Aug. Week 2, 2014
★ Relationship After Divorce
離婚後の恋愛の行方は・・・


Yoko Akiyamaさま、
20代半ばにニューヨークに住み始めた時に、キューブ・ニューヨークのサイトを知って以来、ずっと 毎週のようにキャッチ・オブ・ザ・ウィーク を読んで、このコーナーや、フェイバリットもとっても楽しみにしています。

私は、東京の外資系の企業に勤めている時に、同じ職場の男性に見初められて、結婚して、彼と一緒にニューヨークで夫婦生活を始めました。 それから、サンフランシスコに住んだ時期があって、3年ほど前に 離婚をしてイースト・コーストに戻って来ました。 2年半ほど前からは、私同様に離婚暦のあるアメリカ人男性とお付き合いを始めて、過去1年半ほどは彼と一緒に暮らしています。
秋山さんにご相談したいと思ったのは、その彼とのことです。

彼は、私が出会った時には 既に3年後に北西部のある町に移住して、彼が進めているプロジェクトに本腰を入れることが決まっていました。 このため 私は 彼が北西部に行ってしまうまでの3年ほどの付き合いだと思って交際をスタートしました。
とはいえ、交際が続いて、特に一緒に暮らすようになったら、 情が移るもので、だんだんと私の中ではそれが心配になってきていました。
私は、前の夫が忙しくて 家を空けている間、やることが無くて、本当に退屈だったので、ある仕事を始めたのですが、 その仕事が自分に合っていたのと、勤めた会社が時流に乗って大きく伸びてくれたお陰で、 収入も待遇も申し分が無いレベルになりました。私が仕事で忙しくなりすぎたことも、前の夫と 一緒に過ごす時間が殆ど持てなくなった要因でした。
それもあって 私の中では、次に男性と真剣な関係になる時は、「仕事のペースを落として、カップルとしての時間を持つ」と決めていて、 もし彼に 「北西部に一緒に来て欲しい」といわれた場合には、たとえ仕事を辞めることになっても、 一緒に行くことを考えていました。
彼は、離婚暦が2回で、2度目のワイフとの間には双子がいて、養育費とアリモリー(扶養手当)を2人目のワイフに支払っています。 2人目の奥さんとは、子供の世話の関係で付き合いがありますが、1人目については、どうなっているか分かりませんので、お金をどのくらい払ったかとか、 今も払っているかは私は知りません。
でも2度目の妻への毎月の扶養手当にウンザリしているのは分かっていて、彼はそのせいもあってか、もう2度と結婚する気持ちは無くて、 それについては交際中も、一緒に暮らしてからも 何度も「自分とこの先何年付き合っていても、結婚っていうシナリオはあり得ない」、 「自分は結婚に不向きな人間だ」って、言われ続けてきました。
それでも、私達は良きパートナーで、一緒に暮らしていることがお互いのプラスになっているので、私達の関係に疑問を持ったことはありませんでしたし、 プロポーズはされなくても、北西部には 「一緒に来て欲しい」と言われると思っていました。 彼も私に 「そんなに寒がりじゃ、北西部の気候には耐えられないなぁ」といったり、「あそこは、ファンシーなレストランは無いけれど、 飛び切り美味しいダイナーが2つあるんだ」というような事を言って、まるで私がそこで暮らすことを前提に話しているように聞こえることが何度もありました。

そんな感じだったので、彼が予定通り1人で北西部に行ってしまう準備を始めて、プロジェクトの関係でその時期が前倒しになったことを知った時は、 愕然としました。 私は、高給&好待遇の仕事を棒に振って、今住んでいるアパートを人に貸してまで、彼について行くことを考えていたのに、 彼は私に「一緒に来たい?」などと訊いてくることも無く、1人で全て決めてしまいました。言ってみれば私は他人同然です。

今暮らしているアパートは、私が離婚の際に、前の夫に買ってもらった物件で、1人では広すぎるのと、 彼の家と私の家が遠すぎて、お互いに会うだけのために時間が掛かりすぎることもあって一緒に住み始めました。 ですから彼が1人で北西部に行っても、私が住む場所やレントの支払いなどで困ることはありません。 それに私の仕事は収入が安定しているので、彼が出て行っても生活には困りません。
でもだからといって、彼が北西部に行く準備をどんどん1人で進めている姿を見るのは、私が彼にとって、何でもない存在だったと思い知らされるようで、 数日前に、ちょっとしたことから彼と大喧嘩をしてしまいました。

彼によれば、私が北西部に一緒に来ても、周囲は何も無い田舎で、耐えられないほど つまらないエリアだし、 そもそも人間の数が少ないので、友達もできないと思うし、 今の仕事も続けられなくなるから、「一緒に来て欲しいなどと 言う権利は自分に無い」といいます。 私にしてみれば、「大変なエリアに行くけれど、ずっと一緒に居たいから、自分について来てくれ」と言われたら、大変でもついていったと思うのですが、 そういう頭は彼にはありません。
私の友達や、彼の2人目の奥さんは、彼を「何て薄情な男」と言いますし、友達の1人は、私がもっとはっきりと 「どんなところでも、一緒に行きたい」 という意思を明らかにして、「私に一緒に来て欲しいか?」を 彼にきちんと訊くべきだと言います。 が、職場の友達は 「そんな田舎町に、結婚もしてくれない男性と一緒に行って、 今のキャリアを棒に振るなんて馬鹿げている」と言います。 さらに 彼と遠距離恋愛になって、精神的に縛られるよりは、彼が北西部に行くのを機に、キッパリ別れるようにとも言います。

私は、正直言って 自分がどうしたいのか分からない感じです。 もう一緒に住まないのなら、別れた方が良いと思いますが、やっぱり彼のことが好きなので、彼と別れてしまって、連絡を取ることも無くなるのは辛いと思います。 でも、彼がもし戻ってくるとしたら、3年後とか5年後なので、それをじっと待っている気もありません。 彼と一緒に北西部に行くのは、頭で考えているほど簡単ではないと思うのですが、今の関係を失いたくない気持ちが強いので、 もし彼が来て欲しいと言ったら、ついて行くと思います。

ちなみに私は30代後半、彼は40代後半で、約10歳の年齢のギャップはありますが、彼の方がエネルギッシュで、 若々しいので、年齢の差を感じたことはあまり無い感じです。
こんな、とりとめない説明で申し訳ないのですが、何かアドバイスをしていただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。

−R−





アメリカでは 30代半ばを過ぎた年齢層になると 離婚経験者がかなり多くなるのが実情です。
でも一度も結婚、離婚をしていない私が観察する限り、ある程度の長さの結婚生活を続けながら 1回離婚をした人と、2回以上離婚をする人には それなりの違いがありますし、それは男性と女性で異なります。
欧米人女性の場合は、経済レベルやルックスに関係なく、結婚&離婚が収入源であったり、生活手段である場合が少なくありません。 したがって、離婚が1回でも、2回でも、あまりそのメンタリティには違いはありませんし、時に離婚と結婚の数の多さが、 上昇志向を示している場合もあります。

でも多くのケースにおいて、欧米人男性にとっての離婚が意味するものは、自分の財産を元妻に持っていかれることです。 したがって、それを2回以上経験している男性というのは、”女癖の悪さ”の度合いに関わらず、シビアな結婚観を持っていても不思議ではありません。 Rさんと 彼の離婚経験を考えても、Rさんは不動産を元夫に買っていただいた側、彼は子供の養育費と前妻の扶養手当を支払い続ける身です。
ですから同じ”離婚経験者”として括ろうとしても、Rさんと彼とでは 結婚観のみならず、 結婚に至るまでの恋愛観も異なると考えるのが 妥当かと思います。

Rさんの彼と同様の立場の男性は、アメリカには少なくありませんが、今も60歳をリタイアの年齢と考えた場合、彼に残されている時間は あと12〜14年。 既に財産を2人の元妻に ある程度持っていかれていることを考慮した場合、自分の老後を真剣に考えれば、考えるほど、 結婚というオプションが無くなっていくのは当然です。
欧米人男性の場合、 「老後のことを考えて、自分の面倒を見てくれる女性と結婚しよう」などと 安易な考えを抱いて、 それが離婚に終わってしまった場合、妻にたっぷり財産を取られて、結局は他人にお金を払ってケアしてもらった方が 遥かに安上がりだったという状況になりかねません。

Rさんの彼が 交際中からずっと結婚の意志が無いことを明らかにしてきたのは、たとえRさんをどんなに大切に思っていようと、 結婚だけはしないと決めているためで、そうなるだけのプロセスを経て、そこから学んできた結果、 そういう考えに至ったであろうことは理解して差し上げるべきです。

その上で、彼がRさんに「大変なエリアに行くけれど、ずっと一緒に居たいから、自分について来てくれ」というべきかについては、 私がRさんの立場で判断しても、彼の立場で判断しても、「そんなことを言ってRさんの人生を狂わせるべきではない」という意見です。 というのも、もし彼がそういったら、Rさんは本当に彼について行ってしまうと思うからです。

Rさんは、最初の結婚で東京で出会った男性とニューヨークにやってきて、その後、サンフランシスコに行かれたとのことでしたが、 その時と同じ感じで、好きになった人について行って、そのためには自分の生活が変わっても構わないし、それで自分は大丈夫と思っているかも知れません。 でも東京からニューヨーク、ニューヨークからサンフランシスコに移住するのは、いずれも大都市なので 街や人に馴染むのに さほど大きな苦労はありませんが、東海岸の街から 北西部の州の 周囲にあまり人が住んでも居ない田舎町に移住するというのは、想像を絶するギャップです。 たとえRさんが 東京で 前のご主人と出会う前に 過疎地で暮らしていたバックグラウンドがおありになったとしても、 私はお薦めしません。

また、20代での結婚というのは 人生を一緒に築いていくための結婚ですので、お互いのキャリアや、 2人の将来のために 移住や生活の変化を受け入れるのは、自然であり、必然でもある状況です。 でも、人間は年齢を重ねるにしたがって、そうした新しい環境や状況にアジャストする順応性はかなり鈍ってきます。 ですから、離婚・再婚が多いアメリカ社会を見ていると、ある程度の年齢を重ねてから結婚・再婚をする例、カップルが一緒に暮らすケースは、 お互いの生活を変えずに、お互いが無理をせずに続けられる関係ばかりです。

これは、年齢と共に相手に合わせるエネルギーが無くなってきていることもありますが、 やはり 年齢を重ねるにしたがって、自分に合う事と合わない事、頑張って出来る事と出来ない事などが どんどん分かって来るのに加えて、無理を強いれば、後でそのツケが回ってくる事も、 自らの経験から学ぶようになります。
また結婚や恋愛関係に求めるものにしても、情熱やエキサイトメントよりも、安定や確実性、穏やかな幸福や信頼といったものに変わっていきます。
その結果、再婚したら前夫からの扶養手当が打ち切りになるので、一緒に暮らしても結婚しないカップル、 特に結婚する必要が無くても、相手が勤める会社の健康保険プログラムに家族として加入した方が年間に100万円以上が節約できることを理由に 結婚するカップル、遺産相続を有利にする目的から結婚して、子供を作ろうとするカップルなど、 生活や経済状況を楽にするための関係を積極的に築くようになるのが アメリカにおける ある一定の年齢を重ねてからの結婚や恋愛です。

逆に、恋愛に無理を強いるケースとしては、ニューヨークで10年以上一緒に暮らしたフランス人男性と一緒に、自分の仕事を辞めてまでフランスに移住した 40代の日本人女性が、フランスでの言葉の壁の厚さや、言葉のハンディキャップがある彼女に対して どんどん冷たくなる彼の態度に耐えかねて、 ニューヨークに舞い戻った例を知っていますが、彼女はニューヨークでの生活を立て直す段階で病気を患って、非常に苦労をしていました。
ですので、どんなに相手が好きでも、環境が厳しければそこでサバイブするのは非常に難しいと言わなければなりません。 ましてや、Rさんは彼と一緒に行けば、現在の高給&好待遇のサクセスフルなキャリアを棒に振ることになる訳です。 それは一度失ってみたら、思い描いていたよりも ずっと大きなダメージになると思って間違いはありません。
さらに 気候が厳しく、周囲に友達も居ないエリアで Rさんがやっていけなければ、彼との関係も失うことになりますから、 たとえ現時点で 彼との関係が何よりも大切だと思えたとしても、30代後半の女性のチョイスとしては 彼と一緒に北西部に行くのはリスクが大きすぎると言えます。
ですから、彼が一緒に来て欲しいと言わないのは様々な意味で理にかなっていると思いますし、Rさんのためでもあると思います。 したがって私は、Rさんの彼が薄情な男性とは思いません。むしろ現実的で、理性的な男性だと思う次第です。

遠距離恋愛を続けるかについては、若い時代の遠距離恋愛は続きませんが、ある程度の年齢になってからの遠距離恋愛は続くケースがあります。 特に相手が人があまり居ないような田舎町に行った場合は、尚のことです。 Rさんにしても、彼がアパートから出て行って、その上に彼と連絡も取れなくなるのでは寂しさがつのるだけかと思います。 なので カップルとしてではなく、友達としてコミュニケートしたり、お互いを訪ね合う関係をキープしておくことは、 お互いのためになりますし、彼が3年後、5年後に戻って来た際に、Rさんがシングルだった場合や、 未だ彼のことが忘れられなかった場合には、そこから再出発が出来るかも知れません。
もちろん、彼が戻る前に Rさんに別の好きな人が出来れば、それはそれで良いのです。物理的な距離が離れている関係というのは、 自分のすぐ傍に恋愛対象が現れた場合に、精神的な拘束力は無いに等しいので、彼と連絡を取り続けたとしても、それがRさんの恋愛の妨げになることは さほどないと思います。

いずれにしても今は 彼も移住で忙しい時期ですから、無理にドラマを大きくしてしまうより、さりげなく友達としての関係を続けるようにするのが Rさんにとってのベストの選択だと思います。 Rさん自身も、今は自分がどうしたら良いか分からないとおっしゃっているのですから、 無理に 今決断を下す必要はありませんし、誰もそれを迫っても居ません。
彼が北西部に実際に移住して、その後の生活に慣れてきたら、頭の中で混乱していたことが 一気に払拭されて、「どうしてこんなことを深く考えていたんだろう?」 と不思議に思えるようになるかも知れません。
ですので、まずは彼を良好な関係のまま、北西部に送り出してあげることをお薦めいたします。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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