Jan. Week 1, 2015
★ How to Help My Sister to Lose Weight?
体重が増えた妹をダイエットに導くためには!?


もう何年もキューブ・ニューヨークのウェブサイトを愛読しています。
ニューヨークが大好きで、次回行く時は、ぜひウィル・ニューヨークの留学プログラムに挑戦したいと思って、お金を貯めている最中です。 その時にはよろしくお願いします。
ですが、その前に是非とも秋山さんにご相談したいことが出来てしまいました。

それは、私の妹のことです。 妹は、30歳を過ぎても独身で仕事をしている私とは異なり、20代で結婚し、2子をもうけました。 が、2人目の子供を出産した時に増えた体重が戻らず、そうするうちに夫婦仲が悪くなって、 それに加えて育児のストレスから食欲がコントロールできなくなってしまいました。
妹は、子供の頃から私よりもずっと痩せていて、時々痩せすぎでからかわれていたほどで、 私の半分くらいのサイズなどと、家に来た親類に言われたことさえあります。 そんな妹が 今や私の2倍以上と、妹の夫に言われる有り様です。

妹は、太ってしまったことをとても気にしている反面、母や私にダイエットや運動を薦められると、 「子育てでストレスが溜まるから、食べずにはいられない」、「1人で家に居て子供の世話をする人間の気持ちを全く理解していない。 食べる以外に何も楽しいことが無い」などと言って、怒り出してしまいます。
夫婦仲が悪くなった原因にも、妹が太ってしまったことがあって、義弟が以前、「うちの奥さん、結婚前は物凄く痩せてて きれいだったんだけどね。 結婚したら あっという間に 皆 こうなっちゃうだよね」と、人前に言ったのがきっかけで、 数日間 大喧嘩をしていたこともありました。 義弟は、悪い人ではないのですが 子供達にも「ママは太っちゃってるから…」みたいなことを普通に言うので、 私が聞いていてヒヤヒヤすることもあります。

そんな夫婦関係を改善するためにも、頑張って痩せるように何度も言って、カロリー表や簡単な筋トレのプログラムを渡してあげたり、 ヨガのクラス代を出してあげるから一緒に行こうと誘ったり、いろいろやっているのですが、 どんどん体重が増えているようで、甘いペストリーやドーナツ、ケーキ等を毎日のように幾つも買ってきては食べています。
これ以上太ると、健康にも悪いことも本人に何度も忠告しましたが、先日は話すうちに、 「皆にそんなに干渉されるなら、好きなものを食べて死んだ方がマシ」とまで言われてしまって、途方に暮れてしまいました。

秋山さんだったら、そんな妹にどんな風にダイエットを薦めますか? 両親も、妹の太り方にはとても心配していますし、義弟も太った妹には嫌気が差しているみたいなので、 何とかしなければと思っています。
何かアドバイスやお知恵をいただけるととても有り難いです。

−A−





私が12月初旬にマイアミに出掛けた時に、現地に住む私の親友が語っていたのが、 彼女の知り合いが、体重が増えて悩んでいるという話。 その女性は、それまでずっと痩せていて、ダイエットの必要が無かったので、いざ太ってしまったら、どうやって体重を落としたら良いのかが分からなくて 苦しんでいるとのこと。マイアミは、ウェイト・コンシャス、ルックス・コンシャスなマダムが多いだけに、 太っていると お友達からもあまり声が掛からないとのことで、 益々孤独になって、ダイエットをしても長続きせず、ついつい食べてしまうというのがそのストーリーでした。
その時に 私と友人で話していたのが、その女性にとって必要なのは、ダイエットのプランよりも、 彼女を精神的に満たしてくれるもの、彼女に対して親身になって 関心や愛情を注いでくれる人だということで、 退屈や孤独、愛情の欠落が彼女を太らせてしまったというのが私達の見解でした。

メールを拝見した限りでは、Aさんの妹さんの状況も、このマイアミの女性に非常に似通っているように思われます。
Aさんが、姉として 妹さんの体重の問題、引いては夫婦仲の問題を何とかしてあげようという お気持ちはとても理解できるのですが、妹さんはご自分でもその問題を重々自覚して、 それを改善したいと思いつつ、出来ないジレンマで苦しんでいらっしゃる状況です。
自分で嫌というほど悩み続けている問題については、時に周囲からの口出しほど疎ましいものは無かったりするのです。 妹さんが、Aさんやお母様にダイエットや運動を薦められると怒り出してしまうというのは、 そんな妹さんの状況を如実に表しているように思います。

でも妹さんの場合、「1人で家に居て子供の世話をする人間の気持ちを全く理解していない。 食べる以外に何も楽しいことが無い」とおっしゃったとのことなので、ご自分の問題の原因を理解されてるように思います。 妹さんが食欲をコントロールできないのは、いつも家で1人で育児をして 孤独であることや その被害者意識のため、 そして日々の楽しいこと、生き甲斐と思えることが無いためです。
子育てでストレスが溜まっていて、スリムな体型で着用したいと思う服、それを着て出かけたいと思う場所や相手が居なかったら、 ダイエットの励みになるものが無いと言っても過言ではありません。 「痩せたところでどうなるの?」と考えるようになってしまっても不思議ではありません。

恐らく妹さんは、ご自分でおっしゃるほどは食べることを楽しんではいないと思います。 それよりも何かに取りつかれたかのように、食べたいものを買ってきては、それを食べる時に一時的な安堵感、満足感を味わうだけで、 食べ終われば 罪悪感を感じたり、このままでは決して痩せられない自分を悟って、落ち込んでいるかも知れません。
そんな時に、一番やってはいけないことの1つが、「このままだったら健康を害する」とか「糖尿病になる」というような 危惧を持ち出すことなのです。

女性というのは男性に比べると、打たれ強い生き物なので、屈辱的な思いや、危機感をきっかけに奮起して、 それが成功に繋がるケースは少なくないのですが、妹さんのメンタリティは これらがターニング・ポイントになる状況では無いようにお見受けします。
こんな風に申し上げると、Aさんには大変失礼かと思うのですが、妹さんにとっては、ご主人が妹さんの体型についてきついコメントをするのと、 Aさんがダイエットをしきりに薦めるのは、同じように聞きたくない、聞くたびに気持ちが落ち込んだり、「またか!」とウンザリする話になっているように思います。

このケースで、私がお薦めするアプローチは、ダイエットを薦めるよりも、妹さんが自分でダイエットをしようという気持ちになる 気分転換や、幸福感を与えてあげることです。 どんな小さなことでも良いので、妹さんが姉であるAさんからの愛情や思いやりを感じて、有り難いと思ったり、幸せだと思うようなことをしてあげてください。 口で言うと いつもと同じになってしまうと思ったら、手紙を書くのも良いと思います。 「ダイエットを口うるさく薦めたのは、妹さんを思う気持ちからだったけれど、かえって追い詰めていたら申し訳なかった」という気持ちを 優しく伝えるだけでも違うと思います。
まずは、妹さんと心を通わせることが第一歩です。

その上で、ダイエットについては、まずは体重増加の原因になっていると思しき、高カロリーのケーキやドーナツを、 サンドウィッチや、肉&野菜を含んだパスタなど、栄養価の高いものに替えることからスタートすることをお薦めします。 たとえカロリーがさほど変わらなくても、様々な栄養分が身体に吸収されて、 血糖値の上下動が減るだけでも、体重が落としやすいコンディションになりますし、腹持ちが良い分、徐々に食べる量も減ってくるはずです。
ケーキやドーナツをいきなりサラダに替えるのは難しいですが、野菜やたんぱく質を含んだ食事に替えるのは さほど絶望的な変化では無いはずです。また、脂と砂糖を多分に含んだ炭水化物中心の生活を、 バラエティのある食生活に替えることは、精神面にも好影響をもたらします。
妹さんの場合、「何時までに痩せなければならない」というようなデッドラインがある訳では無いのですから、 まず食事を減らすよりも、食事の内容を改善するという穏やかな方法で、徐々に食生活を健康的にしていくのが良いと思います。
「そんなの無理!」とご本人が思うような課題を提示するより、「それだったら出来そう!」と思っていただけるプランを提示するほうが、 遥かに前向きに取り組んで頂けるはずです。 まずはハードルを低くして、その達成を評価してあげて、ご本人に満足感や達成感を味わって頂くのが大切だと思います。

少しでも体重が減ってくると、減量が突然楽しくなるというケースは多々あります。
ご本人が減量を楽しみ始めてから、ヨガにお誘いしたり、カロリー表を渡してあげる方が、ご本人に有り難いと思ってもらえるサポートだと思いますし、 もし妹さんが徐々にスリムになってきたら、ショッピングに連れて行って、ファッションをモチベーションにするのも良いかも知れません。 「着て行くところが無い」と妹さんがおっしゃったら、シアターでもレストランでも、着て行くところを作ってあげてください。
Aさんは、妹さん思いの優しい方ですから、徐々に妹さんが減量に取り組み始めたら、きっと様々なサポートのアイデアが浮かんでくると思います。 それをご本人にとって、一番良い形で実践して差し上げてください。

アメリカのダイエットの専門家が、ダイエットの成功に不可欠と語っているのが 「愛情」です。
これは自己愛、家族やパートナーから注がれる愛情もあれば、肥満による糖尿病、心臓病を患った親が、 子供の成長を見届けたいという気持ちから、生活全般を改めるというような、自分が人に注ぐ愛情というケースもあります。
現時点の妹さんの状況にも、最も必要なのがこの愛情だと思いますので、 それを頭に入れながら、妹さんのダイエットのモチベーションになるような、愛情をAさんが姉として示して頂きたいと思います。

2015年がAさん姉妹にとって、健康と幸運に恵まれた1年になることをお祈りしています。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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