Apr. Week 2, 2015
★ What Did I Do Wrong With Auction?
ガレージ・セールをオークションにして大顰蹙!でも何故?


つい最近、3年間暮らしたアメリカから戻ってきました。
アメリカにいる間中も、戻ってきてからもずっとCube New Yorkのウェブサイトを読んでいます。 今もアメリカにいた頃のことを思い出しながら、また戻りたいという気持ちで一杯で、ニューヨークやアメリカの情報を 読ませてもらっているのですが、アメリカを離れた理由は経済的にやって行けなくなってしまったためで、 一緒に暮らしていたアメリカ人ボーイフレンドを残して、1人で帰国することになってしまいました。
でもその帰国の準備の時に、ガレージ・セールをしたのですが、それで友達から反感を買ってしまうことになりました。 そのせいで、アメリカ人の彼は 私の友達に連絡しても、全然返事が返ってこないといっています。 何がそんなに悪かったのか、秋山さんのアドバイスを頂けたらと思ってメールしました。

私は学生でアメリカに来て、アメリカ人の彼ができたので 滞在を伸ばしたのですが、 それを親が気に入らなかったために、家賃の援助を打ち切られてしまいました。 それで、2人でもっと安いアパートに一緒に暮らして、私もアルバイトをして、 友だちに生活に必要なものを貰ったり、映画や外食も友だちが払ってくれたりして、何ヶ月かはやっていけたのですが、 やっぱりいろいろと無理がありすぎることが分かったので、一旦日本に帰ることにしました。
私の帰国は、それまで私と彼を応援してきてくれた友達にもショックだったみたいで、 みんな残念がってくれて、帰国の準備で困ったことがあったら手伝うと、みんなが言ってくれました。 本当に周りは良い友達だったと思ってます。

私が帰国してしまうと、彼1人では一緒に住んでいたアパートの家賃を払うことが出来ないので、私の帰国と共に 彼も引越しをすることになりましたが、とにかく2人ともお金が無いので、アパートに 入りきれないほどあった 私の持ち物や、手持ちの要らないものを売って、彼の新しいアパートのデポジットと 私の帰国のための旅費、荷物を日本に送る送料にあてようということになりました。
それで、友達にガレージセールをするとメールを出したのですが、そうしたら「ガレージセールの日が 都合が悪いけれど、もしどんなものが売りに出るか教えてくれたら、買ってあげられるかもしれない」 という返事をくれた人が居たので、ガレージセールで売ろうと思っているものを全てリストアップして、 早く売れた方が助かるので、お値段を安めにつけて、申し込みの早い者順で売ります!と皆にメールを出し直しました。
すると、思ったよりも反響がすごくて、何人もの友達が、プリンターや、ヘア・アイロンや、掃除機、炊飯器、私の中古のグッチのバッグとかを 買ってくれるとメールをくれて、ガレージ・セールの前に殆どが売れ切れそうなほどでした。

そうしたら、ボーイフレンドが、値段を安くつけすぎているから、複数居る場合は オークションにしたらどうか?と言い出しました。 私も値段はかなり安いと思っていたのと、1ドルでも高く買ってくれる人がいたら、その方が良いと思ったので、 彼の提案を聞いて、友達に「先着順ではなく、オークションにするので、あと1週間の間にビットして欲しい」と 改めてメールをしました。
そうしたら、1通メールが返ってきただけで、それ以外は誰もオークションにビットしてくれませんでした。
それで結局は最初の予定通り、申し込みの順番にしたがって、品物を買ってもらおうと友だちに連絡したら、 買ってくれる人もいたのですが、半分以上の人に 「オークションになったので、もう手に入らないと思っていた」とか、 「辞退するので、他の人に譲ってあげて欲しい」と 購入を断られてしまいました。
そのせいで終わってみたら、ガレージセールの前にソールドアウト寸前だった状態が、売れ残りばかりになってしまって、 オークションにしたのが裏目に出てしまったことが良く分かりました。

品物が幾つも売れ残ったこともショックだったんですが、それよりも悲しかったのがそれ以来、友だちがよそよそしくなってしまったことで、 友だちの1人に聞いたら、「ガレージセールで欲張りすぎたから、みんなが怒っている」と言われました。 友だちが怒っていることについて、もっとはっきり原因を聞きたかったのですが、「もうどうせ帰っちゃうんだから関係ないじゃない」 と言われて、それ以上訊けませんでした。
でも、私はまたアメリカに戻って、できれば彼とまた暮らして、「お互いに経済力をつけて結婚できたら良いね」 と言い合っているので、友達の存在は大切です。 それまでは、よくみんなでディナーに出かけたり、スポーツ観戦や映画に出かけたり、ジュライ・フォース(建国記念日)のパーティーをしたり、 グループで仲良くしてきたのに、私や彼が連絡してもメールに返事が来なくて、帰国してからも何となく寂しい思いをしています。
私たちのガレージ・セールの何処がそんなに悪かったんでしょうか。 事情の説明が下手なので、あまり分からないかもしれませんが、もしYokoさんがこれを読んで思い当たることがあったら、 何でも指摘してもらえたらと思ってメールしています。 よろしくお願いします。

−K−





それまで仲良くしていたお友だちからの連絡が途絶えたことで、Kさんと Kさんのボーイフレンドが不安なお気持ちになるのは もっともだと思います。
でも、メールでご説明いただいた状況を拝見した感じでは、確かにKさんとボーイフレンドの「ガレージ・セール 転じて オークション」には、 私も アンフェアな印象を抱きました。

これが、不動産の取引であったら提示価格、もしくはそれに見合う金額で購入を申し出た人が 誰よりも早く売買手続きを済ませれば 購入に至りますが、その成立前に 同じ価格での購入希望者が出てきた場合には、 ビディング・ワー、すなわち競り落とし合戦になるのは常識的なシナリオで、 これについては誰も異論は無いはずです。
でもKさんがガレージ・セールで売ろうとしていたのは、引越しや帰国の際に不要になった中古品で、早く処分するために、 安くても買ってくれる人がいればラッキーという品物です。
私も過去に何度か ニューヨークを離れることになった友達のガレージ・セールに出かけて、 物を買ったことがありますが、 殆どの場合、友だちのガレージ・セールで物を買うというのは、特に必要ではないけれど、値段が安いし、 お餞別替わり、もしくは「友だちをサポートするために何か買ってあげよう」いう意味合いが強いのです。
すなわち、ガレージ・セールで物を買ってくれるというオファーは、友だちかのサポートのオファーと受け取っても 間違いではありません。
にもかかわらずそのオファーに対して、「希望者が複数いるので、ビットして欲しい」と 通達するのは 「人の好意に感謝していない」と受け取られても不思議では無いように思います。

またそんな個人的な感情レベルを抜きにしたとしても、一度発表したルールを途中で変えるというのは、誰の目から見ても アンフェアですし、Kさんがお友だちから「欲張り過ぎて」と言われても不思議ではないように思います。 もしKさんが先着順で販売されるコンサート・チケットや、人気のグッズを買おうと思って行列していたのに、 「行列が長くなったので、競り落として欲しい」と言われたら「冗談じゃない!」という気持ちになるはずです。
1ドルでも高く買ってくれた方が有り難いという状況やお気持ちは理解できますが、ガレージ・セールというのは、 本来、自分達には必要の無いものでも、「新品だから」、「未だ使えるから」などの理由で 捨てられない物を 使ってくれる友達や隣人に、値段が安くても 引き取ってもらうことが目的です。

Eベイやクレイグリストで物を販売したことがない人だと、「オークションサイトに出品したら、もっと高く売れる」と思い込みがちですが、 実際にはそうした大手サイトは、他の出品数が多いので、その中で閲覧者の目に留まろうとすれば、かなり良質な品物を 安価で出さない限りは、直ぐに売れることはありませんし、ずっと売れないことの方が多いのです。 しかも写真撮影をしたり、商品説明を書くなど、出品には手間と時間が掛かります。
ですから ガレージセールのように、簡単に、そして早めに不必要な品物を引き取ってもらえるチャンスは、 たとえ売値が安くても 有り難いと思って行うべきものなのです。
Kさんのメールに、お金に困っている時に、「友達に生活に必要なものを貰ったり、映画や外食も友だちが払ってくれたりして」 とありましたが、そうやって日頃から お友だちの好意に甘えてきたのなら、尚のこと ガレージ・セールで ディスカウントをあげることはあっても、 オークションにして値段を吊り上げようとするべきではなかったと思います。
さらに もし”ガレージ・セール・オークション” で売ろうとしていた物の中に、お友達が以前くれた者が混じっていた場合には、 益々お友達に与える心象も悪くなっていたと考えられます。

いずれにしても、ガレージ・セールのせいで お友達が気分を害していることは Kさんも自覚していらっしゃるわけですから、 それが非常に気になる場合は、少しほとぼりを冷ましてから、 「それまで皆にとても親切にしてもらったのに、その感謝も十分しないまま、帰国の際にさらに迷惑をかけてしまった」という 謝罪メールをお友達に出してみることをお薦めします。
ここでは あえてガレージ・セールに限定して謝罪をしない方が良いというのが私の考えです。 それというのも、こんな言い方をするとKさんには大変失礼なのですが、もしガレージ・セールが原因で それまでKさんとKさんのボーイフレンドに対してお友達が抱いていた不満や不平が表面化してしまったのであれば、 ガレージ・セールに限って謝っても、お友達が気を取り直してくれなかったり、「何も分かっていない」などと、 逆に不満を新たにするケースも見込まれるからです。

親切というのは、された側よりも した側の方が良く覚えていますし、中には 自分がした以上親切を記憶にとどめる人も 少なくありません。ですから人の好意に甘えるのは ほどほどにして、なるべくその都度受けた恩を返しておいた方が、 後々の人間関係がスムーズに行くケースが多いのです。
友達というのは、貸し借りがない同等の関係が一番ですので、もしKさんがアメリカのお友達を、本当のお友達だと思うのであれば、 自分がお金に困っているときに周囲がしてくれた親切に対して、この先何らか形でお礼やねぎらいを することもお薦めします。 これは金品で返すという意味ではなく、言葉でもカードでも、相手の親切が報われる何かをするという意味です。
このことは、アメリカのお友達だけでなく、日本で現在、そしてこれからお付き合いをするお友達に対しても、 実践していくべきことだと私は思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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