Apr. Week 4 2017
★ "I'm Not Your Airbnb Host"
米国出張? だったらウチに泊まらなくても…"



Yokoさま、
現在アメリカに暮らしています。今回の渡米前にもアメリカの大学に留学していたことがあって、その頃から CUBE New Yorkをずっと愛読していましたので、一方的ですが長いお付き合いです。

今日メールを差し上げたのは、今私が困っている問題についてです。
2年ほど前から現在のアメリカ生活を始めたのですが、 ある時 日本の友達から「自分の知り合いの女性が出張でアメリカに行くので、滞在中時々面倒を見て欲しい」と連絡がありました。 私は気軽にそれを承諾してしまい、その後はその女性と私が直接連絡を取ることになりました。
その女性は最初は感じが良さそうな雰囲気だったのですが、驚いたのは出張だというので てっきりホテルに泊まるのだと思っていたら、 一度も会ったことが無い私の家に泊まるつもりでいたことで、結局その時は3日間泊めてあげることになりました。
出張なのであれば滞在中は忙しいはずなので、1晩くらいディナーを一緒にする程度かと思ってたら、その出張の目的はリサーチだそうで、 私が滞在中ずっと彼女の面倒を見て、朝は彼女の朝食を用意して、夜はレストランに連れて行ったりして、 彼女が帰った後はシーツの洗濯や部屋の掃除があって、 大変な思いをしましたが、その時はあまり気にしませんでした。

するとその数カ月後、また彼女から「出張で行くから泊めて欲しい」と連絡がありました。 その時もあまり深く考えずにOKしてしまったのですが、その時の滞在は初対面の以前とは異なり、 だんだん遠慮が無くなってきたのが感じられました。
最初の滞在の時は日本からおかきの詰め合わせを持ってきて、1日20ドルくらいまでなら滞在費を払うと言われましたが、 60ドルくらい貰ったところで仕方ないと思ったので それを断ったところ、ランチを2回ほど(合計で30ドル程度)ご馳走してくれました。 でも2度目の時はお土産がほんの小さなお菓子で、滞在費もタダで当たり前という感じでやってきました。
私はAirbnbをやっている訳ではないので お金を払って泊まってもらう必要はないのですが、だからと言って 滞在中は私が彼女の面倒を見るため、まるでメイドのようになります。なのに タダで当たり前の顔をされたのには さすがの私もちょっと頭に来ました。
しかも出発の2日ほど前になって、「せっかくディナーに行くなら前回よりもファッショナブルで、イケメンに会える場所を選んでおいて」 とメールをしてきて、「出張とか言っておきながら、何を考えているんだろう?}と思ってしまいました。(彼女は アメリカ人男性ウケするタイプではなくて、英語も自分では上手いつもりですが 恋愛の会話なんてムリなレベルです。)

しかも2回目に来たときは、リサーチで来ているはずなのに 素人の私に「今、アメリカで流行っているものをリストしておいて?」とか、 「友達とかのブログで参考になるようなのはない?、調べておいて」などと言ってきて、 最初に来た時も、私に根掘り葉掘りいろいろなアメリカの事を聞いてメモを取るだけで、 ろくにリサーチなんてしていませんでした。
結局2回目に彼女が来た時には、出掛けたレストランにイケメンが居なかったのを愚痴られて、そのあとラウンジやバーにも 付き合わされて、その時にはっきりと「私はもうバーとかラウンジみたいな世界にはついて行けないわ」と言って、 次は別の人を頼りにしてもらうシグナルを送ったつもりでした。

その後 私が日本に一時帰国をして、彼女を私に紹介した友達に会った時には、彼女が私の家に泊まるのが便利なので 年に2回ペースでアメリカに出掛けられるようになったこと、年に2回アメリカに出掛けていると リサーチャーとして格が上がるので 喜んでいるという話をされました。 私はその場で迷惑していることを伝えたのですが、 本人に伝わっていなかったようで、彼女はまたウチに泊まりに来るつもりでいます。
彼女はこんな図々しいことを言ったり、やったり出来るくらいなので 押しが強くて、私はいつも上手く利用されたり、 丸め込まれたりしてしまいます。 文句を言うと、とりあえず大人しく聞いて、謝って来るので、分かってくれたのかと思って気を緩めると そこに付け込まれて、 せっかくストレスを感じながら文句を言っても 結局は同じことをさせられる羽目になります。

アメリカに住む日本人の友達に相談したところ、「これからも泊めてあげることになるのなら、私が納得する宿泊費を 設定して、それを請求するべき」と言われましたが、私はお金がとれない性格なので、 それは出来ないように思います。 せめて彼女と一緒に居るのが楽しかったら 無料でも喜んで引き受けていると思うのですが、私たちはあまり共通の話題もなくて、 会っていて楽しいと思った記憶は正直言ってありません。
それと私はアメリカの大学でマーケティングの勉強をしたことがあるので、リサーチの出張と言いながら好き勝手なことをして、 私が言うことなどのウケウリでお金を稼いでいる様子も見ていてストレスになります。アメリカの企業だったらまかり通らないことだと思うんですが、 日本の会社はそんな適当なリサーチをチェックする機能も無いのでしょうか? 会社とかクライアントとかに 彼女のリサーチとやらの実態を見せてあげたいとさえ思いますが、 それに私が利用されるのはもう耐えられません。
彼女みたいなタイプの人をきっぱり断るにはどう対応するのが有効でしょうか。 Yokoさんにお知恵を授けてもらいたくてメールをすることにしました。
お忙しいかと思いますが、よろしくお願いします。 これからもずっと頑張って下さい。

- E -





私もニューヨークに住み始めてから、一度だけ知人を滞在させたことがありますが、 この時で懲りてしまって、以来2度と旅行者の滞在は受け付けない方針にしました。
私のケースでは3日間の滞在と事前に言われたので「3日程度なら」と引き受けたところ、到着した途端に 「滞在する予定だったニュージャージー州の叔母さんのアパートが、彼女が旅行中で滞在出来なくなった」と言い出して、 結局1週間 居座られてしまいました。 その後の滞在中の会話から、実際には彼女が最初からニュージャージー州の叔母さんのところに泊まるつもりなど無かったことが判明しましたし、 それ以外にも いろいろストレスフルな経験をしたのを覚えています。

私の場合、旅行者滞在のストレス経験はその時だけでしたが、 日本からマーケット・リサーチでやって来る知人や知人の紹介者については 以前はかなり手を焼きました。 というのも私自身がフリーランスのライター兼リサーチャーをしていた時代があるためで、 将来の仕事をちらつかせる人達のために、タダ働きをさせられた苦い経験があることは 以前 このコーナーにも書いた通りです。

今でも時々友人からの紹介や、かつてNYに住んでいた知人から 「今のニューヨークの話が聞きたい」、「XXXのマーケットの動向について話が聞きたい」というような遠回しの お手伝いの依頼を受けることがありますが、 CUBE New Yorkの業務には 企業のためのマーケット・リサーチも含まれている関係で、 有料で仕事を依頼して下さるクライアント企業との公正を期するためにも、 無料レクチャーに当たるようなお誘いはお断りしています。
その結果、同じことを有料の仕事としてお受けする例は決して少なくありませんし、 有料の依頼を下さる方達というのは、きちんとしたビジネスマン&ビジネス・ウーマンが多く、 依頼内容もクリアなので 非常に仕事がし易いのが実情です。
そうでない場合は、私も「ブロガー程度で良いから、誰かタダで仕事をしてくれる人を紹介してほしい」などと言われた経験がありますが、 そんな人を紹介すれば こちらの人格が疑われてしまいますので 引き受けずにいたところ、 知り合いが軽い気持ちで引き受けてしまい、1回のディナーと引き換えに 散々な思いをしていました。

少し前に仕事でお会いした日本人ビジネスマンが「日本の企業でマーケティングをきちんと実践して、それがビジネスに生かされているのは 米国資本の企業だけ」と語っていたのですが、確かにアメリカのビジネス界に比べると、日本においてはマーケティング・ストラテジーや それを構築するためのリサーチやデータ取得の重要性が軽視されていると感じることは度々あります。 ですので、マーケティングというコンセプトを産み出したアメリカで それを学んだ経験があるEさんが、お友達の仕事ぶりに疑問を抱く様子も 良く理解できますが、リサーチやマーケティングを軽視する企業というのは リサーチやマーケティングの恩恵を受けていない企業、 すなわちビジネスIQが低い企業ということになります。ですので長い目で業績を追っていると やがてはそれが露呈する運命になっているように思います。

話を出張女性の滞在に戻せば、Eさんがこの問題において 私よりも割り切りが難しいと思われるのが、Eさんがお金が取れない 優しい性格をしていらっしゃる点です。もしEさんが 出張女性の宿泊を Airbnbのような「お金儲けの手段」と割り切って、 自分の犠牲と労力に見合うだけの金額を請求できた場合、すなわち 出張女性を純然たる”宿泊客”として扱える場合には、これはビジネスであって 問題とは見なさないはずです。 また私のように「知り合いが滞在するのは一度でたくさん!」となってしまえば、その後はただ断るだけで問題が解決します。
ですが、Eさんは「お金儲けをするつもりがない=代償を求めない性格」であるのに加えて、「せめて彼女と一緒に居るのが楽しかったら、 無料でも喜んで引き受けていると思うのですが…」とメールに書いていらした通り、自分の持ち出しを厭わない優しさをお持ちなので、 このコンビネーションは 自分に必要なものを相手の犠牲や妥協で手に入れる 押しの強いタイプに 非常に利用され易いと言わなければなりません。

こういう相手とのコミュニケーションでは、残念ながらEさんのようなお人柄だと どんなに気を付けても、頑張っても 利用されるだけに終わってしまいがちです。 したがって最善かつ最も確実な解決策は、コミュニケーションを取らない事なのです。 誰にでも出したメールの返事が来なくて それきりになった人間関係があるものですが、Eさんの場合もそうやって連絡を絶つことで 出張女性との関わりからフェイドアウトするべきなのです。
とは言っても今の時代は、フェイスブック、ラインなど様々なコミュニケーション手段があるので、 Eメールを無視しても、別の手段でアプローチが来るかと思いますが、どんな形で相手が連絡を取って来てもそれに一切 レスポンスするべきではないのです。 コミュニケーションを取っている限りはEさんが利用されることになるのは ご自身でも既にお気づきのことと思います。

出張女性をEさんに紹介したお友達については、Eさんは過去2回の滞在で十分にお友達としての義理を果たしているのですから、 何の負い目を感じる必要もありませんし、既にEさんは一時帰国の際にお友達に迷惑していることを告げているのですから、 出張女性とコミュニケーションをストップするに当たって、お友達に報告する義務も無ければ、気を遣う必要もありません。 万一彼女が何かを尋ねて来ても、何のことだか分からない顔でとぼけておく程度で良いのです。
そもそもEさんと出張女性は共通の話題が無く、一緒に居ても楽しい訳でもなく、彼女はEさんの自宅を出張に利用して、Eさんの時間や労力を 費やすだけの人物なのですから、明らかにEさんにとっての友達ではありませんし ストレスをもたらす存在です。したがって、彼女と関わっていることはEさんには何のメリットもありません。

人間関係というものは、常識と思いやりがある人間同士であれば苦も無く継続が可能な一方で、 その常識と思いやりが片側にしか存在しない場合は、それがある方にだけ苦痛をもたらして継続します。 そしてそれを断ち切ろうとすれば、その苦痛がもたらされるのも常識と思いやりがある側にのみです。
ですからEさんのような方は、出張女性のような方とは人間関係を続けるべきではありませんし、無理に断ち切るべきでもないのです。 そのためには、連絡を取らないしか方法はないのです。
相手からの連絡に2回程度コンタクトせずにいれば、それがその人との関係のニュー・ノーマルになります。 そうなれば どのメディアからメッセージが届いたところで、何も感じなくなるものです。

ところで前述の私の家に滞在した知人は、その後私が連絡を絶ったために 当時国際電話で私の自宅の留守電に 数日間に20回以上も メッセージを残して、まるでストーカーのようになってしまいました。言うまでも無くそんなメッセージを聞いてストレスになりましたが、 それが彼女の人間性だと悟ったので、それ以上の関わりを避けるためにも 連絡を取らないのがベスト・ポリシーだと心から思ったのを覚えています。
ちなみにこの知人も 私にとっては人の紹介で2回ほど会っただけの良く知らない人物でした。 ですから、泊めてあげたこと自体が間違いだったと今では思っています。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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