Apr. Week 2 2018
★ "I am Emotionally Suffering"
幼い患者さんを思う気持ちから、自分の感情がコントロールできません



いつもこのコーナーを「そうなのか…」、と思いながら拝読しています。 私もご相談してみたいとメール致します。

私は50代になった看護師です。結婚歴や妊娠歴はなく、ペットなどもおらず、両親とは別居しており、自宅では完全な一人暮らしです。
今、担当している子どもがとても重篤な状況です。 以前から担当している子どもの病状や環境に気持ちが動揺することがあったのですが、最近では感情のコントロールができず、 自宅や職場で泣いてしまいます。 職場ではそれを気遣ってくれ、職場のカウンセリングを受けることや更年期であることを考慮して、ホルモンバランスを調べたらどうか、と言われました。

自分でも、こんなに冷静になれないのは初めてで、プロとしての仕事が果たせない状態なため、どうしたらいいかわかりません。 ただ、自分の母性がその子どもにすべて向けられていて、自分の子のように思っている、そして、それは私のように程度がひどいと良くないことであり、 私はその子の家族ではない、ということはわかります。 気持ちを落ち着かせるために自分なりにいろいろしてみましたが、写経中に墨が折れてしまってそれ以上続ける気持ちになれず、 読書も音楽も今はうるさく、外出する気力がなく、事情を知らない人と喋るのは嫌です。

秋山さんにご相談したいのは、このような場合、どのように考えていって、気持ちの整理をつけるべきかということです。 今後もいろいろな患者さんを担当していく上でも必要なことなので、お忙しいでしょうが、ご意見を下さったら本当に有難いです。
今後も秋山さんのご活躍を応援しております。

- M -



アメリカで放映されているリアリティTVの中には、ミディアム(霊媒師)が登場して、 セレブリティや一般の人々の 死に別れた家族や、友人等と交信して、 そのメッセージを伝える番組が幾つかあります。 私は そもそも死によって肉体が滅びても、人間の魂は不滅だという考えの持ち主なのですが、 そうした番組を観ていると、医学的には意識不明という状態でも、 本人にはきちんと意識があって、自分の周囲で何が起こっているかを認識しているだけでなく、 死亡が認められてからも、同じようにその場で何が起こっていたかを見守っていた様子が 霊によって語られています。
自分が 駆け付けた時には 親や伴侶が息を引き取った後だったことから、心に傷を負う人は世の中には少なくありませんが、 そんな様子も息を引き取る側はしっかり見守っていて、家族が苦しむ姿に心を痛めていたりします。 そして何年が経過しても消えない家族の心の傷を癒すために、ミディアムを通じて霊界からメッセージを送るケースは少なくありません。 こうした状況だけを聞くと 「ヤラセ」 と疑う人も居るようですが、 ミディアムが語る内容は、その場に居た人でさえ 言われないと思い出せないような話や、具体的な情報がふんだんに含まれているので、 どう疑ってかかっても 信じざるを得ないような状況となっています。
私が何故、Mさんのご相談でこの事を持ち出してきたかと言えば、 重病で、意識がしっかりしていないと思い込んでいる幼い患者さんでも、魂は別のところにあって 自分の置かれた状況を見守っていると考えるべきだと思うからです。

それとは別に、幼い子供というのは 頻繁に泣くというイメージがありますが、私自身は子供心に自分が人前で泣くという行為をとても恥ずかしく思ってきました。 それだけでなく 友達が泣いても、楽しい雰囲気が台無しになったり、「誰が泣かせたか?」の責任追及が始まるのが非常に嫌でしたし、 たとえ自分とは全く無関係の状況であっても 誰かが泣いている姿を見るのが 嫌いで、それによって不安や心配に駆られるなど、 心穏やかではいられなかったのをとても良く憶えています。
ですのでMさんが 愛情を注ぐ患者さんのために 感傷的になる様子は理解出来るのですが、その患者さんが幼いだけに、Mさんが泣く姿や心を痛める様子は 本人の魂には決して良い影響を与えていないと 考えて頂きたいと思います。 特別に愛情や思いを注いでいるのならば、そのお子さんに意識があっても、無くても、涙など見せずに 励ましながら介護に当たるべきで、 ご自身の弱さを露呈することは、患者さんの病気を精神面から悪化させる行為に等しいと考えるべきです。

Mさんはご自身のそんな気持ちを ”母性”とおっしゃっていましたが、子供に愛情を注いで 愛しむというのは、母性のうちの半分、それも簡単に出来る半分に過ぎません。 母性の残りの半分は、子供や愛する者を守るための闘いです。どんな野生動物でも人間でも、母親は子供を守るために闘っているのです。 野生動物の場合は、外敵から子供を守るために母親は命懸けの闘いをします。
人間の場合、その外敵はもっと多岐に渡ります。様々な悪影響であったり、特定の人間関係、犯罪、事件、危険物等、子供を傷つけたり、不安にさせるもの 全てから守るのはもちろん、 子供が病気になれば、その看病をして、一緒に病気と闘うのも母親の役割です。 その時に発揮すされる 揺るぎない強さや 不屈の信念、誰にも負けない愛情の深さが母性というものです。 特別に「可愛い」、「可哀想」と思うことが母性だと思っていらっしゃるのだったら、それは子供を産んで母になっている女性や、 母性を子供以外の物に注いで闘っている女性たちに対して失礼です。
私の目から見ると、Mさんの母性には 愛情を捧ぐ対象にとって最も大切なその半分が欠落しています。 本当に患者さんに愛情を注いで、それを母性と呼ぶのでしたら、Mさんもお子さんと一緒に病気と闘うべきで、同情したり、感情に振り回されてメソメソするべきではありません。 これはホルモン・レベルなどとは一切関係なく、Mさんの女性としての心の問題です。 女性は愛する人間のために強くならなければならないということを、この機会に学んで、それを実践するべきなのです。

アメリカでも、看護師さんが特定の患者さんに対して、特別な思いを抱くケースは少なくありません。 それは人間同士のインターアクションなのですから 当然のことですし、看病される側にしてみれば、自分を思って愛情を注いで看病してくれる人の方が、 遥かに有難いだけでなく、その気持ちや愛情に応えるためにも 病気と闘う気持ちを新たにするケースは多いのです。
またそんな献身的な看病がきっかけで、患者さんと看護師さんが友人付き合いをするようになるケースは少なくありませんし、 スポーツ選手が大怪我からカムバックする過程で、リハビリ施設の人々と家族のようになっていることもあります。 そんな感情移入は、プロ意識が無いと見なされるよりも、「仕事の域を超えてまで 献身的に患者さんを支えた」と評価されるのがアメリカで、 当事者同士は、その出会いをお互いにとっての運命と受け止めるケースが殆どです。

ですからMさんの場合も、今その患者さんのために 特別な感情を抱いていることを ご自身の運命と受け止めて、 その患者さんのために最善を尽くすべきなのです。 どうしたら その患者さんが救えるのか、病気から救えない場合、どうしたら魂が救えるのかを考えて、 患者さんと一緒に 病気と とことん闘うべきなのです。 仕事と割り切って距離を置いたり、考えないようにしようとしたところで、この場合は全く効果はありません。
自分の子供でなくても、自分が仕事で接する相手であっても、愛情を感じれば愛情を注いで良いのです。 「何かしてあげたい」、「何とかしてあげたい」 という気持ちがあるのならば どうやって それをするのが最善であるかを見極めて、実践してあげるべきなのです。
どんな仕事でも 成功している人は、仕事に愛情と情熱を注いでいるものです。 感情移入をして傷つくことを恐れて、身を引こうとする姿勢の方が、私はプロ意識の欠落を感じます。 何事でも後悔をしたくなければ、常に精一杯、誠心誠意 取り組むべきなのです。

そうやって精一杯の愛情を注いで、精一杯の取り組みをするということは、精一杯生きるということでもあります。 何事にも そんな姿勢で取り組めば 人生の目的意識や、使命感、充実感を味わうことが出来ますし、 そうすることによって Mさんのこれからの生き方や人生も変わってくるはずです。 自分にブレーキを掛けずに 愛情や情熱を注ぐうちに、恋愛や、 今までとは異なる友情、様々な人間関係を引き付けるようになりますし、 それに応じて人生の捉え方も変わってくるはずです。 そうすれば 今まで 自分とは無縁と思っていた様々な世界への扉も開かれるのです。
ですから、この機会に それまで ご自身を閉じ込めてきた殻を破って、歪んだ職業意識を捨てて、 自分の強さを信じて、常に精一杯を心掛ける人生に転換して頂きたいと思います。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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