Mar. Week 3, 2013
★ Sister In Law Feud


いつも楽しく読ませていただいています。
新しくできたこちらのコーナーもとても面白く、ためになるので、私も是非アドバイスをいただければと思い投稿させていただきました。

数年前、兄が結婚し、自分よりも数歳年下の義姉ができました。ところが、この義姉に私は嫌われてしまい、困っているのです。
原因は結婚式当日、私が着ていたドレスにあります。 これは本当に偶然なのですが、義姉のお色直しのドレスと、私のドレスの色が若干 かぶってしまったのです。
それでも、向こうはフルレングスのプリンセスラインのドレスで、こちらは足首くらいの長さでタイトなラインのドレスです。 生地の材質も違いますし、違うといえば全然違うドレスとも思えるのです。その他、髪型も違いますので、 全体の雰囲気も全く違うと私は思いました。
ところが これが甘かったようで、義姉は思いのほか このことが気に入らなかったようなのです。 後日、兄に聞いた話なのですが、義姉側の親族が その日の主役である義姉よりも、むしろ私のことを綺麗だとほめてくれたようなのです。 このことが義姉にはとてもショックだったようで、兄は泣かれたみたいでした。

ドレスがきっかけで、どうも義姉は私にライバル意識というか、ネガティブな感情を持つようになったようです。
私としては、張り合うつもりもないので、式後から今日に至るまで、顔を合わせるときには普通に接しているつもりです。 むしろ、義姉から これ以上嫌われないようにと、普通以上に親切にしているようなところもあります。
例えば、会うときは義姉の好きそうなお土産を持っていったり、旅行に行っても それなりの値段の、気の利いたお土産を買ってきたり、 皆で話している時も 大人しい義姉の意見も聞こうと、話を振ってみたりと、私なりに仲良くしようと努力をしているつもりです。
けれども、向こうも普段は静かなお嬢さん風の振る舞いで感じもいいのですが、ちょっとした言動や、とっさの受け答えに、 私に対する良くない感情が見えるのです。場の雰囲気を悪くするほどではないのですが、親も義姉の私に対するネガティブな気持ちには気づいています。

私からすると、相手の不満を解消しようと努力しているにも関わらず、それが効果がないと思うと、やりきれない気持ちになります。
こうなると、正直、私も義姉とのわだかまりは解消できないと思えてきました。 ただ、今後の親戚としての付き合いを考えると、せめて敵意のようなものは感じたくありません。
さらに 兄とは二人きりの兄妹で、今後とも兄とは仲良くしていきたいのです(昔から兄妹仲は良好です)。 兄は特に義姉の味方につくというわけではないのですが、義姉が私を嫌っているのは分かっているので、 結婚してからは 義姉がいないところで 私との電話をするようになりました。
私はこういった事態も 異常と思いますし、なるべくなら、別に浮気相手でもないのですから、堂々とメールでも電話でもコミュニケーションを取りたいのです。 離れた場所に住んでいますし、私も結婚していますし、兄妹二人きりで会うことも全くありません。 電話にいたっては、せいぜい年に2〜3度程度です(ちょっと長電話にはなりますが)。
それでもそこまで義姉に遠慮しなくてはいけないのかと思うと、義姉の考え方が凄く子供で我が儘に思えてくるのです。 今後、この事態を改善できる方法は何かあるのでしょうか? 私はどのように動けばいいのでしょう?
それとも、義姉の機嫌が直ることを気長に待つしかないのでしょうか?
アドバイスをいただければ幸いです。

−MM −






私は、暫く日本の結婚式に出席していませんので、昨今、日本のウェディング・ゲストや、親族がどういった基準でアウトフィットを 決めているのかについては 疎くなっていますので、ここでアメリカのスタンダードをご紹介します。
例えば、MMさんがお友達のウェディングに出席したとします。その結果、MMさんが着用していたドレスが、見ようによっては花嫁のドレスに似ていて、 花嫁が気分を害した場合、その日を境に、少なくとも暫くの間は、 MMさんと花嫁の共通の女友達は、誰もMMさんの携帯メールに返信してこないのが通常です。

アメリカでは良家になればなるほど、結婚式は花嫁側のファミリーが費用を全額負担し、花嫁が1年前後を掛けて、自分が好きなように、教会のフラワー・アレンジメントから、 ウェディング・ケーキ、ブライズ・メイドのドレスをアレンジするのは当然のこと、中には ” ブラック&ホワイト・ウェディング ” のように、 出席者の服装のカラーまで 「黒か白のみ」と限定して、ウェディングの写真写りをコントロールする花嫁も少なくありません。 セレブリティでは、直ぐに離婚してしまいましたが、キム・カダーシアンとクリス・ハンフリーが ブラック&ホワイト・ウェディングだったのを記憶しています。
アメリカでは、カップルの50%が離婚に至りますが、それでも花嫁にとってはウェディングは一生に一度のイベント、 それも子供の頃から夢見たイベントで、非常に思い入れが強いものです。
アメリカでは、花嫁が自分のウェディングを完璧なものにするために、常軌を逸したコントロール・フリークになる様子を 「ブライドジラ(ブライドとゴジラをくっつけた造語)」と呼ぶほどなのです。 もちろん ” ブライドジラ ” のレベルまで言ってしまうと、周囲も愛想を尽かすのが通常ですが、 それほどまでに、女性が入れ込むのがウェディングです。
このことは、国やカルチャーが変わっても同様だと思います。

したがって、MMさんのお気持も分からなくも無いのですが、ご説明いただいた状況から判断させて頂いた限りでは、苦言を呈さなければなりません。
お兄様の結婚式は、言うまでもなく その花嫁である義理のお姉さまが主役です。 「偶然ドレスの色が似ていたけれど、MMさんの目から見れば違うドレス」とのことでしたが、このオケージョンでは MMさんの見解が客観的に正しかったとしても、それはカウントされません。
主役として、一生に一度の、子供の頃から夢見た日を迎えた花嫁が 気分を害してしまった場合、それはMMさんに何らかの非があるということなのです。
MMさんのご自身のウェディングだと思って 想像なさってみてください。 生まれた子供にも将来語って聞かせることになるウェディングの日の思い出が、義姉のドレスが目立ちすぎて、台無しとは言わなくても、 心にネガティブなインパクトをもたらすことになったら、その後の関係がギクシャクするのは当然だと思います。
また結婚式の服装というのは、「親族は着物でもドレスでも、地味にするのが常識」 だと思っているファミリーは少なくないのです。

そもそも、義理の関係というのは非常にデリケートなものですし、女性同士なら尚のことです。 ですから、義理のお姉さまにしてみれば、その結婚式のドレスで、妹とは言え年上のMMさんから、 「ファミリーの主役は貴方じゃなくて、私」 というような挑戦状を いきなり突きつけられた思いをしたかもしれません。

メールから拝見した限りでは、MMさんはその後、「結婚式のドレスが、偶然似通ってしまったこと」について、義理のお姉さまに謝罪をされたような 形跡は感じられなかったのですが、義理のお姉さまに嫌われた原因が これだけはっきりしている場合、 時間が経過していても、私は義理のお姉さまに謝罪するべきだと考えます。 もし、既に謝罪されていらしたら、もう一度だけトライされることをお薦めします。
済んでしまった事でも、相手の心の傷として残っていることは、何年が経過しても忘れたり、気を取り直すようなことはありません。 それどころか、悪化の一途を辿るのが通常です。

ネガティブな感情が始まった原因を知りながら、それを放置して、相手が気を取り直すのを待つのは、腫瘍を取り除かないで、塗り薬で治療しようとするようなものです。
問題の根源が残っている限りは、MMさんが何をしようと 義理のお姉さまにはネガティブにしか受取れません。 旅行のお土産を買って持って行っても、旅行のあてつけがましい自慢だとしか受け取ってもらえませんし、 会話に混ぜてあげようと話を振ったところで 「私にボロを出させようとしている」としか考えないように思います。
そもそも、大人しい女性に対して会話を振るというのは、関係がギクシャクしていなかったとしても、それほど親切な行為として受取られないのが実情です。

頂いたメールに、お兄様が 「結婚してからは 義姉がいないところで 私との電話をするようになりました。私はこういった事態も 異常と思います」とありましたが、 これはMMさんと 義理のお姉さまの関係を考えれば、別に異常なことではありません。
お兄様はMMさんとは、これまで通りの兄妹関係を続けたいと思っていても、妻である義理のお姉さまの感情も逆立てたくないのです。 同様の状況で、伴侶と家族の双方との関係を上手く保つために 気を遣って生活する人は、世の中に決して珍しくありません。 それほど 誰にとっても 「義理の関係は難しい」ということなのです。

でもMMさんが、お兄様に そんな気を遣わせることなく、義理のお姉さまと上手くやっていきたいと 本気でお考えなのであれば、 「ドレス選びに配慮が無かったこと」を認めて、「花嫁より目立とうなどという競争心など、全く無かったこと」、 「それが原因で自分が義理のお姉さまから嫌われたことが分かっていたから、 仲を修復しようと努力してきたこと」等をお伝えして、謝罪するべきです。
MMさんのメールから 「私は悪い事はしていない」 というお気持を読み取りましたが、これは誰が悪いとか、正しいという問題ではありません。 義理の関係に限らず、人と上手くやっていくためには、時にどんなに不本意でも 「自分が折れて、相手を立てる」ということを しなければなりません。
この段階で、これが出来る人間になっておくことは MMさんの将来に決してマイナスにはなりませんし、 一度、謝ってみたら 「こんなに簡単なことが、どうして出来なかったのだろう」と 思うかもしれません。 世の中には、ほんの小さな事で 意地を張ったり、頑固になりすぎて、人生を難しくしてしまう人は少なくないのです。
精神的な柔軟性というのは、生きていく上でとても大切なものですし、ストレスにこれほど効果的なものもありません。

一度、しっかり謝罪をしたら、今度は逆に必要以上に 義理のお姉さまに気を遣うの止めるべきです。 気を遣うというのは、遣っている側は 親切だと思って やっていますが、気を遣われている側というのも それなりに疲れている事が 多いものです。
もし義理のお姉さまの態度が 謝罪で変わることがなかったら、尚のこと、 気を遣うのを止めて、逆に距離を置いて 接点を少なくする方が得策です。
もちろん配慮は大切ですが、何をするにも 必要以上に努めるのはプラスよりマイナスに働きます。 義理の関係はニュートラル・ポジションの、付かず 離れずが一番なのです。

最後に、大人しい女性は、内に秘めている感情が人一倍強いケースが殆どです。
それは、ネガティブに働くと 厄介かも知れませんが、ポジティブに働いた場合、 愛情が深く、相手に尽くしますし、自分の愛する人間とその周囲を 驚くほど 良く見ています。
お兄様にとっては、心強い伴侶と言える一方で、MMさんのことも、MMさんが思っている以上に よく見ていると思って間違いありません。 MMさんが、「私は悪いことは何もしていないけれど、兄のために仕方なく、貴方と上手くやっていこうとしている」と考えれば、 それも あちらはお見通しです。
相手は兄嫁なのですから、たとえ数歳 年下でも、年上だと思って接してみたら、MMさんが言葉には出さなくても、義理のお姉さまが 態度や雰囲気から 察知して、ネガティブに受取ってきた部分が 改善されるかもしれません。


Yoko Akiyama


このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください








執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


PAGE TOP