Spring & Summer 2011 Paris Collection
2011年春夏Paris コレクション・レビュー!!



今回も10月2週目に行われた2012年春夏シーズンのパリ・コレクション。
トレンドの目玉となっていたのはニューヨーク、ミラノ、同様にシースルーのランジェリー・ファッションやプリント、そしてプリント・オン・プリントのコーディネート。
それと同時にブラック&ホワイトのモノトーンも多く見られており、客席のエディターやバイヤーの多くも、ホワイト・シャツにブラックのパンツやスカートというアウトフィット、 もしくはブラックのアシメトリーのマキシドレスといったアウトフィットが非常に目だっていました。

以下では、そんな今回のパリで メディアとバイヤーの評価を獲得した 15のベスト・コレクションをご紹介します。


(写真上:左より イヴ・サンローラン、ジヴァンシー、アレクサンダー・マックィーン)



バレンシアガ



常に新しい方向性を打ち出すコレクションを発表するバレンシアガのニコラ・ゲスキエール。
今シーズンもしかりで、ハイテク素材を用いたボクシー・シェイプのジャケットや独得の素材の組み合わせ、 カラー・ブロックで、独自の世界を展開。 着用する、しないは別として、クリエーションとして注目する価値のあるコレクション。




ルイ・ヴィトン



レースのドレスンに透明のビニール素材のモノグラムのバッグ(写真上一番左)で幕を開けたコレクション。
2011年秋冬シーズンのハードなイメージと打って替わって、レースを用いたソフトなラインを打ち出しているけれど、 人々の関心はランウェイ上よりも、今シーズンでルイ・ヴィトンとのデザイナー契約が切れるマーク・ジェイコブスが クリスチャン・ディオールのデザイナーになるか否かに集まっていました。




ランヴァン



良い意味でいかにもランヴァンらしい仕上がりになっていたのが今シーズン。
激減しているのは、ブランドのシグニチャーであるドレープを寄せたドレスで、その分ブラック&ホワイトのシンプルなアウトフィットや、 シフォンを用いたシースルーのドレスが加わっていました。




イヴ・サン・ローラン



長く続いたスランプが続いていたイヴ・サンローラン。 今シーズンに、デザイナーのステファノ・ピラーティが見せたのは、秀作と退屈なアウトフィットがミックスしたコレクション。 でもアウトフィットに波はあっても、客席のフロント・ローの目が釘付けになっていたのがシューズ。 インパクトのあるカラー・ブロックのプラットフォームや、独得のTストラップなど、服を買わない女性でも シューズには飛びつきそうなラインナップになっていました。




アレクサンダー・マックィーン



4月のロイヤル・ウェディングのお陰で、すっかりスター・デザイナーの仲間入りを果たした感があるデザイナーのサラー・バートン。 基本的にはアレクサンダー・マックィーンの路線を受け継ぎながらも、彼女の持ち味が発揮されてきたと言われる点は、 明らかにライン全体がフェミニンに纏まってきたこと。その反面、クリエーター達をうならせる斬新さや奇抜なアイデアが 影を潜めてきたのも事実で、ウェアラブルになっている一方で、シアトリカルな持ち味は大人しくなっています。




シャネル



毎シーズン、ブランドの伝統の持ち味とスタイルに 新しいツイストを加えて、コレクションを発表してきているシャネルであるけれど、 今シーズンについては、ちょっとネタ不足という印象で、新しいアイデアやスタイリングが打ち出されていなかったのは 残念な部分。スウィム・ウェアが加わっている一方で、イヴニングが地味で平凡な仕上がりになっているのも不完全燃焼の原因。




ドリス・ヴァン・ノッテン



今回のコレクションはトレンドの目玉であり、彼が得意とするプリントものに加えて、 ブラック&ホワイトのアウトフィットが、コレクションにメリハリを与えていた印象。
シルエットも様々なバラエティが登場し、中味が濃いと仕上がりになっていたコレクション。




ステラ・マッカートニー



2011年秋冬コレクションで発表された、シアー素材の水玉を用いたブラック・ドレスが、セレブリティの間で 大ヒットになっているステラ・マッカートニー。今シーズンは、「エナジー、フレッシュネス、フィットネス」をテーマにしているとのことで、 ミニ・ドレス丈のドレスや、プリントの組み合わせ、アシメトリーのカットアウトやシルエットで、動きを演出したデザインが 目立っていました。




へイダー・アッカーマン



先シーズン、センセーショナルに高い評価を受けたへイダー・アッカーマンの今シーズンは、 基本的には同じ路線を受け継いだもの。中に”パジャマ・ルック”と言う声も聞かれるけれど、 独得のカラー使いやシルエットは彼ならではのもの。長身でないと着こなし難いアウトフィットであることは事実。




ジヴァンシー



リカルド・ティッシュがデザインするジヴァンシーの今シーズンは、他のデザイナーがプリントを大きくフィーチャーしている中、すべて ソリッド・カラーで、しかもほぼ全スタイルが単色のアウトフィット。
シャープでモダンな彼の持ち味が発揮されている一方で、着用し易いアイテムが多く、バイヤーから大きく評価されていたコレクション。




ニナ・リッチ



1930年代に、ニナリッチとコラボレーションをしたアーティスト、ジーナ・ドゥ・プラニーからインスピレーションを得たのが 今回のコレクション。デザイナーのピーター・コッピングが得意とするキュートなフローラル・パターンや、 ランジェリー・ルックが今シーズンのトレンドの目玉になっているだけに、今回は特にツボを得た仕上がりになっていました。




セリーヌ



服もさることながら、ラゲージ、ファントムといったバッグが大ヒットを見せているセリーヌ。 今回はフィービー・フィロがデザインする5シーズン目のコレクション。 そろそろ服のラインでもヒットが欲しいところであるけれど、 ボクシー・シェイプやウエストをマークしないアウトフィットが多いのは引き続きで、 マイナー路線になってしまっているのは否めない印象。




ヴァレンティノ



マリア・グラツィア・チウーリ&ピエール・パオロ・ピッキオリがデザインする ヴァレンティノの今シーズンは、「こんな時代だからこそファッションに夢を求めるべき」というメッセージがこめられたもの。
レースやシースルーのシフォン素材、ハンドペイントのフラワー柄などを用いたソフトでドリーミーなラインが展開されていました。




バルマン



今年2がつに突如ブランドを去ることになったクリストフ・デカルナンの後を引きついたのが、彼の下で2年働いた 弱冠25歳のオリヴィエ・ルーステン。クリストフ・デカルナンのロック・スター・ファッションで、 一躍メゾンがセレブリティ、モデル&ファッション・エディター御用達ブランドに登りつめただけに、 今はバルマンのビジネスはかなりビッグ。それを引き継いだ彼がどんなコレクションを見せるかに注目が集まっていたけれど、 バイヤー&エディターのリアクションは、「きちんと宿題をこなしている」、すなわち「バルマンのブランドの持ち味をそのまま 引き継いでいる」という合格点。超スリムなカットのパンツや、ミニ・ドレス丈など、デカルナンのクリエーションを彷彿させる ラインに仕上がっていました。




クリスチャン・ディオール



ジョン・ガリアーノが去った後の”惨憺たるコレクション”と貶されたのが2011年秋冬シーズンであったけれど、 今回はその前回よりは遥かにマシな出来栄え。ビル・ゲイテンと彼が率いるチームによってクリエイトされた今シーズンは、 無難にエレガントに仕上られたもの。
でもパリの一流メゾンとしての歴史と格を誇るクリスチャン・ディオールが、その程度のクリエーションで甘んじることが許される ブランドではないのは明らか。今回のコレクションはジョン・ガリアーノの後任が見つかるまでのブリッジ(架け橋)コレクションと 見る声が多く、だからそこプレスもバイヤーも穏やかなリアクションで見守っていたのが実情となっています。



Photo: Style.com