Mar. Week 4, 2016
★ Should Smoking Be a Deal Breaker?
フィアンセの喫煙がイヤで婚約破棄?


Yokoさま、
いつもサイトの更新を楽しみにしているCubeさんのファンです。
ニューヨーク&LAに留学していたことがあって、その頃からずっとサイトを参考にさせていただいていました。 質の高いコンテンツを保ち続けている素晴らしいウェブサイトだと思います。 私もこのコーナーにご相談をしている皆さんと同じく、このコーナーの大ファンで Yokoさんの素晴らしいアドバイスに感心して読み入っています。 私もアドバイスがいただきたくてメールをしました。

ご相談したいのは 私の婚約者のことです。
まだ結納や式の日取りは決まっていなくて、理由があって直ぐに結婚できない状態だったので、あっという間に1年半が経過してしまいました。 普通だったら ”長過ぎた春” と見なされそうですが、私たちの場合は婚約したのが出会った直後だったので、私はやっと相手が良い意味でも 悪い意味でも分かって来たように思っています。 Yokoさんにご相談したいのは その悪い意味の部分です。

実は私は大の嫌煙家です。アメリカ留学から戻って、タバコのマナーの悪い日本社会に馴染むのに本当に苦労しました。 タバコの匂いがする車に乗るのも嫌いですし、タバコの匂いがするソファーなどに座るのもイヤというほどなので、 今まで喫煙者とはお付き合いしたことがありませんでした。
ところが、3〜4ヶ月ほど前から 婚約者が 時々タバコの匂いをさせるようになって、ある時尋ねたら 「しばらく吸わずにいたけれど、 少し前に友達に一本もらったら、時々吸いたくなってきた」と言われました。 その時に「アレ?」と思ったのが、私と出会った直後に 「タバコは大学時代にちょっと吸っただけ」と言っていたのに、 まるでタバコを吸っていない時期の方が短いみたいなことを言っている ということでした。

その後も彼がタバコの匂いをさせて現れることがあって、たまたま一緒に映画を観に行った日に タバコの匂いが特に強かったので、 私は途中で気分が悪くなって映画館を出てきてしまいました。 彼も追いかけて出てきましたが、「この程度のタバコの匂いで気分が悪くなるなんて…」と逆に呆れられてしまいました。
私はタバコの匂いがするようになってからの彼が、時間に遅れるようになったり、メールの返信にも時間が掛かるようになったので、 「タバコを吸いだしたら、何となく だらしなくなった」と彼に言ってしまったのですが、それに対する彼の言い返しの台詞が 「タバコはいつもじゃないけれど、ずっと吸ってたから、それは君の思い過ごしだ」というものでした。

私は驚いて、「タバコは大学時代にちょっと吸っただけって言ってたじゃない」というと、 私のタバコ嫌いを友達に聞いていたから、わざと黙っていたのだそうで、何となく騙されていたような気分になったのと、 この人は夫婦になっても、こうやって私に大切なことを黙っていたり、騙したりするんだろうか?と思うようになりました。
彼は自分では「習慣としてタバコを吸っている訳じゃないから、止める必要はない」と言って、最近ではタバコ議論を避けていますが、 結婚して同じ家に住む相手が時々でもタバコを吸うのは 私には許しがたいことです。 そんなタバコの問題が出てきてから、自分の気持ちがどんどん彼から離れて行くのは私も彼も感じていて、 少し前には彼に「タバコで婚約破棄か?」とも言われました。
友達に話すと、「タバコを止めなかったら別れるって言えば、絶対止めてくれるわよ」などと言われますが、 私は彼に出会ってからの2年近くの間、タバコのことで騙されていたような気持ちなので、 彼が「禁煙した」といったところで 信じられない気持ちです。

先週には、占い師に彼との結婚を占ってもらったところ、「お互いに気持ちが離れていく一方だから、別れても不思議ではない」と言われて、 「そうかもしれない」と変に納得して帰ってきました。 でも周りの友達は私の嫌煙ぶりを知っていますが、「婚約までした相手と、どうにもならないことで別れるならまだしも、 止めれば済むことで別れるなんて」と言います。
Yokoさんは、彼の喫煙がどうしてもイヤで別れたいという私の状況をどう見られますか? 私の心が狭いだけでしょうか? 自分の意見が一番大切と思いながらも、「タバコくらいで」という人に惑わされています。 Yokoさんのお考えをお聞かせいただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。
YokoさんとCubeさんの益々の発展をお祈りしています。

- R -




私も、喫煙者、ヴェジタリアン&ヴィーガン、何かしらのアクティヴィスト(動物愛護や環境問題などのプロの活動家)とは デートをしないというポリシーをずっと貫いているので、Rさんのお気持ちは良くわかります。
アメリカでは、相手の喫煙が原因で別れたり、出会いの段階で喫煙者はお断りというケースが女性の場合でも、 男性の場合でも非常に多いので、逆に私はRさんのメールを読んで 日本が喫煙者に甘い社会であることを改めて感した次第です。 アメリカの場合、ヘビースモーカーで肺がんを患った親や身内が居る人は、自分がタバコを吸わないのはもちろん、 アメリカで年間に2万5千人を死に追いやっているセカンドハンド・スモークを恐れて 喫煙者を伴侶に選ばないものです。
またノンスモーカーの前ではタバコを吸わない喫煙者だったとしても、衣類や髪の毛に付着したタバコの煙がもたらす ノンスモーカーの健康への悪影響は、今やサードハンド・スモークとして知られるほどです。 したがって、タバコを吸わないクリーンな肺の持ち主であるRさんが、ご自身の健康を考えて喫煙者との結婚を見合わせたとしても私は特に問題は感じません。 むしろ それに目を瞑って結婚して、フラストレーションをつのらせた挙句、「やっぱり耐えられない」と離婚に至るよりも 遥かにお互いのためだとも思います。
「どうにもならないことで別れるならまだしも、 止めれば済むことで別れるなんて」とおっしゃるお友達の言い分も 分からなくはないのですが、 マーク・トゥエインの語録に「禁煙なんて簡単だ。自分はもう何回もやっている」とあるように、 人によっては 喫煙はどうしても止められないものであるのも事実です。

相手の喫煙がイヤな場合、結婚に至らないアメリカ社会で、何が離婚の原因になるかと言えば、 1位がいびき、2位が便座の上げ下げ、そして3位がエアコンの温度です。 このため、過去3年に建てられたアメリカの新築物件の40%に夫婦別々のマスター・ベッドルーム(バス&トイレが併設された寝室)があるとのことで、 夫婦が別々の寝室で、別々のバス&トイレを使い、それぞれに心地良い室温で眠ることが 夫婦円満にいかに大切かが分かりますが、見方を変えれば それほどまでに些細なことでも毎日続くと、相手に嫌気が差すカップルが多いということです。
ドナルド・トランプ夫人であるメラニア・トランプも夫婦円満の秘訣を ”夫婦別々のバス・ルーム”と語っていたほどですので、 夫がビリオネアでも庶民でも夫婦が抱える問題には大差は無いようですが、 Rさんにとって 喫煙は決して些細とは言えない問題ですので、 軽視するべきではないと思います。

また私もRさんがメールに書いていらした「この人は夫婦になっても、こうやって私に大切なことを黙っていたり、騙したりするんだろうか?」 という見解に賛成です。それと私にとって気になったのは、彼はRさんに出会った時にも既にタバコを吸っていたそうですが、 嫌煙家のRさんが彼のタバコの匂いが気になりだしたのが 3〜4ヶ月前だという点です。
それまでは彼が用意周到に匂いが残らないようにタバコを吸っていたのでしょうか? 過去3〜4ヶ月は気が緩んできたのでタバコの匂いに構わなくなったということでしょうか?
私の見解では タバコというのは、喫煙者のライフサイクルのバロメータでもあって、 一時タバコを止めていた人が再びタバコを吸い始めた場合、以前タバコを吸っていた時代の何らかの ハビッツ(習慣)が戻ってきてる場合があります。 それは以前の恋人かも知れませんし、ギャンブル癖であったり、禁酒をしていた人にとってはお酒の場合もあります。
Rさんも「時間に遅れるようになったり、メールの返信にも時間が掛かるようになった」という彼の変化を指摘されていましたが、 「タバコはいつもじゃないけれど ずっと吸ってたから、それは君の思い過ごしだ」という彼の言い訳には、 Rさんに自分の変化に気づいて欲しくない意図が見え隠れするようにも受け取れたのが正直なところです。

ここまではっきり申し上げたのは、Rさんが占い師にお二人のご結婚について見て頂いて、 「別れても不思議ではない」と言われて”納得して帰っていらした”とメールに書いてくださったためですが、 Rさんがご相談下さったのは、単にフィアンセの喫煙をどう捉えるかという問題ではないと私は考えています。
Rさんのお友達は フィアンセの喫煙がRさんの心に引っかかっていると判断して、 「禁煙すれば良いだけの話」のようなリアクションをされているように思いますが、 実際の問題はRさんがフィアンセを信頼できなくなっているという点です。 そのトリガー(引き金)になったのが彼の喫煙ですが、Rさんが結婚に疑問を抱く最大の問題点になっているのは 彼への信頼です。

Rさんがご自分の中では既に気持ちが固まっているにもかかわらず、今ひとつ踏み切れない理由は 周囲からのサポートが得られないためのようにお察しいたしますので、 これからはお友達にご相談する際には 「フィアンセの喫煙」を問題するのではなく、「彼が信頼できなくなった」という部分を強調すべきだと思います。
以前のこのコーナーにも書いた通り、不幸な結婚は外側と内側から女性にダメージを与えますので、 ショッピング同様、結婚も”迷ったら止める、もしくは見合わせる”ようにするのが賢明です。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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