Sep. Week 3, 2013
★ Unhappy Birthday?


いつも、このコーナーやキャッチなど、秋山さんの書くコラムを楽しみにしています。
私はフリーランスで仕事をしているのですが、同じ事務所で働く フリーランスの女性について ご相談したいと思ってメールをしています。
この女性を 仮にMさんとすると、Mさんと私は1年ほど前から顔見知りで、事務所で時々顔を合わせると挨拶をする程度の中でした。 Mさんは、きれいと言えば きれいなのですが、何となくあまり好感が持たれないタイプという印象がしていましたので、 特に積極的に仲良くしようと思ったことはありませんでした。
でも数週間前に ふとしたことから Mさんと一緒にランチをすることになって、 たまたまその日は予定が無かったこともあって、午後5時くらいまで2人で話し込んでしまいました。 その後も、フェイスブックで時々連絡を取り合っていたのですが、そうするうちにMさんが「37歳の誕生日が近付いてきたのに、 誰もお祝いしてくれる人が居ない」と言い出しました。 そう言われると、祝ってあげなければ いけないような気になってしまいましたが、私はあまりMさんを知りませんし、 フリーランスをしているくらいなので、お金も あまりありません。 ですので、「だったらウチでお祝いする? 料理が得意だから ミニ・パーティーだったらウチで してあげられるけれど・・・」と 言ったら、本当にその気になってしまって、Mさんの誕生日をウチでお祝いすることになってしまいました。

私は料理は本当に好きで、別の友達のためにも 家で料理を作って、お誕生日祝いをしたことがあるので、 それ自体は苦に思いませんでしたし、Mさんもメールで何度も 「楽しみにしている」と書いて来たので、 ケーキとロウソク、シャンパンまで ちゃんと用意をして、私なりには きちんと準備をしてあげたつもりで居ました。
そうして誕生日当日に、Mさんがウチにやってきたのですが、今まで見た中で、 一番ドレスアップしていて、ちょっとビックリしてしまいました。 Mさんは、逆に私が 普通に彼女を迎えたという印象を持ったようで、拍子抜けしているような感じを受けました。 そして「あれ、今日は私達2人だけなの?」と訊いて来たので、「他に誰が来ると思って居るんだろう? どういう意味なんだろう?」と 思いましたが、そのまま2人でシャンパンを開けて、私が作った前菜を食べ始めました。

話をしているうちに、Mさんが 私の誕生日はいつもどうやってお祝いするのか?と訊いて来たので、 「友達のグループとレストランで食事をするのが決まりで、誕生日の人の食事代を他のメンバーが 割り勘で払うことになっている」と説明したら、「だったら私もそのグループに入りたい。 そうしたら、こんなしみったれた誕生日祝いをしないで済むから・・・」と言い出しました。
私は内心、あまりにはっきりと「しみったれた」などと言われてしまったので、開いた口が塞がらない思いでしたが、 それに対して腹を立てる訳にも行かないので、無視してキッチンに行って、 メインのチキン料理と デザートにするはずの小さなバスデー・ケーキを運んできました。
というのは、言われたことに何となく気分を害したので、チキンを食べ終わったら、直ぐにケーキを出して、 「仕事があるから・・・」と言って 早めに引き上げてもらおうと思ったのです。

それで、平静を装ってチキンをお皿に取り分けていたのですが、 私が何か気に入らないことを言ったのか、Mさんが突然 キレテしまって、 「何よ、こんな誕生日パーティー! パーティーだって言うから、お洒落して来たのに、 こんな惨めな誕生日初めて!」と言って怒り始めました。
私も、そこまで言われてしまったので「パーティーを開くっていったって、私はあなたのことは全然知らないし、 共通の知り合いも居ないんだから、そんなこと出来る訳ないじゃない」と言い返したのですが、 Mさんは「パーティーを開くっていったら、自分の知り合いとかを何人呼んでおくのが普通でしょう。 2人で食事するのなんてパーティーじゃないわよ。せっかくの私の誕生日なのに・・・」と、さらに怒鳴られてしまいました。
私は本当にビックリしましたし、どうして良く知らないMさんのために私がパーティーをしなければならないのかも 分かりませんでしたが、 暫く落ち着こうと思って トイレにこもっていたら、 その間にMさんは居なくなっていました。

その日の夜は 本当に気分が悪くて、しかも変に興奮して明け方まで眠れなくて、「どうして良く知りもしない人に親切にしてあげた側が、 こんな惨めな思いをしなければならないの?」と涙を拭っているようなあり様でした。
誰かに話したい気持で一杯になったので、翌日、働いている事務所の人に、仕事を装った電話を掛けて愚痴ってしまいましたが、 その時に事務所の人に言われたのが、「Mさんって、そうやって恩を仇で返すようなところがある人なのよね」ということでした。
「もうMさんと関わるのはまっぴら」と思っていたのですが、その2週間後くらいに連絡があって、 今度は気持ち悪いくらいに丁寧に謝ってきました。 そして、埋め合わせに 私が行きたいと言っていた某レストランに連れて行ってくれるといっています。
友達に相談すると「散々嫌な思いをしたので、関わるべきでない」という意見と、「散々嫌な思いをしたのだから、ご馳走になっても 当然」という意見に分かれていて、どうしたら良いか自分では分かりません。

今のところMさんは 凄く下手に出ていて、私のことを 「親切で、良い友達であることが良く分かった」などと 言ってくれますが、あの誕生日の態度を思い出すと今も恐ろしくなります。 それと、ふと考えるとMさんは東京生まれの東京育ちです。 なのに地方から出てきたばかりの人のように、誕生日をお祝いしてくれる人が居ないというのは、 やっぱり何か問題があるという感じがしています。

Mさんとの友達付き合いについて、アドバイスを頂けたら嬉しいです。 よろしくお願いします。

−S−






私も過去に、人が親切にしてくれているのに 突然逆ギレしたり、気に入らないことに 怒鳴りだしたりする女性に 4人ほど遭遇したことがあります。
キレたり、怒鳴ったりというのは、自分が気に入らない事が起こった時に、感情をコントロール出来なくなって及ぶ行為なので、 4人とも共通して 非常に勝気で、短気な性格だったのを覚えています。 もちろん仲良くなる過程では、遠慮があるので そんなところは全く見せませんでした。 でも、そうやってキレたり、怒鳴ったりして、定期的に人間関係をぶち壊しにしているので、 全員、長く付き合っている友達は私が知る限りは居ませんでしたし、決して交友関係も広いという印象ではありませんでした。

4人のうち3人は美人で、その4人のうち2人は男性にはモテないタイプでしたが、一度は結婚したのはモテなかった2人。 でも2人とも、後に離婚をしました。
モテた2人は、長くて半年程度の付き合いばかりで、そのうちの1人が長続きしたのは既婚者との関係、 もう1人が長続きしたのは、ポルノ中毒の男性で、共に周囲にその仲を反対される度に、 怒鳴ったり、キレたりすることが珍しくありませんでした。

モテなかったうちの1人は、私がニューヨークに来たばかりの頃の知り合いですが、 自分の親や友達を、まるで使用人か 奴隷のように怒鳴りつける様子を見て、本当にビックリしたものでした。 考えてみると、そんな態度を取る人に出会ったのは、私にとってはそれが初めてでした。
そして、彼女を見ていて 「相手を怒鳴りつける」というのは、「相手を見下しているから出来る事」というのが良く分かったので、 以来、キレたり、怒鳴ったりする人とは距離を置いたり、一切の付き合いを絶ってしまうようになりました。 でも 付き合いを絶ってしまっても、後から 「良かった!」 と思うことはあっても、後悔したことは一度もありません。
というのも、そうやって キレたり、怒鳴ったりする人と 辛抱強く関わっている友達から、 酷い目にあった話を沢山聞かされるからですが、世の中には 怒鳴られたり、馬鹿にされたりしても、 何度も仲直りをしては、また同じような酷い目に遭う ということを繰り返している人は決して少なくありません。

この理由は、キレたり、怒鳴ったりする人は、その都度 交友関係を台無しにして、自分に友達が居なくなってしまうことを熟知しているので、 誰かが必要だと思った場合には、心を入れ替えたかのような態度と振る舞いで 取り入って来ます。 また一度怒鳴って 怒りを発散させた後は 良心が咎める場合も多いので、 そんな時は驚くほど 魅力や思いやりに満ちたようなアプローチをしてきます。 このため、それに少なくとも何回かは ほだされてしまう人は多いのが実情です。

Mさんについては、Sさんもお気付きのように、東京生まれで、東京育ちなのに、地方から出てきたばかりの人のように 東京でバースデーを祝ってくれる人が居ないというのは、やはり何かのシグナルだと思って然るべきだと私も考えます。
私は個人的に、長く付き合っている友達が居ない人や、あまり深い関係でもない人を 直ぐに親友呼ばわりする人は 信用しないことにしていますが、このポリシーで人の判断を間違ったことは殆どありません。

それとMさんのようなタイプは、「埋め合わせにレストランに連れて行く」といっても、それが「ご馳走してくれる」という意味ではない と解釈しておいた方が 賢明かもしれません。 Sさんが「自宅でバースデーをお祝いしてあげる」と言ったオファーを ”パーティー”だと解釈する人ですので、一緒にレストランに行ってみたら割り勘だったということがあっても不思議では無いと思います。
Sさんにとって、前から行きたいと思っていたレストランに出掛けるという目的が達成出来るのであれば、 それは それで良いかもしれないのですが、せっかくのレストランのディナーの際に また相手がキレたり、怒鳴ったりしないとは 限りません。
私のかつての知り合いは、一度怒鳴るようになった相手に対しては、そこがレストランでも、病院の待合室でも、 何処でも怒鳴っていて、「周囲が見るから みっともない」等と忠告しても、お構い無しでした。 怒鳴った後は、怒って帰ってしまったり、そのまま口を利かなくなったりする場合もありますので、 レストランで楽しいディナーをしようという場合には、Mさんのようなディナー・コンパニオンは避けた方が良いように思います。

人間には それぞれ様々な防衛本能が備わっていて、それは人間を見る目についても然りです。
犯罪の被害者は、「加害者を一目見た途端に何となく嫌な感じがした」と語っているケースが殆どですし、 多くの人々が 後でトラブルを運んでくる友達に対して、良い第一印象を抱いていないものです。
Sさんも、Mさんのことは それなりにキレイな人だとは思っても、「好感が持たれないタイプ」という第一印象を抱いていらしたことを思うと、 それが虫の知らせというか、本能が察知したことと判断するべきだと私は考えます。
交友関係は 過去に起こったことを考えて決めるものではなく、一緒に居て楽しい人間同士の間で自然に育つべきものなので、 無理をしなければ付き合っていけない関係に、余計な労力や時間を使うことは人生を難しくします。
その労力や時間を、もっと自分にとって大切な物や、大切な人、もしくは自分自身に対して使った方が、 遥かに日々の充実感が得られることは 私が保障する次第です。


Yoko Akiyama



このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください






執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


PAGE TOP