Feb. Week 1, 2017
★ "I'm Not In Love For Good"
暫く誰も好きになっていないので、結婚や子供など考えられません…



秋山様、いつも欠かさずにサイトを拝見しています。
秋山さんのコラムが大好きでもう10年くらい愛読していますが、特にこのコーナーは 皆さんが私と同じようなことで悩んでいらっしゃる様子、 それに対する秋山さんの明解で、心が洗われるようなアドバイスが素晴らしく、これまで何度救われたかわかりません。ありがとうございます。
今日は私自身がこのところ悩んでいる問題をご相談したくてメールをしました。よろしくお願いします。

私は30代半ばで、周囲にはそろそろ結婚を急ぐように言われる年齢ですが、過去3年ほど恋愛どころか好きな人さえできません。 最後に交際した相手と別れたのは多分4年くらい前ですが、別にその時に嫌な思い出があったのではなく、 別れた理由は彼が仕事で転勤になって、遠距離で付き合うほどはお互いに熱意が無かったためで、全く後悔はしていません。
その彼と別れてから、付き合う相手が居ないと、自分のために使える時間が増えるので、その状態を満喫するようになってしまい、 今もそれが続いています。 彼氏が居る友達や結婚している友達が食事や旅行に 参加したくても参加できない様子を見ると「合わせなければならない相手が居るのは大変だな」と思いますが、 彼氏やご主人が居ることを羨ましいと思うことはありません。  結婚に対しても憧れや願望がなくて、自分のペースで自分の面倒だけを見ていく生活が楽だし、自分に合っていると思うので、 一人暮らしも寂しいと思ったことはありません。どちらかというと付き合う彼が居た時の方が、いろいろなことでストレスが溜まることが多かったので、 今が人生で一番幸せだと思うほどです。

でも両親にそれを話すと、まるで私に社会性が無いように思われたり、子供を産まないことが女性としての不幸のように言われます。 ですが無理に結婚して子供を産むような人生は送りたくないんです。 私の周囲にも私と同じように 何年も恋愛していなくて、結婚なんて今は考えられないという人が何人かいて、 「自分だけが…」というような疎外感も感じません。
でもあまりに周囲に「結婚」、「子供」とプッシュされるので、このままで良いのかな?と思うこともあって、 いずれはしなけれなならないことを、先送りしているような気になって、人生が中途半端な気持ちを味わいます。

もし、いっそ結婚しないと決めてしまうのだったら、実は私にはやりたいと思っていたことがあって、そのために貯金もしていて、 実行に移したいと思っていますが、結婚しないなどと決めてしまって良いものかと思ったり、やりたいことをしている間に婚期を逃すなどと 周囲が言うので、まだまだ気持ちがグラグラしています。
自分の人生にどうやったらしっかりした展望が持てるようになるのか、何かアドバイスをしていただけたらと思います。 情けない悩みで申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします。
これからもずっと応援しています。

- C -





私がCさんのメールを拝読して、まず思い出したのが もう何年も前に 占い師である母が 私の親友の1人を占った時のこと。 「XXXちゃん(私の親友のこと)は、子供は出来ないけれど、楽しい一生が送れるわね」というのが、彼女の人生全般に対する母のコメントだったのですが、 それを聞いて私の親友が尋ねてきたのが「子供が居ないと 半人前の人生にならないでしょうか?」という質問でした。
これについては 母にフィードバックなどするまでもなく、私が独断で 「子供の人生を加えないと一人前にならない人生だったら、最初から半人前なんじゃない?」 と冗談半分に答えたのを覚えていますが、事実、親というものは子供の人生を生きることはできませんので、これは私の正直なリアクションでした。

それとは別に今の時代は、 ”Asexual / エイセクシュアル(性的な興味・関心が無い人)”、 ”Demisexual / デミセクシュアル (相手に対して感情的に深いコネクションを感じない限りは、性欲を覚えない人)” といった言葉が登場して、誰でも彼でも恋愛意欲旺盛というような 時代ではなくなっているのが事実です。 また俗に言う適齢期だからと言って、結婚に対して盛り上がれないカップルは沢山居ますし、結婚願望についても「有利な条件であれば…」、 「子供が産めるうちにしておきたい」程度の冷めた願望の人は少なくありません。
中には 結婚して子育てに追われるという自分の親のライフスタイルをリピートしたくないとはっきり宣言する人も居て、 アメリカではミレニアル世代を中心にCさんのように、「しばらく恋愛をしていない、しなくても別に構わない」という人は珍しくありませんし、 そうした人たちは、その状況に疑問さえ抱いて居ません。

また、結婚したところで、離婚を始めとする生別、死別によって老後を1人で過ごすことになったところで不思議ではありませんし、 女性の場合、先に病気になった相手の看病で人生の後半の大切な時期を使い果たしてしまうケースは少なくありませんので、 結婚が老後のインシュランス(保険)になったり、結婚相手が自分のケアテーカーになってくれるというシナリオは、 頼って生きるにはあまりにも不確実なものです。

にも関わらず今だに、「人と同じような人生を送りたい」、「人並みの人生を送りたい」という理由で結婚、出産を望む女性まだまだ日本に多いようですし、 「結婚して、まず落ち着いて、子供を産んで、子育てをしながら家で出来る仕事を起業して…」と、結婚と子供の予定、及び夫だけの収入では食べていけないことを 見越して、育児をしながらの仕事についてもしっかり予定を立てている人は少なくないようです。

これがニューヨークのような女性のキャリア優先の社会になると、結婚は30代後半、出産は40代前半というタイムテーブルを決め込んで、 それまでは将来性のあるボーイフレンドをキープすることはあっても、 ”婚活”などせずに キャリアに没頭する女性が非常に多いですし、出産後もベイビー・シッターを雇って直ぐに仕事に戻ることになります。
また子供が産める年齢で相手に恵まれなければ、精子バンクを使ってシングル・マザーになる道を模索するケースもあります。
そこまでのキャリア志向が無く、子供が欲しいと考える女性の中には、特に好きでなくても、頭脳明晰で、子供の大学の学費、 高額な不妊治療費も支払える男性と結婚して、 「何をおいてもまず子供を作る、貧しい生活をせずに子育てをする」ことに全てを傾けるケースは少なくありません。
実は私の知り合い2組がここへ来て離婚したのですが、それらのカップルは、まさに子供を作るために愛情があったとは言い難い結婚をして、 お互い結婚している必要がなくなったので別れたというシナリオでした。
そのうちの1組は夫がかなり年上で、彼には連れ子がいましたが、既に大学に進学していたので、 妻側は連れ子とは一緒に生活したことがありませんでした。年末に離婚を申請する際に、 はっきりと「子供を一流大学に送り込むための彼の財力が目当てで、結婚当時別に好きな男性が居たものの 夫と結婚した」と 私の友達に言ったそうで、友達にご主人のことを「父親やハズバンドとしては短気で身勝手で手を焼いたけれど、エックス・ハズバンド(元夫)としては お金は出しても余計な口出しをしないから最高!」と語っていたそうです。
実際に、そのカップルの子供は2人ともドミトリー(寮)と学費だけで、1人3,000万円の出費は下らないアイヴィーリーグの大学に進学し、 子供達にとっては 多額の学費ローンを抱えずに世の中に出られるのは、非常にラッキーと言える状態となっています。

もう1組は いわゆる出来ちゃった結婚で、子供が出来たために結婚して、少なくとも表面的には上手くやっていましたし、 夫婦ともに子供のことはとても可愛がっていて、そのまま結婚生活を続けるかと思って周囲が見守っていたところ、 夫側に好きな女性が出来て、年明けまで我慢して離婚の申請をしたそうです。 でも夫側には浮気をしたという意識は無く、それというのもお互いに愛情が無いことは分かっていたため、 どちらかに好きな人が出来るまでの結婚だったようです。
とは言っても、妻側は一緒に暮らしている間に 何度も夫と上手くやって行きたいと思ったようですが、 やはり恋愛に関しては男性の方がピュアでロマンティックなところがありますので、一度夫に好きな人が出来てしまうと、 元の鞘には戻れなかったようです。

これら2つのケースにおいて、女性達はまず愛情によって結ばれて、それから子供を設けるという伝統的スタイルとは異なる結婚をしている訳ですが、 私はこれらの女性が自分が欲しいものにフォーカスして、それを確実に手に入れて、人生をコントロールしているという点で、 人と一緒になることばかりを考えてノラクラと「ああしたい」、「こうしたい」とどっち付かずの理想ばかり唱えている人よりも尊敬に値すると思っていたりします。
というのも人生には待っていても何も起こらない時がありますので、自分が欲しいものを手に入れるために、妥協を強いらるケースは何度も訪れるのです。 そんな時に絶対に譲れないポイントで最高を求めて、自分の決心と意思で狙ったものをしっかり手中に納めるというのは、妥協というよりもむしろ戦略なのです。

さて、Cさんのメールを拝見したところ、Cさんは現状の生活に満足していて、特に結婚や出産などの強い願望を持っていらっしゃる訳でもないようなので、 私の目から見れば、無理に恋愛をする必要など無いように見受けられます。 3〜4年好きな人が現れなかったところで、それはCさんから恋愛感情が消えてしまった訳ではありません。 逆に好きでもない相手を好きだと思い込もうとしたり、相手の意思も確かめずに、勝手に結婚を考える方が ほよど恋愛の勘を鈍らせる行為です。

Cさんが今生きている30代は女性の若さに実力が伴って、行動半径が広がり、様々な可能性を模索出来る時なのですから、 それまで目標にしてきたことを実行するのにはとても良い時期なのです。
するかどうかも分からないような結婚に備えて、タイミングを見計らっていると、結婚相手など現れず、夢実現のタイミングだけを逸することになりかねません。
そもそも待っているものというのは往々にして訪れないものですが、 「今来たら困る」と思うものに限って、一番忙しい 最悪のタイミングで、ノーチョイスでやって来るというのが人生です。 したがって豊かな人生を送ろうと思ったら、起こっても居ないことをを待ったり、備えたりせず、 世の中一般の人と同じタイム・テーブルで人生を送るのが理想だなどと考えずに、自分がその時々に出来ることを どんどんチャレンジしていくべきなのです。
もし、人生がピンボール・マシーンのように3回トライできるのであれば、その1回くらいは世の中で良しとされる人生に費やしてみるのも良いかもしれませんが、 それが特に自分に合っているわけでも、自分がやりたい訳でもない場合には、誰もがやっていることを わざわざ自分が一度しかない貴重な人生を使ってトライする必要は無いと思います。

毎回このコーナーでお伝えしている通り、一番大切なのは自分を幸せにすること、自分にとって満足出来る人生、 最後の瞬間に決して後悔しない人生を送ることです。自分を常識の型にはめることなく、正直に生きていれば、CさんにはCさんの運命やチャレンジが 訪れて、そこから様々な道や可能性が広がるはずです。周囲の余計な雑音はカットして、自分の心に耳を傾けて生きることをお薦めします。


Yoko Akiyama

このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

Shopping
home
jewelry beauty health apparel rodan

Q&ADV プライベート・セッション

PAGE TOP