Sep. Week 2 2017
★ "Age Is Just a Number"
"少し年上なだけで 私より老けた印象の友達に年寄り扱いされます"



秋山曜子さま、
キューブさんとは本当に長いお付き合いで、9・11のテロの時に知ったサイトなので、もう16年ずっと通い続けて、お買い物もさせて頂いています。 私も曜子さんに是非アドバイスを頂きたくて、思い切ってメールをすることにしました。
私は現在40代半ばです。このくらいの年齢になると、誰もが自分とは何歳か年齢が異なる人とでも普通にお友達付き合いをするものだと思いますが、 人によって年齢より若く見える場合もあれば、逆に老けて見える場合もあって、それはそれで私はとやかく言うつもりはありません。 それでも年齢が少し若いからといって、見た目が老ている人が自分より年上の人を 年寄り扱いするのにはいつもとても腹が立ちます。 数日前にも、老けた外観の友達に 頭に来るような侮辱っぽいことを言われて、その日はそのことを考えて眠れなくなってしまったほどです。

こんな風に書くと、まるで私が自分のことを若いと思いたがっている年寄りみたいに聞こえるかもしれませんが、 私はスキンケアにも気を遣って、ピラテス教室とかにも通って、年齢以上に老けない努力をしていても、特に若さに固執したり、 無理な若作りをするようなことはありませんし、若く扱われたいというというような願望もありません。 もちろん年齢より若いと言ってくれる人が居れば、少しは気分が良くなりますが、それによって自分が若いと思い込むようなこともありません。
ですが私よりも明らかに老けて見えて年齢に固執している友達が、私より4〜5歳ほど若いだけで 私のことや、私と同等の年齢の友達のことを 年寄り扱いする態度や言動をするのは凄く不愉快でなりません。 そういう事を言われる度に、「自分の方がよっぽど老けて見えるから、鏡でも見てみれば」と言いたくなるのをこらえるのに精一杯です。

こういう失礼な事を言う友達を上手く追い払う方法とか、こういう事を言われても平気でいられるような割り切り方は無いでしょうか。 私の心が狭いだけと言ってしまえばそれまでなのですが、いろいろと頭にくるようなことを言われて困っています。 もしそういう事を言ってくる友達が見た目も若々しいとか、少なくとも年齢相応であれば私も我慢するのが簡単だと思いますが、 その友達は私の知り合いの中でもかなり外観が老けて見える人で、それでいて自分が老けて見えるのを理解していません。
一時は、「良いわね、XXXちゃんは若くて」と皮肉で返したこともありましたが、本人が自覚していないだけに それを皮肉とは思わないようで、 益々調子にのって自分が若くて、私が年寄りという態度を取るようになってしまいました。 私はお手上げの状態なので、曜子さんにアドバイスを頂きたいと思いました。
我ながら大人げない質問だと思っていますが、何卒よろしくお願いします。

- S -





私は常日頃から 年齢&エイジングは 人によって最も自覚の度合いや価値観のギャップが激しいものだと思って周囲を眺めています。
かつて知り合いだった50代後半の女性は、彼女の顔のシミやシワをフォトショップで消した写真を受け取って、 彼女以外の誰もがエアブラシの絶大な効果を実感していたにも関わらず、 「あら、フォトショップしてくれなかったの?」と言ってその場を唖然とさせたことがあります。 逆にシミやシワが殆ど無い人が、肌の衰えをボヤく様子は珍しくありませんし、 「22歳に見える32歳の女性よりも、32歳に見えても実際の年齢が22歳の女性の方が良い」という男性は、年齢にこだわるアジア及び、東南アジア系の男性の間に少なくありません。 女性の中には、見た目で同じ程度の年齢だと思って喋っていた相手が 自分より何歳も年上だと知った途端に、 誉め言葉のつもりで「若い」を連発する人は少なくありません。 でもその「若い」という言葉の裏には、「年の割には」という意味合いがありますので、 言っている側が意図する、しないは別として、基本的には 年齢を基準に相手をジャッジする見下し的なポジションを取っていることになります。

同様の状況は体重や体型においても顕著に見られるものです。 どう見ても拒食症としか思えないほど細い人が、ウエストの皮膚を掴んで「脂肪が付き過ぎ」と嘆いたかと思えば、 私より10キロ以上体重が重たい女性が 「Yokoさんと私って、大体同じ体重よね」と、内心ギョッとするようなことを言ったりします。 また筋肉質な55キロの方が、脂肪体質の50キロよりもスタイルが良く見えたとしても、数字の上で より軽くなることの方が大切だと思っている女性は少なくありません。
見た目にさほど太っているとは思わなかった人の体重が 想像したよりずっと重たかった場合に、女性は往々にして 「そんなに体重があるように見えない」、「着痩せするタイプなの?」といったリアクションを示しますが、 それとてエイジングにおけるリアクションと同様で、「自分の方が痩せている」という潜在的な優越意識によるジャッジメントがそこに働いています。

要する世の中では 年を取っていたり、太っていることが ある種の弱味にとして捉えられる傾向がある訳で、 そのことは社会において老人が弱者と見なされることや、太っている子供が学校でいじめに遭う様子にも表れている通りです。 そして年齢、体重という数字が老化や肥満を示す確固たる基準として社会で認められている以上、 見た目がどうあれ、その数字で相手をジャッジする人々が多いのは仕方がないことなのです。
でも体重と年齢の違いは、体重であれば自分を見下す態度を取る人よりスリムになることがダイエットやエクササイズによって可能ですが、 年齢については 自分より年下の人は、どんなに頑張っても永遠に自分よりも年齢的に若い訳で、 年齢を基準にした優劣の関係は決して変わることはありません。

そもそも自分より年下の人に向かって エイジングについて説いたところで、年下の側は、「自分はそうならない」、「自分は大丈夫」としか考えませんし、 自分がルックス的に若いと認める年上の人についても、「自分がその年齢に達した時には その人より若く見えるはず」と楽観的に捉えているケースは少なくありません。
また自分より年上でルックスが若い人と 隣同士に並べられて、明らかに自分の方が外観的に老けている事実を見せつけられるような事があったとしても、 年齢という数値を持ち出してきて、「それでも自分の方が若い」と考えるのが人間というものなのです。
要するに、自分より若い人とエイジングについて競ったり、対立したところで、自分が年上である限りは 時間とエネルギーの無駄でしかないのです。 しかも当然と言えば当然ですが、年齢を重ねれば重ねるほど、どんどん年下の人間が増えていく訳ですから、 自分より年下の人間との 年齢についての比較や談義に関わるのは、相手の優越感を高めるだけで自分のプラスにはなりません。

加えて、エイジングや体重というのは 好んで話題にしたがる人が居る一方で、波風を立てない会話が最も難しいトピックでもあります。 自分が若く、スリムだと思っている人ほど、エイジングや体型について語るの好みますが、年齢と体重がコンプレックスになっている人は、 内心ウンザリして聞いているのが常です。またこれらは誰にとってもセンシティブな話題であるため、 ポジティブな気持ちで言った誉め言葉でも 周囲の目から見てそれが現実とかけ離れていると判断された場合には、 お世辞を通り越して皮肉と判断されることもあります。
頭に来る事を言われたために 言い返したリアクションが その場に居た人の記憶に鮮明に残るのもこうした話題ですから、 何をどう言ったところで、Sさんの人格を低めることはあっても、高めることはありません。 したがって日頃から年齢の話題には加担しないという姿勢を決めてしまって、 話を振られても「年齢の話題についてはノーコメント」というポリシーを貫いてしまう方が簡単で賢明と言えるのです。

かく言う私は アメリカ人の友達は殆ど私の年齢を知りませんし、尋ねられても言わない主義です。 というのも 私はヨガを何年も続けていますが、ヒンズー教においては長生きするためには自分の年齢を言ってはいけないだけでなく、 自分の年齢を意識することさえ控えるべきとされているとのこと。 なので、五体五感満足に125歳以上まで生きることを目標としている私は それを実践していますが、お陰で時々年齢を言わなければならないオケージョンで 本当に自分の年が分からなくなってしまうケースがあるほどです。
でも私自身は、”年齢相応”というコンセプトを嫌っていると同時に、実際の年齢よりも ライフスタイルやBMI、血圧のデータ等で算出する米国心臓協会の”Heart Age/心臓年齢”の方が 実際の身体の年齢を顕著に示すと考えていたりします。

上の画像の「18歳で年老いてしまう人も居れば、90歳でも若い人が居る。時間は人間が作り出したコンセプト」というオノ・ヨーコさんの言葉通り、 人間の若さは年齢に現れるものではなく、人間の成熟度も年齢とは無関係です。 人間は健康を保って 前向きに、夢や好奇心を抱き続ける限りは、何年歳を重ねたとしても それは人間として熟成し、完成度を高めるプロセスであって、 老化や劣化ではないというのが私の考えです。
ですのでSさんにもご自身のエイジングについてポジティブな見解を持って頂きたいと思いますし、「現在の自分が これまでの人生における自分のベスト」という気持ちで生きることが 無意味なエイジング談義からご自身を切り離すための最善のステップです。そしてその気持ちを裏付けるためにも 何歳になっても ご自身を磨き続けて頂きたいと思います。

Yoko Akiyama


このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

Shopping
home
jewelry beauty health apparel rodan

Q&ADV プライベート・セッション

PAGE TOP