Jan. Week 3, 2015
★ I'm Not Your Assistant!
同僚のコーヒー調達係をさせられてウンザリしています!


秋山さま、
いつもサイトを欠かさずに拝見しています。何年も毎日のようにチェックしているのは、キューブさんだけです。
いつも、貴重な情報やアドバイスを頂いているので、広告をクリックして、キューブさんの広告収入に貢献しています(笑)。
私にもこのコーナーでご相談させてください。

私が悩んでいるというか、ウンザリしているのは同僚のことです。
同僚は「朝、美味しいコーヒーを飲まないとエンジンが掛からない」と常日頃から言っているほど コーヒーが好きですが、 オフィスのコーヒー・マシーンのコーヒーは美味しくないので、某コーヒー・ショップのコーヒーを必ず飲みたがります。 そのコーヒー・ショップは私の通勤経路だと、駅を出て直ぐのところにあるので、 私は自分のために 毎朝そこでコーヒーを買って出社していました。
ある時、彼女が ミーティング時間ギリギリに 慌ててオフィスにやってきて、 彼女の通勤経路の駅からだと、「オフィスを通り過ぎて コーヒーショップに行かなければならないので、 それがどんなに遠く感じられるか」と愚痴っていた上に、朝早くからのミーティングが翌週にもあったので、 その時に 「1回だけだったら」というつもりで、「じゃあ来週は私が買って来てあげる」と 言ったのですが、それが徐々に毎日の日課になってしまいました。

同僚は、「どうせ私も同じコーヒー・ショップに行くのだからそのついで」と考えているようですが、コーヒーを1杯運ぶのと2杯運ぶのでは、 重さも、気の使い方も全然違います。でも同僚は そんな不都合は一切考えていません。
それに、私はコーヒーをブラックで飲むだけなのですが、同僚は大きなサイズのラテを毎朝飲むので、 時間も余分に掛かります。しかも時々気が変わって モカをリクエストすることもあって、そんな時は、前夜やその日の朝に スマホにメールが入って、それも命令されているみたいでストレスになります。 「何様だと思っているんだろう」と何度腹立たしく思ったか分かりません。
コーヒー代は毎朝きちんと払ってくれますが、口で「ありがとう」というだけで、私はデリバリー係とか、部下のようも扱われる思いをしています。

3週間ほど前にすごく頭に来たのは、私がコーヒーを運んでいるトレーを落としてしまった時のことです。 彼女のラテを運んでいなかったら、私のコーヒーが床に落ちることはあり得ない状況でした。 でも同僚は、お金を払ってくれないのはもちろんのこと、 それどころか、「えーっ、私のラテ、おっこどしちゃったのー?、そしたら私、どうしたら良いの?」と、 コーヒーのシミがスウェードの靴についてショックを受けている私のことなどお構いなしです。 翌日にラテを渡した時には、「今日は粗相が無くて良かった!ご苦労様」とまで言われてしまいました。

その時は、さすがに私も頭に来たので「だったら、これからは自分で買って来て」と言ったのですが、 そうしたら、突然態度を変えて「いつもありがとう」などと、いきなり下手に出てきて、 断るチャンスを逸してしまう形になってしまいました。 それ以来、私にコーヒーを買って来てもらえなくなると困ると思っているようで、コーヒーを渡すたびに 「いつも助かるわー」とか、「XXXちゃん(私のこと)の買って来てくれるコーヒーのお陰で、私はいつも朝からパワー全快なの」などと ご機嫌を取るようなことを言ってきますが、利用されている気持ちは否めません。
どうやったらそんなラテ調達の役割から逃れることが出来るでしょうか? そんな事くらい、言えないのはおかしいのかもしれませんが、同僚は声が大きく、何でも大袈裟にリアクションするので、 私だけでなく、周囲も何となく彼女に合わせてしまうことが多いんです。
だから、私の断り方によっては 同僚が周囲に「たかがコーヒー1杯くらいのことで、私が腹を立てている」というような 印象を与えて、私の方が悪者扱いになってしまうかもしれない感じです。
お知恵を拝借できたら嬉しいです。 どうかよろしくお願いします。

−M−





私も20代で雑誌社に勤めていた時に、Mさんと同じような経験をしたことがあります。
私の場合は、コーヒーではなく、グランド・セントラル・ステーション内にあるベーカリーから調達するベーグルでした。 私が毎朝のようにクリームチーズを挟んだベーグルをデスクで美味しそうに食べている様子を羨ましがったいた スタッフ2人に頼まれて、 彼女らの ベーグルも一緒に買ってきてあげることになりました。 ベーグルは、コーヒーのようにこぼれたりはしませんが、私にとっても やはりこれが徐々にストレスになって来ました。
お金とベーグルの受け渡しを毎朝するだけでも面倒でしたし、 ベーグルにクリームチーズを挟んでもらうという作業は、その場でサンドウィッチを作ってもらうことに等しい訳で、 3人分だと時間も掛かります。しかも私がクリームチーズを挟んだベーグルが食べたくないと思う日も、スタッフ2人のために ベーカリーに行かなければなりませんでした。

私の場合、もう止めたいと思っていたところで、職場のスタッフの1人が仕事を休んで、 行き場が無くなったベーグルは、結局、別のスタッフが買い取ってくれたのですが、 それをきっかけに 「これからは、もう自分の分しか買わない」と宣言しました。
仕事を休んでいない方のスタッフは、「自分は悪くないのに」と不服そうでしたし、 休んだスタッフは、翌日ベーグルのお金を払ってくれようとしたのですが、 「もう決めたことだから」と言って、彼女らのベーグルを買わない姿勢を崩しませんでした。

私が思うに、Mさんの場合も 頭の中でアレコレ考えるよりも、はっきりと、そしてシンプルに断るのが一番の解決策です。
Mさんが その女性のアシスタントやインターンであれば、「コーヒーを買って来て欲しい」と言われて、毎朝買いに行くのは、 仕事のうちと見なされても仕方が無いですが、 その女性は同僚なのですから、いくらMさんにとってコーヒー・ショップが便利なロケーションであっても、毎朝彼女のためにコーヒーを買って行くというのは、 誰の目から見ても 親切すぎる行為です。 加えて職場におけるMさんの立場が 同僚より下に見えても不思議では無い行為ですので、 早急に止めるべきだと思います。

断り方は 相手がどんなに感じ良く、ご機嫌を取ってきても 「コーヒーを買ってくるのは、今日で最後!」と言い放ってしまうだけで大丈夫です。 断り易くするためには、「今日のコーヒーは 私のおごりだけど、これが私が買ってくる最後のコーヒー」と言って、お金を受け取らないのも良いかと思います。
相手が理由を訊いてきても、説明の必要はありません。「どうして?」と訊かれたら、「どうしても!」と、子供の会話のような返事でも十分ですし、 「もう疲れたから」と淡白に言い放っても構いません。その方が余計な説明をするよりも角が立ちません。 Mさんが、「ストレスが溜まっていた」とか「ラテの方が時間が掛かる」など、言い訳がましい説明をすれば、 Mさんが危惧していた通り、「コーヒー1杯くらいのことで…」などと思われかねません。
もしMさんが デリバリー・フィーを受け取っていたのであれば、同僚の女性に これ以上コーヒーを買ってこない理由を説明する必要があるかと思いますが、 Mさんが好意でしていたことなのですから、何時、どういう理由で止めたとしても それはMさんの自由なのです。

Mさんは、頂いたメールの印象から、日ごろから様々なご親切を周囲に対してなさっている方だとお見受けします。
それは素晴らしいことなのですが、1つ私がアドバイスさせて頂くと、 頭で描いて 「簡単そう…」、「大した手間にはならない」と思うことでも、決して「それくらい簡単だから…」、「同じ手間だから」等と言って 引き受けたり、 自分から軽い気持ちで、親切をオファーするべきでは無いという事です。
というのも、どんなに簡単そうに見えることでも、実際にやってみると、意外に時間や労力を要することは少なくありません。 また予想もしない不運やアクシデントが原因で、引き受けた事がとんでもない手間や 迷惑、トラブルの原因になってしまうこともあります。
でも それをMさんが いとも簡単そうに引き受けていたら、相手は感謝するどころか それを「当たり前」、「ついでの手間」程度にしか考えません。 ですから どんなに「簡単そう・・・」と思えることでも、それを決して安請け合いするべきではないのです。

1回だったら簡単で、やってあげても構わないことは沢山ありますが、 Mさんのお人柄は、今回のご相談からお察しして、頼まれたら断れず、ついついそれをやってしまいがちなようにお見受けします。
でもそれを毎日続けてしまえば、知らず知らずのうちに責任や義務が生じてきますし、何の報酬も受け取っていなくても、 やらなかったら自分に非があるかのように扱われるのが常です。
人間というのは、習慣化していることは 「やってもらって当然」と考える生き物で、 これは親子間でも、友人同士でも、職場の人間関係でも同様です。 ですので、習慣化しそうなことを引き受ける場合、それをやってご自分にもメリットがあるのか?、 単なる労力や親切心の持ち出しになっていないか?を まず考えてから、決断するのが賢明です。

でも1回のはずのコーヒーのデリバリーが習慣化してしまった背景にあるのは、Mさんの優しいお人柄と言えますが、 それは同時にMさんの弱さでもあります。断るきっかけや勇気が持てず、何となく続けてきてしまったのは 声が大きい同僚に威嚇されてしまうだけでなく、面倒を避けて通りたい気持ちもあったかと思います。
ですが自分を幸せにするためには、日々自分を不幸にしている要因を積極的に取り除く一方で、 自分にとってプラスになるものを引き付けたり、取り入れたりする努力をしなければなりません。 そのためには、感じていることや事実をはっきり相手に伝えなければならないケースが多々あります。

それを行うにあたっては 「こう言ったら、何て思われるか?」などと危惧したり、余計な言い訳を考えるよりも、 シンプルに、感情を絡めずに、必要なことだけを伝える習慣を身につけるだけで、このタスクは非常に簡単になります。
世の中には、我慢してでも やりたくない事をしなければならないケースは多々ありますが、 やらなくても良いことを 感謝もされないのに 親切心から続ける必要は全くありません。 そういうケースでは、我慢をして続けることが間違いであり、ご自分にとってマイナスです。

そう考えて、今後は親切の安請け合いをしないこと、そして自分の親切心で出来る範囲、無理な範囲の 境界線を明確にして、相手の都合や甘えにつけ込まれない 態度と言動を取ることを心掛けてみてください。 それによって、様々なことが今までよりも ずっと簡単でシンプルになることと思います。
周囲のリアクションなど心配する必要はありませんので、是非トライなさってみてください。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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