June Week 2, 2013
★ He's Not My Type!


秋山さんのコラムをずっと読んでいる大ファンです。
このコーナーも 皆さんの相談内容と秋山さんの適切なアドバイスをいつも楽しみにしているのですが、 私もアドバイスをお願いしたいことが出来てしまいました。
先週末、お友達のカップルに男性を紹介してもらうことになっていました。 お友達はかなり前から私にその男性を紹介したがっていて、 「彼を交えて4人で食事をしよう」ということだったので、ただ「会ってみる」程度の気楽な感じでOKしました。 ところが当日になって友達カップルの都合が悪くなり、私とその男性が2人きりでレストランで会うことになってしまいました。
私は男性に会う前にメーク直しをしたかったので、わざと少し早めにレストランに着いて、誰の名前で予約されているか分からなかったので、 それを確認する携帯メールを打ってから、化粧室に行っていました。 そして戻ろうとした時に、私が一番嫌いなタイプの男性が 友達の名前で予約を告げているのを聞いて、その場で凍り付いてしまいました。 ルックスだけでなく、その態度も店員さんを見下したような横柄な感じで、その男性と一緒にディナーをするなんて 「絶対に無理!」と思いました。
それで、化粧室に引き返して10分ほど考えていたかと思います。 結局、私はそのままレストランを出て家に帰ってしまって、友達には携帯メールで具合が悪くなったと説明しました。

友達は、そもそも自分達が最初来られなくなっただけに、私が具合が悪くてレストランに行けなかった事については、 気にしていませんでした。 でも 「仕切りなおし」と称して、その男性と私をしきりに引き合わせようとしていて、 私は 一度は会うことを承諾してしまいましたし、その男性をすっぽかした形になっているので 断るに断れず、 忙しいふりをして逃れようとしました。
それでも 何度も連絡があるので、 友達に 実は約束のレストランに行っていたこと、男性の姿と態度を見て、帰ってしまったことを 正直に話してしまいました。 普通、そこまで言われたら諦めると思うのですが、友達は「第一印象だけで 人柄を知らないまま、人を判断するのは間違っている」、 「見た目はパッとしなくても、とても良い人だし、気前も良い」などと言って、男性を売り込んできます。 彼らが一緒だったら、2人きりのお見合いみたいな感じにならないからと、しつこいほどに誘ってきます。
でも私にしてみたら、たとえ2人きりじゃなくても、あのルックスと態度を見ていたら、 気分が悪くなってしまいますし、会うことを考えただけでも気持がドップリ重たくなって、憂鬱です。 あの男性とはどう頑張ってもダメです。

正直言って、どうして友達が よりによって あの男性を私に相応しいと思うのかにも、とっても不満を感じています。 余っている男性を押し付けられた気分です。 私は今まで、あんなタイプの人と付き合ったことなどありません。
この場合、どうやって断るのが良いのでしょうか。 それに、もし男性が私がレストランから出て行くところを目撃していたとしたら、次に会った時には 私がレストランに来ていたのに 帰ってしまったことが男性にバレてしまいます。
男性を紹介しようとしているお友達とそのご主人は、凄く親しいという訳ではありませんが、前にも1度ご主人の知り合いを紹介されたことがあります。 その時は3回ほど男性とデートをしましたが、旅行に誘われたのを断ったら、それで傷ついたのか、以来連絡が来なくなりました。 以前の男性も 私との相性が良い人とは言えませんでしたが、ルックスや態度は今回ほどは酷くありませんでした。

このコーナーには、以前にもお断りのし方についてのアドバイスが登場していたので、 是非私の悩みでも 秋山さんのお知恵を 拝借できればと思います。よろしくお願いします。

−S−






アメリカでは、日本のお見合いのようにシングル同士を引き合わせることを ”ブラインド・デート” と言いますが、 「軽い気持でセットアップしたり、ブラインド・デートに応じたりすると、酷い目に遭う」というのは ごく一般に言われることです。
引き合わせる2人の性格や好みを良く理解した仲介者が、「この2人だったら上手く行きそう」と 確信して セットアップした場合は上手く行くケースもありますが、 往々にしてブラインド・デートは、人間関係がこじれるきっかけになるものです。

私のヴェジタリアンの友人は、数年前に 同じヴェジタリアンの男性とブラインド・デートをセットされて、 最初の2回くらいは友達を交えて普通に会っていたとのこと。でも、2人で会うようになってから、 彼が被害妄想のような事を言い出し、終いには彼女の携帯電話を奪い取って放り投げるという暴挙に出たため、 彼と二度と会わないことにして、それを男性を紹介してくれた知人に話したところ、 「貴方とも やっぱりダメだった?」と言いうのがそのリアクション。
そしてその知人が 彼女に告げたのが、実は男性は過去2年ほどを精神治療施設で過ごしていて、 女性との健康的な恋愛で 完全に社会復帰して立ち直ることを周囲が期待していたということ。 もちろん、それを聞いた友達は 「そんな事は最初から言ってくれるべき」と抗議したそうですが、 逆に知人に 「精神治療を受けた人を差別している」と言って批難されてしまい、 以来、その知人にも 一度も会っていない と言っていました。
彼女はその苦い経験から、もう2度とブラインド・デートをしないと心に誓ったそうですが、ここまでは行かなくても ブラインド・デートの苦い経験談は、誰にでもあるようです。

紹介された人間が被害を被るケースは、仲介する側が紹介する人間同士の性格の相性や好みなどを 深く考えずに 引き合わせていることが多いようですが、 私が知る限り、女性の方がそうした ”短絡的なセットアップ” の被害者になる傾向が強いように思います。
理由は、男性の方が外観の好みがはっきりしていて、外観で魅かれない女性とは上手く行かないことが 明らかですので、ブラインド・デートは 「男性に 彼が好みそうなルックスの女性を引き合わせる」という行為になるのが通常です。 女性は、男性ほどはルックスに拘らない傾向が強いですし、外観以外の要素に魅かれて 付き合う場合の方が多いと言っても過言ではありません。
世の中で ルックスの良し悪しに開きがあるカップルと言えば、圧倒的に美女とルックスが劣る男性の組み合わせであることを考えれば、 それが納得できるかと思います。

したがって、お友達カップルがSさんを 問題の男性に引き合わせようとしたのは、 Sさんのことを考えて 「彼がピッタリだと思った」というよりも、Sさんが「彼の好みにマッチしている」ということだと思います。
ですから、「どうして友達が よりによって あの男性を私に相応しいと思うのかにも、とっても不満を感じています」とご相談のメールにありましたが、 お友達カップルは Sさんのことが男性に相応しいと思った訳ではなく、Sさんが男性の好みだと思って紹介しようとしたはずですので、 不満を感じるお気持は理解できるのですが、これについては深く考える必要はないと思います。

それと共に深く考える必要が無いのは、どうやって男性との次回のお食事を断るかについてです。
というのも Sさんには、「どうしても男性に会わなければならない」 という義務は無いのです。 Sさんが、日頃からお友達のカップルにとてもお世話になっている、もしくは非常に親しい間柄でしたら、 男性に会うことによってカップルの顔を立てる必要があるかもしれませんが、 特に親しいという関係ではなく、恩も義理も無い関係でしたら カップルには Sさんが望まないことを強要する権利はありませんし、 Sさんはそれを断るのに カップルの承諾も、理解も必要ありません。
もしお友達カップルがプロのマッチメーカーで、Sさんが「紹介された男性には、全て一度は会ってみます」というような協約書に サインしていたのでしたら話は別ですが、このケースは ただカップルがSさんと男性を ずっと以前から引き合わせたがっていて、 やっとセットアップしたと思ったら、たまたまそれが予定通り行かなかっだけの話です。 たとえ一度は 男性に会うことを承諾しても、後から気持を変えることは 不道徳でも、不義理でもありません。
下手に言い訳をして断ろうとすれば、相手は説得に掛ってきますから、なるべく早い時点で 「この件は、きっぱりお断りします」という意思表明をして、 それ以上誘っても無駄であることをはっきりさせるべきです。

もし それをするのが難しい場合は、逆に どうして そこまでしつこく Sさんを男性に 引き合わせたがるかを お友達に尋ねてみるのが良いかと思います。
往々にして、Sさんがメールに書いて下さったような 「見た目はパッとしなくても、とても良い人」程度の内容を リピートされるだけで、「Sさんでなければ、その男性と合わない」というような理由は出て来ませんので、 その「見た目はパッとしなくても、とても良い人」を もっと進んで彼に会いたがる女性に紹介した方が、遥かにお互いのため、そして男性のためでもあることを お友達に説明してみてください。

そもそも仲介する側が 人と人を引き合わせようとする背景には、 単なる ”親切=お節介” 的な理由もあれば、紹介することによって何らかのメリットがある場合や、 紹介しなければならない義理があるケースも珍しくありません。
Sさんのメールに、お友達が 男性のことを 「気前が良い」と言っている とありましたが、 ひょっとしたら日頃から 気前良く 男性に ご馳走になっているお礼に 女性を紹介しようとしているのかもしれません。 実際、人を紹介するということを ”コモディティ(先物商品)” だと考えて、 それと引き換えに様々な恩恵を受けようとするケースは世の中に少なくありません。
お友達カップルの意図が何であれ、Sさんが男性に会いたくない場合、彼らは諦めるべきですし、 Sさんも 2人を納得させる断り方を考えたり、彼らに対して悪いと思うような 気持を抱く必要も無いのです。

かく言う私は、一生に一度だけ人の紹介で、第一印象で 全くピンと来なかった男性と付き合ったことがあります。 その結果、別れる時は弁護士沙汰でしたので、自分の直感に従って 人と付き合うことは 自分を守るための得策だと考えています。
「第一印象だけで 人柄を知らないまま、人を判断するのは間違っている」と批判されることがあっても、 それはその人の直感が鈍いのだと思って、取り合わないのが一番です。 他人にとっての ”良い人”が、自分には ”悪運” を運んでくることも多いのです。
ですから それを事前に察知する 直感や、第一印象は とても大切ですし、それに従って生きる方が 遥かに余計なトラブルが防げる というのが 私の様々な経験から得た意見です。


Yoko Akiyama




このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください






執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


PAGE TOP