May Week 1 2017
★ "I Can't Stand My Husband"
"夫と特にその匂いがイヤでたまりません"



Akiyamaさま、
このコーナーを最初から愛読しているファンです。今回初めてお便りさせて頂きます。 宜しくお願いします。

私は、あまり深く考えずに大学を出て直ぐに結婚してしまって、30代半ばにもならないのに結婚11年目になります。
以前は早く結婚しておいて良かったと思うこともあったのですが、今では自分が早まったという後悔の気持ちが強くなってきていています。 その理由は夫に対しての愛情が冷めてしまったからなのですが、昨年くらいからその気持ちがだんだん嫌気に変わってきて、 結婚生活だけでなく、夫本人のことがイヤになってきてしまいました。
中でも内心イライラするほどイヤだと思うのが夫がパスタをおそばみたいにすすって食べる事と、 夫が歯を磨いた後に 必ずといって良いほど洗面台に歯磨き粉がベッタリついていることですが、 3か月ほど前から夫の匂いに耐えられなくなりました。

今までそんな匂いがすると意識したことは無かったので、つい最近になって匂うようになったのか、 私が夫に嫌気が差してきたので 今まで気付かなかったことまで気になりだしたのかは分かりませんが、 私が嫌悪する匂いを発する夫と一緒に生活するのが苦痛でたまりません。
少し前にインターネットのサイトで、「アメリカではお互いの匂いが気に入らないカップルは離婚する」という話を読んでからは、 「夫の匂いが耐えられないなら、離婚すべきなのか?」と考えるようになりました。
ですが、「夫の匂いがイヤで離婚したい」なんて人に相談できないので、Akiyamaさんのアドバイスをいただこうと思いました。

夫は、まじめで少し威張っている時もありますが、悪い人ではないです。 別に暴力を振るわれてイヤになったり、浮気をされたからイヤになった訳ではなくて、ちょっとしたダラシナイところがいくつもあるのと、 私に対して思いやりが無い態度を取ることがあって、それが倦怠期と重なって愛情が冷めてきたと思っています。 最近になってここまで夫の匂いがイヤになった理由は自分でも分かりません。
アメリカで本当に匂いが原因で離婚しているようであれば、そんな現状も踏まえて 離婚した方が良いのか、 結婚生活を続けるのであれば、どうしたら良いのかをアドバイスをいただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。今後のAkiyamaさんの益々のご活躍をお祈りしています。

- S -





Sさんが読んだインターネットのサイトに書かれていたように、私も離婚したアメリカ人の友人が「夫の匂いがイヤになった」と 話していたのを聞いたことがあります。 でもその時は、「夫の何から何までもが嫌いになった」という話の中の列挙の1つとして登場したもので、 決してそれが理由で離婚に至った訳ではありませんでした。

確かに匂いというのは、人間が惹かれあう要素の重要な部分を握るもので、お互いが DNAやバクテリアのレベルで 惹かれあっているかの指針になると言われます。昨年春のキャッチ・オブ・ザ・ウィークのコラム書いた ”スメル・デーティング”は、まさにそのセオリーを用いて 匂いでマッチメーキングをするデート・ビジネスでした。
人間のDNAが一生変わることが無い一方で、その体臭が徐々に変わって行くのは 人間の体重の1〜2キロ分を占める 体内のバクテリアの影響によるもので、例えば日本で加齢臭と呼ばれるものはエイジングによって身体の抵抗力が衰えた結果、 抑えられなくなったバクテリアが発する匂いと言われます。 いずれにしても体臭というのは、発する側の匂いがバクテリアの影響で変わるだけでなく、 その匂いを感じる側もバクテリアの影響を受けて 匂いの好みが変わって行きます。
通常はそれが穏やかな変化なので、一緒に暮らしている者同士は 例え変化があってもお互いの匂いに慣れ親しんでいるものですが、 Sさんのように突然相手の匂いが不快に感じられ始めたというケースでは、 時にご主人の健康状態がそれに影響している場合があります。 すなわち何らかの病気のせいで体内の抵抗力が弱った結果かもしれませんので、 たとえご主人の体調が悪そうに見えなくても、歯槽膿漏から内臓の病気に至るまで、 一度しっかりと医療のチェックアップをする必要があるように思います。

私の知人で 数年前に突然口臭が強くなった人が居たのですが、やはりその人の場合も何かの原因で歯肉が膿んでしまい、 その手術の際には治療室内中に匂いが立ち込めてナースに文句を言われたそうです。でも本人は 別件で歯医者に行くまでは全く気付かず、 周囲もその友人の口臭の強さには気付いていても、言うに言えない状態だったようでした。 ですから突如体臭が強くなったり、匂いが変わったりするのは身体が発するSOSのシグナルという可能性もあるのです。
Sさんは「ご自身のご主人に抱く気持ちが冷めたから、匂いが気になり始めた」ようにメールに書いていらっしゃいましたが、 個人の感情が嗅覚を180度変えてしまうことはありませんので、 その匂いはご主人の職場の方達とて感じていても不思議ではありません。ですが個人の匂いというのは指摘が難しい問題点で、 ご家族やよほど親しい仲でなければ忠告を控えるものですので、 Sさんが妻として ご主人にはっきりと 「ここ数カ月で体臭が強くなって、しかも以前の匂いとは違う」ことをお伝えして、検査を受けるように勧めることは、 結婚問題以前に ご主人の健康にとって大切なことだと思います。

また、Sさんは匂い以外でご主人に対するイライラの原因として、「パスタをおそばみたいにすすって食べる事と、 夫が歯を磨いた後に 必ずといって良いほど洗面台に歯磨き粉がベッタリついていること」を挙げていらした他、 「ちょっとしたダラシナイところがいくつもある」と書いていらしたのですが、 離婚王国のアメリカでは そんな日常生活の小さなことの積み重ねが離婚の原因になることが指摘されて久しい状況です。
以前キャッチ・オブ・ザ・ウィークのコラムに書いたことがありますが、アメリカにおいて離婚に発展する問題のトップ3は、 いびき、トイレット・シート(便座)の上げ下げの問題、そしてエアコンの好みの温度の違いです。 それぞれ些細な問題に思えることですが、毎日の積み重ねが何年にも及んだ場合、 そして相手が自分に気遣いを見せない場合には、そんな些細な事が 相手に対するネガティブ心情を生み出して、 そこから離婚に向けて雪だるま式に感情が悪化していくことが非常に多いのです。

でも夫婦が話し合って寝室を別にした途端に、いびきの問題と寝室の温度の好みの違いが解決し、 それぞれの寝室の横の別のトイレを使う事で離婚を逃れた例もあるほどなので、夫婦間では些細なことでも軽視せずに 話し合ったり、知恵を出し合ったりして、解決策を見出すべきなのです。 「わざわざ言うほどのことでもない」と思って我慢していると、徐々に会話がネガティブになったり、「余計なことは言いたくない」と 思っているうちに 夫婦間のコミュニケーションがどんどん減っていくのはありがちなシナリオです。
夫婦で解決策を試みて、なす術が無くなった場合には離婚というオプションも出て来るかもしれませんが、 少なくともインターネットに影響されて決心すべき事ではありません。

Sさんのケースでは、まずご主人と ”匂いの問題=健康問題” について話し合うところからスタートして頂いて、 日頃感じている些細な問題点については、ネガティブな感情を含めると口うるさい文句にしか聞こえないので、 どうやったら言う事を聞いてもらえるかを工夫してみて下さい。 それはどうやったら子供が食べてくれるかと思って、知恵を絞ってお弁当を作る母親の様子と同じだと思って下さい。
そうするうちに結婚当時のような恋愛関係には戻れなくても、人生のパートナーとしての協力関係や家族愛を築いて行けるものと思います。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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