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ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブション
「フレンチの神様」のDNAがここに
ミシュランの格付けは保守的なことで知られ、星の増減の決定も慎重である。
そんなミシュラン・パリの2006年版で新たに2つ星を獲得したのはラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブション / La Table de Joel Robuchon と、
サンドランス / Sendrens の2軒。
2005年秋にオープンしたサンドランスは、その前身である ルキャ・カルトンが3つ星を獲得しており、
店自体をカジュアルに作り変えたことによる降格のデビューとも言える訳で、
それを考慮すれば 2006年の1つ星から2つ星への昇格組と言えるのは「ラ・ターブル」 1軒のみということになる。
(ちなみに2006年版ミシュランでは、パリでの 3つ星昇格はゼロ、星無しから1つ星を獲得した店は8軒を数えている)
今世紀を代表する料理人であり、天才の名を欲しいままにしたジョエル・ロブション (写真右) が惜しまれつつ 引退したのは、1996年。
彼が52歳の時だった。それから7年の充電期間を経て、パリと六本木に出した店舗が カウンターのみで構成されたカジュアルなフレンチ・レストラン、
「ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション」だ。(パリの店舗は2006年から1つ星となっている)
ここに紹介する「ラ・ターブル」は、この「ラトリエ」 をテーブル中心にした店舗がと考えればよい。
「ラトリエ」と「ラ・ターブル」共通のコンセプトは、「Conviviarite / コンビビアリテ (懇親性)」。 肩肘を張ることなく、料理人やスタッフとの
会話が楽しめる空間ということらしい。
実際、どんなに有名人が来ても絶対に厨房から出ないという神話のあったロブション氏が、六本木ヒルズの店のカウンターで客と軽妙な
やりとりをしているのを見て、自分自身、非常に驚いたことを記憶している。
パリのラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブションは2004年のオープン。店は高級住宅地の16区にあり、ロブションが全盛期に活躍していたころの店舗を
ほぼそのままの姿で営業している ジャマン/Jamin (現在は2つ星)も程近い。
外装、内装ともにダーク・ブラウンを基調としたデザイン。そしてスタッフの制服も黒づくめで、若い層が中心である。
照明はかなり暗く、店内にはコンテンポラリーなジャズ・ピアノが流れる。パリよりもニューヨークのミッドタウンを彷彿とさせる店作りである。
席数は40ほどで こじんまりとしており、テーブルとテーブルの間隔はややタイトであるが、店全体に活気があり、隣のテーブルのことはそれほど気にならない。
パリ到着当日のディナーに最適
ムニュ(コース)は、ランチがハーフ・ボトルのワインがついて 55ユーロ、ディナーは150ユーロだが、同レストランではアラカルトを推奨したい。
メニューの特徴は殆どの料理でハーフ・ポーションが選べることで、お値段はフル・ポーションの3分の2程度。なので、
ハーフ・ポーションでオーダーしていれば、2つ星のレストランとしては 相当格安な料金で食事が楽しめるのは魅力である。
また、オーダーしてから料理が出てくるまでの時間が短いため、パリに到着した当日など、あまり食欲がない場合や、
疲れている時、時間に余裕が無い時にも お薦め出来るのが同店。
参考までにつけ加えれば、「水のロマネコンティ」と言われる シャテルドンが 1リットル入りの瓶で4ユーロなのは かなり良心的と言えるものである。

料理は世界各国のアイディアを縦横無尽に取り入れたもの。たとえばハモンイベリコの下に敷かれた紙は明らかに天ぷらを意識していた。
とは言っても、料理にフランスの、あるいはパリの個性が無い訳ではない。前菜のウフ・ココット (写真右) は東京でも見かける料理だが、
パリの方が明らかに塩が強い。また、当初は「ラトリエ」と「ラ・ターブル」で共通の料理が多く見られたが、それぞれが徐々に独自の路線を歩み始めているようだ。
北米からの来店客が多いためか、スタッフの多くは 料理を英語で説明してくれる。メニューはフランス語のみだが、不自由することはないだろう。
また、キッチンにも、テーブル・サービスにも それぞれ日本人スタッフが居るので、日本語でメニューの相談などにのってもらえるのは、
英語やフランス語が苦手な人には心強い限り。
ジョエル・ロブションの料理を本格的に味わうのであれば、恵比寿ガーデン・プレイスにある ジョエル・ロブション / Joel Robuchon、
あるいはラスベガスのMGMグランドホテルに入っている ジョエル・ロブション・アット・ザ・マンション / Joel Robuchon at The Mansion の2軒のうちの
いずれかになるだろうが、カジュアルな「ラ・ターブル」 と 「ラトリエ」 も 「小腹フレンチ」として上手に活用したいものである。
ただし、最近は満席になることも多いので、予約は事前にしておくことをお薦めする。
ちなみに ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション は2006年に ニューヨーク進出も決定しており、出店先は フォーシーズンス・ホテル・ニューヨーク内。
フィフティ・セブン フィフティ・セブン / Fifty Seven Fifty Seven がクローズした後を受け継いだメイン・ダイニング・エリアである。
「ラトリエ」のカジュアル路線と一流ホテル、フォーシーズンズのコラボレーションがどのようになるのか?こちらも目が離せそうにない。
La Table de Joel Robuchon
16av. Bugeaud 75116 Paris
Tel : +33 (0) 1 56 28 16 16
Fax : +33 (0) 1 56 28 16 78
休日 : 無休
営業時間:12:30〜14:30, 19:00〜23:00
コース : ランチ 55? , ディナー 150? (アラカルト中心)
Metro : 2号線Victor Hugo駅 徒歩5分
ミシュラン : ★★
ゴーミヨ : 15点
メニューの言語 : フランス語
サービスの言語 : フランス語、英語(問題なく通じる)、日本語
執筆者プロフィール:
橋賀秀紀
トラベル・ジャーナリスト。
東京生まれ。海外旅行関連の執筆を手がける。
フランス料理店には年間平均60回ほど足を運ぶ。
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