July Week 2 2017
★ "You Can't Rely On Your Physical Beauty"
"美しさが仇になったニューヨーク・ウーマンのストーリー"



今回は、寄せて頂いたご質問にお答えするセッションを1回お休みして、つい最近友人から噂話を聞いたある女性のストーリーをご紹介します。
彼女を仮にローレンとすると、ローレンは、ブルネットのロング・ヘアの美女で、長身&スリムな体系。 ファッションのテイストはちょっと独特で、目立つスタイルを好むタイプ。 本人も周囲もやがては彼女が大金持ちと結婚すると信じて疑わないような存在でしたが、 その美しさのピークを人生に生かせなかった、もしくはその美しさのせいで人生が脱線したという印象なのが、つい最近友人から聞いた彼女の現状でした。

私が最初にローレンに出会ったのは、今から約12〜13年前で当時は20代後半と言っていたように思いますが、その当時から彼女が学歴と年齢をごまかしているという 陰口が聞かれていたので、彼女の実際の年齢は殆どの人が知りません。 私のローレンに対する第一印象は、「美人だけれどヘビみたいなイメージが漂う」というもので、私がそう言った途端に隣に居た男友達が 「自分にもそう見える!」と賛同したのと、彼女を以前から知る女性が「中身もそういう感じ!」と冷めたリアクションをした様子が、その後の彼女のエピソードを 象徴するものとして私の脳裏に焼き付いています。すなわち誰もが美しさは認めても 彼女の人柄には好感を持っていない様子が感じられる人物なのでした。

当時のローレンは 高額品のディーラーのアシスタントをしていて、その仕事に 雇われたのも彼女のルックスが良いためでした。 その仕事では、ディーラーになって給与をコミッション・ベースにするためには、試験を受けてライセンスを取得する必要があり、アシスタントでいる限りは安月給でしたが、 彼女は自分が美しいが故に、すぐに大金持ちと結婚すると思い込んでいたようで、同じオフィスに努める彼女より若い女性達が、 試験にパスしてディーラーになり、より高額の仕事に転職していく中、彼女は「仕事が終わってからクラスを取って勉強するなんてまっぴら」と言って、 ずっとアシスタントを続けていました。
ローレンが少なくとも最初のうちは その上昇志向を結婚に注いでも無理がないと思えたのは仕事柄、大金持ちに会う機会が多く、 オフィスが主催するリッチなクライアントを招いたディナーやパーティーに 頻繁に出席していたのに加えて、クライアントが主催するパーティーなどにも出掛けていて、時にハンプトンのビーチ・ハウスへの泊りがけの招待や、 バハマへの3日程度のヴァケーションの招待などもあったようです。それらはもっぱら既婚のクライアントの浮気目的のもので、 事実ローレンは、不倫のボーイフレンドが何人も居たことで知られていました。
こうした高額品のセールスや投資の世界ではヘッジファンドからオークション・ハウスに至るまで、 ルックスの良い女性スタッフが上司に指示されなくても、自ら進んでクライアントに取り入って取引が纏まることは歓迎されることで、 彼女の不倫は 職場の上司によってセットアップされるクライアント・ディナーから始まることは珍しくありませんでした。 しかしながらクライアント達は、彼女と数回浮気はしても妻と離婚してまで結婚しようなどとは考えていない人ばかりで、 彼女が好みとする30代後半から40代前半のルックスが良いリッチな既婚男性は、彼女が結婚を望んでいるのを察知すると 直ぐに離れていくのがお決まりのシナリオでした。

やがて周囲の女友達が徐々に結婚し始め、焦りが募ってきたローレンは、当時半年ほど付き合った30代の既婚男性に結婚を迫り、 ティファニーでダイヤ入りのイヤリングを買ってもらいましたが、 それは男性側にとっては彼女に結婚を諦めさせるための別れのプレゼント。 ところがローレンは それを結婚への第一歩だと勘違いして、周囲にそのギフトを見せびらかしただけでなく、 男性の妻に自分との浮気を暴くという行為に出ました。 その結果何が起こったかと言えば、夫婦関係は夫がさらに高額なジュエリーを夫人にプレゼントして元のさやに戻り、 妻がローレンのオフィスのトップに「あなたの会社は女性スタッフに娼婦まがいのことをさせてセールスをするのか?」とクレームをしたことで、 彼女は解雇されてしまいました。





その後、失業手当だけでニューヨークで暮らしていくことが出来ない上に、解雇の理由が理由なだけに似たような業種には勤められないと判断したローレンは、 直ぐにロサンジェルスの知り合いの家に転がり込み、しばしの間 ハリウッドのオーディションを受けて、ケーブル局のリアリティTVに出演したことがあったそうですが、 その番組は低視聴率で、直ぐに放映が打ち切りになったとのことでした。
そんなオーディションを通じて、キャスティングされるためなら何でもするような若い女性達を目の当たりにした彼女は、やはり大金持ちとの結婚が 自分の道だと悟ったようで、ほどなくニューヨークに戻り、私が2度目に彼女に会ったのはちょうどその頃でした。
その時点でも彼女はキレイと言えばキレイだったのですが、やはり初めて会った時よりは年齢を重ねていて、 それを本人も気にしていたのか、それとも全米一美容整形が多いロサンジェルスにいたせいか、唇にフィラーが入り過ぎていたのと、 細身なのに胸が大きくなっていたのは共通の知り合いが皆指摘していた変化。噂では彼女は貯金もせずに美容整形にかなりお金を使っていたようで、 ルックスを保って 大金持ちとの結婚に賭けていた様子がありありと見て取れました。
またプライドはすこぶる高くて、自分より美貌が劣る女性がリッチな男性と結婚や交際をする様子にジェラシーをむき出しにするところがあり、 自分の美貌ならば そんな男性を友達から奪うのは簡単と思い込んでいるところがありました。

そんな状態なので、ローレンは結婚にたどり着くような深い交際とは無縁で、彼女が男性と別れる度に いろいろな噂を耳にしましたが、 それがどんなものか言えば 男性に「親友を紹介して欲しい」とに言われ「特に親友と言える友達なんて居ない」と 答えたために疎遠になったケースもあれば、ボーイフレンドのビジネス・パートナーの中国系アメリカ人男性のことを 自分に気があるから後を追いかけてきた不審なアジア人だと思い込んで いきなり怒鳴りつけたせいでフラれたケース、ボーイフレンドの男友達にコッソリ電話番号を渡したのがバレてフラれたケースなどがあって、 噂話としてはエンターテイメント性がありましたが、やがて彼女の評判はクレージーから ”サイコ(精神異常)”に変わってくるようになりました。
そうなっても仕方ないと言えたのは、以前彼女にリッチな男性を紹介してくれていたプロのマッチメーカーにデート相手の紹介を頼みに行ったところ、 「もう貴方の年齢だと財産かキャリアが無いと…」と言われて、頭に来て花瓶に生けてあった花を掴んでマッチメーカーに投げつけたそうで、 そんなエピソードを自ら得意気に語ってしまうところが、周囲からサイコと見なされる要因になっていました。
そうするうちに世の中はクーガー・ブームとなり、年上の女性と若い男性のカップルが増えてきたのを受けて、 ローレンにも若いボーイフレンドが出来ましたが、彼には未だ彼女が望む財力は無いので、 適当に利用するような付き合いのようでした。 でもその年下男性とは比較的長い間 付かず離れずの仲が続いたため、ローレンは「もうちょっとお金を稼ぐようになったら 結婚を考えてあげても良いかも」と言っていたそうですが、やがて彼とも大喧嘩をして別れてしまいました。
その後、この年下の男性はMBAを取得するためにアイビーリーグの大学に戻り、その間に知り合いの投資話に乗ってあるスタートアップ企業の株式に 300万円ほどを投じたのですが、何とその会社が3〜4年後にウォルマートに買収されたことから、彼は労せずしてマルチミリオネアになってしまい、 そのお金で購入したマンハッタンのコンドミニアムも2014年のNYの不動産ブームのピークで売却したことから、突如羽振りが良くなってしまいました。 するとその噂を聞きつけて彼のところに戻ってきたのがローレン。

その年下男性は自分に財産が出来てから周囲の態度が変わったことを冷静に観察しているようなタイプで、 ローレンのこともそういう目で見ていましたが、ローレンにとっての彼は「自分に夢中で、扱い易い」という以前のイメージしかなかったようで、 年下男性には既に新しいガールフレンドが居ましたが、簡単に奪い取れると思っていたようでした。
そして少し前に聞いたローレンの最新情報が、彼女がドメスティック・ヴァイオレンスで逮捕されたというもの。 何が起こったのかと思ったら、ある日、ローレンがいきなり年下男性のアパートにやって来て、部屋にガールフレンドが居たのを見て烈火のごとく怒り始め、 口論の挙句、彼を平手打ちをしようとして手を掴まれたので、足で蹴り飛ばしたとのこと。 その様子を見た彼のガールフレンドが ロイヤー(弁護士)であったこともあり、彼女が直ぐに警察に通報し、駆けつけた警官にその場で逮捕されたというのがそのエピソード。
しかも、それは彼女にとって2回目のドメスティック・ヴァイオレンスの逮捕だったそうで、一度目も短く付き合った男性を口論の挙句 殴ってしまい、 男性の娘によって警察に通報されたとのことでした。

彼女の逮捕話が出た時に友人たちと話していたのが、 ルックスの良さや美貌は、ある程度の人柄や能力が備わっている場合の武器にはなっても、 それだけでは戦えないということ。彼女の場合、仕事を解雇されて食べていけないとなれば、知り合いの家に転がり込んだり、 その後も人づてに仕事を紹介してもらうなど、世渡りは決して下手ではありませんでしたが、自分に良くしてくれる人は利用するだけ利用して、大金持ちの男性を紹介してくれそうな人、 大金持ちの男性が居るようなところに連れて行ってくれそうな人にはフレンドリーにして、大金持ちの男性を見つけると既婚でも アプローチするので、最初は彼女に好感を持った人でも やがては友達付き合いを止めたり、距離を置くようになっていました。
でも彼女の人生で一番の失敗と言えたのは 彼女がプランB、すなわち目指したゴールに辿り着けなかった場合の代替え案を持たなかったということ。 最初の職場でちゃんと勉強をしてディーラーになっていたら、もしくは 30代半ばを過ぎたところで、自分が玉の輿タイプではないことを悟っていたら別の道があったはず というのは私の友人たちも指摘していたことでした。
また彼女の場合、自分の美しさに人一倍自信を持っていただけに エイジングというものを自然に受け入れることが出来なかったのも人生を難しくしていたポイント。 彼女のドメスティック・ヴァイオレンスが年齢を重ねてからスタートしたのも、自分では認めたくないエイジングのせいで 徐々に自分に相応しい扱いが男性から得られなくなってきた フラストレーションがその背景にあったと私は判断しています。
したがって美しく生まれてきても、それを自分の中でどう捉えるかによっては、かえってその美しさがディスアドバンテージになるということなのだと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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