July Week 4 2017
★ "Unlucky Place Bring Bad Luck?"
"鬼門って投資にも関係があるでしょうか?"



秋山曜子さま、
いつもCUBE New Yorkさんのウェブサイトにアクセスして、特にこのコーナーの更新を心待ちにしています。
私もアドバイスをお願いしたいことが出来てしまいました。少し前に主人と掘り出し物と言われる家を見に行きました。 改築したばかりで、場所も良く、良いところが沢山あるのですが、私は足を踏み入れた途端に何となく好きになれないというか、落ち着かない気持ちを覚えました。 同じことは主人も少し感じたと言いますが、お互いに不動産業者に家の中の説明をしてもらいながら歩いているうちに、 それが気にならなくなって、説明される利点やメリットに魅力を感じるようになりましたし、掘り出し物というだけあってお値段もお買い得と言えるものでした。 主人はその日のうちに半分購入する気でいましたが、私はどうしても第一印象の嫌な雰囲気が気になってしまって主人ほどは乗り気になれず、 それについて話し合っているうちに何度も口論になりました。

結局、現在の私たちの妥協案になっているのが、私たち夫婦はそこに住まずに その物件を投資目的で購入するということで、 主人は不動産投資に自信を持っているだけに「あの物件だったらすぐに借り手が付くはずだし、あと少し手を加えればかなりの利益を乗せて売れるはず」と言っています。 私も同意できる部分は多いのですが、私と同じように感じる人が多かったら借り手が付かないかもしれないと思ったり、 たとえ自分が住まなくても、何となく縁起が悪い家のオーナーになるというのは悪運が付いて来るような気がして どうしても前向きになれません。
主人は私が縁起を担ぎすぎだ というのですが、秋山さんはこんな状況をどう思われますか。以前のこのコーナーか キャッチ・オブ・ザ・ウィークで、秋山さんも縁起を担ぐと書いていらしたのを覚えていますが、 何か夫を諦めさせる説得法はあるでしょうか。
夫婦で話し合っていても、堂々巡りになってしまうので何かアドバイスをしていただけると嬉しいです。 よろしくお願いします。

-K-





Kさんが覚えていて下さった通り、私自身は非常に縁起を担ぐタイプです。でも不幸の番号とか、13日の金曜日などにこだわる訳ではなく、 ラッキー・ナンバーやラッキー・チャーム等、自分に幸運を運んでくれるもの、自分を不幸から守ってくれるものに固執するタイプです。 自分に不運をもたらす物の存在を認めると、それだけで不幸になるチャンスや、自信を喪失する可能性が増えますが、 逆に幸運をもたらしてくれると信じている物は、沢山あればあるほど 幸せを掴む可能性や自信が高まるので、そうしたポジティブな縁起は 積極的に担ぐようにしています。

縁起を担ぐ人のことを、英語ではスーパースティシャスと言いますが、スーパースティシャスであっても なくても、 世の中には、誰もが何となく嫌な雰囲気、不気味なムードを感じる場所というのが存在しているもので、 そうした場所ではあまりろくなことが起こらないのが通常です。 私の自宅の近所にも遠回りしてでも通りたくないブロックがあって、そこは空き家になって久しい建物の前だったのですが、 いつもホームレスが居て、そのブロックだけが常にゴミが溜まっていて薄暗く、そこで追いはぎか何かの事件が起こったのがきっかけで NY市によってクリーンナップされましたが、今でも私はそこを通りません。同じビルの住人とその事件の噂話をした時にも その人がやはりそこを避けて通ると言っていたので、誰もが同じように嫌なムードを感じていたのだと思います。

それとは別に 私がKさんのメールを読んでまず思い出したのは、あるシェフが初めて自分のレストランを開店する際に 投資をした友人夫妻のエピソードでした。そのレストランのために選んだ物件は、後から聞いた話では商業用不動産の世界では”鬼門”として知られるロケーションで、 新しいビジネスが入る度に短期間で店をたたむ運命を辿っていたとのこと。 でもリース契約を終える前に閉店した前のビジネスのリースを引き継ぐことによってレントが格安になるだけでなく、 十分な広さや立地の良さといったメリットがあり、気に入らない部分を改装することを条件にその場所でレストランをオープンすることになりました。
ところが、簡単に出来るはずの改装に予算の3倍の費用が掛かり、その後も スタッフが続かない、細かいトラブルで出費が嵩む、客足が安定しない状況が続き、 シェフ夫妻と友人夫妻の仲もレストランの経営と資金繰りをめぐって口論をするうちにどんどん悪化し、シェフが身体を壊したことから やはりそのレストランも数か月で閉店に追い込まれてしまいました。 聞けばシェフも友人夫妻も、最初からその物件にあまり良い印象を抱いていなかったそうですが、 商業的なメリットが大きかったために それに目を瞑ったのが間違いだったということは本人たちも後から認めていました。
そんな気乗りがしない第一印象、広さや立地の好条件にも関わらず格安の価格、その物件について話しているうちに口論になるというのは、 現在のKさんとご主人が投資目的で購入を考えていらっしゃる物件のケースと全く同じように思えてしまいました。

そもそも誰もが感じる第一印象やひらめきというのは、縁起というよりは、人間の本能が持つ直感で 人間は誰もが自分をプロテクトするための直感を持って生まれてきます。 霊媒師の中には、それがガーディアン・エンジェル=守護神として自分を守ってくれている祖先などからのメッセージだという説を唱える人も居ますが、 こうしたひらめきの中には もちろん自分の過去の苦い経験や人から教わったレッスンによってもたらされるものもあります。 いずれにしても、私が自らの経験や周囲を見回して確実に言えるのは、そうした直感を無視したり、 気に留めない努力をして 状況に流されると、ろくな結末が待っていないということです。
同じことは住居だけでなく、出逢う人にも、ショッピングで購入する服やバッグに言えることです。 第一印象で好きになれない人は、どんなに努力して仲良くようとしても好きになれないだけでなく、何等かの嫌な経験をして交友関係が途絶えるのものですし、 実用性を考えて さほど気に入った訳ではない服を選べば、 それを着用した自分の姿に自信が持てなかったり、一度も袖を通さずに何年もが経過してしまうものです。 ですからどんなに小さな決断でも、私はひらめきや直感がとても大切だと思いますし それが不動産の購入や、結婚、仕事のプロジェクト等、大きな決断でしたら尚のことだと思います。
Kさんがメールに書いていらした通り、たとえご本人が住まなくても 不動産を購入するということはその不動産の持つ運やパワーを 自分の運勢に招き入れることを意味します。それは結婚にしても、仕事のパートナー選びにしても然りなので、 こうした決断は自分が心から納得した上で行うべきなのです。

世の中には理屈で説明出来ないことが沢山あるだけでなく、世の中自体も理屈通りには回っていないのです。 だからこそ「何か心に引っかかる」という些細なことが 転ばぬ先の杖になったかと思えば、 確実と思える投資で大損をしてしまうこともあるのです。ですからご主人とて、一度理屈や利益追求を抜きにして 自分の直感に正直な決断を下した場合は、Kさんと同じポジションをシェアするようになると思います。
自分の直感やひらめきというのは、悪い事だけを察知するのではなく、良い事や幸運も察知します。 不動産でも仕事でも、対人関係でも、自分に幸運をもたらすものには そんな手ごたえと言えるシグナルが得られるものなので、 同じ投資をするのならば、それがが得られるものに対して行うべきだと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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