June Week 1, 2016
★ "Beyond a Shadow of a Doubt"
浮気をしていないのに疑う妻との夫婦関係は?


秋山曜子様
初めてメールをします。仕事仲間の女性にこのコーナーと、このウェブサイトを教わって以来、愛読している1ファンの男性です。
大学時代、アメリカに留学したことがあり、その時にルームメイトの1人が自殺して、何回か大学側の薦めで セラピストのセッションを受けた経験がありますが、秋山さんのアドバイスに比べると詐欺みたいな 内容だったのをよく覚えています。
そんな信頼もあって、自分の状況を秋山さんに分析してもらえたらと思ってメールをしています。

現在、30代後半で結婚して9年目を迎えます。 結婚生活は、正直言って お互いにとって平坦なものではなかったと思います。 原因はいろいろありますが、その1つが自分の浮気でした。 そのうちの1人の女性とはかなり真剣な付き合いで、当時は子供がいなかったので 離婚も考えましたが、 相手の女性に「奥さんか私を選ぶように」と迫られた時に離婚に踏み切ることが出来ませんでした。
その後も 彼女ほどは真剣になれない軽い浮気がありましたが、現在は全く浮気をしていませんし、 自分から相手を探しに行こうなどという気もありません。

本当に浮気をしていた時には、妻は子育てに忙しかったこともあって、全くそれに気遣う気配などなかったのですが、 少し前から何故か浮気を疑われるようになりました。 いちいち仕事の後 何処で誰と何をしていたかを聞いてきたり、 服のポケットの中を探っていたりします。
それだけでなく、態度もカリカリしていて、 週末に腕時計の電池の入れ替えに行こうとしただけで、「そんなのは昼休みか、仕事帰りにすませるべきだ」と怒られました。 前科があるので、疑う気持ちも分からなくはありませんが、本当に浮気をしていて 何かあやしい素振りから疑われるのならまだしも、 こちらが潔白で、普通に生活しているだけなのに疑われるというのは かなり息苦しいです。

そこで、妻に疑うだけ疑ってもらって、妻の方が浮気に過敏になりすぎていることを悟ってもらおうと考えました。 そう決めてからは、わざとレストランのカードをポケットに入れておいたり、スマホが鳴るとわざと別室で話したりしていました。 思ったとおり、妻は自分の電話の会話を浮気相手だと思って部屋の外で盗み聞きしていたりするので、 最初は相手が女性みたいに丁寧に喋って、途中から友達だって分かるように喋ったりして、 疑いが思い過ごしだということを自覚してもらおうとしました。 やがては疑うのにも疲れてくるだろうって思っていましたが、だんだん自分の浮気を突き止めるのが妻の使命みたいになってきて、 自分が掴んだと思った証拠が実は何でもなかったというのを悟ると、 安心するよりも、怒り出すようになりました。
「じゃあ、何でこんなところにこんな物を置いておくのよ」みたいに責められているうちに、 こちらもウンザリしてきています。
妻に早く自分が浮気をしていないことを悟って欲しいんですが、こんな状態が続くうちに 実は妻の方が自分の浮気を発見して離婚したがっているのではないかと思うようになりました。

秋山さんだったら、こんな夫婦の状況をどう分析しますか?是非秋山さんの意見を伺いたくて メールをしました。お忙しいかと思いますが、ご回答いただけたら幸いです。
よろしくお願いします。これからも、今までのような質の高いアドバイスを期待しています。

-H-




メールを拝見してHさんは、とても頭の良い方とお見受けしました。
アドバイスではなく 分析をご希望でしたので、メールの文面から私が分析したところを正直に申し上げます。

まずHさんと奥様のご結婚については、愛情よりも むしろお家柄が見合う同士が結ばれたという印象を受けました。 恐らくHさんは、華やかな独身時代を送っていらしたのではないかと思われますし、 メールで 不倫相手について「そのうちの1人の女性」とか、「その後も 彼女ほどは真剣になれない軽い浮気がありましたが」 と書いていらっしゃることから、ご結婚されてからも その続きをされていたこととお察しいたします。
また 不倫相手で唯一真剣になったお相手は、奥様のご実家ほどの社会的ステータスが無かったものとお見受けしたと同時に、 Hさんが離婚に踏み切れなかった理由というのも、そんな社会的ステータス、すなわちHさんがご結婚に踏み切ったのと同じ理由が 影響していたのでは?というのが私の推測です。
残念ながらHさんのメールの文面からは、奥様に対する愛情はあまり感じることができなかったのに加えて、 現在は浮気をされていないとはいえ、完全にそれを卒業された訳でもないようにお見受けしました。 というのは、「浮気をするつもりなど毛頭ありません」などと書かず、「自分から相手を探しに行こうなどという気もありません」と書いていらしたためで、 「わざわざ探しに行こうとは思わないけれど、相手さえ現れたら、浮気をするかもしれない」と、潜在意識的にでも 考えていらっしゃるように受け取れる表現でした。

それだけに、Hさんが「こちらが潔白で、普通に生活しているだけなのに疑われるというのは かなり息苦しいです」 という部分は、失礼ながら 「今後浮気をした場合に、今のように嗅ぎまわられたらたまらない」とも受け取れましたし、 「そこで、妻に疑うだけ疑ってもらって、妻の方が浮気に過敏になりすぎていることを悟ってもらおうと考えました」 という部分は、「ここで前例を作って、後で自分が本当に浮気をした場合に、”妻が浮気に過敏になりすぎているだけ”という 言い逃れが出来る様にしておこう」と仕向けているように見えなくもない状況でした。

本音がどうあれ、その後の「わざとレストランのカードをポケットに入れておいたり、スマホが鳴るとわざと別室で話したりしていました」 といった行為は、奥様に意図的にHさんの浮気を疑わせて、それが的外れであることを立証するためであることは理解出来ますが、 見方を変えれば、仕掛けた罠に奥様を誘導している訳で、ある種のサディスティック・プレジャーが見え隠れするように思えるのが事実です。
そもそも、Hさんのこれまでの歴史から奥様が浮気を疑ってしかるべき状況ですが、 浮気をしていなかったことが明らかになって、奥様が安堵するよりも、怒り出してしまうのは、 恐らく Hさんのそんな”サディスティック・プレジャー=優越感”を感じる一方で、 「また騙された」という苛立ちの気持ちがあるのではないかと私は思いました。 したがって奥様が見せる怒りというのは、「自分の気持ちがもてあそばれている」というフラストレーションであって、 離婚願望ではないというのが私の分析です。

Hさんが特にアドバイスをご希望で無いのを承知で1つ申し上げるならば、 こうした状況を続けることによる ありがちなシナリオというのが ご自分が仕掛けた罠に最悪のタイミングではまってしまうものです。 特にHさんのように頭脳明晰で、緻密な方であればあるほど、予期せぬ出来事から狂った歯車が深刻な事態をもたらす傾向にあります。
ですので、ご自分の最も身近なところに敵を作りかねないような ご夫婦間の神経戦はほどほどにされて、 たとえ愛情で結ばれなかったとしても、 パートナーシップ、もしくは友情でお2人が結ばれることによって、 お互いのサポートシステムとなり得るご関係を奥様と築くことを強く、そして心からお薦めする次第です。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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