July Week 2, 2016
★ "Event Seating Difficulty "
イベント座席の不満&新米幹事への対処


秋山さま、
初めまして。もう10年以上、キューブさんのサイトにアクセスしていて、一番好きなウェブサイトです。
私もこのコーナーに相談メールをする皆さんがおっしゃるように、このコーナーが中でも一番好きで、よく読み直しては、 秋山さんのアドバイスに感心したり、尊敬する思いをしています。 特に、頭に来るようなことが起こって、悔しかったり、悲しかったりする時に、 アドバイスを読むと、それが似たような状況でも、全然違う状況でも心がスッキリします。ありがとうございます。
私がご相談したいことは、過去5年以上に渡って 私が幹事を務めてきた会についてです。 私が一生懸命にやってきたイベントなので、私が変に感情的になっている部分もあるのかも知れません。 夫に愚痴る度に、何度も喧嘩になってしまい、夫に秋山さんのアドバイスを貰うように言われて メールをすることにしました。
どうか よろしくお願いします。

私は5年以上に渡って、かなり人数が多い女性参加のイベントのまとめ役をしてきました。 この集まりは、会場の関係もあって女性たちが幾つものテーブルに分かれて座って 食事をするという、言わば結婚式のような雰囲気なので、 私が幹事として 毎年気を遣ってきたのが、誰がどこに座るかという席順でした。
参加者から不満が出ないように、お互いが苦手な人達が同じテーブルにならないように、また年齢なども考えて、 席順を考えることだけで、数日掛かったことさえありました。 でも、かなりそのまとめ役が負担になってきたこと、参加者からのいろいろな不満やリクエストに対応するのに疲れてしまい、 別の人に幹事をやってもらうことにしました。

それで前回は 晴れ晴れと 普通の参加者として会に出席しましたが、 私が座ることになっていたのが、端っこの方の 知り合いが一人もいないテーブルで、ショックを受けました。 それだけでなく 一緒のテーブルになった人たちは、大人しい 地味な感じの人たちで、 会が退屈で長く感じられました。途中で 本当につまらないと感じて、知り合いがいる別のテーブルに遊びに行ってしまったほどでした。 その知り合いにも「どこに座っているの? 長年の幹事の割には地味なテーブルに座っているわね」と言われたので、 人から見ても不公平で、それまで幹事を務めてきた私を冷遇したような席順だったのだと思います。

今年もだんだんその会が近づいて来て、また同じ人が幹事役をすることになっていますが、 今度も同じような端っこの誰もしらないようなテーブルに座るのなら、私はもう出席したくないとさえ思っています。 私以外の人も いろいろな理由で「席順に配慮が無い」と文句を言ってました。
そこで、新幹事の女性に席順をもっと何とかするようにとアドバイスしたいと思っています。 私の方が参加メンバーの事をよく知っているので、席順は私がいろいろ教えてあげた方が皆から文句が出ないのは目に見えていますから、 席順を決めるお手伝いをしてあげたいと思っています。 幹事はとにかく忙しいので、私の手助けは有り難いと思います。

でも自分の経験から たとえ穏やかにでも文句や忠告めいたことを言ってきた人というのは 苦手意識ができてしまうので、 言い方によっては 警戒心が高まって、お手伝いしてもらおうという気にはなれないものなのはよくわかっています。 ですから、コンプレーナーだとは思われないようにしながら 席順の問題を説明して、 私に手伝って欲しいという気持ちになってもらえるような言い方をしなければなりません。
もし相手の気分を損ねたら、ますます私をひどい席に追いやるかもしれません。 一体、どうやって切り出すのが良いでしょうか。 秋山さんなら、どんな風に新しい幹事に話を持ちかけるでしょうか?
あまり細かく説明できなくて申し訳ないのですが、分かる限りとか、想像する限りで結構ですので、 何かアドバイスをしていただけないでしょうか? よろしくお願いします。
これからもこのコーナーをずっと続けてください。

-N-




メールを拝見して Nさんが、とても責任感が強く、イベントの幹事をしっかり務めていらした状況が良くわかりましたし、 今は幹事役を降りたとは言え、Nさんが まだまだイベントに強い思い入れがあることが感じられるお問い合わせでした。
でもNさんご自身も「自分の経験から たとえ穏やかにでも文句や忠告めいたことを言ってきた人というのは 苦手意識ができてしまうので、 言い方によっては 警戒心が高まって、お手伝いしてもらおうという気にはなれないものなのはよくわかっています」 と書いていらした通り、たとえ親切心に基づく忠告であっても 自分が熱心にやっていることについて、意見を言われるのは誰にとってもあまり喜べることではありません。
特にNさんは幹事を5年以上務めたベテランで、お相手はたった1回しか幹事を務めていない新米であることを考えると、 新幹事にとって一番意見されたくない人物がNさんであっても不思議ではないと思います。
幹事を別の方にやって頂くことにした理由として「参加者からのいろいろな不満やリクエストに対応するのに疲れてしまい…」と 書いていらしたNさん本人が、新しい幹事の方に対して、まるで幹事の心理や内情を理解していないようなことをするのは私は賢明とは言えないと思います。 たとえ どんなに言い方に配慮したところで、Nさんがテーブルの座席について何かを言えば、 不満やリクエストにしか聞こえないことは Nさんご自身が最もよく理解されていることと思います。

ですので このケースでは、Nさんにどんなに不満があっても、文句や意見、考え等を言うべきではありませんし、 助言、忠告もするべきではないというのが私の考えで、 これは新幹事のためというより、むしろNさんのためです。
前述のように、Nさんが何を言っても、新幹事には批判やお節介にしか聞こえないだけでなく、 他のイベントの参加者には Nさんが 「幹事を降りてからもイベントは自分が仕切るものだと思っている」、 「自分の方が良い幹事だったことを認めさせたい」、「自分が出て行かなければ、物事が上手く行かないと思い込んでいる」と 受け取られてしまう可能性が大なのです。 それだけでなく、「自分はもう幹事じゃないのだから、新しい人がやりたいようにやらせてあげれば良いのに…」という Nさんに対する批判の声も必ず出てきます。
それほどまでに、世の中では一度ポジションを離れた人が、新任者を差し置いて業務を仕切ろうとしたり、 親切心からでも横槍を入れてくることは、批判の対象になることなのです。

他にも席順に文句がある人が居るのならば、その人たちだけに言わせておけば良いことで、 それを纏めてNさんが助言しようとすれば、クーデターを起そうとしている不穏分子のように受け取られてしまうのがオチです。 それよりもNさんは たとえ内心、どんなに不満があっても、 新幹事の良き理解者、そしてサポーターとなるべきで、 「初めてなのによく頑張っていた」、「これで私も安心して参加者に徹して楽しめる」と、嫌味無しに 新幹事を褒めて、励ましてあげるべきなのです。
そうすることによって、新幹事が 「幹事の大変さを一番理解してくれている Nさんに相談したい」という気持ちになって、 相手からのアプローチがあった時は、席順についてでも、他のことについてでもお手伝いや助言をしてあげるのは良いと思います。 でも、それ以外のケースでNさんが 新幹事のサポートに乗り出して行くのは、 Nさんの過去5年以上の幹事としての功績に傷をつけかねない行為です。

前回のイベントで、会場の端の地味なメンバーのテーブルに追いやられたことについても、 Nさんが不本意で、冷遇されたと思っていらっしゃるお気持ちは分かるのですが、 新幹事にしてみれば、「元幹事のNさんだったら 誰と同じテーブルにして良いか分からないようなメンバーとでも 上手く会話を盛り上げて、楽しませてくれるだろう」と考えていたかも知れません。 物事は悪い風に解釈したらキリがありません。
そもそも、イベントやパーティーというのは、知らない人と出会うための場で、知っている人とだけ群れているべきオケージョンではないのです。 地味そうに見える人でも、話してみると面白いバックグラウンドであったり、凄いキャリアの持ち主であることは珍しくありません。 また、もしNさんが 元幹事のプライドを示したいとお考えでしたら、Nさんがどんなメンバーのテーブルでも 楽しく、盛り上げることが出来ることを実践&アピールするべきで、 自分が他のテーブルに行くのではなく、他のテーブルからお友達が挨拶に来てくれるような状況を作る方が ずっと人望が高まるのです。

自分の座席が気に入らないと思っている他の参加者は、誰が幹事で、どんなに公平に仕切ろうとしたところで 文句を言うものです。それに乗じてNさんが文句を言えば、 前述のように 前の幹事が新幹事をいびっているようにしか聞こえません。 でもNさんが どんなメンバーに囲まれても、イベントを楽しんでいる様子をアピールして、 新幹事をサポートすれば、周囲はNさんがいかに素晴らしい幹事であったかを 改めて感じてくれるはずですし、Nさんの度量の広さも感じてくれるはずです。

私は、あまりビリヤードをするチャンスは無いのですが、人間関係を考える時には 時々ビリヤードを思い浮かべることがあります。 特定のボールをポケットに入れるために、直接そのボールを打つのではなく、自分が打った別のボールをそのボールに当ててポケットに入れるのが ビリヤードですが、人間関係においても ビリヤードのアプローチをした方が良いケースというのが沢山あります。 すなわち、自分の目的を達成したり、自分のメッセージを伝えるために、直接そのゴールにアプローチするのが 必ずしもベストではない 場合が沢山あるのです。
そういう時は、周囲に向けて有効なアプローチをしてみると、周囲が自分に代わって 目的やメッセージのために 動いてくれるようになるものです。

さらに言えば、Nさんが現在の不満や納得できない気持ち、そして元幹事として「私だったらこうするのに」というような ジレンマやフラストレーションを一度払拭してみると、 もっと いろいろなことが見えたり、聞こえたりするはずです。 新幹事1人が問題だと思っていたとしても、実はもっと別なところに人間関係のしがらみがあるかもしれませんし、 そうしたことは 過去5年以上幹事を務めてきたNさんには、忙しすぎて気づくチャンスが無かったことだと思います。
一度冷静にイベントを捉えてみたら、 今までの自分の認識とは異なる 交友&利害関係も明らかになってくるはずです。 これは どんなテーブルに座っても、目と耳から入ってくるものですので、 次回のイベントは、これまでとは全く異なる気分と立場で、 気楽に臨んでみることをお薦めします。

加えてNさんのようなしっかりした方が、過去5年以上に渡って 幹事役に注いできた時間やエネルギーを 別のことに注いでみると、思わぬライフワークに巡り会うきっかけにもなりますので そちらもぜひトライしてみてください。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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