June Week 3, 2013
★ Guest or Resident?


いつも更新を楽しみにしています。
留学中でアメリカに住んでいるのですが、外国に住んで視野が広くなるかと思っていたらそんな事は無くて、 友達は日本人が多いですし、語学の壁を克服しながらの勉強に追われている身なので、まだまだアメリカを理解するなんて 程遠いレベルです。CUBE さんの記事や秋山さんのコラムは、とても勉強になって アメリカ社会に付いていくために、不可欠なものになっています。

私にも相談事があります。 それはルームメートのことなのです。
以前のルームメートとはとても上手く行っていて、仲が良かったのですが、彼女が日本に帰国することになって、 3ヶ月ほど前から 新しいルームメートになりました。 部屋の中で土足は困るので、必然的に日本人のルームメートを選びました。
最初の3週間ほどは、お互いに馴染もうというする気持があるので、スムースに過ごせたのですが、 1ヶ月が経過した頃から 彼女の友達が頻繁に泊まりに来るようになりました。
特定の友達ではなくて、日本から来た友達だったり、シカゴに留学している友達が週末に訪ねて来たり、 近くで飲んでいて、夜遅くなったので泊まっていくという友達も居ます。 一晩泊まって、朝には居なくなってくれる人はまだマシなのですが、日本とかから来ていると 滞在が数日間になって、その間、カウチが占領されるので、どうしても私の生活に影響が出ます。
中には、ちゃんとシーツやブランケットを朝になるとたたんでくれる人も2人くらいいましたが、 殆どの人は、滞在中 カウチを我が物顔で使って、シーツやブランケットが敷きっぱなしで、 家賃を払っている私が 座ることさえ許されない感じです。
それだけでなく、ルームメイトとお金を折半しているミネラル・ウォーターやオレンジ・ジュース、コーヒーなどが 好き勝手の飲まれてしまうので、非常に減りが激しくなりますし、時に私用に買った食べ物がゲストに食べられてしまうこともあります。
ルームメイトは、滞在費は請求していないようですが、何日も泊まる人はお土産を持ってきます。 でも受取るのはルームメイトなので、私はそのおこぼれを貰う程度で、チョコレートが5つとかがせいぜいです。
シカゴから来た友達は、「シカゴに来たら、うちに泊まってね」と、彼女に言って帰って行きましたが、 私にはそんな交換条件はありません。

仲が良い友達を泊めてあげるだけなら、まだ分かるのですが、泊まりにくる人の中には、 日本の友達に頼まれたので 一度も会ったことが無いけれど 泊めてあげる人や、フェイスブックで友達になっただけで、 初めて会う人も居て、私は いくら同じ日本人でも、そんな正体が分からない人まで泊めるのは身の危険さえ感じています。
何度か、ルームメイトとゲストについて話したのですが、「ベッドルームを提供しているのなら、滞在費が取れるけれど、 カウチで眠っているだけなので、滞在費を請求するのは友達として失礼だと思う」と言われてしまいました。 私が問題にしているのは、お金のことではなくて 2人で暮らすのが快適なサイズのアパートに、 ゲストが まるで3人目の住人のように ひっきり無しに滞在することなのです。

お金の問題も無いと言えばウソになります。新しいルームメイトと暮らし始めてから、ゲストが来る分、電気代が余分に掛るようになりました。 それと トイレレット・ペーパーから石鹸まで、減りが早くなりますし、ミネラル・ウォーターも飲むなとはいえません。 今まで、お金を置いていってくれた人も居ますが、1日10ドル計算で、 それでもこちらが損をしている感じです。 ルームメイトは、友達が食べたり、飲んだりした冷蔵庫の中のものは、自分で買い足していると言っていますが、 結局は買い足したものも、自分と友達で食べたり、飲んだりしているだけです。

ルームメイトは、「ホテルに泊まるお金が無いから 泊まりに来る友達に、細かいお金を請求するのは 気が引ける」と言います。 彼女は、自分の友達だからそれで納得が行くのだと思いますが、私にとっては ルームメイトの友達はただの他人ですから、 家賃の半分を払って、そんな他人を滞在させるのはもうウンザリしていて、 かなりのストレスになり始めました。勉強の妨げにもなっています。
それでもルームメイトの方が 話術に長けていて、ちょっと考え方も違うので、 友達が泊まりに来ることについて話す度に、いつもはぐらかされるというか、 私の方が了見が狭いような思いをさせられてしまいます。

月に1回くらいなら、ルームメイトの友達が泊まっても構いませんが、ほぼ毎週となると 我慢も限界です。ルームメイトは、ゲストが帰るたびに 「もう暫く誰も泊まらないから」と言いますし、 誰かが泊まりに来ることを私に言う前は、私に親切にしたり、お世辞を言ったりして、 私が断りにくくなるように仕向けてきます。
友達に相談したら、ルームメイトを替えるのが一番だと言われました。 アパートのリースは私の名前になっているので、追い出すべきと言われたのですが、 ルームメイト本人は決して悪い人ではありません。親切で社交的なので、こんなにゲストさえ来なかったら、 価値観や考え方は違っても、上手くやっていけるかもしれないとは思っています。

このような場合、どうするのが一番良いか、秋山さんにアドバイスをいただけると嬉しいです。 よろしくお願いします。

−A−





ルームメイトに対しては、人によってその経験や、考え方、接し方が本当に様々です。
「ルームメイトは 同居人であって、友達とは別物」と考えて、居住空間のシェアだけをする人も居れば、 ルームメイトと友達になって、一緒に暮らさなくなってからも 長く友達付き合いをする人も居ます。
でもルームメイトと友達で居られるケースは、無理なく一緒に暮らせる相手で、お互いのプライバシーや 生活を尊重して、時に問題や妥協を強いられることがあったとしても、基本的には相手に迷惑をかけないで生活していた間柄です。 気が合う友達同士がルームメイトとして上手くやっていけるかというと、決してそのようなことはなく、 一緒に居る時間が長過ぎて相手にウンザリしたり、友達に対する甘えや その容認から 掃除などの役割分担が一方に偏ることで不満が生じたり、特に女性同士の場合は 様々な競争心が出てくる事も多く、 友情にひびが入るケースが非常に多いようです。
いずれにしても 人と一緒に 同じ空間で暮らすというのは、 どんな関係でも 決して簡単なことではありません。

ルームメイトと上手くやっていくためには、共同生活のルールを予めきっちり決めて、 例外無くそれにしたがっていくのが 一番と言われますが、それは暮らし始める段階から行うからこそ 効果を発揮するものです。
Aさんのように、既に一緒に住み始めてしまうと 馴れ合いや 甘えが出てきますから、 今からAさんが ルームメイトのお友達に対する滞在ルールを決めたとしても、 メールから お察しした Aさんとルームメイトの関係の場合、それを毎回のように曲げられてしまうことになってしまうように思います。

気の合う友達同士が ルームメイトとして上手くやっていけるとは限らないことを考えれば、 Aさんが 性格的にルームメイトを好きであったとしても、それが共同生活では さほど意味を成さないことが理解できるかと思います。
頂いたメールに、ルームメイトが「親切で社交的」 とありましたが、Aさんの迷惑も顧みずに、 泊まりに来たいという友達をどんどん安請け合いしてしまうのは、そんな性格から来ているのです。 逆に 友達として付き合うタイプではなくても、ルールだけはきっちり守って 問題を起さず生活してくれる人の方が、 ルームメイトとしては 遥かに理想的で、ストレスを感じることなく 同じ空間で暮らしていくことが出来るのが通常です。

Aさんの場合、以前のルームメイトと上手く行っていただけに、今のルームメイトとも 同じような良好な関係を築こうとしているように思います。 でも 人が変わったら、その接し方も変えて行かなければ、自分の生活空間や生活ペースを 守ることが出来ません。自分と同じスタンダードで生活してくれる人であれば、問題なく保てる秩序も、 考え方が異なる人が 異なるスタンダードで暮らし始めた場合、かなりの努力を持ってしても 心の平和が得られないというケースは多いのです。
そもそも 誰が泊まりに来ても平気な人というのは、他人に対する許容範囲が広く、神経が太いタイプが多いですから、 メールの文面から感じられる Aさんの繊細さを思うと、今はゲスト問題だけに気を取られていますが、 それ以外のことでも 一緒に暮らしていて 神経をすり減らしている部分があるのでは?とお察しします。

Aさんが相談された お友達がアドバイスする通り、「友達が滞在しすぎる」ということを理由に、 ルームメイトに新しいアパートを探して、引っ越してもらうというのは、確かに一番手っ取り早い解決法のように思います。
というのも、メールからお察しした印象ではAさんよりルームメイトの方が、駆け引きにおいて1枚上手という印象を受けますし、 精神的にもタフなのは明らかです。 ですから このままルームメイトが居座る限り、Aさんは自分に不本意な状況を受け入れることになるように思います。 一緒に暮らす時間が長くなれば なるほど、出て行ってもらうのが難しくなりますので、 未だ3ヶ月という段階で 相手にそれを告げる方が、我慢した挙句に告げるより 遥かに簡単です。

Aさんはルームメイトに対して何の義理も 責任も無いのですから、一緒に生活していくのに適さない相手と考えた場合、 見切りをつけるのは当然です。 新しいルームメイトを見つけて やり直す方が、今のルームメイトとその友達の滞在で頭を悩ませるよりも遥かに簡単であると思います。
もちろん新しいルームメイトとやり直す場合は、相手がどんなに性格が良さそうで、上手くやっていけそうであっても、今回の経験を生かして、 ゲストの滞在に限らず しっかりと生活のルールを決めて、それを実践する必要があります。 お互いの良心や常識に頼って 上手くやっていこうとした場合、また同じことを繰り返しても 不思議ではありません。

もし「今のルームメイトと もう暫く 暮らしてみよう」というお気持の場合は、「ゲストを一切滞在させない」というルールを相手に提示することをお薦めします。
2人で暮らしていくのに快適なサイズのアパートなのですから、それを提示するのは常識はずれなことではありませんし、 ルームメイトがそれに反発して 「出て行く」と言ってくれれば、それはそれで歓迎すべきことです。
逆にやってはいけないのは、「ゲストの滞在は月合計で1週間以下にする」、 「ゲストから1日20ドルをチャージする」というような、ゲストを肯定するルールを定めることです。 そうすれば、最初は許される範囲内でゲストが滞在し、そのうちルールがどんどん曲げられていくのは目に見えています。
「All or Nothing / オール・オア・ナッシング」という表現がありますが、「ダメなものは、1日でも1週間でもダメ」としてしまった方が ルールが守られるのです。「基本的には禁止で、条件付きで許可」という状態だと、どんなに条件をはっきり提示したところで、 ルールが崩壊します。
Aさんは「月1回程度ならば・・・」と書いていらっしゃいましたが、実際にゲストで迷惑しているのですから、 「ゲストを滞在させない」というポリシーを掲げて、例外無しにそれを守ってもらう方が、遥かにストレスを感じずに ゲストの問題を防ぐことが出来ます。
「条件付きの許可」にしてしまえば、ゲストが滞在する度に 「どこまでが 条件で許可される範囲内なのか?」という問題が常に浮上してきて、 ゲストが滞在する度に ストレスを感じることは 必至です。

そもそもAさんは、勉強という目的でアメリカに滞在している留学生なのですから、その勉強の妨げになる環境を 自ら容認するのは、目的意識を失っているのと同じことになってしまいます。
相手を思う優しい気持も大切ですが、この問題については それを介入させるべきではありません。

最後に、アメリカは家が大きいとあって、日本よりもずっと 友人宅にハウスゲストとして滞在する傾向が強いですが、 それだけに 「家事を手伝う」、「事前に滞在費を話し合う」といった暗黙のルールがエチケットとして存在していて、 滞在費を支払ったとしても、滞在先にはギフトを持っていくのが常識とされています。
ですから、ハウスゲストがカルチャーとして定着しているアメリカ人の方が、常識がある限りは こうした滞在のトラブルが少ないと言えるかもしれません。

Yoko Akiyama




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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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