July Week 4, 2014
★ I Don't Have A Long Time Friend...
長い友達が出来ないのは、どうして?


秋山曜子様、
2004年くらいから、ずっとキャッチ・オブ・ザ・ウィークを読み続けて居ます。 いろいろな情報が詰まっていて、とても勉強になる内容で、とても助かっています。 このコーナーも、私が悩むようなことを相談している読者の人たちと、それに対する秋山さんのアドバイスが とっても参考になっています。
私も、ずっと長く悩み続けていた問題があって、それをご相談したいと思ってメールしました。

秋山さんが、何度かキャッチ・オブ・ザ・ウィークのコラムの中で、「長い友達が居ない人は、あまり信用が出来ない」というような内容を 書いていたのを覚えているのですが、私には長い友達が居ません。というか出来ません。
小さい頃からバレエを習っていて、バレエのお稽古で忙しくて、学校が終わってからも あまり友達と遊ぶ時間が無かったので、 子供時代から、親友と呼べる人は居ませんでした。

それ以降も、一時的に特定の友達と 仲良くなることはあっても、友達関係は3年くらいすると途絶えてしまったり、 酷い時には絶交状態になってしまいます。
だからと言って友達が少ない訳ではないと思います。いつも映画に行ったり、食事に行ったりするような交友関係には困りません。 人を紹介されることも多いです。 外出のスケジュールは埋まっていることが多いですし、私のことを社交的で、友達が多いと思っている人が殆どです。
それでも何かがあった時に 相談できるような長い付き合いの友達や、10年くらい前のことを思い出したり、懐かしんだりするような友達がいないんです。

そうなってしまうのには、毎回それなりの原因があります。実は3ヶ月くらい前に、それまで3年くらい仲良くしてきた 友達に絶交されました。 私から見れば、友達が勝手に誤解しているところもあるのですが、その問題を話している時は、 私も頭に来て、売り言葉に買い言葉で酷いことを言ってしまいました。
その友達とのことを誤解されたくないので、別の友達に相談して、私達が絶交した理由を分かってもらおうとしたのですが、 それがまた友達には気に食わなかったようで 「2度と顔も見たくない」というメールが来ました。
そのメールには、私が嫉妬深くて、自分より幸せな人間を見ると頭に来るとか、 書いてありましたが、それは違います。 私は、友達が幸せそうにしていたら、羨ましいと思ったり、僻んだりするよりも、「自分はもっと幸せになれるから大丈夫」って 自分に言い聞かせるタイプです。 むしろ彼女の方が、いつも「私の方が男性にモテる」とか、「私の方が周囲の注目を集める」とか、ひがみっぽいことを言っていました。
こんな風に、身に覚えの無い批判をされて友達関係がダメになったことは、これまでにも何度もあります。 どうしていつもこんな風になってしまうんでしょうか?

秋山さんが書いていたように、長い友達が居ないということが、人に信頼されない理由になってしまうかもしれないと思ったのが、 少し前に、友達にある男性を紹介されて、その人と数回 2人きりで、あと何回かは 友達を交えてデートをしました。 そうしたら、その男性が 紹介してくれた友達に、私には 長い付き合いの女友達が全然居ない と言っていたらしいんです。 そして、その話を友達から聞かされた後、その男性との間もダメになってしまいました。
私は久々に見た目も、バックグラウンドも気に入った男性だったので かなりショックでしたが、 それ以来、長い付き合いの友達が居ないことを、本当に真剣に悩み始めました。

人に相談すると、私が未だ親友になれるタイプの人と出会っていないからだ と慰められる事が多いのですが、 私と同じ年齢で、長い付き合いの友達や、親友と呼べる友達が居ないというのは、かなり珍しいのは自覚しています。
それに私はいろんな人に出会ったり、紹介される機会は人より多いとも自覚しています。
なのに、どうして長い付き合いの友達が出来ないのか・・・。理由が分からないというよりも、 どうして何時も何かしらのトラブルがあって、友達関係がダメになるのかが分からないという感じです。
何か秋山さんにアドバイスをいただけたらと思います。よろしくお願いします。

−T−





Tさんがメールに書いて下さったように、 「長い付き合いの友達が居るか?」ということは、 確かに私の中では 人格を判断する指針になっています。
一時的に仲たがいをしたり、疎遠になることがあったとしても、 長く友達で居られる人というのは 情に厚く、 信頼できて、正義感と道徳心を持ち合わせている人です。 特に私にとって 信頼という部分はとても大切です。

これまでの個人的な経験から言うと、長い友達が居ない人は、「恩を仇で返す人」、「自分の身を守るためにウソを付く人」、 「競争心、嫉妬心が強く、人の幸せを喜べない人」、「友達を平気で裏切れる人」ばかりでした。 もちろん、こんなことをしていたら 誰もが友達関係を止めてしまうのは当然の成り行と言えますが、 私は決して先入観からではなく、自分がこれまで様々な人間関係から身をもって学んだ経験として、 「長い付き合いの友達が居ない人は、要注意」と思って接するようにしてきました。
それと同時に、こうした人たちに 裏切られたり、ウソを付かれたりすることがあっても、 「この人は 信頼できる友達が誰も居ない 気の毒な人なんだ」と思って、許すように心掛けても来ました。

だからと言って、誤解なさらずに頂きたいのは、決してTさんを「恩を仇で返す人」、「自分の身を守るためにウソを付く人」などと決め付けている訳では ありません。
今回は、頂いたご質問の内容からだけでは、ピンポイントの アドバイスをさせて頂くのは難しいと判断しましたので、 代わりに 私が2年ほど前に友達関係を止めてしまった男友達のエピソードをご紹介したいと思います。

彼は、日本で言う中学2年生になるまでは ホーム・スクール、すなわち自宅教育で、学校に通わず、7人兄妹の長男として育ちました。 彼の他に6人も弟妹が居て、しかも外界とあまり接触が無い環境で育つと、親の愛情や関心を獲得するためのライバル関係が兄妹間に生まれる一方で、 彼は長男としてのプライドや威厳を保とうという意識が人一倍強いタイプでもありました。
中学になって、公立学校に編入した彼は 偏差値では天才レベルであったのですが、同じ年齢の他の生徒と初めて成績を比較される 経験を味わったと同時に、 課外活動でスポーツを始めて、競争率の高いポジションをプレーするために、チームメイトがライバルという状況でした。 したがって学業でも、スポーツでも、競争心を煽られる環境で 多感なティーン時代を過ごす一方で、 そんな彼の強さや競争心は、特に母親にとっては 脅威になることも多かったようで、 彼は母親の愛情を殆ど受けずに育ちました。

私が彼に出会った時、彼は25歳でしたが、 それまでの人生で親友と呼べる友達も居なければ、ガールフレンドと呼べるほど 長く交際した女性も居ない状態でした。
彼はルックスが良く、背も高く、スポーツも出来て、頭脳明晰、学歴も文句なしで、ファッション・センスもあるのですが、 にも関わらず、自分が気に入ったタイプの女性とは、いつも2〜3回のデートでダメになってしまうこと、 友達もくるくる替わることを とても気にしていました。
でも基本的に 彼は自分に自信があるのに加えて、彼に寄って来る人々が 彼のルックスや、頭の良さを オープンに賞賛することも手伝って、彼は親友もガールフレンドも出来ない原因が 自分にあるとは考えていないようでした。
私に言わせれば、条件が全て揃っていて、親友もガールフレンドも出来ない場合、人格や人の付き合い方に 何らかの問題があると考えるのが普通だと思うのですが、 やはり彼は、幼い頃に社会と隔離された育ち方をしていたこともあって、そう判断するような現実的な 社会観というのは持ち合わせていないようでした。

私は、そんな彼を外観や知的レベルでは チャーミングかつ、興味深く思う一方で、彼が親の判断で 時代に逆行する育ち方を強いられたことを 気の毒に感じていたので、 彼と出会ってから 3年半ほどの間、彼に対しては 親が当然教えているべきマナーから始まって、女性に対する接し方を教えてあげたり、 彼が時折 人に与える冷たい印象を指摘したこともあれば、 デザイナー・ブランドのファッションを安く購入して、彼のワードローブをアップグレードするなど、彼が一人前の大人の男性として振舞えるための、 ありとあらゆることをサポートしてきました。
またその間は、お互いを 「ベスト・フレンド」と呼び合う仲でもありました。 私にとっては 彼の面倒を見るのが その”友情関係” でしたが、彼が男性として、人間として 成長して行く様子を見ることに ある種の達成感を感じていたので、それはそれでバランスが取れた関係だったのです。

でも私の中では、徐々に「これは友情ではなく、これまで本当の友達も居なくて、誰にも愛情を掛けられたことが無かった彼のためのチャリティ」だという 意識がどんどん強くなっていきました。
というのも 彼は本当に恩知らずで、私の好意をどんどん当たり前だと捉えるようになっていったためでした。 私がかなり無理をしてやってあげた好意に対しても 感謝をしないだけでなく、 それを あたかも自分の判断で 自分がしたように思い込むようになって行って、その様子は「アルツハイマーなのでは?」と 思う時があるほどでした。

そんな状態だったので、彼との友達関係の終わりの方では、私は自分のことをあえて彼の”友達”とは言わず、 「Care Taker / ケアテーカー」、すなわち彼の世話役と言うようにしていました。 というのも 私の中で”友達”というものは、お互いに信頼し合って、助け合って、楽しい時間や経験をシェアする関係、 お互い尊敬し合いながら、様々なインスピレーションを与え合える関係を意味しますが、私にとっての彼はそれとは程遠い、一方的に面倒を見て、 全く感謝されないだけの存在でした。
でもそんな関係でも、彼にとって 私は ”親友”だったのです。 そのことからも 如何に彼が友達というコンセプトを理解していないかが窺い知れましたし、 だからこそ親友が出来ないことが 痛々しいほどに伝わってきました。

やがて私の中の 彼に対する不満が、同情や 彼を助けたい気持ちを超えて どんどん膨らんで行って、 「もう彼の面倒を見るのは限界」と思った時に、私達の”友達関係” が終焉しました。 この時、 私は はっきりと彼に、 「彼に友達が出来ないのは、彼が自分に良くしてくれる人を 踏みにじってきたからだ」と言いましたし、 「彼がそれを改めない限りは、一生親友も出来なければ、彼を心から愛してくれる女性に巡り合うことも無い」と断言しました。
これに近いことは、それまでの3年間半の間にも 何度となく 彼に忠告してきましたが、これほどストレートに言ったのは、 「彼とは もう会わなくても構わない」と思ったためでした。

でも、これを言ったのは彼への忠告ではなく、自分の気持ちにピリオドを打つためで、この時に「もう彼の面倒をみる必要は無い」 という気持ちを はっきり自覚したのを覚えています。
事実、彼はそんなことを言われたところで、自分に問題があると認めるタイプではありませんし、もしそんなに簡単に問題を認める柔軟さがあれば、 親友やガールフレンドの1人や2人は居たと思うのです。

バーやラウンジで彼と電話番号を交換した女性が、2〜3回のデートで彼に見切りをつけるのに、私が3年以上もの間、 彼の面倒を見続けた理由が何であったかと言えば、前述のように 親にも、友達にも愛情や友情を注がれたことが無い彼を 助けてあげたいと思ったためで、私自身がこれまで家族や友人から受けてきたのと 同じ愛情や友情を注いであげることによって 彼を変えられると信じていたのです。しかしながら、私はこの経験から 如何に自分が未熟で、無力で、 愛情や友情のパワーを過信していたかを思い知らされて、本当に傷ついたのを覚えています。
それでも 自分が正しいと思う事を、出来る限りやってきたという点では、私は彼に対して行った好意について後悔はしていませんし、 たとえ感謝をされなくても、それを通じて沢山のことを学んだと思っています。

恐らくこのストーリーは、彼に語らせたら、全く異なるストーリーになるものと思います。
反面、私が親友と呼ぶ友達と私の関係は、私が語っても、友達が語っても 全く食い違うことは無いものと確信しています。 本当の親友と、一時的に親友と思い込んでいた(思い込まれていた)友達との違いというのは、そういうものだと思います。

今回は、アドバイスというより、私個人が経験したエピソードのご紹介になってしまいましたが、 今後、もしまたお友達が離れて行くことがあったら、上記のエピソードを再び読み返していただければと思います。
長年の友達、親友が出来ないと悩む人には、それぞれ異なる理由や、成長の背景があります。 でも最終的には、友達と お互いに 同じレベルと次元で、友情、信頼、敬意を抱くことが出来るか ということなのです。

最後に、 このコーナーで何度か書いているように、私の母はプロで占い師をしていましたが、その母に言わせると 「長い付き合いの友達が居ない人というのは、長い友達が出来ない星を持っているもの」だそうです。 「長い友達が出来ない星」というのは、実際にそういう暗示の星が存在するのではなく、 競争心や自我の強さ、自己中心型を示す星等のコンビネーションによって、「友情が育たない=長い付き合いの友達や親友が出来難い」と 判断されるとのこと。決して 「対人関係に恵まれない」運が影響している訳ではないようです。(対人関係に恵まれない人には、 人生に悪影響やデメリットをもたらす親友が出来るものなのです。)

ですので、長年の友達が居て然るべき年齢に達していて、その友達が出来ない状況を振り返って、本当にそれを改善したいと お考えの場合は、周囲や状況を責めるよりも、その解決策を ご自身の中に見出す努力をされるのが妥当かと思います。
周囲や状況はコントロールすることは出来ませんが、ご自身をコントロールすることは出来るはずです。 怒りに任せた売り言葉、買い言葉の口論を我慢していたら、3ヶ月前に絶交された お友達との関係も 救えたかもしれないのですから、まずは ご自身=自我のコントロールから心掛けることをお薦めします。


Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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