Jan. Week 3, 2014
★ Stay Away From My Manolos!


こんにちは、
サイトを毎日のようにチェックしているCUBE New Yorkの大ファンです。 特にYokoさんのコラムは毎週楽しみしていて、欠かさずに読んでいます。
私にもアドバイスをお願いしたくて、メールを差し上げています。

従姉妹が結婚することになりました。
従姉妹の結婚式は、挙式と披露宴というスタイルではなく、お披露目パーティーという感じで、座る場所は用意されていますが、ビュッフェ式の 立食パーティーのスタイルをとっていて、ウェディング・ドレスもロングではなく、足首丈のモダンなものを着用するらしいのですが、 その従姉妹が連絡してきて、私が自分の結婚式の時に履いたマノロ・ブラニクを貸して欲しいと言って来ました。
従姉妹と私は 身長も同じくらいで、靴のサイズも一緒です。 私はマノロ・ブラニクを二次会の時に履いていたのですが、私の結婚式は二次会といっても、友達が中心の着席のパーティーで、 その時のドレスは、丈が膝下だったので、靴が目立つので マノロのウェディング・パンプスをわざわざ取り寄せていました。
従姉妹は、結婚式には招待しませんでしたが、二次会に来ていて、その時に私のマノロをすごく気に入って、 「私が結婚する時は貸してくれる?、私たち、靴のサイズ一緒じゃない?」と言っていて、 私はその時は自分の結婚式で舞い上がっていたこともあって、特に深く考えずに 「もちろん!」などと言ってしまったのですが、 まさか本当に 従姉妹が マノロを貸して欲しいと言って来るとは思ってもいませんでした。

従姉妹によれば、結婚式の日には借り物を身につけるのが欧米の習慣だそうで、それを私のマノロにしたいらしいのですが、 そのマノロは 私にとってはとても思い入れのある 結婚式の記念の品です。 ですから正直言って、従姉妹には貸したくありません。夫もマノロのお値段を知った途端に、貸すのには反対し始めました。 でも、どうやって断わったら良いかわかりません。
それというのも、従姉妹はあまり予算が無い状態で結婚するので、マノロも買うのは無理のようですし、買える予算があっても、 同じスタイルはもう手に入らないと思います。 それだけでなく、 従姉妹には 私のマノロを履くことを頭に描いて ドレスを選んだとまで言われてしまいました。

でも、従姉妹は海外に長く留学していたので、いろいろなことが雑というか、ルーズなところがあって、 貸したマノロがちゃんとした状態で戻ってくる保障はありませんし、貸したら何時返って来るかも分からない感じです。
別にマノロを毎日使う訳ではないので、暫く戻ってこなくても、困ることはありませんが、従姉妹は、一緒に映画を観に行った時に、 映画代を私が2人分 クレジット・カードで払って、 後から払うといっても 払わなかったり、後で渡すとか、知らせるとかいうものが、本当に後になって渡されたり、知らされたりすることは無いような性格です。 大したお値段ではないですが、本を貸して返って来ないとかも珍しくないです。
私にとって思い入れがあるマノロを従姉妹が履いて結婚パーティーをするというのは、 どうしても抵抗がありますだけでなく、ワインをこぼされたり、パンプスを踏みつけたり、ぶつけたりされて、 汚れたらと思うと、私は落ち着いて従姉妹の結婚パーティーに出ていられません。
だからといって、親類一族に 従姉妹の結婚式のために靴も貸さない薄情者だとも思われたくもありません。
どうやって断わるのが良いでしょうか。マノロがお好きな秋山さんだったら、きっと私の気持が理解していただけると思います。 お知恵を拝借できたら大変嬉しいです。

−F−






ご指摘の通り、私もマノーロ・マニアを自負してきたので(現在はそれほどではなくなりましたが・・・)、 お気持と 事情は良く理解出来る次第です。

でも、頂いたメールで1つだけ気になったところがありました。 それは「従姉妹は海外に長く留学していたので、いろいろなことが雑というか、ルーズなところがあって、・・・」 という部分です。
海外に留学していただけで、きちんとした性格の人がルーズになる事はありませんし、 物事を時間通りにきっちりこなしたり、借りたものを必ず返す人は、国籍を問わず世界中に沢山います。 むしろそれが当たり前なので、ルーズな性格と海外や留学を結びつけてしまうと、偏見のように受取られてしまうことがあるかもしれません。

さて本題のシューズについてですが、Fさんがご自分のウェディングのために、海外から取り寄せてまで入手したマノーロなのですから、思い入れがあるのは当然です。 もし そのプロセスを承知で、 それを簡単に貸してもらえると思っているのであれば、Fさんの従姉妹の方が常識を疑われるべき存在だと思います。
物を簡単に貸して欲しいと言える人というのは、あまり物に思い入れが無い人が多いのが実情です。 物に思い入れがある人ならば、もし自分が借りたものを失くしたり、汚したりするリスクを思い描いただけで、 落ち着かないものなので、よほどの事が無い限りは 高価で、貸す側に思い入れのある品物を借りようとはしないものです。
したがってFさんが従姉妹にシューズを貸した場合は、メールの中で予測していらしたような状況に陥っても全く不思議ではないと思われます。

海外、特にアメリカだと 花嫁の父親が結婚式の費用を全額支払うケースが今も少なくないだけに、 花嫁が ありとあらゆる我がままを通して、自分の好きなように、やりたいように結婚式をするという風潮があります。
そんな花嫁の我がままが、ブライズ・メイドになった友達を振り回した結果、友達がやがて腹を立てて、結婚式がきっかけで 花嫁が友達を失うケースも 決して少なくありません。 もしFさんの従姉妹が 留学していらしたのがアメリカで、結婚するとなったら花嫁のリクエストが何でもまかり通る様子を見てきた場合には、 Fさんがシューズのレンタルを拒んで気分を害することがあるかも知れません。
確かに欧米の結婚式では、Something Old, Something New、Something Blue, Something Borrowed, (古いもの、新しいもの、ブルーのもの、借りた物)を 花嫁が身につけるが習慣になっていますが、それでもFさんが犠牲を払う必要は全くありません。

この件については、あまり大きな問題として扱って、Fさんがいろいろな家族や親族に相談したり、 根回しをしたりすると、かえって シューズをレンタルしないことが とても不親切なことに見えたり、従姉妹の結婚式に重大なダメージになるという印象を与えてしまうように思います。
ですので 従姉妹には、 「わざわざ海外から取り寄せた思い入れのあるシューズで、自分の結婚式の記念の品でもあるので、シューズを 貸すのは遠慮したい」 と ごくあっさり伝えて、同件については取り合わない姿勢を見せるのが一番です。 そしてなるべく早い段階にそれを伝えることも大切です。

どうしても それでは 自責の念を感じる場合には、従姉妹の選んだドレスに合うシューズで、結婚のお祝いの予算内で購入できるものを プレゼントすることをお薦めします。 その場合、Fさんが独断で選ぶのではなく、従姉妹の気に入ったものを買わなければ意味が無いので、 彼女と一緒にショッピングに出掛けることになるかと思います。

この場合に、気をつけなければならないのは、予算のラインだけは譲らないことです。 そうでないと、マノーロ・ブラーニックに匹敵するようなお値段のシューズを買わされてしまうことになりかねません。 そのためには予算内で収まらないシューズを従姉妹が気に入ってしまった場合は、予算との差額を 彼女に負担してもらうことを あらかじめ明確にしておくことをお薦めします。
いきなりショッピングに出掛けて、彼女が高いシューズが気に入ってしまった場合、 Eメールの文面からお察ししたFさんのお人柄だと、 従姉妹の経済状況を思いやって、御祝い金の予算オーバーを知りつつも 購入してしまうことになってしまいそうに思います。
それを振り切る自信が無い場合は、デパートの商品券か、キャッシュでお祝いを先に渡して、 それをシューズ代に当ててもらうのが良いかもしれません。
そこまですれば、親族には”従姉妹のためにシューズを貸さなかった薄情者” 扱いはされないはずです。

いずれにしても、ここで最も大切なのは前述のように シューズをレンタルしないことを 大事(おおごと)として扱わないことです。 Fさんが罪悪感を感じたり、周囲に相談すればするほど、単にシューズを貸すことが出来ないというだけの話が どんどん大変な事態のように発展してしまいます。
Fさんの従姉妹が どうしても Fさんのマノーロ・ブラーニックを履いて結婚パーティーをしたい と考えるほどに 思い入れがあるのでしたら、 一生に一度(であるはず)の結婚式なのですから、人から借りて間に合わせようとはせずに ご自分で購入するべきです。 花嫁である従姉妹にとって、それほどまでにシューズが大切なのに、 それを借り物で済ませようとするのは、いわば手抜きとも考えられます。 結婚を”手抜き”や”間に合わせ” にしないためにも、Fさんの従姉妹には思いいれのあるシューズの購入を勧めるべきだと思います。
逆に もし そこまでは思い入れが無いのであれば、他のシューズでも十分なはずです。
相手に思い入れがあっても、無くても、Fさんにはシューズを貸してあげる必要はありませんので、 リラックスして 事を荒立てないように対処されることをお薦めします。


Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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