Aug. Week 4, 2014
★ Crusheed Childhood Dreams
子供時代の過ちで嫌われていたら・・・


初めまして。とはいっても、ずっとサイトを愛読して、お買い物もさせていただいている者です。
いつも適切なアドバイスをされている秋山さんを信じて、私もご相談したい問題があります。

少し前に、お稽古事のクラスを通じて、小学校の頃の同級生と再会しました。
最初は再会を喜び合っていたのですが、クラスのお友達から、彼女が 私のことを「信用出来ない」とか、 「人を陥れるようなことをする」と 言っていることを知らされました。 驚いた私は、彼女に直接、私がそんなことを言われなければならないような事をしたのか?と訊いてみたところ、 最初は、彼女は「そんなことは言っていない」と とぼけていたのですが、 話を続けるうちに、「あなた私にあんな酷いことをしておいて、覚えていないの?」といって、 学芸会の衣装の話を持ち出してきました。

その学芸会の衣装のことは 私は忘れて暮らしては居ましたが、言われたら直ぐに思い出すような事件でした。
確か2年生くらいの頃だったと思うのですが、劇の衣装でチュチュが付いたバレリーナのようなものがあって、 その衣装には、青、黄色、グリーン、ピンクなどがありました。 クラスの女の子は皆、そのうちのピンクの衣装が着たいので、ピンクの争奪戦になっていたんですが、 ピンクを着ることになったのが、再会した同級生でした。
そのピンクの衣装は、とても人気があったので、皆がそれをこっそり着て 鏡を見たりしていたのですが、 たまたま私が その衣装を着てみた時に、こともあろうにファスナーが壊れてしまいました。 私が乱暴に扱った訳ではなくて、きっと皆が着るので、衣装が痛んでいたのではないかと思います。
でも、ファスナーが壊れたのが学芸会の前日で、どうしてもファスナーが直らず、同級生はそのピンクの衣装を着ることが出来ませんでした。 それで、彼女がファスナーが壊れたと知った時、そして修理が学芸会に間に合わないと知った時に、 大泣きしたので、私はすっかり悪者扱いで、まるで私がわざとファスナーを壊したように言われて、 少しの間とは言え、嫌な思いをしました。
当時少女マンガとかで、ドロドロしたジェラシーみたいなストーリーがありましたが、私がその悪役で、彼女が被害者という感じだったのです。

再会した同級生によれば、私はその時に謝らなかったそうで、彼女がどんなに傷ついていても 知らん顔だったそうです。 それで、どうやら私のことをずっと恨み続けていたような感じで、私は彼女のそんな小学校の学芸会の衣装のことが忘れられない 執念深さに驚きましたし、呆れてしまいました。 これから、どうやってクラスで彼女とお付き合いしていったら良いか分かりません。
確かにファスナーを壊したのは私ですので、今になってから、謝るべきでしょうか。 でもだからと言って、20年以上もたって、こんなことで悪口を言われる筋合いも無いという気もします。
子供の喧嘩の延長のようで申し訳ないですが、アドバイスをいただけると嬉しいです。 どうかよろしくお願いします。

−Y−





Yさんが再会した同級生に限らず、人間ならば誰もが、成長してからも まるで昨日の事のように思い出す 成長期の辛い経験、 嫌な体験があるものです。
大人になるプロセスで、様々なことを経験したり、人が巻き込まれたトラブルを見たり、聞いたりするうちに、 人間は 徐々にそうしたトラブルへの免疫が出来てきますが、 特に子供の頃は、ほんの些細なことが大事件に思えたり、 大人なら簡単に片付けられる問題への対処に何日も悩んだりということが珍しく無いのは、Yさんもご自身の子供時代で 経験済みだと思います。

Yさんの小学校時代の事件について言えば、お友達が被害者、意図していなかったとは言え Yさんが加害者という形になっています。 どんな年齢の時に起こった事件でも、被害者の記憶というのは 常に 加害者の記憶よりも遥かに鮮明なものですので、 同級生の方が 「Yさんが謝らなかった」と言っているのは、事実である可能性が高いと思われます。
また衣装のファスナーを壊されて、楽しみにしていた学芸会でそれが着られず、 ガッカリしていた同級生にとっては、それがその時点の人生で 最大の失望だったのかも知れません。

いずれにしても、良い事でも、悪い事でも 人間が何十年も前のことを鮮明に覚えているというのは、 それほどまでに 本人にとってインパクトが強い出来事であったからで、 どの出来事が 長く記憶に残るかについては 他人の考えや社会の常識が及ばない 本人の心の中の問題です。
ですから20年が経過して、元同級生が未だその時のことについて腹を立てていた場合、 「そんなことを20年以上経って持ち出してくるなんて」と考えるよりも、 「子供心に 20年以上も忘れられない、酷いことをしてしまった」という見方に替えることが、お友達と上手くやり直すためのファースト・ステップです。 その彼女と、お稽古事のクラスで上手くやって行きたいとお考えであれば、これはマストです。

Yさんにとっては、特に今となっては 「意図せず、衣装のファスナーを壊してしまっただけ」のことかもしれませんが、 当時、同級生が泣いていた様子を覚えていらっしゃるのなら、その衣装を着て、学芸会に出ることが 彼女にとって、如何に大事なことだったかを 思いやることは出来るかと思います。 2年生というのは、何でもかんでも、気に入らないことが起こる度に 泣くような年齢は超えています。
そうした出来事というのは ”執念深く覚えている”というより、”ショックで忘れられない” のです。 またその時の記憶が、 大人になってからの再会したYさんに対する 警戒心や先入観の 役割を果たしてしまうのは、それが良いか悪いかは別として、自然の成り行きのように感じます。

事件から何年が経過しても、心の傷には時効はありませんので、お友達が 「Yさんが当時謝らなかった」というのであれば、 Yさんがファスナーを壊したのは事実なのですから、まずは彼女に心から謝罪をすることをお薦めします。
言い訳がましくならない程度に、Yさん以外の当時のお友達も その衣装を着て鏡を観ていたほど人気の衣装だったこと、 Yさんもその衣装が着たかったけれど、決してファスナーを壊すつもりなど無かったことを 説明して、お詫びをするべきだと思います。 もちろん、口頭で上手く話せないと思う場合は、手書きのカードなどで 謝罪の意をお伝えするのでも良いと思います。

その上で、もし元同級生の方が理解を示してくださった場合には、何かサプライズのメークアップをすることもお薦めします。 この場合のメークアップとは、お化粧のことではなく 「償い」のことです。
例えば、ピンク色のチュチュを付けたテディ・ベアをプレゼントするとか、カップ・ケーキをピンクのチュールで、チュチュに見えるようにデコレートして プレゼントするなど、ちょっとした心遣いの品に メッセージ・カードを添えてプレゼントしてみると、そんな些細なことで心の傷が癒されることは多いのです。
でも、謝罪をしたのに 関係がギクシャクしている場合に、これをやってしまうと、あてつけているように思われて、 かえって心象を悪くするので、相手の気持ちをしっかり把握してからこれを行うことが大切です。

これとは ちょっとケースが違いますが、私のアメリカ人のお友達で 母親に嫌われて育ったという女性が居て、 彼女は一度もバースデー・パーティーをしてもらえずに子供時代を過ごしました。 彼女は、友達のバースデーに招待されて、友達がピンク色のケーキのキャンドルを吹き消して、 リボンが付いたプレゼントを沢山もらって、1日プリンセスのように振舞っている様子を本当に羨ましいと思って 見ていたそうで、 それを聞いた私と友人は、次の彼女のバースデーにサプライズ・ティー・パーティーをしてあげました。 この時は、ケーキもピンク、パーティー・ルームもピンクの風船だらけで、ピンクのコットン・キャンディ(綿アメ)を作って、シャンパンもピンク。 それ以外にも 彼女のためにピンクのヴェールが付いたティアラとピンクのブーケを用意してあげて、シャンパン以外は、 子供のバースデー・パーティーのようなお祝いでしたが、 その友達は 嬉し泣きをしながら感謝してくれました。 子供の頃から、そういうプリンセスのようなバースデー・パーティーをしてもらえないことを、本当にコンプレックスに感じて生きてきたのだそうでした。

それを思うと、子供の頃のコンプレックスや、不満、嫌な思い出や体験は、大人になってからでも 払拭できると私は考えます。
もし、Yさんが「そんなことで 未だに腹を立てているなんて・・・」という姿勢を見せれば、 元同級生の心の傷が癒されることは無いかと思いますが、 Yさんがきちんと謝罪をして、何らかの心遣いを見せたら、それによって同級生の過去のフラストレーションが 大きく軽減される可能性は大きいと思うのです。
人間関係というのは、諦めさえしなければ タイミングとやり方によって、 幾らでも修復のチャンスがあります。

Yさんの立場では、大人になってまで 子供時代の話で、一方的に悪口を言われて 面白くなく感じていることと思いますが、 結果がどうあれ、まずは元同級生に謝罪をして、歩み寄ってみてください。
心を広く持って、相手の気持ちに立って対処することで、Yさんご自身も今回のことから 様々なことを学べると思います。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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