Spring & Summerer 2008 Paris Collection
2008年春夏Paris コレクション・レビュー!!
今年も10月1週目に行われた2008年春夏シーズンのパリ・コレクション。
今回は、ロンドンに続いて行われたミラノが強行スケジュールながら大好評だった、、また
パリの街中が ファッション・ウィークよりも 同時開催されていたラグビーの世界選手権の方に
関心が集中していたこともあり、「エキサイトメントがそがれるのでは?との懸念も聞かれていた今シーズン。
でも各コレクションについての賛否はありながらも、やはり実力のあるブランドが見せ場を作ったということが
指摘されていたのがパリ・コレクションでした。
全体的な傾向としては他の都市と同様、柔らかいフェミニンな素材を用いたドレスがもてはやされている
という点が挙げられるけれど、素材としてはフラワー、水玉を始めとするプリント物が非常に多く、
同時に異なるプリント同士をミックス&ミスマッチさせるスタイリングが目を引いていた。
またオリンピック・イヤーを意識したスポーツ・スタイル、新たに開拓中のラグジュアリー市場、インドを
念頭に置いた インド・モチーフやサリーをアレンジしたスタイルなども
多く見られていたもの。
カラーパレットは相対的に鮮やかで、春夏らしいブライト・トーンとブラック&ホワイトのコントラストが
どのデザイナーのコレクションにも登場していた。
アクセサリーに目を移すと、今シーズンのパリで最も重要なアクセサリーと見なされていたのは、
シューズもさることながらバッグ。 ルイ・ヴィトンではバッグを主役にしたプレゼンテーションが行われていたけれど、
エルメスや 最近バッグが人気を博しているヴァレンティノなどのショーでは、確実に服と同じ位に
バッグをアピールするショーが行われていたのだった。
以下、主要メゾンの作品のご紹介です。
(写真右:ルイ・ヴィトン、 写真左:アレクサンダー・マックィーン)
バレンシアガ
今シーズンのベスト・コレクションと言われたのがニコラス・ゲスキエールがデザインするバレンシアガ。
ほぼ同じようなシルエットのドレスがリピートして登場したコレクションでありながら、
前半のフラワー・プリントのミニ・スーツは、多くのプレスやバイヤーをノックアウトした作品。
同じシルエットを光沢素材で再現し、ジャンプ・スーツで締めくくったコレクションは、
彼のスタイル・コンセプトを見事に打ち出した無駄の無いコンパクトなもの。
それだけにインパクトも強烈で大きな評価を得ていました。
またシューズのコーディネートも好評。
アレクサンダー・マックィーン
今回のコレクションを 彼のキャリアを育て上げたと言われる
イザベラ・ブロウにささげたアレクサンダー・マックイーン。
巧みなクラフトマン・シップで シアトリカルかつアーティスィックな
クリエーションを見せたコレクションであるものの、
売れ筋を意識した作品も盛り込まれ、アートとファッションのバランスを上手く保っていたコレクション。
彼の作品にマッチすると同時に、彼の作品同様の存在感を
見せていたハットはフィリップ・トレーシーの作品。
ドリス・ヴァン・ノッテン
今シーズンのパリで、バレンシアガ、アレクサンダー・マクィーンと並んで高い評価を獲得したのが
ドリス・ヴァン・ノッテン。プリント素材同士を見事にマッチングさせるテクニックや、シーズンのツボを抑えたような
カラー・パレットは見事の一言。そもそもファッション・プレスには支持者が多いブランドであるけれど、
今回のコレクションは近年のベストと呼び声が高かった。
ランヴァン
ドレープを寄せたトーガ・ドレスとコートのアンサンブルで幕を開けた今シーズン。
フェザーとアフリカン・モチーフをミックスしてシックなイブニング・ドレスに仕上げたり、
大きめのフリルをバランス良く用いるなど、アルベル・エルベらしさが各作品に生かされていたコレクション。
ルイ・ヴィトン
ショーのオープニングは、ホワイト・オーガンザの看護婦の制服を着用した12人のモデルが
ルイ・ヴィトンの新作バッグを持って登場するというスペシャル・プレゼンテーション。
その後のコレクションはモデルがオーガンジーのリボンをヘアに付けて登場するカラフルなアウトフィットの大行進。
決して新しさは無いものの、色使いにセンスが光っていたコレクション。
二ナ・リッチ
オリヴィエ・ティスケンスがデザインする2シーズン目の二ナ・リッチは、今回のパリ・コレクションでも
大きな注目を集めていたけれど、そのコンセプトは 朝まで続いたレイブ・パーティーが引けた後の
女性達のアウトフィット。
それだけに、パーティー・アウトフィットといってもどこか疲れたデカダンスと同時に若さを感じさせる仕上がり。
素材やディテールにデザイナーのこだわりが感じられるコレクション。
ヴァレンティノ
2008年春夏のオートクチュール・コレクションを最後に引退を表明しているヴァレンティノ。
今回のコレクションで目立っていたカラーはピンク。ことにラヴェンダーと合わせるカラー・コーディネートが
多く見られたけれど、それと共に目を引いたのはブラック&ホワイトの水玉。
全体的にはデイタイム&ナイトタイム共にスタイリッシュなミニ・ドレスが多く、
それらが このところセレブリティが愛用する同ブランドのバッグと上手くコーディネートされていた。
シャネル
2008年のオリンピック・イヤーを意識してか、全体的にスポーティーに仕上がっていたコレクション。
デニムで幕を開けたコレクションは、、その後、星をプリントした素材とレッド&ホワイトのボーダー素材をマッチングさせて、
まるでアメリカ国旗のようなファッションを展開。
イヴニングもシンプルでカジュアルテイストに仕上がっていた。
クリスチャン・ディオール
先シーズンがブランド創設60周年の記念コレクションということで、オートクチュールのような華やかさであったディオールだけれど、
今回のコレクションはそれに比べると遥かに大人しい印象。
ランジェリー・タッチのカクテルドレスが目立ち、イヴニングもグッとシンプルなものが多かった。
イヴ・サン・ローラン
シャネルにも登場していた星のモチーフが素材やシューズ、ネックレスに数多く登場していた今シーズン。
それ以外に目立っていたのが肩パットが外に張り出したようなシルエットのジャケットであったけれど、
全体的にはインパクトに乏しいコレクション。
その他のコレクション・・・
写真上左より
ジャン・ポール・ゴルティエ :
パイレーツをイメージした今シーズン。ボーダー柄だけでなく、カモフラージュなどもミックスし、
独自のワイルドなパイレーツ・ルックを生み出していた。
クリスチャン・ラクロア :
カラフルなプリント素材のドレス、それとコントラストを見せるようなブラック&ホワイトのコーディネートで
構成されていたコレクション。
ソニア・リキエル :
いかにもソニアらしいストライプのニット・ドレスで幕を開けたコレクション。でもこのストライプのシリーズ意外は、
全て単色、無地のコーディネートで占められていました。カラー・パレットはホワイト、ライラック、サフラン、コーラル、アーストーン等。
クロエ :
パウロ・メリムによる3シーズン目のコレクション。徐々に彼のクリエイトするクロエの方向性が見えてきたと言われる
今シーズンはシフォン素材のカラー・ブロックが目立っていたけれど、全体的にはカール・ラガーフェルドがデザインしていた
時代にカムバックしつつあるというのがプレスの見解。
ジャンバティスタ・ヴァリ :
ヴィクトリア・ヴェッカムのお気に入りブランドとして知られるジャンバティスタ・ヴァリが、
今シーズンのコレクションのリサーチのために訪れたのはヨルダン。
前半はベイビードール・ドレスやフリル&ラッフルを用いたドレス、
後半にはエキゾティックな素材を用いたコート・ドレス、シフォンのイブニング・ガウンなどが登場していた。
写真上左より
コスチューム・ナショナル :
エンニョ・カパサがデザインするコスチューム・ナショナル。
今シーズン多くのデザイナーが取り入れていたインドをモチーフにしたスタイルも
彼の手に掛かるとモダンでクリーンな印象。
エリー・サーブ :
プレタポルテもクチュールも ここ数シーズン、 カラートーンを統一したコレクションを見せてきたエリー・サーブであるけれど、
今回はブライトでカラフルなコレクションをカクテル・ドレスで展開。
バッグをコーディネートして若々しい印象に仕上げていた。
ジョン・ガリアーノ :
過去数シーズン、難しいコレクションが続いたジョン・ガリアーノであるけれど、今シーズンは
ロマンティックかつ ドラマティックな仕上がりのフェミニンなドレスが多く久々にバイヤーを喜ばせたシーズン。
セリーヌ :
マイケル・コース、ロベルト・メニチェッティの後を引き継いだデザイナー、イヴァナ・オマヅィックの5シーズン目のコレクション。
一流ブランドのステイタスは希薄であるものの、セリーヌというブランドの持つコンサバティブなエレガントは継承されている印象。
エルメス :
インドのモチーフが多かった今シーズンの中で最も顕著にそれを打ち出していたコレクションであるけれど、
必ずしも成功していたとは言えない仕上がり。人々の関心はやはりモデルが持って登場するバッグに
注がれていた。
写真上左より
ジヴァンシー :
徐々に、カッティングエッジの女性に好まれるスタイリッシュさがラインに反映されてきたジヴァンシー。
ことにシューズとバッグに デザイナーのリカルド・ティッシのコマーシャル性が感じられていた。
バルマン :
2004年3月以来ショーを行っていなかったバルマンがパリ・コレに復活したのは2006年秋冬コレクションから。
その新生バルマンでクリエイティブ・ディレクターを勤めているクリストフ・デカルニンが今シーズン
コンセプトとしたのはインドと、アメリカン・インディアンのミックス。ロベルト・カヴァーリと見紛うような作品がいくつも登場していた。
ミュウ・ミュウ :
バレリーナやフレンチ・メイドからインスピレーションを得たと言われる今シーズンは、ホット・パンツ、ミニ・スカート、
ブルマー、ミニ・スカートとブルマーのレイヤーなど、超ミニ丈のボトム。
これにひとひねりあるシューズを合わせていたコレクション。
アンドリュー・ゲン :
柔らかい素材のドレスや手芸タッチのディテールを用いたコート、リボン・ベルトでマークしたウエストなど、
フェミニンで若々しいディテールが目立ったコレクション。
コム・デ・ギャルソン :
ファッション業界のクリエーターならば誰もがチェックしなければならないのがコム・デ・ギャルソンのコレクション。
今シーズンはフロアにマンガの映像が映し出される中、モデル達はピエロのようなメークアップ。
そしてランウェイに登場したのはフリルをキルトのようにあしらった素材や、チュチュを彷彿させるティーアード・スカートとコート、
ジャケット、ケープのレイヤーなど”トゥルー・オリジナル”と言われるクリエーション。
コム・デ・ギャルソンのショーは作品の良し悪しを評価するよりも、多くのファッション関係者が レイ・カワクボが今シーズン、
一体 何を感じ取って、それを具現化したのかを見極めるためのコレクションである。
写真上左より
リック・オーウェン :
トレンドが何であろうと自らのスタイルを貫くコレクションを展開するリック・オーウェン。
カラー・パレットはホワイト、グレー、ブラック。シルエットはいつものように肩を細く絞った細長いライン。
そして今シーズンはボーダーを縦、横、斜めにしながら組み合わせるのが目立っていた。
ステラ・マッカートニー :
柔らかい素材のミニ・ドレスが大半を占めていたコレクション。
先シーズンがシンプルなインパクトで好評であっただけに、今シーズンはちょっと物足りないという印象は否めなかった。
ヴェロニク・ブランクィーノ :
ロング丈のスカートやパンツなど、ボリュームのあるボトムを用いたシルエットが目立っていたコレクションであるものの、
時折登場する膝丈のドレスやスカートのコーディネートに若々しさやシーズンらしさが反映されていた。
カール・ラガーフェルド :
今回のコレクションで新しい着こなしの試みとして数多く登場していたのが、レギンスなどの替わりに
シフォン素材のシースルー・パンツをミニ・スカートの下に合わせるもの。
でもスタイルが良く見えないコーディネートなだけに、その組み合わせの無いドレスの方が
遥かに出来が良く見えたコレクション。
ヴィクター&ロルフ :
ヴァイオリンをモチーフにコレクションを展開した今シーズン。
ヴァイオリンそのものをネックレスに見立てたり、服にヴァイオリンのモチーフを持ち込むなど
様々なアイデアが見られた。
Photo: Style.com
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