Apr. Week 3, 2014
★ How to Deal with an Office Enemy?
オフィスの敵、避けられない場合の対処法


Yokoさん、いつも楽しく拝見させていただいてます。
私もぜひ相談にのっていただきたいことがあります。長文ですが、どうぞ宜しくお願い致します。

私は現在アジアにある外資企業で働いています。 職場はほぼ現地の人で、日本人を含む外国人は極少数であり、西洋文化或いは日本文化からはほど遠い環境の中仕事をしています。
私の所属する部の同僚に、自己中心的でプライドが高く、協調性に欠けた女性がいます。 彼女は日本語が達者であり、入社当時から私に対して愛想が良く、私も仕事面でもプライベート面でも彼女をサポートしてきました。 今から思えば、彼女は日本語上達のために私を利用していただけだったのかもしれません。
といいますのは、彼女の昇進が決定するぐらいの時期から、彼女の私に対する態度に変化が現れはじめました。 彼女はずっと私の部下の立場でしたが、彼女の突然の休暇やクオリティの低い仕事、その他様々な理由により、 私の管理するプロジェクトに影響が及ぶようになりました。 私が注意すると、彼女はそれを非常にパーソナルな攻撃と受取り、不快な態度を示しました。

彼女は私の所属する部で 唯一通訳ができるスタッフであったため、上からも下からも好かれていなかったものの、 部長の1人からは大変気に入られていました。それを利用して、自分が気に入らない上司の悪口や、 部長が知りたがる部内の情報を部長に直接告げていたようです。
部長の後押しがあって、彼女は無事昇進できましたが、昇進の直前には なぜか「私が彼女の昇進を阻止するための工作を行った」という噂が流れていたことを 彼女自身から聞かされました。 こういった経緯があり、私は彼女とは仕事以外では一切言葉を交わさなくなりました。

彼女の昇進後も、一緒に関わるプロジェクトが いくつかあったのですが、彼女の大人げない行動により、 どうしてもプロジェクトにマイナスの影響が出てしまうため、 可能なものは全て彼女をプロジェクトから外し、別のメンバーと業務を行うようにしました。
これらの対策で、平穏な日々が戻ったかのように思われたのですが、 彼女は現在も部長の通訳として私のプロジェクトに関わってくることがあり、 そういったときに、彼女はまた考えられない行動をとります。 代役がいないと知った上での、通訳業務の拒否(しかも突然の)、 または私のクライアントからのメッセージを故意に私に伝えない(部長に直接伝える)、などです。

彼女のこういった態度は 私にだけではなく、すべての人に同様であり、 正直なところ部内では孤立しています。 彼女に問題があるのは明らかなので、極力やりすごすのが最善策とは分かっているものの、 彼女から嫌がらせを受ける度にも、やはりとても気分が害されます。 いちいち心が乱されたりすることすら 自分でも嫌なんですが、 どうしたら彼女のことを考えずにすむでしょうか? 今は顔を見るのも嫌なくらい彼女のことが嫌いです。

何か良いアドバイスをいただけると大変ありがたいです。 ちなみに私と部長の関係は良好ですが、あくまでも外国人としてみなされています。
長文となり失礼いたしました、もっとお話ししたいいろんなエピソードがあるのですが(苦笑)

−K−





Kさんの、職場におけるフラストレーション、お察しいたします。
「今は顔を見るのも嫌なくらい彼女のことが嫌いです。」と書いていらしたほど、 フラストレーションが高まっている場合、 距離が置けるのであれば、距離を置いて関わらないのが一番であることは容易に察しがつくかと思います。
でもKさんの場合、その女性とお仕事でコンスタントに関わる間柄ですので、 距離を置いたところで、何か関わりが出てくる度に嫌がらせを受けて、ストレスを貯めたり、フラストレーションをつのらせることの 連続になっているのは、メールに書いてくださった通りですので、それが解決策と言えるほど 効果的でないことは、 既に自覚されているものとお察しいたします。
どうしたら 「その女性のことを考えずに済むか?」というのがご質問だったのですが、 女性の場合、一番簡単に嫌な問題から関心をそらしてくれるのは恋愛感情、すなわち恋をすることです。
無責任なアドバイスに聞こえますが、恋愛感情で気持ちがウキウキしている時は、 周囲の嫌がらせや、人の悪意などに腹を立てたり、関心を払ったりすることの方が難しくなります。 それと同時に、仕事に集中するのも難しくなりますが、人間の心理というのは、そういった強烈なディストラクションを持つと ネガティブな出来事のインパクトを大きく軽減することが出来ます。

そんな恋愛感情を抱けない状態である場合に、どうやったら問題の女性に心を乱されないように出来るかと言えば、 女性を避けるよりも、あえて女性との関わりを努めて増やすことが意外に効果的なのです。
人間心理が最もかき乱される嫌がらせのパターンは、あらかじめ予期している嫌がらせが本当に起こるケース、 以前経験した嫌がらせが再び行われるケースです。 すなわち 「またか!」、「やっぱり!」 というリアクションを起こさせる嫌がらせの方が、 突如受けた嫌がらせよりも はるかに精神的なインパクトが大きいと同時に、ストレスやフラストレーションのレベルを高めるのです。
何故かと言えば、一度嫌がらせが起こって、次に再び嫌がらせが起こるまでの間も、 たとえ物理的に距離を置いているつもりでいても、精神的には決してその嫌がらせのストレスから開放されていないからです。
要するに 「また同じことが起こるだろう」ということを知りつつ、距離を置いたところで、 実際には意識的、もしくは潜在意識的に、その出来事に縛られている訳ですから、 次にまた嫌がらせが起これば、その時間の積み重ねがある分、その精神的なインパクトが大きくなりますし、 それは回を重ねれば、重ねるほど大きなストレスや心理的負担になっていきます。

世の中には、自分のそうした度重なる行為が 相手をどんどん追い詰めている様子を見て、サディスティックな快楽を得る人は 決して少なくありません。 自分の行為で相手がストレスを溜めたり、問題を抱えることを楽しむという状況は、隣人への嫌がらせから、 学校におけるいじめまで、度合いや、やり方は異なっても、さまざまな形で存在しています。 もちろん、それを行う人は 世の中の常識では幸せな人とは言えませんが、 本人はそれによって何らかの満足感や、達成感、あるいは優越感を得ているからこそ行っている訳です。
Kさんの職場の女性がそういう女性であったとしても、無かったとしても、 相手の闘争心やサディスティックな意欲を掻き立てる 徹底抗戦が、一番してはいけないリアクションです。

私がこのケースでお薦めするのは、Kさんが努めて問題の女性に対してフレンドリーに振る舞い、、 たとえ嫌がらせをされても、それを相手のせいではなく 何らかの行き違いがあったと解釈しているふりをして、 それを女性とKさんの共通の見解として相手に認識させて、受け流すことです。
具体的な例を挙げれば、部長とのミーティングの間際に、他に代役が居ないと知りつつ問題の女性が通訳を拒否した場合、 女性はKさんが困る姿を見たくて そうしている訳ですので、慌てたり、パニックになったり、何らかの不快感を表せば女性の思う壺です。
なのでその場合、自分のミーティングの通訳が出来ないほどに 忙しい女性のスケジュールに同情しているふりをして、 「1人じゃ荷が重くて、大変よね。」というようなポジティブな接し方をあえてしてみることをお勧めします。 内心、「冗談じゃない!」と思っていても構わないので、「腹を立てたら相手の思う壺」と自分に言い聞かせて 頑張ってみてください。
それを続けているうちに慣れてくれば、女性が嫌がらせで連絡事項を伝えてくれなかった場合も、 「貴方は忙しくても、そういう連絡はちゃんと伝えてくれる人だから、こちらの伝達ミスだったかも・・・」といった 受け答えが 皮肉に聞こえる事無く、出来るようになってくると思います。

またその女性に対しては、仕事で関わらない時でも、 オフィスで顔を合わせたら、努めて声をかけるようにすることをお勧めします。
これを続けて行くうちに、たとえ相手の態度が変わることが無くても、 Kさん自身が 相手からの嫌がらせが起こった場合に、強い心理でこなせるようにになります。 さらにそうやって、実際にオフィスで その女性と関わる時間を増やした方が、仕事以外のオケージョンで 彼女のことを考える時間が大きく減っていくはずです。
努めて関わらないようにするというのは、心理的にかかわり続けていることですが、 努めて関わるようにしてみると、心理的には解き放たれることが多いのです。

全く違う例ではありますが、もう何年も前に 私が住んでいるビルのレント担当の女性が、 私がきちんと期日にレントを支払ったにも関わらず、レイト・フィー(滞納金)をチャージしてきたことがありました。
この時にその女性と大喧嘩をして、本当に頭に来た私は それ以来 毎月のように、レントの期日にわざわざ女性のオフィスに出掛けて、 彼女本人からレシートを発行してもらうようになりました。 これは、同じようなトラブルを防ぐ手段であると同時に、私なりの抗議活動であり、 私が毎月レントをちゃんと支払う性格であることを相手に知らしめる目的もあって、決してポジティブな気持ちで始めた事ではありませんでした。

なので最初は、お互いにろくに口も利かず、お互いの目も見ないで レントの小切手とレシートを交換するような居心地の悪いやり取りでしたが、 それを続けるうちに、やがて道ですれ違うと挨拶するようになり、徐々に毎月のレントを支払う度に世間話をするようになっていきました。 そしてある時、私が小切手の金額を間違って記載して、本来なら追加のチャージをされて然るべきケースになった際も、 私が頼みもしないうちから 彼女が追徴金を取り消してくれて、他の住人よりも優遇される立場になってしまいました。
でも、もし私がその大喧嘩をきっかけにレント・オフィスに足を踏み入れないようにしていたら、 何か問題が起こる度に、それが自分のミスでも 相手のミスでも、引き続き不愉快な思いをすることになっていたと思います。

私がこの例を最後に書いたのは、決してポジティブな意図で始めた訳ではない 人との関わりも、 続けて行くうちにポジティブに変わる場合があることをお伝えしたかったからです。
人間というのは、不思議な生き物で関わり続けていると、人間関係に「まさか」と思うような展開があったりします。 Kさんとその女性が親友になることは無くても、今よりもずっと良好な関係になるかもしれません。 なので、「嫌い=避ける、関わらない、考えないようにする」というのがベストの対策とは限らないのです。
まずは、少しずつで良いのでトライしてみてくださいね。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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