June Week 2, 2016
★ "How To Deal With Sociopath"
ソシオパスに悩まされています


Yoko Akiyama様
Cube New Yorkのウェブサイトの長年の読者で、いつもこのコーナーとキャッチ・オブ・ザ・ウィークの更新を心待ちにしているファンです。
私もアドバイスをいただきたいことがあってメールをしています。よろしくおねがいします。

今、あるボランティアをしています。 始めのうちは、今までの交友関係とは異なる人と会って、交流ができるので 楽しんでいましたが、 ある人のせいで だんだんとボランティアが苦痛でストレスになってきました。
その女性は、外交的で、明るい雰囲気で最初は私もその人のことが好きだったんですが、 だんだんとその人が二重人格で、嘘つきだと思うようになりました。 人当たりが良くて、ボランティアの活動をしながら、いろいろなお喋りをするのですが、 必ず事実とはちょっと違うことを言って、誤解を招きます。 その女性をAさんとすると、ある時にAさんにボランティアのメンバーの1人の年齢を聞かれたので、 「私たちより年上じゃないかな?」と答えたのですが、実際にはその人は私たちの2歳下だということが分かった時に、 「なんだ〜、XXさん(私のこと)から ”あの人結構年だよ”って言われていたけれど、まだ若いんじゃない!」 と言って、私がその人のことを老けていると言っていたかのように仕向けます。

またある時は、打ち合わせの時に口論という訳ではなく、役割分担について話し合っていたのですが、 その後 皆で食事に行った時に Aさんが「XXさん(私)とXXXさん(話し合いの相手)がいきなり喧嘩を始めたんで どうしようかと思っちゃった」と言って、その場の人に私と話し合い相手が仲が悪いという印象を与えてくれました。 そのせいで、私とその人は 何もお互いに悪い感情などもっていないのに、私たちの分担が重ならないように周囲が気を配ったりして、 言い訳すればするほど、Aさんに「お互いにああ言っているけれど、本当はわだかまりがある」、 「XXさん(私)は、きちんとしているけれど、あまり協調性はないから」などと 言われていることを 後から知らされました。

Aさんは私の前では、私の仕事ぶりを褒めまくって 「よく皆をまとめてくれてありがとう!」、 「ここまで何でも ちゃんとできて、皆を引っ張ってくれる人は居ないってば!」などとおだててきます。 私にだけでなく、誰のことでもおだてて、皆を褒めまくるので、ボランティアに参加している人は、 少なくとも最初のうちはAさんのことが大好きです。 でも、しばらく一緒に活動すると「あれ?、何か変?」とか「いつも人のことを褒めるけれど、時々すごく意地悪そうなことを言う」 という印象をもつ人は少なくありません。

私が我慢できないほど頭に来た出来事は、ボランティアのメンバーと一緒にあるものを引き取りに行ったところ、 既にそれが処分されていて、それがAさんの指示だったことが判明しました。 そこでAさんにどうしてそれを処分するように指示したのかを尋ねたら「もう要らないのかと思った」というのがその返事でした。 その後、代替品を探していたのですが、それが大変な手間だったので、誰かが「どうしてあれを処分しちゃったんだ?」と 頭に来て言ったのに対して、処分の指示を出した張本人のAさんが 私に言われたから と皆の前で宣言したので、 私の方がビックリしてしまいました。
これにはさすがに私も頭に来て、「変なこと言わないで。あなたが ”もう要らないのかと思った”って言っていたじゃない」と言い返すと、 「XXさん(私のこと)ったら、頭おかしい!XXさんが指示したから、私がそれを伝えただけです」 とその場に居た人全員に聞こえるような大声で 私に責任をなすりつけてきました。

Aさんは、根回し的に自分は悪くなくて、私が嘘をついているとさりげなく人に言って回っていますが、 その言い方は 「XXさん(私のこと)が悪いんじゃなくて、私のせいなの。XXさんが勘違いして言ったことを私が直ぐ先方に伝えたから 処分されちゃったの」と、私のせいじゃないと言いながらも、嘘をついて自分は良い子になろうとする腹黒さです。
それに加えて、私がAさんの悪口を言っていなかったかを こっそり訊いて回っていて、 ある人が私のことをかばって「あの人はそんなことを根に持つ人じゃないわよ」と言ってくれた時は、 「私もそれは分かっているけれど、顔に出さなくても、不愉快な思いをしていたら悪いと思って」と、上手く逃げたのですが、 それ以来、かばってくれた人にも遠まわしな嫌がらせを言うようになっているそうです。

こういう嘘つきの二重人格の人とは どうやって対処したら良いのでしょうか? 職場だったら 我慢するしかないですし、友達だったら 距離をおけば良いだけですが、 ボランティアというところが微妙です。辞めたくはないのですが、だんだんとこんな不愉快な思いをしてまで 続けるべきなのかとも思うようになりました。

何かアドバイスをしていただけないでしょうか? よろしくお願いします。
これからも Yokoさんと、Cube New Yorkさんの益々のご繁栄をお祈りしています。

-E-




Eさんのメールから受けたAさんという人物の印象は、二重人格の嘘つきというよりも ”ソシオパス / Sociopath”です。 日本語では”社会病質者” と訳されている ソシオパスは正式な病名ではなく、 アメリカの精神医療の世界では ”パーソナリティ・ディスオーダー”、すなわち性格障害と見なされているものです。

ソシオパスは よく ”サイコパス / Psychopath(精神病質者)”と間違えられ易いのですが、サイコパスの方が知能犯 かつ冷静で、 連続殺人犯にありがちな緻密さ、鈍感に通じるほどの精神的な強靭さに加えて、時にチャーミングさを身につけています。 それに対してソシオパスには そんな緻密さはなく、感情に起伏があり、主張や行動にも一貫性がありません。
私がサイコパスとソシオパスの違いを説明する際に頻繁に用いる表現は、 「サイコパスはその実態を知らされて 誰もが まさか!と驚くだけでなく、時にそれを信じない人がいるほど 周囲を見事に欺く人物。 ソシオパスは 一見まともそうに見えて、程なく、もしくは徐々にとその化けの皮が剥がれてきて、 最後には 殆どの人々が ソシオパスだと認識するようになる人物」というものです。
どちらもヴァイオレントなイメージがありますが、実際にはサイコパスもソシオパスも表面的には温厚ですし、 特にソシオパスはナルシストである場合が多いので、人に好かれるように仕向けたり、自分が話題の中心になることを好みます。 そのために根回しもすれば、嘘もつきますが、前述のように サイコパスのような緻密さが無いので、 周囲の人々には やがてその嘘や根回しが見えてきて、フラストレーションやストレスをもたらす存在です。

アメリカ社会では、”ソシオパス”という性格障害が 広く認識されているだけに、 職場や交友関係に、ソシオパスと見なされる人が存在した場合は、 よほどの被害が生じない限りは 「あの人はソシオパスだから…」という病気扱いで 片付けられるケースが少なくありません。
これに限らず、現在のアメリカ社会、およびアメリカの精神医療の世界では しつけ不足な子供が居ればADD(注意欠陥障害)、 感情の起伏が激しいと ”バイポーラー・ディスオーダー(躁鬱病)”と、直ぐに病気扱いをする傾向があり、 私は個人的に それは大きな間違いだと考えていますが、ソシオパスに関しては 口には出さなくても 心の中では 精神障害だと思って取り合わないようにするのが 正しい対応法だと思っています。
それほどまでに、まともな人間として対処しようと試みて 悩んだり、ストレスを溜めたところで、 エネルギーと時間の無駄にしかならないのがソシオパスで、 互角に渡り合おうとしたら 同じソシオパスかサイコパスでない限りは無理だと思われます。

ソシオパスは自分に有利に人を欺く行為を意図的というより ごく無意識に、 自然に行って生きているので、口論や 正当性の立証など、パワー・プレーに持ち込むと勝ち目はありません。 正しく振舞おうとすればするほどフラストレーションが溜まって、それが行動や言動に表れる結果、 たとえEさんが正しかったことを立証しても 人格の評価を落としたり、 人間性の問題点を露呈して、ソシオパス側に同情が集るケースが殆どなのです。

なので、ソシオパスとの間に何か問題が生じた場合には、「相手は性格障害を抱えているのだから、 まともに取り合ったら こちらが潰されてしまう」という気持ちで割り切るべきで、 関わりを最小限にすること、自分の情報を極力与えないこと、どんなにストレスが溜まっていても ソシオパスの悪口は言わないことがとても大切です。
メールの中で、処分されてしまった物の責任について Eさんが 「変なこと言わないで。あなたが ”もう要らないのかと思った”って言っていたじゃない」とおっしゃった様子がありましたが、 今後 同様のことが起こった場合には 「私の責任ということでも構わないので、代替品探しを急ぎましょう」と、波風を立てずに流してしまうことです。

中には 自分もAさんによって不愉快な思いをして、EさんにAさんの悪口を言わせようとして 同情的な態度でアプローチしてくる人がいるかも知れませんが、それに そそのかされて Aさんの悪口を言おうものなら、 ソシオパスの攻撃ターゲットとしてEさんが 名乗りをあげるようなものです。
ソシオパスが存在するグループの中には、必ずその攻撃の矛先を他に向けさせようとする人が居るもので、 そうした事は Eさんが「諸悪の根源はソシオパスのAさん」と強く思い込んでいる時には なかなか気づき難いものなのです。

人間はストレスフルな状況や苦手な相手との対処に手を焼いている時は、 それに振り回されるのに精一杯で、往々にして ”この人は味方”、”この人は敵”というような 一対一の単純な関係だけにフォーカスして 判断や行動をしがちになりますが、実際には人間関係というものは もっとずっと複雑に入り組んでいるものです。 そしてそれは、自分の置かれた状況から距離を置いて、客観的な視点から眺めた時に初めて見えてくる場合が多いのです。
ですので Eさんにはこれを機に、ソシオパスとは取り合わない姿勢だけでなく、 ソシオパスに対する周囲の反応を冷静に観察することによって、 その人達の人間性や社交&世渡りの手法を学んだり、分析する姿勢を身につけることをお薦めします。 一度そうした着眼点を持てば、「人は皆 師なり」ということわざの意味を心から実感しながら、 周囲の言動や行動を 客観的に捉えることが出来るようになってくると思いますし、 人間関係にも正確な判断が下せるようになると思います。
人間関係は 人生において毒にも薬にもなるものですので、しっかり吟味をして心豊かに生きられるように 頑張ってみて下さい。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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