Aug Week 2, 2015
★ Conscious Love Triangle
夫と元恋人との三角関係 !?


大学時代からキューブ・ニューヨークの大ファンで、キャッチ・オブ・ザ・ウィークは恐らく10年以上愛読してきました。
フェイバリットも、このコーナーも大好きで、週3回は必ずサイトにお邪魔して、 時々お買い物もさせていただいています。つい最近はウェッジ・シューズを購入しましたが、あまりに素敵でビックりで、 ほぼ毎日のように履いています。
今日メールをしたのは友達にも言わずに、考えていることがあって、勇気を出してご相談しようと思ったためです。

私は結婚したばかりで、夫とは半ばお見合いのような出会いで、とんとん拍子に話が進んだので、出会ってほぼ8ヶ月ほどで結婚しました。 私にはその前に、ずっと好きで 少しだけ付き合って別れて、その後もつかず離れずになっていた彼氏が居ました。 彼と私は大学時代からの友達で、大学時代はずっと私の片思いで、バレンタインにチョコをあげたりしていましたが、 彼は違う女の子と何人も付き合っていました。
でも彼は 付き合っている彼女が居る時でも、居ない時でも、私に気があるようなそぶりを見せたり、 私が別の人に交際を申し込まれた時は、あんな奴では私がもったいないなどと言ったりしていました。 デートではないものの、2人で出掛けることも何度もあって、彼のことを好きな私をキープしたいような感じだと 周囲の友達によく言われました。

その彼とやっと付き合い始めたのは社会に出てからでした。 でも付き合っている時の彼は、いつも私に対してイライラしているような雰囲気で、やっと好きだった彼と付き合えたのに ラブラブな思いなどしたことはありませんでした。 「それだったら片思いの方が楽しかった。友達で居た方が良かった」と感じて お別れしたのですが、別れた途端に彼はまた優しくしてきて、 私がその気になりかけると しばらく無視されたりして、 相手が何を考えているのかが分からない状態が続きました。

そんな彼の挙動不審さに振り回されるのが嫌だったので、現在の夫とのお見合い的な話を受けたのですが、 夫は最初から私を気に入って、凄く良くしてくれた上に、家族も非常に夫を気に入って(大学時代からの彼のことは 家族は嫌いで、反対していました)、 私も全く 気を使ったり、無理をすることも無いので、「こういうのが縁っていうのかな?」と思っている間に、すんなり結婚が決まりました。
すると友達から私の婚約を聞いた彼から、また連絡があって、その時は結婚の準備で忙しいこともあって「もう会えないから」と断ったものの、 その連絡以来、「このまま あっさりこの人と結婚して大丈夫なのかな?」と思ったり、彼との長い経緯を思い出して、何となく彼への未練が 強くなってしまいました。
それがピークに達してしまったのが、私の独身時代最後の飲み会を友達がしてくれた席に彼が現れた時で、 「その結婚は間違っているよ。今からでも遅くないから結婚しよう」と言われて、その場で私と彼は 手を取り合って泣いてしまいました。彼がそんな風に私を思っていたなんて知らなかったので、 その時は本当に嬉しかったり、驚いたりでしたが、結婚が決まって後に引けない段階になってから、 ずっと好きだった人にプロポーズされたという皮肉に混乱してしまって、 また お酒が入っていたこともあって 「今から結婚は止められないけれど、少したら離婚するから」と言ってしまいました。

でも一夜明けたら、そんな出来事が ただの夢のように思えてきて、予定通りに夫と結婚してほぼ2ヶ月半が経過しました。 夫はとても理解があって、安定した精神状態というと変なのですが、1人でイライラしたり、何を考えているか分からないような態度を取るようなことはなく、 無理なく一緒に居られる人です。私は徐々に そんな夫との 何も勘ぐったり、疑ったりしない生活が 幸せに思えてきて、結婚前より 今の方が夫のことが遥かに好きですし、夫婦ってこんな物なのかな?とも思えるようになりました。

でも、以前の彼は私のボルテージが下がれば下がるほど、私に夢中になっているようで、 私は、こういう言い方をすると性格が悪そうに聞こえますが、私の熱が冷めかけているのに 私の事を どんどん好きになっている彼を見て、長年一方的に追いかけてきた彼に対して初めて優越感を感じるようになりました。
本来だったら 彼のことなど相手にしない方が良いに決まっているのですが、 長年のコンプレックスの反動なのでしょうか、彼に追いかけられて、私の方が優位にあるポジションが心地よくて、 なかなか別れの文句や、私に離婚の意思が無いことが言い出せません。 彼とは不倫関係ではなく、結婚してからレストランやラウンジで何度か会いましたが、プラトニックな仲です。

ですから、不倫でない限りは 友達なので会って構わないかとも思ったりしますが、 相手は私が離婚するのを待っているような事を言うので、彼は不倫だと思っているかも知れません。
彼からは毎日メールが来て、そのメールを見るのが楽しみだったりしますし、 週末に私に会いたくても、私が夫と一緒に過ごすので会えないことを 嘆いていたりするメールが来ると、 やっと彼に女として認められた、やっと彼が夢中になってくれたという満足感と、 やっと私が主導権を握ったような優越感があって、 彼と離れたくないというより、その状態が好きなのかもしれないとさえ思っています。
というのは、特に彼に会いたいか というとそういう訳ではなくて、そんなメールを貰うのが気分が良いと思うからです。 自分でも、夫に内緒で以前の彼氏と連絡を取り合うなんて良くないし、 それがバレた時のことを心配する気持ちがある反面、「でもこれは不倫じゃないのだから」という気持ちもあって、 どうするべきなのか迷っています。
秋山さんは、こんな状態をどう思われますか?やはり以前の彼とはキッパリ切れた方が良いのでしょうか? それとも、このままにして そのうち彼が私に離婚の意思が無いのを悟るのを待っていても構わないでしょうか。 何か適切なアドバイスをしていただけると幸いです。よろしくお願いします。
この質問が採用されても、されなくても、今後とも頑張ってください。

−R−





Rさんのメールを拝見した私の第一印象は、今までに無い類のご質問を頂いたということでした。
これまで頂いたご質問は 状況の解決策や、逆境への対応についてが圧倒的だったのですが、 Rさんの場合、幸せなご結婚をされて、ずっと片思いだった彼に対して やっと優越感が抱けるほどに 彼が関心を注いでくれて、 お困りなのではなく、迷っていらっしゃる状況です。
ご相談を下さる多くの方は、抱えている問題においてイニシアティブを握っていることは殆どありませんが、 Rさんの場合は、ご自身が決定権を握っていて 決心がつかない状況ですので、比較的贅沢な問題と言えます。

また頂いたメールから、私はRさんが非常に理性的な方だとも判断しました。
大学時代からずっと片思いだった男性と、ようやく交際することが出来たら、石にしがみついてでもその関係を続けようとする女性は 少なくありませんが、Rさんの場合、彼の冷たい態度に 「それだったら片思いの方が楽しかった。友達で居た方が良かった」と悟ってお別れしたり、 彼に事実上、プロポーズと取れることを言われても、 舞い上がったりせずに、直ぐに現実に戻ってご主人と結婚されるなど、多くの女性が感情に流されて不幸になりそうな状況を 理性的に乗り越えてきたという印象を持ちました。 ですので、私はRさんが不幸に対するセルフ・コントロールやプロテクションがきっちり出来る方だとお見受けした次第です。

でも 不幸を避けるメカニズムを持っている人でも、幸福、快楽には無防備になりますので、 それが思わぬ落とし穴になるというのは 珍しくないシナリオです。
Rさんの場合、彼とはプラトニックな関係で、不倫と見なされない状況の下で、 彼が自分を思う気持ちに満足感と優越感を覚えていらっしゃるという 一見無害な関係ですが、 だからと言ってご主人がそれを知って、全く気にせず、容認する関係とは思えません。 また どんなにRさんが理性的に状況をコントロールしたとしても、というか 理性的に状況をコントロールできる方であればあるほど、 この類の秘密というのは 最悪のタイミングと 最悪の状況でご主人に知られてしまうのが通常です。

英語社会には ”Murphy's Law” すなわち、マーフィーの法則というものがあって、 その定義は ”Anything that can go wrong, will go wrong / 失敗の可能性があるものは 必ず失敗する ” というものです。
その例として、もう何年も前に 夫が友人の娘と浮気しているのが発覚して離婚したカップルの話を聞いたことがありますが、 夫は彼女を 妻の友人の娘とは知らずにインターンとして雇い、 妻が 何と3年ぶりにその友人宅を訪れた その日に、夫が娘を車で送ってきたことで 絶対にバレないはずだった浮気が発覚しました。 娘側も夫側も不倫関係を否定したものの、妻が2人の様子を見て、インターンと雇用主だけの間柄に見えなかったことや、 夫が「若くて自由奔放な彼女と一緒に居るのが楽しかった」と認めたことで 離婚になりました。

Rさんとご主人は、現在はとても上手く行っていらっしゃるようですが、未だ出会って1年以下の関係ですので、 どんなにご主人に理解があっても、Rさんが長年片思いをしていた以前のボーイフレンドと連絡を取り合ったり、密会していたと知ったら、 それだけでRさんに対する見方や考えが変わったところで不思議ではありません。
もしそうなった場合、Rさんは通常なら ご自分の状況をきっちりコントロールしている方であるだけに、 ”自分はその状況を防ぐことが出来た=自分自身がその状況を招いた” ことを 後悔して、自己嫌悪に陥るのは目に見えています。このような不運に後悔が加わる状態というのは、 物事を深く考えずにトラブルに見舞われた状況より 苦しいと言わなければなりません。
加えて、一度失った 愛する人からの信頼は、二度と取り戻すことが出来ないケースも多いのです。 特に信頼し合っていると思い込んでいた関係、未だ何のトラブルも乗り越えていない 新しい関係ほど こうした事態のダメージは甚大です。

大学時代からの彼については、これまでの経緯を考えれば、Rさんが「夫と別れるから一緒になりましょう!」とでも言おうものなら、 しばらく連絡してこなくなったとしても不思議ではない程度の人にしか思えません。 またRさんとて、今まで追いかけていた人から、追いかけられる立場になったという優越感、満足感もあるかも知れませんが、 ご自分でも ”長年のコンプレックスの反動”と分析していらしたとおり、 彼が自分を手に入れることが出来ない状況に サディスティック・プレジャーを感じていらっしゃるように見えなくもありません。
要するに、現在Rさんが彼に対してなさっていることは、大学時代の彼のRさんに対する ”交際はしないけれど、自分に対する恋愛感情はキープしておきたい”という状況を、そっくりそのまま やっているようにも見受けられます。しかしながら、学生が独身の身でやって無害なことも、 既婚のRさんがすると モラルに反する行為と判断されて、発覚すればご主人を傷つけたり、ご主人の信頼を失う可能性が生じます。

私がRさんの立場であれば、最も有効なリスク・マネージメントとして行うのは、 ご主人が勘付いたり、何かのきっかけで事態が発覚する前に、「彼と何度か連絡を取って、2人で会ったこともある」とさりげなく報告しておくことです。 結婚前の飲み会で 「今から結婚は止められないけれど、少したら離婚するから」と彼に言った事などは 言う必要はありませんが、 万一、そんな話が後からご主人の耳に入ったとしても、ご主人が織り込み済みの事実として聞き流せるようにしておく方が、秘密を保つよりも遥かに安全です。 言ってみれば予防接種で 免疫を作るようなものです。
また報告をしておけば、その後もご主人がRさんを信頼してくれますが、人づてで ”バレた”場合には そこからRさんがどう説明しようと、言い訳にしか聞こえません。

一度ご主人に彼のことを話せば、Rさんのように不幸を避けるメカニズムをお持ちの方でしたら、 それまで彼から感じていた満足感や優越感が、ご自身の幸せな結婚生活には不要で、リスクを冒すだけの価値など無いことを実感できるかと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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