Feb. Week 4, 2014
★ Wedding Dress Stress


初めまして、
つい最近 友人に教えてもらって、このサイトの存在を知りました。
以来、秋山さんのコラムのバックナンバーを読み漁り、このコーナーも全て読ませていただいて、すっかりファンになってしまいました。 実はこのサイトを友達が教えてくれたのは、私が直面している問題を「秋山さんに相談してみては?」と勧められたためで、 どうしようかと迷っていたのですが、やはりご相談したいと思ってメールをしています。

実はもう直ぐ結婚することになっています。
結婚が決まった時に、母から 母が着用したウェディング・ドレスを直して着て欲しいと言われました。 私と若い頃の母は、ほぼ体型が一緒なのと、ウェディング・ドレスは買っても、借りても高いので、最初は良いアイデアだと思ったのですが、 いざお直しに持っていったら、内側が思っていた以上に傷みや変色があって、結婚式の最中に 破けたり、割けたり心配をせずに着用出きるようにするには かなりのお直し代が掛ることが判明して、母がそれを全額払ってくれることになりました。

ところがその話を友達にしたところ、それだけのお直し代があれば、新品のドレスが購入できると言われてしまい、 そのお友達と一緒にドレスを観に行きました。 そうしたら そのうちの1枚に一目惚れしてしまいました。 しかも、その時に買えば割引があって、母のドレスのお直し代よりも安かったのでのです。
私は理想のドレスに出会ったという興奮で、思わずそのドレスを買ってしまって、今はお店にあずかってもらっています。 結婚相手の彼は、私が選んだドレスの方がずっと良いと言っていて、母のドレスは 彼も 「悪くはないけど、ちょっと古臭いドレスだな」と 思っていたと言っていました。 私も 大好きな母の気持ちを尊重して、母のドレスを着ようと決めましたが、自分が本当に着たいドレスに出会って 実は自分が無理をして妥協していたことを 思い知ってしまいました。
でも母とは別々に暮らしていますので、母はそんなことになっているのは 知りません。

当日になって、自分が思っていたドレスを着ないで 私が花嫁として現れたら、母は怒って、取り乱してしまうかもしれないと思うので、 前もって話さなければと思うのですが、母は私がそのドレスを着用するのを楽しみにしている様子なので、どうしても切り出すことが出来ません。
それに、こんなことを言うのはお恥ずかしいのですが、私がドレスを買ってしまったのは、母がドレスの直し代として払ってくれるお金が入ってくることを 見込んでいたためで、自分ではドレス代を払うのは今の状態では無理なのです。
何度も話そうとしたのですが、母にとっては母娘が同じドレスを着て結婚式を挙げるということにとても意味があるらしく、 この場合、どうやって母に打ち明ければ角が立たず、理解してもらえるかで悩んでいます。 私は一人娘で、あとは弟が居るだけなので、母のドレスを着て結婚できるのは私しか居ません。
友達には、「ドレスの傷みが激しくて、着られるコンディションにならない」と言い訳するように言われましたが、 ドレスをきちんと直せることが分かって、お直し代を払ってもらえることになったので、その手は使えません。
買ってしまったドレスは、今なら丈を直していないので、返品が出来るようなのですが、したくありません。 母のドレスは、もし着用するのなら そろそろお直しのお金を入金して、作業に取り掛かってもらわなければならない時期になっているので、 母に打ち明けるのならば、タイミング的には 母からお直し代を受取った直後に お直しをする必要が無くなったと 伝えることになると思いますが、どう説明するのが良いかわまりません。 だんだん日が迫ってきているので、早めにお知恵を拝借できたら嬉しいです。
勝手ですが、よろしくお願いします。

−I−






まずは、ご結婚おめでとうございます。
加えてご自分が本当に着たいと思うドレスが見つけられたことも、とても良かったと思います。

そのドレスのことを お母様に理解して頂いた上で、心から祝福して頂くためには、言い訳やタクティックなど無しに、 きちんと全てを包み隠すことなくお話するのは 義務だと思いますし、 それは出来る限り 早い段階で実践しなければなりません。

私が I さんのメールを読んでいて、ドレスを買ってしまったプロセスまでは、何一つお母様に お話して 悪いと思う事は無いと感じました。 でも、どうやってお話したら良いかを考えているうちに、策略めいた考えが出てきてしまったのは メールを拝見していて残念に思いましたし、それをお母様は必ず察知します。
ですから お母様にしてみれば、 ご自分のドレスを I さんが着用しないことより むしろ I さんが ドレスについて お母様に 本当のことを 早い段階でお話しせず、 それでもドレス代は払って欲しいと思って、説得法やタイミングを見計らっていることの方が よほど失望に価すると 受取られるように思います。

私が”策略めいた”と指摘するのは、ドレスのお直し代をお母様に頂いてから、自分が既に別のドレスを買ってあって、お母様のドレスを 着用する意志が無いことを打ち明けるという部分です。
恐らく I さんは、お母様が自分のドレスを着ないことを知ったら 気分を害して、 I さんがドレスの支払いに当てようとしていたお直し代を 支払ってくれなくなることを危惧して、先にお金を受け取って、後から説得しようと考えていらっしゃるのかと思います。 でも、本来の使い道とは異なる用途に使うと知りつつ 金を受け取るというのは、投資をすると言って集めたお金を使い込むようなもので、 他人同士の取引だったら、詐欺と言われても仕方が無い状況です。
したがって、お金を受け取ってから その一部始終をお母様に説明した場合、お母様が欺かれたという気持ちになっても不思議では無いと思います。

マーク・トゥエインの語録の中に ”Honesty is the best policy ? when there is money in it / オネスティ・イズ・ザ・ベスト・ポリシー、ホェン・ゼア・イズ・マネー・イン・イット”というものがあります。 これは 「お金が絡むことでは正直であることがベスト・ポリシー」という意味ですが、 私もまさにその通りだと思います。
たとえ、親子でもお金のやり取りが絡むことは、最初から正直に全てをクリアにすることが一番なのです。
ですから、お母様にはドレス代を受取る前で、I さんが購入したドレスが未だ返品可能な段階で全てをお話するのが筋で、 その上で、新しいドレスをお母様に見ていただいて、ドレス代を支払って頂けるかを打診するのが正しいプロセスです。

それとは別に、アメリカでも 自分のドレスを娘に着用させたいという母親が居るようですが、実際にはI さんがメールに書いてくださったように、 年月が経つと素材が傷みますので、完璧にお直しをしたところで、式の最中に脇の下や背中が避けてしまうというトラブルは、 実際にアメリカの結婚式で起こる場合があるようです。 結婚式では、花嫁が緊張する場合が多いので、そんな時にドレスが割けるようなトラブルがあったら、 パニックに陥って、一生に一度の幸せな日が台無しになってしまいますし、たとえそんなことが無くても、 ドレスがデリケートな状態である場合、それにダメージが無いように気を使って着用していたら、花嫁がウェディングを満喫することが出来ません。
たとえ、お直しを担当する方が きちんと直せるとおっしゃっても、一生に一度の一大イベントの日というのは、 逆に何が起こっても不思議では無い日であったりもしますので、予期されるリスクは抱えないのが一番なのです。

ですから 本当のことをお話ししながら、そんな部分もお母様にご理解頂いて、I さんが一目惚れして 購入されたドレスを まずは見ていただくことをお薦めします。 それを支払って頂けるかのお金の交渉はそれからです。

それともしI さんの良心が咎める場合は、お母様のドレスを着用して 写真撮影だけでも行うことをお薦めします。
これはウェディング当日の忙しい中で行う必要はありません。式の数日前などに 当日の写真撮影のカメラテストのつもりで、 プロのフォトグラファーでなくても、 ご家族に撮影していただければ良いと思います。 新郎が居なくても、お母様と2人で写真に写るだけで 十分良い思い出になると思いますので、 お試しになってみてください。
それでは、お幸せに!

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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