Mar. Week 5, 2016
★ Should I Gave My Ex His Gift Back?
元彼に貰ったお気に入りのリングを 別れた途端に返せと言われましたが…


秋山さま、
いつもこのコーナーやキャッチ・オブ・ザ・ウィークを愛読していて、ショッピングをさせていただいたこともあります。
私もぜひアドバイスしていただきたいことがあります。

先日3年付き合った彼と別れました。いろいろありましたが、別れを言い出したのは彼の方からです。 私の家の中には彼が置きっ放しにして1年くらい経っているローラー・ブレードとか、一緒に旅行に行って、戻ってきてから ずっと置いてある旅行かばんとか、本とかDVDとかがあったので 早いうちにそれを持って行ってもらおうと思って 連絡したら、「あの指輪も返して欲くれるよね」と言われて唖然としました。
あの指輪っていうのは、私たちが付き合い始めたばかりの頃に、「私は彼女なんだから、彼女の証しとして何か 身に付けるジュエリーをプレゼントして」と言って、誕生日に買ってもらったあるブランドのリングでした。 このリングは彼から貰った中では、一番高いプレゼントで、買った後、かなり彼に「高かった」と何度も言われました。 でも、私はすごく気に入って いつも付けていて、人にも褒められますし、私の指に似合っていると思っています。 指に付けられない時はネックレスに通してつけていて。 私のお守りにしてきた大切なリングなんです。
それを別れた途端に返せと言われて、ビックリしましたし、別れた彼女に贈ったリングを取り戻そうとするなんて なんてセコイ男とも思いましたが、彼は別れたとなったら結構冷たくて、 「絶対返してもらう。別れた男からもらったリングを何時までもつけていたい女なんて居るか?」と言います。 でも私から言わせれば、「別れた女がつけていたリングなんて返してもらってどうするの?」という感じで、 実際 そういったら 「質屋みたいなところで売ってお金にする」と言います。
私も、彼に貰ったリングというよりも、自分のお気に入りで、毎日付けていたリングなので、 返したくないと言ったんですが、 「そうやって人の恩を忘れる薄情な女なんだよな、お前は!」と更に腹を立てて、 益々険悪になっています。
友達の意見を求めると、返すべきという人と、返す必要はないという人が半々で、 返すべきという人の理由にも納得できなくもないのですが、 売ってしまうだけのために、私の大切にしているリングを取り上げるなんて、 私への復讐としか思えません。 人によっては、ここでこじれるとストーカーみたいに嫌がらせをさせるかも…なんて、脅す人も居て どうしたら良いかわからなくなってしまいました。

秋山さんは お忙しい方なので、こんな私の悩みに付き合っている時間は無いかもしれませんが、 アドバイスをしてもらえたら嬉しいです。 よろしくお願いします。
追加ですが、私は未だ20代で、結婚なんて全然考えていない間柄の交際だったので、 ダイヤは入っていましたが、婚約指輪みたいな深い意味がある指輪ではありません。 それに彼が選んだのではなくて、私がこれが欲しいと言って 私が選んだリングで、お金だけ 彼が払ってくれた感じです。
では、よろしくお願いします。

- S -




以前このコーナーで、「友達にあげたプレゼントが 受け取る時にはとても喜んでいたのに ガレージ・セールで 二束三文で売られていて頭に来た」というご質問をでお受けしたことがあります。
その時のアドバイスは、ギフトという名目で相手に贈った以上は、その品物は相手の所有物となるので、 それを長年使おうと、捨てようと、売ってしまおうと、それは受け取った相手の自由で、 贈り主には咎める権利がないという一般論をご説明したのを覚えています。

でもこのケースで少々厄介なのが、Sさんがリングを贈られた状況が コンディショナル・ギフトと見なされる可能性があるためです。
コンディショナル・ギフトとは、婚約指輪のように 結婚というコンディションを前提に贈り、受け取るギフトで、 そのコンディションを満たさなかった場合には、贈った側がギフトの返却を求める権利が法的にも、道徳的にも、常識的にも保証されるものです。
したがって、一度結婚すれば婚約指輪は妻の財産となりますが、婚約を破棄した場合は どちらが破棄したケースでも、 婚約指輪は贈った男性側に取り戻す権利があります。

以前アメリカであったエピソードに、女性が婚約後に肥満体となり、男性がそんな彼女に嫌気が差して 婚約を破棄しましたが、 体重が増えて 太くなった女性の指から婚約指輪が抜けないのを理由に 女性が返却を拒否して裁判沙汰になったことがありました。 その結果、裁判所が下した命令は やはり男性へのリングの返却で、結局この女性は特別な業者にリングをカットしてもらい、 リングのカット代と リングに与えたダメージの双方を負担することになったのを覚えています。

Sさんは「婚約指輪ではない」とおっしゃっていましたが、メールに「私は彼女なんだから、彼女の証しとして何か 身に付けるジュエリーをプレゼントして」と彼に言ったと書いていらしたので、そのリングの購入に際しては、 「彼女としての証し」という認識が双方にあったものと解します。 ですから、贈った男性側には「彼女ではなくなったのだから、返却して欲しい」という権利があると言わなければなりません。
その後、Sさんがリングを身につけていらっしゃるうちに 「彼から貰った、彼のガールフレンドとしての証し」という意識が薄くなって、 「自分のお気に入り、自分のお守りのリング」という気持ちの方が強くなったとしても、 購入時に合意したコンディションは変わることはありません。

リングには未練があっても、元彼には未練がない文面を拝見した限りでは、 Sさんのお気持ちが彼から離れて、彼がそれに腹を立てたり、不満に思って別れたかのようにお察ししましたが、 原因が何であれ、Sさんがリングの返却について 「私への復讐としか思えません」と判断するのは、 リングを失いたくない Sさんの感情的な解釈のように感じられなくもありません。
このケースでは、彼が「リングを売ってお金にする」と言っているのですから、、Sさんにその買取りをお薦めするのが私のアドバイスです。 同じスタイル、もしくは似たようなスタイルの中古品の売値ではなく、買取価格をリサーチして 彼に買取を打診するのがフェアなやり方です。 中古のジュエリーは、ブランド物であっても さほど買い取り価格は高くなりませんので、きちんとリサーチをして、 まずは それを彼に理解してもらうことが大切です。 加えてSさんが買い取る場合は、彼が買取業者を探したり、鑑定の等の手間が省けることを考慮して、 通常の買取価格よりは 20%程度安価にSさんの買取価格を設定するのがお互いにとってフェアな取引です。

自分の持ち物だと思っていたものを買い取るというのは納得し難いかも知れませんが、 キム・カダーシアンがクリス・ハンフリーと72日間の結婚で別れた際も、 キム・カダーシアンは トータル21.5カラットのロレーヌ・シュワルツの婚約指輪を非常に気に入っていていたため、 買取りをオファーしたことが伝えられています。クリス・ハンフリー側は 「婚約リングを売却して売上げをチャリティに寄付する」と主張していたそうですが、 2人の場合は、一度は結婚しているので 本来だったらリングはキム・カダーシアン側の財産になるはずですが、 その結婚期間があまりに短かく、その割にリングがあまりに高額であったことから 婚約破棄と同様の扱いになっていたケースです。

おそらく元彼側も、自分の彼女としての証しのリングと思って、彼にとって 予算オーバーのギフトを贈ってくれたものと思いますので、 そのリングを 彼女ではなくなったSさんがどうしてもキープしたい場合、それも事態を穏便に済ませたい場合には、 お互いにフェアな価格の買取のオファーが最も筋が通った解決策だというのが私の意見です。
Sさんの次の彼氏にとっても、Sさんが元彼から貰ったリングをお守りにして、毎日つけているというのは、あまり気分が良くないものと思いますが、 そのリングをSさんが彼から買い取っているのであれば、話は別になるはずです。

それ以外の 単なるギフトとして受け取った物であれば、元彼から何をプレゼントされていようと、それはSさんの所有物で 返却の義務はありませんので、それらについてはSさんがご自分の判断でキープしても、破棄しても 元彼には 一切何も口出しをする権利はありません。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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