Feb. Week 3, 2013
★ Should I Tell My Friend...


いつも楽しくサイトを拝見しています。
このコーナーが出来てとても嬉しく思っています。 友達に相談できない悩みが出来てしまったので、是非アドバイスをお願いします。

仲が良い友達が結婚することになって、その二次会のお手伝いをしています。 結婚する2人と、私を含む新婦側の友達、新郎側の友達で、時々ミーティングをしていますが、 皆でかなり酔っ払うまで飲んだ日がありました。 たまたま新郎と私が同じ方向なので、タクシーに同乗したのですが、 こともあろうに、新郎が私のことを口説いてきたのです。
私は内心ギョッとしましたが、冗談を言って、取り合わないようにして、 酔っ払っているせいにして 何とかその場を逃げました。 でも、タクシーの中で 新郎が私の手を握り締めて、その手をどんどん自分の方に引っ張っていった時は、 本当にどうなるかと思いました。 今でも思い出すと、トラウマみたいになっています。

次のミーティングでは、新郎も、私も何も無かったように振舞っていましたが、 新郎の友達によれば、彼はモテるのだそうで、よくバーやクラブで女の子を引っ掛けてしまうという話を 新郎新婦が居ない時にしていました。 そんな話と私の経験から考えると、友達が彼と結婚したら、彼の浮気で苦労するのは目に見えていると思うのです。
友達は、以前付き合っていた彼氏が 浮気をして、それが原因で別れたことがあって、 その彼の悪口を何度も聞いたことがあります。 彼女もジェラシーが強いタイプなので、結婚相手の浮気を 許せるタイプには思えません。
彼女が彼の浮気で傷ついてから、私が「実は二次会のミーティングの帰りに、彼が口説いてきた」などと言ったら、 きっと、「どうしてその時に忠告してくれなかったの」と言われそうな気がしています。
私が彼女の立場だったら、誰かが忠告してくれた方が有り難いように思うのですが、 果たして友達に話すべきなのか、話すとしたら、どうやって切り出したら良いのか 分かりません。
誰かに相談すると、こっそり言いふらされるような気がするので、誰にも相談できません。 忠告する場合は、私と新婦の間だけの秘密として話そうと思っています。
お知恵を拝借できたら幸いです。


−S −






人生において、”誰にも言わず、相談もせずに、 墓場まで持っていった方が良い事” というのは 誰にでも起こることですが、 Sさんが 経験されたのはまさに その1つです。
ですから、私はSさんがお友達に、フィアンセの浮気性や、酔っていたとは言え 彼が口説いてきたことを忠告するのは、 お薦めしない立場です。

私は、同様の親切心からのアドバイスをして、逆に酷い目に遭うケースを いくつも見てきましたが、 男性の友人同士の場合は別として、女友達の間での こうした忠告というのは、十中八九、忠告した側が悪者にされます。
そうなってしまうのは、以下3点の要因が挙げられます。


私の かつて友達が 非常に類似したケースを体験しているので、それを例に挙げてご説明させていただきます。
私の友達は、女友達のボーイフレンドに 何度も口説かれていて、ある時、彼と一晩を過ごしてしまいました。 一度 そういう関係になると、女友達がボーイフレンドとのデート話で ノロ気ているのを 聞いているのが たまらなくなるようで、 それがジェラシーからなのか、彼を信じて幸せそうにしている女友達への罪悪感なのかは 定かではありませんでしたが、 ある時、彼女は 女友達にボーイフレンドが自分と浮気をしたことを告白して、彼が信頼できるような男性ではないことを 忠告してしまいました。
その後、何が起こったかと言えば、まずボーイフレンド側は 最初は浮気を否定していましたが、 やがてウソが つき通せないという段階になって、今度は 私の友達が彼に猛然と迫ってきたこと、酔っていたことを理由に、 浮気を認めました。そして、最初に浮気を否定するウソを付いたのは、「2人の友情にひびが入るのを心配したため」と説明しました。
その結果、100%信じてもらえたのは彼のストーリー。 私の友達は、他人のボーイフレンドを寝取ろうとした 英語でいうWhoa/ホア(売春婦)扱いで、女友達からは一斉に仲間外れにされ、 1人泣きを見る思いをしていました。

女性というのは 自分で勘付いた夫やボーイフレンドの浮気については、その可能性を否定したいと思う気持と 真実を知りたいという気持が入り乱れて、詮索意欲が旺盛になるケースが多いですが、 他人に忠告されるなど、寝耳に水の状態で入ってきた 浮気の可能性については、 「まさか、そんなはずはない」というファースト・リアクションを示します。
どちらのケースも、女性側は よほど相手に愛想を尽かしていない限りは、 「相手が浮気をしていない」という方向で考えたがるので、 後から頭を冷やして考えてみれば、明らかに浮気をしているような状況でも、 ウソで固めた言い訳を信じて、不安を払拭しようとするケースは少なくありません。

また 男性の浮気というケースでは、何故か常に 浮気相手の女性を悪者にして、カップルの関係は穏やかに収めようとする場合が殆どです。 合意の上で関係したのであれば、浮気の当事者は ”同罪” と考えるのがフェアな見地だと思いますが、 男性というのは 「相手に誘われた場合、コントロールが効かない生き物」という概念や、 「自分の種族の継続と繁栄のために、本能的に複数の女性と関係するように生まれ付いている」 というような、都合が良い言い訳が存在していることもあって、 男性は 結婚さえしていなければ、浮気で社会的に制裁を受けることもありません。
たとえ結婚していた場合でも、夫が妻に高額のジュエリーをプレゼントして、浮気を許してもらえるケースは良くある話です。
TV版の「セックス・アンド・ザ・シティ 」に、サマンサがパーク・アベニューのリッチなハズバンドと 浮気寸前の段階になって、 サマンサの知り合いの妻が帰宅して その様子を目撃し、以降サマンサが ソーシャル・サークルから のけ者にされただけでなく、 ソーシャライト御用達のレストランにも入店できないほどの 村八分状態にされるというエピソードがありました。 実際のところ女性は、自分の友達と浮気をした夫はキープしても、自分の夫と浮気をした友達は 徹底的に攻撃して、追い出すのが常です。

Sさんの場合、お友達のフィアンセとの間には 何も無かったのですから、お友達を思う正義感や親切心は理解出来るのですが、 好き好んで波風を立てる必要はありません。
もしお友達に忠告をして、お友達がフィアンセを問い詰めたとしても、「酔っ払って、からかっただけ」程度で片付けられてしまいますし、 お友達が「Sさんを口説いた」ことを持ち出せば、彼は「自分の方が口説かれた犠牲者」という説を展開するかもしれません。 そうなったら 「彼がモテる」 ことは 彼の友達も認めていることですから、そのことが「彼が浮気性」であることよりも、 「彼の方がSさんに口説かれた」という説を有利にするのは目に見えています。

また、メールには「私と新婦の間だけの秘密として話そうと思っています」とありましたが、一度Sさんが新婦であるお友達に話せば、 お友達はジェラシーが強い性格とのことでしたので、1人で考えているより フラストレーションや、 混乱、時に怒りを感じて、必ず誰かに相談します。 そして彼女が 誰かに相談する際には、Sさんが語ったことが、彼女が感じたストーリーとなって、 彼女の視点が入って伝えられますし、それに加えて フィアンセ側の言い訳が フィードバックされることになるのも当然の成り行きです。
そうなれば、事態がどう展開しても Sさんが、新婦とそのお友達から 批判を浴びたり、仲間外れにされる可能性は非常に高いと言えます。

人生においては、人に忠告されるより自分で悟った方が良いことが沢山あります。
自分の中で、それが親切で、正しいと思っていることでも、忠告するよりも、そのままにした方が良いケースが沢山あるのです。
Sさんとお友達のフィアンセのことは、Sさんさえ口を閉ざしていれば、誰の耳に入ることもありません。 そもそも2人の間には何も無かったのですから、彼がそんなことを自分の友人に話す理由はありません。
もし、将来的に彼が浮気をして、妻となったお友達が悩むことがあったとして、 それはSさんのせいではありませんし、Sさんが忠告していたら、それが止められる訳でもありません。
これから、結婚して幸せになろうとしているカップルの未来に、影を落としてしまうより、 タクシーの中で起こった事は、お友達のフィアンセが「ただ酔っ払って、からかってきただけ」と 考えて、ご自身の中で消化してしまうのが一番です。



Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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