` CUBE New York Q&ADV by Yoko Akiyama キューブ・ニューヨーク 秋山曜子



Aug Week 1, 2015
★Why Men Don't Listen to Women?
何故 男性は女性の言うことを聞かないのでしょうか?


いつもキューブ・ニューヨークのウェブサイトを欠かさずに読んでいます。
バッグなど、お買い物もさせていただいていて、その質の高さに感動しながら愛用しています。
私も悩み事と言えるかは分からないのですが、いつも困っていることがあるので、ご相談したいと思ってメールをしました。 他のもっと深い悩みの方がいらしたら そちら優先で大丈夫なので、お時間がある時にご回答いただけたら嬉しいです。

結婚して1年以上が経ちますが、夫が私のいう事を聞いてくれないのが凄くストレスになっています。 深刻なことから、どうでも良いことまで、とにかく私のいうことを聞きません。
例えば先日、2人である場所に出かけた際、私が「日曜の午前は、ここの入り口が閉まっているから、あっちから入らないとダメだと思う」と、 少し遠回りでも確実に入れる入り口に行こうとしたのですが、「前は入れたから絶対大丈夫だよ」と言って、勝手に歩き出して 行ってみたらやっぱり閉まっていたということがありました。
旅行に出掛けた時も、事前にインターネットでいろいろ調べておいた私のいう事など全く聞かず、 いつも通りがかりの人やホテルの人などに、私が既に教えてあげたことを尋ねます。
先日、友人夫婦と話をしていた時に、 夫が思い出せなかった小説の主人公の名前を私が思い出して教えてあげたのですが、 「えー、そうだっけ、そんな名前だっけ?」とスマホで調べたり、 とにかく私の助言とか、私の知識とかは、直ぐに受け入れません。

一度、友達に夫のことを愚痴ってしまったことがあるのですが、友達のボーイフレンドも うちの夫ほどではなくても やはり彼女のいう事はあまり聞かないみたいで、道を知っているから教えてあげているのに、「いや、絶対にこっちだ!」と言って 結局間違えたりするようです。
以前小旅行のホテルを決める時も、夫が私の反対を押し切って、どうでも良いことにこだわって決めたせいで、 散々な思いをしたこともあります。これがハネムーンだったら成田離婚!と秘かに思っていたほどです。 帰りの車の中で謝ったので許してあげましたが、だからと言って反省してそれから私の言う事を聞くようになる訳でもありません。 細かいことなら まだ良いのですが、大事なことでも私と意見が分かれた場合、私が反対すればするほどそれに拘ります。 まるで私の意見が聞きたくないみたいな感じです。
だからと言って離婚をしたいという気持ちなどはありませんが、 どうして男性というのは女性の言う事を素直に聞けないのでしょうか? どうしたら夫が私の言う事を素直に聞いてくれるようになるでしょうか。 実は、来年あたり引っ越す案が出ていて、その時のことを心配しています。 今のうちにアドバイスを頂けたら、すっごく嬉しいです。

ご参考までに。私は結婚後も仕事を続けていて、収入は夫と同じくらいあります。 生活費や旅行代など、夫に全ておんぶにだっこという状態じゃないので、私にも発言権や決定権があると思っています。

−A−





Aさんのご質問はアメリカでも頻繁にトピックになることですが、私の個人的な印象では、 若い世代の男性の方が 年上の世代よりも女性の言う事に聞く耳を持っているように思えます。
Aさんのメールを読んで、私が思い出したのは 私自身の過去の3つのエピソードでした。

1つ目は、もう何年も前に当時のビジネス・パートナーに頼まれて、彼の父親の再婚のウェディングに出席しようとしていた時のこと。 このウェディングは逆玉で、彼の父親が結婚するのは コネチカットに馬を数頭飼うような 何エーカーもの土地に大邸宅を構えるマルチミリオネアの女性。 生前贈与で 孫の世代までミリオネアになっているファミリーで、 ウェディングが行われたのは、その女性の娘夫妻のペントハウスで、ゲストが60人程度の小規模なセレモニー。 私のビジネス・パートナーは、新郎の息子としてベストマン(新郎の付き添い)を務めることになっているので、 レセプションではスピーチもすることになる立場。
にも関わらず、ウェディングの当日に彼のアパートに行ってみると、彼はクローゼットにスーツを一枚も持っていないような有り様。 以前はウォールストリートで働いていた彼ですが、当時のスーツは仕事を辞めたときに全て処分してしまったのだそうで、 ウェディングに着用しようとしていたのは安っぽいブレザーとチノパンツ。 ネクタイも冴えないものしかなくて、私は「こんな格好で出かけたら、お父様が肩身の狭い思いをするんじゃない?」などと言って、 何とかメンズ・ディスカウント・ストアに行って スーツ、シャツ、タイを新調させようと 必死で説得を試みていました。
でも彼は、「どうせスーツを買っても着る機会なんて無いし」と渋ってばかりで、安っぽいブレザーを羽織りながら 「これの何処がそんなに悪いの?」などと言う始末。 「それを着て行くのなら、私はウェディングには行かない!」とまで宣言したものの、全く折れる気配が無い状態でした。
すると そこへ彼の男友達がやってきたので 意見を求めたところ、 そのブレザー&ネクタイを見た男友達のリアクションは 「Yokoが言う方が正しいよ。父親のウェディングにこれを着て行くのはちょっと酷い」というもの。 すると、私が30分説得しても動かなかったビジネス・パートナーが、 突然メンズ・ディスカウント・ストアに行く決心をして、結局ウェディングの2時間前にスーツ、タイ、シャツなど全てを買い揃えることになりました。
私は、彼の男友達の2つのセンテンスの方が こともあろうにファッションに関して、私の30分の説得よりもパワフルだったことにショックを受けましたが、 その時に ビジネス・パートナーについては 「私が何を言おうと 聞かない」ということが分かったので、 彼とのビジネスを終わらせる時には 弁護士(男性)を使うことになりました。

2つ目のエピソードは、Aさんの例ととても似ているのですが 比較的最近の出来事で、ジムに出かけたときのこと。 いつも使っている入り口の前にスタッフが立っていて、「今はここから入れない」と言われたので、 私の後ろから来た男性に親切心からそれを教えてあげたところ、相手は「エッ、そうなの?」と言いながらも、 入れないといわれた入り口に行って、本当に入れないかをスタッフに確認してから 戻って来ました。
私は 内心 「男性のエゴ!」と思って見ていましたが、ちょっとからかってみたくなって 「貴方って いつもワイフかガールフレンドに ”I told you so / だから言ったでしょ” って言われていない?」 と訊いてみたところ、その男性は大笑いして 「そうなんだよ、今朝も言われたばっかり!」とのこと。
でもこの出来事から、たとえ 見ず知らずの遠慮がある間柄でも、男性というのは女性の言うことを あっさり聞かないものだという事が良く分かった感じでした。

3つ目のエピソードは、かつて付き合っていたホッケー・プレーヤーのボーイフレンドの話。 今でこそホッケー・スティックを持って歩いている子供やティーンエイジャーを見かけるのは珍しくありませんが、 彼が子供の頃は、ホッケー・プレーヤーは本当にマイノリティ。 何故ホッケーを選んだのかを尋ねたところ、子供の頃出かけたサマー・キャンプでフィールド・ホッケーをして、 「自分にはホッケーの才能があるに違いない」と思った彼が、 キャンプから戻って「ホッケーをプレーしたい」と母親に言ったところ、猛反対されたとのこと。
彼曰く 「もしあの時、母親が ”秋になって学校が始まるのを待ってから決めましょう” とでも言っていたら、 今頃はホッケーなんてやっていなかったと思う。 でも母親があまりに猛反対するから、そのせいで益々プレーをしたくなって、意地で始めたのがホッケーだった」というのがそのストーリーでした。
これに象徴される通り、彼と意見が食い違った場合、 こちらが仕事で疲れていて 諦めムードになると お互いが譲歩する結果になるものの、 私が「これだけは譲れない」と考えることについては、ことごとくお互いの主張が平行線で、全く話が纏まらなかったと記憶しています。

したがって、「男性が女性の言うことを聞かない」ということには国境は無いと言えますが、多くのアメリカの専門家がその理由として指摘するのが、 時代が変わっても、男性が女性より優位にあるべきという意識が強く、指示や命令と見なされるような女性からのアドバイスや 情報提供をを男性が拒む、もしくは好まない傾向にあるということ。 こうした意識は、”Macho Thinking / マッチョ・シンキング”とも呼ばれますが、特にAさんとご主人のように、 夫婦の収入が同等、もしくは妻の方が収入が多かったりすると、男性側が無意識のうちに 力関係をクリアにしたがる傾向があると言われています。

いずれにしても、男性というのは 変わらない生き物なので、男性を変えようとしたり、変わるのを待つのは時間と労力の無駄という感じです。 それよりも ご主人の場合、私の以前のボーイフレンド同様、Aさんが反対したり、譲らない姿勢を見せると、 益々主張を曲げないというパターンが確立されているようなので、その中で相手をコントロールする、 すなわち自分の望む方向に相手の意思や決断を誘導する方が有効な解決策です。 要するにAさんの選択肢を Aさんに言われたからではなく、ご主人が自分の意思で選ぶように仕向けることです。
そのためには、Aさんが先に自分の好みや選択を主張しないこと、ご主人の出方を見てから、 もし自分と同じ主張なら、「私もそう思う」、「全く同感」、「大賛成」というリアクションで、 あくまでご主人の主張や選択を支持する姿勢を見せることをお薦めします。
逆にご主人がAさんの望まない主張や選択をしている場合は、まずそれに賛同して ご主人のガードを取り払ってから、反論ではなく、疑問点や不安なポイントとして Aさんが気に入らない部分を 徐々に提示して、 ご主人が自分で、「だったら これじゃない方が…」と考えるように舵取りをしてみて下さい。
私がアメリカに来たばかりの頃に言われたのが、物事の交渉や話し合いで反論をする場合、 「That's a great idea!」とか、「That's interesting!」などと 相手が言っていることに ポジティブな姿勢や好感を示してから、徐々に問題点を突いていった方が、 相手が自分の意見に関心を示す上に、話が纏まりやすい ということでした。
このことは夫婦間でもビジネスでも、ありとあらゆる交渉事の基本なので 身につけておくと非常に役立ちます。

また、即決の必要がないことならば 「今直ぐに決めなくても」と時間を稼ぐのも有効ですし、 男性は 他の男性が言うことは比較的素直に聞くので、ご主人にアドバイスできる男性に根回しするのも良いかもしれません。
私の友人は、妊娠中にご主人と意見が合わないことがあると、必ずドクターに泣きついて ご主人を説得してもらっていましたが、彼女によれば 「全く同じ内容でも ドクターが言うと 主人が素直に聞く」 とのことでした。

男性が女性の言うことを聞かないのは、国境や歴史を越えた事実なので、そのこと自体はどうにも出来ませんが、 女性は男性よりも柔軟性に富んだ生き物なので、アプローチの仕方を変えることによって フラストレーションを軽減したり、自分の思う方向にコントロールすることは可能です。 また、女性からの助言によって 男性の失敗を未然に防ごうとするのは難しいですが、 とリあえず本人にやらせてみて失敗した場合のダメージをミニマムに抑えて、その後 方向転換させることは出来ます。
ココ・シャネルの語録に「As long as you know men are like children, you know everything! / 男性が子供のようなものだと分かれば、 全てを理解したということ」というものがありますが、それが賢い女性の考え方だと思って、 割り切るのが良いかと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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