July Week 4, 2016
★ "Don't Talk About Politics! "
トランプ談義で友達と喧嘩!?


秋山さま、
いつも楽しく拝見しています。 アメリカ在住で、主人はアメリカ人です。
秋山さんの筋が通っていて すごくまともなアドバイスを読むと、世の中に頭がおかしい人が増えていると思う昨今、 ホッと安心できたり、気分がすっとして救いになっています。ありがとうございます。 私もぜひ秋山さんのアドバイスをいただきたいことがありまます。

それは大統領選挙のことです。過去2回のアメリカの大統領選挙を見て、支持政党が違う友達が論議を戦わせる様子に 驚いたり 感心したりして、アメリカ人が政治論議に熱くなるのを理解してきました。 でも今回の選挙は私も選挙権を持つようになって、今後アメリカに永住することになると思うので、 他人事ではありません。 しかもドナルド・トランプみたいな いい加減で、過激な人種差別、宗教差別、女性蔑視の思想を打ち出した候補者が大統領になったら、 政治のパワーが大統領に集中するアメリカがどんな風になってしまうのかと思うと 恐ろしくなるほどです。 幸い 私の周囲はトランプを支持しない人ばかりで、以前のように友達が政治論議で熱くなることは 今のところ無いのですが、私にとって頭が痛いのは日本の知り合いです。

やっぱり日本は言語のギャップがあるので、報道が行き届いていないようなところがあって、トランプがいかに酷いことを言っているかとか、 税金の申告を公開しないことが大統領候補としてどれだけ常識はずれかとかをはっきり把握している人はヨーロッパ人などに比べると少ないように思います。 それはそれで仕方がないと思うのですが、私が頭に来て仕方がないのは 「面白いからトランプにやらせてみればいいじゃん」とか、 「ヒラリー嫌いだから、トランプがなってほしい」とか、実態を知らずにいい加減な意見を言うところで、 同じアメリカ以外に暮らしている人でも イギリスから来た主人の友達が大統領選挙について意見するレベルとは 歴然の差があって、その程度は情けないほどです。
日本という国自体が選挙への関心とか、選挙で世の中が変わるという意識が薄くなっているからなのでしょうか? いくら自分が住んでいない国だからといって、アメリカの国政は日本に大きな影響を与えるのは分かっているので、 「面白いからトランプにやらせてみたい」なんて発言は私には信じられません。 少し前に日本に一時帰国をしていた時に、友達とトランプの話になって、頭に来た私がいろいろ説明していたのですが、 「誰がアメリカの大統領になっても、日本がアメリカの言いなりになるのは一緒」とか、 私のことを「アメリカ人になっちゃってるって感じ」なんて言われて失望してしまいました。

それを実家の母に愚痴っていたら、今度は母にまで「あなたも大統領選挙のことで熱くなり過ぎてるわよ。 誰が勝ったってあなたの場合、アメリカで暮らしていくしかないんだから しょうがないじゃない」と言われて、 まるで私が一人で空回りしているような扱いを受けてしまいました。
そこで秋山さんにぜひアドバイスをお願いしたいのは、こうして政治について 考えや責任感のレベルが違う人たちとは、 どうやってコミュニケーションを取ったら良いのかということです。 今年は日本に一時帰国するたびに 大統領選挙の話題は避けられない感じですが、トランプみたいに半分タレントみたいな人が候補になっているせいで、アメリカの政治のことなんて何も知らない人が いい加減なことを言うのを聞かされることになるので、本当に腹立たしくなります。 TVでコメンテーターとか芸能人が喋っている内容のいい加減さにも腹立たしさを覚えることがあります。

だからと言って その度にイライラして、最初から特に何も分かろうともしない人たちに一生懸命説明をしたところで仕方がないのは分かっています。 こちらが疲れたり、こちらが変に熱血漢だと思われるだけです。 でも、時々悔しくなるくらい違う事を、しかも偉そうに言う人がいると 後から思い返して、あの時ああ言ってやればよかった、こう言ってやるべきだった という気持ちが高まって、夜眠れなくなったり、昼間でも車を運転している最中にそんなことを思い出して、要するにすごいストレスになってます。そんなイライラするようなことを言う人たちとか、自分が無知と知らずにいい加減なことを偉そうにレクチャーする人とかどうやって対処したらいいんでしょうか? そういう言い分に頭に来ないような平常心みたいなものは、どうやったら備わるでしょうか?
大統領選挙は、4年ごとにやってくるので、これを機会に将来のためにもどうにかしたいと思っています。 このコーナーにメールを寄せるみなさんのお悩みに対処し続けている秋山さんだったら、きっと何か教えていただけるのではないかと思ったので、 どうかよろしくお願いします。
これからもこのコーナーを楽しみにしています。頑張ってください。

-E-




私は法学部政治学科を出ていることもあって、比較的 政治の話題を好むタイプなのですが、 特にアメリカの政治はいろいろな意味で日本より興味深いと思って観ることが多いです。
でも私の場合は選挙権がありませんので、アウトサイダーとして議論する立場ですが、Eさんが指摘されていたように イギリス、カナダなど 英語圏の国の人々の方がアメリカの政治について詳しく把握しているケースが多いように感じられます。

私の周囲でも、4年前の大統領選挙の際にはオバマ再選に反対、もしくは賛同し難い友人達と、 オバマ&民主党支持の友達が舌戦を繰り広げたり、当時の共和党の対立候補、 ミット・ロムニーについてのジョークや彼の語録の風刺などが、友達からメールで送付されてきて、大笑いしたのを覚えています。
そんなスマートで心から笑えるような政治のジョークが行き渡っているという点で、日本よりもアメリカの方が政治というものが 人々の生活の中に入り込んでいるのだと思って私は見ています。
今回の大統領選挙については、ドナルド・トランプという候補があまりに論外なので 私の周囲では前回の選挙でミット・ロムニーを支持していた 共和党の友人がヒラリー・クリントンに投票すると語っている状況で、友人同士が政治討論を繰り広げることは無さそうですが、 トランプを支持する保守派の人々の分析については時々意見が分かれる様子を目にします。

ところで私が尊敬して止まないベンジャミン・フランクリンは、文字が読めない人々にも政治の世界で何が起こっているかを伝えるために、 彼が発行していた新聞に 今で言うポリティカル・カートゥーン(政治的な漫画)を初めて取り入れた人物で、 広く人々の理解を得るためにはユーモアのセンスがいかに大切かを説いてきた存在です。
私がよく引用する彼自身の語録も 核心をついている一方で、思わず微笑みたくなるユーモアが感じられるものが多いのですが、 ベンジャミン・フランクリンが考えるように、政治という一部の人々にとってはシリアスで、一部の人々は無関心で、 一部の人々は否定的にさえなる話題について語る際には、その全ての人々の耳を傾けさせるためのユーモアのセンスがとても大切だと思います。
アメリカのトークショーのホストは、政治の話題をジョークにすることが多いですし、長寿人気番組の『サタデー・ナイト・ライブ』も ポリティカル・ジョーク無しには成り立たないほどですが、そんな政治の話題が大衆にアピールするのはユーモアとして取り扱っているからで、 アメリカではこうしたエンターテイメントが政治に大きな影響を与えてきた歴史があります。
ですから自分の政治的な主張を人に受け入れてもらおうと思う場合、一番有効な武器はユーモアなのです。 たとえ相手がその政治的な視点に賛同しなくても、気が利いたジョークを言える人には一目置くのは万国共通です。 反感や競争心を煽ったり、情報不足や関心の無さを責めれば、相手のディフェンスが固くなるだけなので、 どんな主張をしても跳ね返されるだけですが、人が面白がることや、興味深いと思ってくれることを話して ガードを緩めることができれば、 遥かにEさんの考えや主張が相手に有効に伝わるはずです。

その意味でアメリカのメディアには、たとえ日本に暮していて アメリカの大統領選挙に関心がない人が聞いても笑えるようなジョークが溢れていますので、 そんな相手のガードを崩せるジョークを頭に入れて使ってみると、もっと会話や政治論議が楽しめるかと思います
またユーモアは欧米人と政治談議をする際にも非常に大切な要素ですので、 日本人の友達用対策ではなく、アメリカ社会の社交術と思って身につけるよう努力してみてください。

それとは別に、人間というのは 自分が特に気に掛けていること、関心や愛情を注いでいる人や物事などについて否定的な意見を言われたり、 自分が信じている内容と異なる情報を語られると、過剰に反応したり、反論がコントロールできなくなったり、 反応は示さなくても その発言を根に持って、それ以来ネガティブな態度を取る人は少なくありません。 このことは政治、家族、自分の交際相手、出身校、自分の勤め先や仕事内容など、 人々がロイヤルであろうとする様々な物事について言えることです。
また中には、他の人が同じことを言っても腹が立たないのに、特定の人、既に関係がこじれている人や悪感情を抱いている人が批判や意見を言うと、 それに対して過剰反応をしてしまうケースというのもあります。 私自身、以前嫌な思いをしたことがある人や 苦手な人物などの発言を聞いた自分のリアクションから、 自分がその人に対して抱いている本当の気持を悟るケースが少なくありません。
でも そういう時にネガティブな気持ちが沸くのは人間であれば当然のことです。なので私はそれを気にする必要は無いと思いますし、 それ自体を改善するというのは 人間である限りは不可能だとさえ思っています。

それよりも問題にすべきなのは、そのネガティブな気持ちがどれだけに自分の中に居座るかです。 瞬間的、もしくは一時的にネガティブな気持ちを抱いたとしても、直ぐに払拭出来れば それがストレスになることはありませんが、 ネガティブな気持ちのせいで眠れなくなる、ふとした時に いつもその事を考えて、悔しい思いや 言い返したいジレンマを味わう というのは かなりのストレスになりますし、それは身体と心に毒をもたらします。
また私の経験上、そういうネガティブな気持ちが長く居座る時は 自分の運が停滞している時でもあります。 ですからそんな時は「嫌な人や苦手な人の発言を頭の中で繰り返しリピートすることは、不運や悪運を呼び込むこと」と考えて、 それを言った人よりも、頭の中でリピートする自分をターゲットにして 払拭を心掛けるようにしています。

そうやって払拭の努力に成功すると、「自分を不幸にするのも 幸せにするのも、結局は自分なんだ」ということがよく分かります。 人が言ったことでストレスを溜めて、それで更に自分を不幸にするか、それとも そんなことは気にせずに もっと楽しいこと、楽しい時間が過ごせる人に フォーカスして人生を楽しむかは、自分の判断や決断でコントロールできることなのです。
前述のように、他人の発言で一時的に気分を害することがあったとしても、それは人間なのですから当然のことです。 その気持ちを自分の中でどう処理するかがターニング・ポイントなのです。
他人が何を言うかをコントロールすることは不可能ですが、自分がそれをどう処理するかは自分でコントロールすることが出来るのです。 ですからEさんにも、これまで嫌なことを言った人に注がれてきたネガティブなエネルギーやフラストレーションを、今後は ご自分をコントロールするために使って頂きたいと思います。
これは口で言うほど簡単なことではありませんが、頭に入れて心掛けるだけでもかなり違うのです。 是非試してみてください。

Yoko Akiyama

このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

Shopping

Q&ADV プライベート・セッション

PAGE TOP