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Spring & Summerer 2007 Paris Collection
2007年春夏Paris コレクション・レビュー!!

On The Runway, What's New For The Season?
10月1週目に行われた2007年春夏シーズンのパリ・コレクション。
今シーズンは、ニューヨークとミラノが期待ハズレの出来と言われ、その間に行われたロンドンが
思いの他好評だっただけに、パリにシーズン最後の望みを掛けたバイヤーは多かったけれど、
その期待を裏切ることなく、ファッション・キャピタルの健在ぶりを示したのがパリ・コレクション。
バイヤーに好評だったのは、クリエーションやアート性に走らず、「Salable & Wearable / セイラブル&ウェアラブル」という
「売れる&着れる」作品の数々。
トレンドとしてはトラペーズ・シルエット、サック・ドレスは多くのデザイナーが手掛けていたもの。
スカート丈は圧倒的にショートで、シューズやバッグは服同様、控えめの主張のものが多かったのが特徴。
カラー・パレットは引き続きブラック&ホワイトが強く、これにグレー、ベージュといったニュートラル・カラーや
ブルー、イエローといったヴィヴィッドなカラーを加えるのが最も一般的な傾向。
さらに、80年代ブームが一段落した今シーズンはフューチャリスティック、すなわち未来的なテイストやデザイン、素材使いがもてはやされ、
SF映画の登場人物のようなルックが目を引いた一方で、ロリータ&カワイイ・ルック、クラシック・エレガンスも見られ、
他の都市に無いヴァラエティを提示していたシーズンでした。
(写真右:ルイ・ヴィトン、 写真左:アレクサンダー・マックィーン)
写真上左より
エマニュエル・ウンガロ :
アメリカ人デザイナー、ピーター・デュンダ率いるデザイン・チームがクリエイトした2シーズン目のコレクションは、
非常にカラフルなパレットで展開されていたのが印象的。一部にラスヴェガスの衣装のようなアイテムが見られたけれど、
オリジナルのウンガロらしさが表現されたドレスが何枚も登場していたのは好感が持たれるところ。
イヴ・サン・ローラン :
ファッション業界では高く評価する声があるものの、ビジネス的にはまだまだサンローラン・カストマーのハートを掴んだとは言えないのが、
デザイナーのステファノ・ピラーティ。今回のコレクションもバランスの悪い服、着こなしが難しい服が多く、一部に秀作が見られるのみの
ラインナップとなっている。
アレクサンダー・マックィーン :
ルイ・ヴィトンと並んで今シーズンのパリの目玉コレクションとなっていたアレクサンダー・マックィーン。
彼のキャリアの中でも、最もドラマティックなコレクションと言われた今回は、クラシックなファッションの美しさを存分に追求した
芸術性の高い仕上がり。
ソフィア・ココサラキ :
デザイナー曰く、 「ソフトに仕上げた」という今回のコレクションは、その通り柔らかい素材で仕上げたミニ・ドレスが目立っていた。
でもカール・ラガーフェルドとヴァレンティノに挟まれたショーのスケジュールのせいで、モデルの到着が遅れて ショーが予定より1時間オーバーして
スタート。一部の観客を失ってしまったのは気の毒な限り。
ジョン・ガリアーノ :
モデルが付け眉のメークで登場していたジョン・ガリアーノのランウェイであるけれど、売るにも、着るにも難しかった先シーズンに比べると、
遥かに親しみ易い作品に溢れていたのが今シーズン。
写真上左より
バルマン :
先シーズンから、2004年3月以来ショーを行っていなかったバルマンがパリ・コレに復活しているけれど、
その復活バルマンでクリエイティブ・ディレクターを勤めているのが、パコ・ラバンヌで7年間修行をした経験を持つクリストフ・デカルニン。
メタリック素材の使い方にラバンヌの影響を感じさせるコレクションは、若々しいミニ丈のドレスや、パンツ・ルックで占められたもの。
クリスチャン・ディオール :
常に、ロック・スターのようなエッジーなファッションを展開してきたジョン・ガリアーノがデザインするクリスチャン・ディオール。
でも今シーズンは、マダム達がハイティーを楽しむようなスーツのシリーズからスタートし、その後に登場したドレスやイブニングも
一部ではガリーアーノ・ヴァージョンの”Zen/禅” といわれるほど 落ち着いた雰囲気のものに終始したコレクション。
華やかさには乏しいけれど、バイヤーには歓迎されていたという印象。
エリー・サーブ :
今シーズンは、ゴールド・トーンというシングル・カラー・パレットで仕上げられたコレクションを展開。
ミニ丈のカクテルドレスの中には見分けがつかないほど似通ったドレスも見られたけれど、総じてレベルが高かったコレクション。
ランヴァン :
ファッション業界の中では、以前ほどのBuzz/バズ(騒ぎ)はなくなっているけれど、今回のパリ・コレのトリを飾ったと同時に、 最も手に入り難いチケットの1つだったのが、ランヴァンのショー。前半はフューチャリスティック、終盤はモダンなグリーク・トーガのようなシルクドレスで締めくくられていたけれど、シーズンをリードするようなスタイルの打ち出しは見られなかったコレクション。
リック・オーウェン :
シフォンやオーガンジーなど柔らかい素材で、ファンタジックなアヴァンギャルド・ファッションを展開したコレクション。
写真上左より
ヴィクター&ロルフ :
クリスタルというよりは、ガラスの破片を貼り付けたようなストッキングと、星のモチーフが目立っていたコレクション。
男女のカップルのダンスで幕を開け、エンディングは燕尾服を来た男性同士のダンス・ペアが数組登場して、
ゲイ・カップルについての政治的メッセージとも取れるプレゼンテーションが行われていたけれど、コレクション自体は、
これまでの彼らのショーの中では中くらいの出来。ブロードウェイ・ダンサーの衣装のようなレオタード・ファッションもあれば、
令嬢風のドレスもアリという、まともと不思議が混ざったコレクション。
ジュンヤ・ワタナベ :
スプリング&サマー・シーズンながらも、大半をダーク・スーツが占めていたコレクション。同様の試みはヨージ・ヤマモトやアン・ドゥムルメステール
の作品にも見られていたけれど、終盤のシャツドレスとカマー・バンドのコーディネートは成功していたアイデア。
バレンシアガ :
今シーズンのパリで、ロボット・ルックとして騒がれたのがフューチャリスティックの頂点を極めたバレンシアガのコレクション。
2段肩パットのジャケットや、メタル素材のパンツなど、限りなくファッションというよりコスチュームという印象で、
宇宙戦士のようなコーディネートが目立っていた。ここまで来るとプレスも賛否を唱える人など居らず、そのアイデアの面白さを
楽しむと同時にクリエーションの妙を称える向きが多かった。
アン・ドゥムルメステール :
メンズとレディースをミックスして見せたプレゼンテーション。レディースだとエッジーな印象のブラウスやパンツのコーディネートも、
メンズとしてみると、時代遅れのロッカーのように見えてしまうのに加えて、季節感ゼロのブラックのパンツ・ルックで埋め尽くされた
コレクション。
エルメス :
トレンドには全く無関係に、リッチなソーシャリートのためのリゾート・ファッションがクリエイトされていたエルメス。
でもその多くはクラシックというより、オールド・ファッションという印象で、ラグジュアリアスな雰囲気も演出されていないという寂しさ。
デザイナー、ジャン・ポール・ゴルチェが自らのブランドの30周年コレクションで忙しかったためか、
「エルメスを買えるようなリッチな女性達は、もっとスタイリッシュに装うはず」という疑念を抱かせるだけに終わったコレクション。
写真上左より
クロエ :
新しいミラノからのデザイナー、パウロ・メリムによる初コレクションであるけれど、その出来とプレスのリアクションは、
クロエ関係者を喜ばせるものには程遠いものだったのが実情。一部にはマーク・バイ・マーク・ジェイコブスのようという声も聞かれれば、
数シーズン前のミュウ・ミュウみたという声も聞かれたけれど、総じて言えるのは、安っぽく、子供っぽい印象のコレクションだったということ。
セリーヌ :
デザイナー、イヴァナ・オマヅィックがマイケル・コース、ロベルト・メニチェッティの後を引き継ぎ、3シーズン目になるセリーヌ。
マイケル・コースが復活させたセリーヌのブランド像に比べると、明らかに不足しているのはリッチでラグジュアリアスな雰囲気。
代わりに強調されているのは女性デザイナーならではの繊細さであるけれど、高額ブランドであるだけに、もうちょっとゴージャスさを
見せて欲しいという印象も・・・。
ルイ・ヴィトン :
今シーズンのパリのべスト・コレクションと言われたルイ・ヴィトン。今回のキュートなミニ丈のフリル・ドレスのインスピレーションは、デザイナーのマーク・ジェイコブスが今年5月に日本を訪れた際に、デザイン・チームとリサーチをした 「Kawaii/カワイイ」ファッションをヴィトンのテイストで具現化したものとのこと。
終盤に登場したヴィトンの”LV”ロゴをフィーチャーした「LOVE」Tシャツは、早くもファッション関係者の中では、
2007年春夏の人気アイテムになるだろうという憶測が飛んでいます。
コスチューム・ナショナル :
エンニョ・カパサがデザインするコスチューム・ナショナルは、シンプルなフューチャリスティック・エレガンスを打ち出したショーを展開。
さりげないメタリック素材の使い方が、いかにもリアル・ライフで好まれるブランドといった印象だった。
アンドリュー・ゲン :
ショート丈&細身のシルエットで ラインがクリエイトされていたアンドリュー・ゲンのコレクション。
ターゲットは、裕福で若い女性像というイメージで、デイタイムのスーツやセパレーツから、イヴニングのセパレーツ、カクテル・ドレスまでが、
ブラック、ホワイト、ベージュ、グレーといったニュートラル・カラーで制作されていた。
写真上左より
アクリス :
ドレスでもジャケットでもネックラインを直線でカットしたデザインが目立っていたコレクション。
そのストレートなカッティングが、ニュートラルなイメージを演出するので、深くカットしたVシェイプやスクエア・シェイプのネックラインも
セクシーなイメージには映らなかったのが実情。
ソニア・リキエル :
いかにもソニアらしいストライプのニット・ドレスで幕を開けたコレクション。でもこのストライプのシリーズ意外は、
全て単色、無地のコーディネートで占められていました。カラー・パレットはホワイト、ライラック、サフラン、コーラル、アーストーン等。
ジヴァンシー :
2シーズン前からリカルド・ティッシがデザインを担当するジヴァンシー。大不評だった第1回目のコレクションからは評価が着実に
向上して来ているけれど、今も彼がクリエイトするラインが人々がイメージするジヴァンシーのブランド・イメージとあまりに掛け離れていることを
懸念する声が強いのは事実。
カール・ラガーフェルド :
スカートを着用したモデルが、ことごとく身に付けていたのがレースの柄のストッキング。これがモダンなデザインのドレスとアンバランスな
コントラストを生み出していた。肩幅の広いデイタイム・ジャケットはフォルム的に失敗していたアイテム。
ラスト7点のイブニング・ガウンは、モダンなシックさで好評を博していました。
クリスチャン・ラクロア :
カール・ラガーフェルド同様、ショート・ボブのウィッグをつけたモデルが登場したショーであるけれど、多種類のプリントを用いた服もさることながら、大ぶりのレイヤー・ネックレスや、タッセルが沢山付いたサンダル、様々なシェイプのバッグなど、アクセサリーの面白味が目を引いていたコレクション。
写真上左より
ジャン・ポール・ゴルティエ :
今年でデザインナーとしての30周年を迎えたジャン・ポール・ゴルティエ。ショーの前半は、彼の過去作品の回顧展で
後半で、新しいデコラティブ・スポーツ感覚のコレクションを展開。
ミュウ・ミュウ :
先シーズンからパリでショーを行っているミュウ・ミュウ。パリ・デビューの前回に比べると、コレクション自体も、周囲の受け止め方も
大人しめであったけれど、ブランドの持ち味とプレゼンスは、確実にパリ・コレに根付いて来たという印象。
コム・デ・ギャルソン :
日本の日の丸がインスピレーションという今回のコレクションは、モデル達が顔を白く塗って登場。
実際に日の丸のモチーフは数多くのスタイルに登場していたけれど、それと同時に目立っていたのが、カッチリしたシェイプのジャケットと、
チュール・スカートのコーディネーション。
マルタン・グラント :
フランスの女の子が子供の頃に着用していたようなパイピング施した細いベルトのドレスやブラウスが前半に登場。
2枚のフルレングス・ドレスを含むイブニングで締めくくった全30枚のコンパクトなコレクション。
メゾン・マルタン・マルジェラ :
80年代にクリエイトされた未来ファッションというイメージのコレクション。
色使いから モチーフ選びに至るまで、何とも言えずに不思議なアウトフィットが多く、生活の中で着用される姿が想像し難いコレクション。
写真上左より
アントニオ・べラルディ :
パリ・コレクション参加3シーズン目となるアントニオ・べラルディ。
前回のセクシー過ぎ、デコラティブ過ぎのコレクションから打って変わって、今回は「ピュア&イノセント」を表現したというコレクションであるけれど、
そんなコンセプトで勢作されても、セクシーな服が仕上がるのは彼の持ち味。
スタイルが良くないと着られない服が多いという印象。
ドリス・ヴァン・ノッテン :
オーバーサイズのアノラック・コートや、パーカー・ドレス、ドローストリング・パンツ等、
随所にスポーティーさを感じさせたコレクション。シンプルな作品を打ち出しながらも、ドリス・ヴァン・ノッテンならではの、レイヤー・コーディネートや、
素材遊びの健在ぶりも示していた。
ステラ・マッカートニー :
2人目の子供を妊娠中だったステラ・マッカートニーのショーは、そんな彼女のメンタリティを反映してか、
ゆったりしたシルエットのシャツ・ドレスに秀作が目立ったコレクション。
またパフ・スリーブのサック(袋型)・ドレスも、素材を替えて何枚も手掛けられていた。
ヨージ・ヤマモト :
春夏コレクションとは思えないビッグ・シルエットのダーク・スーツに終始したコレクション。
カラーは殆どがブラック、グレー、ホワイトのモノトーン・パレットで、
時に用いられるシアー素材が、レイヤー・コーディネートに軽やかさを演出していた。
ヴェロニク・ブランクィーノ :
ホワイトで幕を開け、中盤でグレー&ブルー、そして終盤でブラック、と段々とカラー・パレットがダークになって行くコレクションを見せた
ヴェロニク・ブランクィーノ。さりげなくデコラティブな要素を取り入れた、シックなアイテムに好感がもたれていた。
写真上左より
シャネル :
春夏コレクションというよりは、その前に発表されるリゾート・ウェアを集めたクルーズ・コレクションのような印象で、
軽装が多かったコレクション。デイタイムのカジュアルには面白いアイデアも見られたけれど、イヴニングは、華やかなガウンは殆ど見られず、終盤はシンプルなブラック・カクテル・ドレスで幕を閉じており、シャネルとしては物足りなかったコレクション。
ヴァレンティノ :
若々しく、軽やかなドレスが多数登場し、売れ筋を押さえていたコレクション。ことにレース使いの上手さが際立っていたのに加えて、。
イヴニングにも何枚も秀作が見られて、新しさは無いけれど 好評となっていた。
ジャンバティスタ・ヴァリ :
2006年の秋冬コレクションでは、クリスチャン・ディオールの50年代の”ニュー・ルックをコンセプトにしたジャンバティスタ・ヴァリであるけれど、
今回のコレクションは、今シーズンのトレンドであり、彼が得意とするトラペーズ(台形)・シルエットを
積極的に取り入れたライン。
コレクション自体もさることながら、ケイティ・ホルムズとヴィクトリア・ベッカムが揃ってファースト・ローに姿を見せたことでも話題だったコレクション。
A. F. ヴァンデヴォルスト :
A.F.ヴァンデヴォルストは、アン・ヴァンデヴォルストとフィリップ・アリックスがコンビを組んだアントワープのデザイン・チーム。
今回のコレクションでは、モデル達がマザー・テレサのようでもあり、巡礼者のようにも見えるフードを付けて登場していたけれど、
それと同時に奇をてらったプレゼンテーションとなっていたのが、一部のモデルが口をテープでふさがれた状態でランウェイに登場していたこと。
でも、この宗教的かつ政治的な演出が ショーの唯一なラディカルな部分であった。
フセイン・チャラヤン :
日本の花笠のような不思議な帽子を被ったコーディネートで幕を開けたコレクション。
全体的にはレトロ・モダンを様々な素材やファブリックの幾何学レイヤーで表現した作品が目立っていた。
Photo: Style.com
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