリス :
過去2〜3年売り上げを伸ばしているブランドであるけれど、今シーズンは目玉になるようなスタイリングの打ち出しが無く、インパクトに
欠けるコレクション。本来は、都会的でモダンでシンプルが持ち味のブランドであるものの、
今回はシルエットがキレイに出ない服が多く、結果的にモデルが着用してもスタイルが悪く見えるようなアイテムに溢れていた。
アン・ドゥムルメステール :
メンズ7点を含む36点のコレクションを発表したアン・ドゥムルメステール。世の中がどんなトレンドを追いかけても、
常に自分のスタイルのみを追求してきた彼女だけれど、今シーズンに関しては、世の中のトレンドが彼女のテリトリーに足を踏み入れたという雰囲気で、
黒一色のアーバン・フェミニンルックを中心に バイヤーやプレスを喜ばせる 秀作を展開していた。
ニナ・リッチ :
かつてビル・ブラスのデザイナーを務めていた時よりも、若々しいコレクションをニナ・リッチで展開しているラース・ニルッソン。
今シーズンはオーガンジーやシフォンをレイヤーにしたドレスが多かったけれど、成功しているアイテムもあれば、失敗しているアイテムもあるという印象。
また色遣いにも彼独特の持ち味があって、それも好き嫌いが別れるところ。
終盤に見せたロングのイヴニング・ガウンのうち、終わりの5点は無くても良いような出来だった。
ジャンバティスタ・ヴァリ :
2005年の春夏コレクションが大好評だったジャンバティスタ・ヴァリ。それだけに春夏ラインの延長でコクーンやトラペーズ・シェイプを期待したバイヤーは
多かったけれど、今シーズンは、クリスチャン・ディオールが50年代にクリエイトした”ニュールック”、すなわち、
ふくらはぎ丈のフレアー・シルエットをメインにしたラインに転換が図られていたコレクション。
終盤で見せたゴールドを中心にしたアフター・エイト用のフォーマルよりも、前半のロマンティックな装いの方が優秀だったコレクション。
ジュンヤ・ワタナベ :
電気系統の問題のため、予定より遅れてスタートしたコレクションは、アーミー・グリーンとカモフラージュで埋め尽くされたもの。
モデル達は全員、ガスマスクやSMマスクを彷彿させるヘッド・ギアを付けて登場しており、先ずはそのアナーキーなプレゼンテーションの
インパクトに圧倒されてしまうけれど、コーディネートを構成する単品に目を移すと、
日常のワードローブに取り入れ易いアイテムが多く、その点がバイヤーに評価されていたコレクション。
Photo: Style.com
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