May. Week 1, 2013
★ Picky Eater = Turn Off?


もう何年も、CUBE New York を愛読して、ショッピングもさせていただいています。 私もご相談させていただきたいことがあってメールを差し上げました。

少し前に、彼氏の両親宅の新築祝いがあって、招待されました。
大きめのホーム・パーティーという感じだったのですが、お料理は、彼の2人のお姉様とお母様で 作ったようで、 何品もテーブルの上に乗っていました。
でも、私は食べられない物がとても多いのです。別にアレルギーという訳ではないのですが、 子供の頃から苦手な食べ物が多くて、どうしても食べられません。 そんな私に 彼の家族が気を遣って、鶏肉のから揚げを勧めてくれたりするので、 「私、鶏肉がダメなんです」といってお断りして、お刺身のマリネを勧められた時も 「生のお魚って、気持ち悪くて、食べられないんです」と 説明したのですが、そうやって殆どお料理に手をつけなかったので、あまりご家族に良い印象を与えなかったようでした。

私は痩せては居ますが、拒食症のようなガリガリではないので、別に過激なダイエットをしている訳ではないのは、彼氏の家族も 理解していると思うのですが、でも その時の彼の家族のリアクションがきっかけで、 食べなくても、物を食べているふりをした方が良いのかと思い始めました。
それで、彼と一緒に ちょっとしたフォーマルなディナーの席に出掛けた時に、 決められたコースのお料理を頂くイベントだったので、食べられる物が無くても、食べているふりをした方が良いかと思って、 お皿の上の料理を フォークとナイフで真ん中に寄せて、量が減っているように見せようとしたのですが、 それが裏目に出てしまいました。
私のその様子を、食べ物を持て余しているように思った ディナーの主賓である年配の男性が、突然大声で 「食べないなら、最初から料理に手をつけずに、食べられませんと言いなさい。 貴方は育ちが悪い」と、かなりキツイ口調で私に注意をしてきたのです。物凄くショックで、顔から火が出るほど 恥ずかしく思って、 私は下を向いたまま顔が上げられませんでした。

ディナーが終わってくれるのだけを待ち望んで、彼と帰って来ましたが、同情してくれると思っていた彼にも、 「正式なディナーなんだから、食べ物をお皿の上でいじくっているだけの態度は、みっともない」と言われて、 それ以来、だんだん彼との間がギクシャクしてきてしまいました。

私は、以前も初めてのデートの時に、パスタの中に入っていたオリーブを避けて食べていたら、 男性に「そういうチマチマした食べ方をする人と食事をしても、美味しくない」と言われて、 ふられてしまったことがあります。
でも世の中には、ヴィーガンとか、特別な食事法をするために物を食べない人は多いですから、 食べられない物を避けたり、食べなかったりするのが そんなにいけないことなのか、私には全くわかりません。
私の友達は、私が好き嫌いが多いのを知っているので、全く気にしませんが、 新しい人に会う時は、デザートとか軽食にしないと、食べない物が多いので 困っています。
どうしたら、人から誤解をされたり、反感を買ったり、その場の雰囲気を壊したりせずに、私の偏食を理解してもらえるでしょうか。 お知恵を拝借できると嬉しいです。

−E−






食べるということは、多くの人々にとって、楽しいことですし、社交のメイン・イベントになる行為ですから、 食べられない物が多い場合、社交に影響するのはありがちな傾向だと思います。
私の知人にも、極端に偏食の人が居ますが、特定のレストランに出掛ける等、食べる事がメインのイベントですと、 私も誘うのに躊躇しますし、 それは友人も同様のようです。また私がヨガ・クラスで知り合った友達は、 ヴィーガンを1年半続けた結果、食事が出来ないレストランが多過ぎて、社交ライフに影響するので ヴェジタリアンに戻したと言っていました。 したがって 食生活が社交に影響するのは、ヴィーガンのような 食事法をする人も同様です。

頂いたメールからはEさんが、「何なら食べられて、何が食べられないのか?」は分かりませんでしたが、 確実に感じられるのは、Eさんが 社交の場における「食べる」という行為に対して、周囲にネガティブに受取られることを心配しているだけでなく、 ご自身もネガティブな感情を抱いていらっしゃるということです。
ボーイフレンドのご家族が作ったお料理を勧められて 「私、鶏肉がダメなんです」、 「生のお魚って、気持ち悪くて、食べられないんです」 とお断りされたとのことでしたが、そのお断りの仕方にも 食べ物に対するEさんのネガティブなお気持が現れているように思います。
私も揚げ物は食べない主義なので、チキンのから揚げを勧められたらお断りすると思いますが、 「揚げ物を食べない主義」とはっきり説明するのは、親しい間柄の友達である場合のみです。 彼氏のご家族のように、特に親しい関係でない場合は 「ありがとうございます」と、勧めてくださったご好意にだけ感謝して ご遠慮する、もしくはお料理に手をつけなくても、 「美味しく頂いています」等と お応えするのが通常です。

「生のお魚って、気持ち悪くて、食べられないんです」というのは、Eさんの状況を正直にご説明した結果だと思いますが、 生のお魚を料理して、新築祝いにいらした方たちにお出ししている彼のご家族は、それを聞いてあまり良い気分はしなかったはずです。
人には 好き嫌いが全く無くても、体調が悪かったり、お腹が一杯だったりして、食事が食べられないケースは多々あります。 でも、それによって顰蹙を買うことはありません。
Eさんの場合、好き嫌いが多くて、食べられない物が多いということを、後ろめたく感じているだけに、それを説明して 相手の理解を得るために 「私、鶏肉がダメなんです」、 「生のお魚って、気持ち悪くて、食べられないんです」と言ってしまったのだとお察ししますが、 物を食べないことを 後ろめたく感じる必要はありませんし、 理由を尋ねられた場合は別として、それを詳しく説明する必要もないのです。
恐らく ボーイフレンドのご家族は、Eさんがお料理に手をつけなかったことよりも、お料理を勧められた時の Eさんのリアクションで、あまり好印象を抱いて下さらなかったのでは?と思います。

フォーマルなディナーでのエピソードにしても、Eさんが お料理を お皿の真ん中に寄せて 食べているふりをしていらしたのは、物を食べない、食べられない 後ろめたさから のことと お察ししています。 でも、その意図がどうであれ、周囲からは食べ物を持て余しているようにしか見えなかったことと思いますし、 それを見ていらした主賓の年配の男性は、恐らく食べ物が幾らでもある豊かな時代になる前に 成長期を過ごされたはずですから、 Eさんが 食べない食事に手をつけて、持て余す様子を不愉快に感じられて、注意をされたのだと思います。

なので、まず私がEさんにご提案するのは、物を食べない、食べられない 後ろめたさを払拭することです。
「人より好き嫌いが多い」、「人より食べられない物が多い」ことは、犯罪でも、不道徳でもないのですから、それを後ろめたく感じて 言い訳をしたり、周囲の目を気にして 食べているふりをする必要などないのです。
それと同時に、食べるという行為に対して もっとポジティブな姿勢を持つことをお薦めします。
誰にとっても 「食べる」というのは、生活の中の楽しいイベントです。 それを 人から反感を買ったり、誤解を受けるかもしれないイベントと捉えていたら、特に食事を楽しもうと思っている人にとっては Eさんは それだけで、好ましいとは言えない存在になってしまいます。
美味しい食べ物を 一緒にシェアして、その幸福感や満足感を一緒に味わえるのが一番ですが、 食べ物がシェアできなくも、食事や食べ物に対する 苦手意識やネガティブな感情さえ無ければ、 その場に居て 楽しい雰囲気をシェアすることは出来るはずです。

それと、もしEさんの食べ物の好き嫌いが、食わず嫌い、もしくは子供の頃に食べて 嫌いになった という状況から来ているのであれば、 そういった思い込みや偏見を取り去って、今一度味わってみることをお薦めします。
人間の食の好みというのは頻繁に変わります。 子供の頃の味覚と、大人になってからの味覚も異なります。 最初に食べた時に、さほど美味しいと思わなかったものを、ある日突然 夢中に食べ始める人は少なくありません。
したがって 嫌いだと思い込んでいる食べ物が、 久々に味わった途端に 好物に変わっても不思議ではないのです。

そもそも食べ物というのは 毎日の栄養源ですから、好き嫌いが少なければ少ないほど、多種多様な栄養素を摂取することが出来ますし、 それによって、健康や老化のスローダウンといった恩恵がもたらされるのは言うまでもありません。 食べるという行為は、アンチ・エイジングや ヘルシー・ライフの一貫とも 考えるべきものなのです。
精神さえしっかり安定していれば、 自分の身体が欲している食べ物は美味しく感じられるのです。 逆に 偏食は 偏った精神状態を生み出すといっても過言ではありません。

ですから Eさんには、「人にどう思われるか?」ではなく、「自分の身体にとって何が一番大切か?、何が必要か?」にフォーカスしながら、 ”食べ物”、”食事”について、今一度考え直してみることを 強くお薦めします。
食生活というのは ”自己愛” の一貫ですから、自分の心と身体をいたわりながら、必要な栄養を一番良い形で 与えようと考えたら、 おのずと そのように食事をするようになるというのが 私の考えです。


Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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