July Week 2, 2015
★ How to Stop Downward Spiral?
人生の負の連鎖を止めるには?


何時も とてもためになるアドバイスをありがとうございます。
今までにも、何度もこのコーナーを読んで励まされることがあり、その都度とても救われた思いをしてきたのですが、 今、私はこれまでで、一番辛い時期に直面していて、自分ではどうしたら良いか分かりません。 一番の問題は、お金なのですが、もちろんご相談したところで、お金の問題を解決して頂けないことは分かっています。 でもお金に困っているせいで、物事に無気力になっている状態を何とか解決する手がかりを頂けたらと思ってメールをしています。

私は、友達と1年半くらいビジネスをしていましたが、不運が重なって、結局そのビジネスを止めることになりました。 友達だったのに、ビジネスを止めるとなったら、言い合いや会社を始めるときに出したお金の問題などで、本当に不愉快な思いをして、 以前は親友だったのに、ビジネスをしたことで友達を失ったという感じでした。
ビジネスを始めてしまったことは後悔していませんが、 やり方が悪かったことは後悔しています。 会社を始めたばかりの頃は、2人ともこれから上手く行くかもしれないという気持ちや、 アントレプレナーの仲間入りをしたんだという気分で、いろいろなアイデアを出し合って、 楽しく、そして一生懸命やっていたと思ってます。
けれども、そんな私達が甘かったと思い知らされるようなことが続いて、儲からないとなると、 会社を続けるのが段々苦痛になってきて、相手が怠けると私もバカらしくなって怠けてしまうという 悪循環に陥りました。 他に愚痴る人が居ないこともあって、家で夫に愚痴ったせいで、夫婦仲も悪くなってしまいました。

それで、ビジネスを閉めることにして「せいせいした!」と自分を慰めようとした矢先に、夫が解雇されてしまいました。 物凄くショックだったのは、夫の職場に通い易い場所 に昨年末に引っ越したばかりだったためで、 もし夫が解雇されるかもしれないと分かっていたら、今の家に引っ越すことはありませんでした。 私は実家が遠くなってしまって不便をしていますし、それ以外にも問題が沢山あるのが今の自宅で、 唯一、夫が職場に通い易いのが利点で、引越しを決める時も夫婦喧嘩をしていました。

夫は職探しの真っ最中ですが、変にプライドがあって、決まりそうな仕事を嫌がったりして、解雇されてから既に2ヶ月が経過しました。 私は、今は親戚の会社を手伝いに行っていて、収入はありますが、楽しい仕事ではないですし、十分な収入には程遠い金額です。
夫が解雇されてから、私はストレスからか 頭痛がするようになって、 夫の方も 曲がって生えていた親知らずが痛み出して、簡単な手術をすることになり、 その後も しょっちゅう手術の跡が痛むと言っては、 夜中に起きて バタバタ動いたりして、私の睡眠を妨げるようなことをするようになりました。

それで、今は家庭内離婚みたいに、違う部屋で寝て、違うものを食べて生活していますが、私が仕事で帰ってきて、 夫が昼間に飲んだビールの缶がテーブルの上に乗っていたりすると、頭に来て、缶を投げつけたくなることもあります。 どうしてこんな風になってしまったんだろうと、過去数ヶ月を振り返ると、負の連鎖のようにしか思えません。
昨年の秋頃には、お互いに好きな仕事をして、一緒に新しい引越し先を探しに行って、週に1回は 仕事帰りに一緒にレストランで外食をして、 週末に夫婦で温泉に行ったり、友達に会ってたりして、贅沢ではないですが普通の人並みの生活をしていました。
それが、今はお互いにその時の仕事が無くなってしまって、しょっちゅう2人で あそこが痛い、ここが痛いと言い合う生活で、 外食なんて贅沢になってしまいましたし、夫が解雇されたのを友達に話していないので、友達にも会いにくい感じです。 週末はお金を使いたくないので、家に居るのですが、夫も家でブラブラしていて、全然気分転換になりません。

何時から 負の連鎖が始まったのかを思い出そうとして、その原因を突き止めたいと思いましたが、 一緒に会社をやっていた友達が、大きな発注ミスをしてしまったことが最初で、 引越しのときに大切なものを引越し業者に頼まずに、自分達で車で運ぼうとしたら、その車が軽い事故にあったり、 細かいことを数え上げたら、きりがないほど悪いことが起こっています。
気を取り直すたびに悪いことが起こるので、この先もっと悪いことが起こるかもしれないと考えただけで、 どうしたら良いか分からなくなります。 クレジット・カードの未支払い分も100万円以上あって、銀行の残高は見るのも怖いですし、カードの明細は見ると心臓がバクバクしてしまうので、 封を開けないまま引き出しの中で積み重なっていて、時々その借金と、 これから何にいくらのお金が必要だと 考えただけで胸が苦しくなることがあります。

情けないのは、これだけ大変な状態なのに、何とかしようという元気や、やる気が私達夫婦両方にありません。
離婚はしなくても、いっそ別居した方が良いと思うこともあります。 支離滅裂な文章ですみませんが、すごく辛くて、誰かに話したくても話せず、ご相談しています。
実は、しばらくはインターネットを見る気力や元気も無くて、しばらくこのコーナーの存在も忘れていたほどだったのですが、 先日久々に拝見して、勇気付けられて、何か私にも助言がいただけるかもしれないと思って、メールをしてしまいました。
どんなことでも構いませんし、私や夫が間違っていることをズバリとおっしゃって頂いても大丈夫なので、 何か秋山さんがこうしたら良いと思うことを教えてください。 よろしくお願いします。

−Y−





私もかつて、何もかもが上手く行かなかった時期に、常に胸騒ぎがして、 「これから何かもっと悪い事が起こりそうな気がする…」という予感に苦しんだことがあります。 なので、Yさんのお気持ちは少なからず理解出来ますし、危機感があっても 何となくやる気や元気が沸かないというのは、Yさんだけが味わっていらっしゃるお気持ちではありません。
でもそんな負の連鎖を招く考えは、何処かで止めなければ、どんどん自分で自分を不幸にしていくだけなことは、 Yさんも自覚していらっしゃることとお察ししますし、それを食い止めるために 私にメールを下さったものと解釈しています。

現在のYさんの思考回路で、私が最も問題に感じるのは、自分に無いものや、自分の現状のネガティブな面にフォーカスしていることです。 同じ現状でも、自分が持っているものやポジティブな面にフォーカスしていたら、Yさんの置かれた状況は、 「友達と始めた会社を閉めることになってしまって、辛い思いや、 嫌な思いもしましたが、会社を始めたことは後悔していませんし、その失敗から学んだことは多いと思います」、 「今は親戚の会社を手伝いに行っていて、特に楽しい仕事ではないですし、十分な収入には程遠いものの、とりあえず収入はあります」、 「私はストレスは溜まっているせいか、時々頭痛がしますが、他は元気です」、 「夫は親知らずの簡単な手術をしたので、その跡がまだ時々痛むようですが、それ以外は健康です」、 「夫は解雇されて2ヶ月で、仕事探しの真っ最中です。彼もストレスが溜まるのか、昼間から缶ビールを飲んでいたことがありました。 そんな時は お互いに距離を置いた方がお互いのためと考えて、あえて家庭内離婚のように、別の部屋で眠って、別の物を食べるようにしています」 となって、悩みや問題を打ち明けけているというよりも、近況報告になります。

以前、このコーナーで、「The glass is half full / The glass is half empty」という英語の言い回しをご紹介したことがありますが、 グラスに半分水が入っている全く同じ状況でも、ポジティブな見解は「グラスが水で半分満たされている」となる一方で、 ネガティブな見解では「グラスに水が半分しか入っていない」という状況に映ります。
現在のYさんの見解は完全に後者になってしまっていますが、簡単な気持ちの切り替えで 全く同じ状況が、 好転したかのような気分を抱くことが出来るのです。

またYさんは、過去の悪いことを振り返って、負の連鎖の始まりを追跡していらっしゃいましたが、その始まりを知ったところで一体何の役に立つのでしょう? 済んでしまった悪いことを思い返して、悪い事が続いていると自分に言い聞かせて、未来の起こってもいない悪い事を恐れて生きる必要があるのでしょうか? そんな考え方をしていたら、どんどん不幸を招き入れて、ご自分自身が”負の連鎖”に拍車を掛けることになってしまいます。
Yさんが思い返すまでも無く、誰もとっても 負の連鎖のスタート点は、自分がネガティブにフォーカスし始めた時です。 どんな人でも生きている限りは、良い事と、悪い事がミックスして起こっています。 その中でネガティブにフォーカスをすれば、常に自分に悪い事ばかりが起こっているような被害妄想を覚えますし、 先を恐れるので、消極的になって多くの出会いやチャンスを逃すことになって、好転の機会を逃すことになります。 それが続けば 他人が幸せに見えて、ジェラシーや劣等感を抱くようになりますし、 その結果、口うるさく文句ばかり言ったり、周囲のアドバイスに聞く耳を持てなくなったりもします。
逆に、良い事にフォーカスして、 自分を幸運だと思って、周囲に感謝する一方で、悪い事については そこから学んだり、それを乗り越えたり、払拭することで、 ポジティブな経験に変えていけば、人は幸せになれるのです。

お金の問題については、銀行の残高やカードの明細書を見るのが怖いと思って避けていたら、 借金は知らない間に膨れ上がります。
私の友人の1人が昨年、知らない間に貯金を使い果たして、クレジット・カードで家賃を払っていたのですが、やがて カードの限度額も一杯になり、その後家賃を4ヶ月滞納して、アパートを追い出されるという最悪の結果になってしまいました。 彼女は複数のクレジット・カードの借金と、滞納した家賃の返済義務で、学費ローンを含めて総額700万円以上の借金を抱えています。 彼女も、お金に困りだしてから 滞納している家賃の支払い請求や、 クレジット・カードの請求書が届くのをビクビクしていましたが、その恐怖心が薄れるのを待っている以外は、 それを何とかしようとはしていませんでした。

お金に困らない人というのは、お金が好きな人、特に使うよりも貯めるのが好きな人、お金を頻繁に気に掛けてメンテナンスしている人、 儲けるチャンスに常に目を光らせて、それを掴んで頑張る人で、そういう人のところにはお金が寄ってきます。 でもお金を問題だと思って、怖がっている人のところには、お金は寄ってきませんから、益々貯まらない、出て行くという状況になってしまいます。
お金に限らず、問題というのは向き合わない限りは絶対に解決しません。 向き合ってみたら、意外に怖れているほどではない場合も多いのです。
ですから、クレジット・カード負債の問題を解決しようと思ったら、ご夫婦2人で 引き出しの中に貯まったクレジット・カードの明細の封を開けて、 全てをチェックすることによって、利息を支払うことがどれだけ馬鹿げているか、総額で幾らを返済する必要があって、毎月幾らなら返済していけるか? というプランをお2人で考えることをお薦めします。 夫婦で、共通の家計で暮らしている限りは、この問題はお2人で取り組まない限りは解決不可能です。
家庭内離婚状態で、もしお互いを思う気持ちが希薄になっていた場合でも、借金を全て、そして出来るだけ早急に返済するためのチームとして 取り組んで頂きたいのがこの問題です。
そして一度プランを立てたら、全額返済までの達成率が一目で分かるようなグラフや、表などを家の中の良く見える場所に提示して、 借金が毎月減っていくのが楽しくなるような環境を作ることをお薦めします。
収入と出費、借金の返済額をきっちりコントロールして問題と向き合う方が、 残高が思っているより ずっと少ないかもしれない銀行明細や、知らない間に借金が膨れ上がっているかもしれないカードの請求書を 恐れて ビクビクしながら生活するより、 遥かに楽で、ストレスも少なく、着実に問題の解決になるということを心に言い聞かせて、真剣に取り組むことが先決です。

メールの中に「これだけ大変な状態なのに、何とかしようという元気や、やる気が私達夫婦両方にありません」とありましたが、 恐らくそれは、Yさんがお友達と始めたビジネスにやる気をなくしてしまった時に「儲からないとなると、 会社を続けるのが段々苦痛になってきて」と感じたのと同様、生活の意欲を掻き立てる要素が欠落してしまっているからだと思います。
でも世の中には、Yさんやご主人よりもずっと辛い境遇にあっても、そんな恵まれない境遇にさえ感謝しながら 活き活きと、 生活している人は沢山居るのです。そう言われて、「下を見たらキリが無い」と考えるのであれば、 それは自分に無いものにフォーカスしている人のネガティブ思考で、そこからは何も生まれません。

ですから、自分にポジティブな意識を取り戻すためにも、 1日1回は何か自分が恵まれていると思うことに感謝する習慣をつけてください。 「そんなくだらない事!」などと思わずに、騙されたと思って 1日に1回、自分の友達や家族でも、自分に備わった資質にでも、 自分の幸せだった子供時代でも、その日1日が楽しく過ごせたことでも、どんな小さな事でも良いので、 自分の置かれた環境や、自分が持っているもの、自分が体験したこと、自分が出会った人などに 感謝するように心掛けて下さい。
そんな些細なことでも、続けるうちに やがて自分にいかに有形無形の財産があるかに気付くはずです。 それに気付いたら、どんな悪い事が起ころうと、それを乗り越えられる様々な能力や財産が自分に備わっていることを自覚出来るようになります。 そうやってポジティブにフォーカス出来るようになってきたら、やがては、以前の自分を振り返って 請求書という ただの紙っぺらを恐れていた自分が滑稽に思えてくるはずです。

最後に、お金を使いたくないからといって、週末に家にこもるのはあまり好ましいとは言えません。 必ずしも外出=出費ではありませんので、日頃と違う場所に行ったり、違うことをして、脳をリフレッシュして 良い刺激を与えて下さい。
家に居るのなら、掃除をしたり、部屋の模様替えをするなど、ご主人と生活空間を向上させるプロジェクトに取り組むなどして、 何か前向きなことに時間を使った方が、お互いの気分転換になります。 お金が使えなくても、頭や身体を使うことによって、お金を使う以上の楽しさや充実感を味わうことが出来ますので、是非お試しを!

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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