Jan. Week 4, 2014
★ Having Sex With STD ?!


こんにちは、
現在、アメリカの大学に通っています。 Cube New Yorkのサイトは、日本に居る時からずっと読んでいて、 留学を決めたのも御社のサイトを見続けて、ニューヨークに憧れていたためでした。 本当はニューヨークに行きたかったのですが、大学の都合で今はウエスト・コーストに住んでいます。
私も是非アメリカの事情に通じていらっしゃる秋山さんにアドバイスを頂きたいことが出来てしまいました。

私の女友達の2人が、婦人科検診で HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)に感染していることが判明しました。
その2人の女友達には、共通のセックス・パートナーが居て(デートしていた時期は異なりますので、念のため…)、 恐らく彼が感染源だと疑っています。 でもその男性は 不特定多数の女性とデートをしているので、 非常に危険だと友達と話していたところ、アメリカでは性病を隠してセックスをした場合、 犯罪になるという話を聞きました。
もし それが本当なのであれば、その男性は立派に犯罪者だと思うのですが、 彼が隠しているというよりも、自分がHPVに感染していることを知らないのでは? と思っています。

HPVに感染した友達の1人は、その男性にとても腹を立てていて、絶対に彼のせいだから、 それなりの責任を取らせたいと言っていますが、 もう1人の友達は、本人に感染していることを知らせるのが先決で、 彼女の友達には、彼がHPVに感染しているので、彼とはセックスをしないようにと 忠告すると言っています。

私は、あまり事を荒立てない方が良いように思うのですが、 それでも、彼が感染を知らないとしたら、それは知らせるべきではないかと思います。 それと、放っておいて治る可能性が高いとは言っても、 感染しているのを知りながらセックスをして、相手の女性を感染させるのは、やはり犯罪に なるのではないかと思えてしまいます。

こういう場合、どのように対処するのが適切なのでしょうか?
アドバイスをいただけると助かります。 よろしくお願いします。

−N−






Nさんのご指摘どおり、アメリカでは州によって法律が異なりますが、STD(Sexcially Transmitted Disease/性病)に感染しているのを知りながら、 それをあえて隠して 性交渉に及んだ場合、犯罪と見なされるケースがあります。
例えばニューヨーク州であれば、STDに感染している人物が、 それを知りながら セックスをすることは軽犯罪に当たります。 また、感染したら死に至る可能性があるSTDの感染者が、相手にそれを隠して セックスをした場合、もしくはレイプなどの性犯罪に及んだ場合や、コンドームの使用等のSTD感染を防ぐ手段を怠った場合は、 Reckless Endangerment (レックレス・エンデンジャメント / 故意による危害)やAssault (アサルト / 暴行)の 犯罪と見なされます。
軽犯罪の場合、1000ドルまでの罰金と1年以下の拘留。レックレス・エンデンジャメントは 重犯罪のA、B、C、D、E という5段階のクラスの中で 4番目のDに当たります。この場合、5000ドル以下の罰金と7年以下の拘留がペナルティになります。

とは言っても、犯罪の対象になると見なされるSTDは、HIVや、B型肝炎(Hepatitis B)等、もっと深刻に命を脅かす感染で、 HPVで犯罪扱いというケースは、正直なところ聞いた事がありません。
Nさんがメールに書いてくださった男性が、感染者であって、それを知りつつ 不特定多数の女性と セックスをしていたとしても、HPVで犯罪者扱いすることは出来ないと思う次第です。

それとは別に、Nさんがメールに書いてくださったように、HPVは放っておいても 自分の抵抗力で消滅させられる ウィルスで、特に症状が出たり、特別な治療を施す類のウィルスではありません。
また潜伏期間が定かでないだけに、感染源を特定するのが不可能と言われるウィルスでもあります。 したがって、お友達の2人の女性が感染して、2人に共通のセックス・パートナーが居たからといって その人物が感染源である確率が高いかといえば、全くそのようなことはありません。
お互いに過去の別のパートナーから感染して、たまたま同じ時期に受けた婦人科検診で明らかになっただけかもしれません。 感染は5年前かも知れませんし、10年前かも知れません。 たまたま同じ男性とセックスをしていたからといって、彼が感染源だと決め付けるのは、かなり無理があります。

さらに言えば、男性に対しては確実にHPV感染を調べるテストはありません。 ですから、その男性について感染の可能性を忠告したところで、どうにもならないのが実情です。
医学的に男性のHPV感染が立証できないのですから、男性を犯罪者扱いしたり、 STD感染者だと決め付けて 友達に触れ回る方が 名誉毀損に当たるというのが私の考えです。

このケースでは、Nさんから お友達に2人に共通のセックス・パートナーが居たとしても その男性をHPVの感染源とは決め付けられないこと、たとえ疑わしいと思っても、立証する手段が無いことを 説明することをお薦めします。
HPVというと、直ぐに 「Pre-Cancer / プレ・キャンサー (がんの兆候)」だと 騒ぎ立てる人も居ますが。 実際にがんになりうる可能性があるのは、HPVの中でもハイリスク型に感染した人々のみで、 そのハイリスク型の感染者の中でも 発症率は僅か 0.1%ほどと言われています。

もしSTDの種類がHIVやB型肝炎であれば、その対応は変わってきますが、欧米では成人の90%が 生きている間の一時期に感染すると言われるのがHPVです。 したがって、 HPVについては 逆に騒ぎ立てた側が良識を疑われる場合も少なくありませんので、 このケースでは 何もアクションを起さないのが一番と言えるでしょう。


Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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