Sep Week 4, 2015
★ No Money, No Honey ?
お金が無くて女性と付き合えません


秋山曜子さん、こんにちは。
ボクは、20代の男性で、キューブ・ニューヨークを4年くらい愛読しています。 特にこのコーナーの 秋山さんの筋が通った的確でスパッとしたアドバイスが好きで、 以前のものを読み返したりして、勉強したり、力づけられたりしています。
何人か男性の質問にも答えている秋山さんに、是非相談に乗ってもらいたくて、メールをすることにしました。

過去4ヶ月の間に2人の女性にフラレたというか、別れることになってしまいましたが、どちらも 自分にお金が無いのが原因です。
1人目は、前から結構 良いなと思っていた女性で、何回かデートをしましたが、いつも食事や映画を自分が払うことになって、 一度も財布を出すそぶりさえ見せませんでした。 それでいて 自分で払う訳でも無いのに、今度はここへ行こうとか、あの映画が観たいとか言いますし、 言うとおりにしていたら、デートする度にどんどんお金が減っていくので、焦りを感じてしまいました。
それで、たまたま安いレストランで食事をした時に、「たまには割り勘にしない」って言ったら、「何で?今日、お金ないの?」と言われたんで、 「最初からそんな金持ちじゃないから、いつも2人分払うのはきついんだよね」と言ったら、 不服そうな顔をされたので、「じゃあ、いいよ。今日は払うから」と言って会計を済ませたら、「じゃあ、今度ね」といわれました。 その時の雰囲気が、何となくシラケた感じになって、こういう事を言うのは難しいと実感したんですが、 やがて、その「今度」が訪れる前に 何となく別れてしまいました。 誘っても 忙しくて断られるのが続いて、お金のことを言った直後からそうなったんで、 きっとこっちが食事や映画を払うからデートしていただけなんだろうと思ったら、誘う気も失せました。

もう1人の彼女は、最初のデートの時は財布を出して払う素振りを見せたんですが、最初のデートくらいは男が払うものかと思って こっちが払ったら、次のデートの時は、会計で財布を出しませんでした。それで、待っていたら いずれは財布を出すかと思っていたんですが、 まったくその気が無いみたいだったのと、次の約束の時間が迫っていたんで、その時も自分が2人分払いました。 でも腑に落ちなかったので、後でメールで 以前の彼氏はデートで食事とかを全部払ってくれたのかを尋ねてみたら、 「いつも払ってくれて、デートはそういうものだと思ってた」と返事をしてきました。 次に会った時に、自分はそんなにお金がある訳じゃないから 割り勘にして欲しいと正直に言ったら、 「割り勘ならこんなところで、食事したくなかった」、「そうならそうと、最初から言ってくれたら、もっと行きたいお店を選んだのに」と言われて、 次に会う時の店は彼女が選ぶことになりました。
そうしたら、やっぱりまたしばらく連絡が途絶えて、どうしたのかと思って電話をしてみたら 「いつもお金の話ばかりしているから、何となく 会ってても楽しくない」と言われて、少し冷却期間を置こうということになったんですが、それっきりになりました。

自分がもっと高い給料の仕事をしてたり、家が金持ちだったりしたら、デートの度に食事もタクシー代も払って、 誕生日に高いプレゼントをして彼女を喜ばせたり出来ると思いますが、 そんな経済状態じゃないので、デートの度に相手の女性が自分が払うものだと思っているかと思うと、 何となく気が重くなります。
世の中には、女性にデート代を払わせる男もいるというのに、自分にはそんなことは絶対できません。 特に最初のデートの時は、やっぱり印象を良くしたいですから、最初は払うものだと思っていますが、 その後からどうやって割り勘にしてもらったら良いかが分からず、恥をかきたくないと思って払ってしまうと、 クレジット・カードの請求書を見て後で落ち込んでしまいます。 もうちょっと稼ぎが増えるまで 女性と付き合うなってことなんでしょうか。
お金が無くて女性と付き合えないなんて・・・と思うと情けなくなりますが、 友達も似たようなことを言ってたりします。 女性は、お金が無い男性には魅力を感じないんでしょうか。 それとも自分のデートの仕方が悪いんでしょうか。
自分は、外観は普通だと思います。一緒に歩いていて、女性にみっともない思いはさせていないと思います。
何かアドバイスをしてもらえたら嬉しいです。 よろしくお願いします。

−K−





デートの際の食事やドリンクの支払いというのは、アメリカでもカップル間で暗黙、もしくはオープンな合意に達するまでに 気を遣う場合が多いのが実情です。 特に最初の段階では、相手の収入レベルや、相手がデート代の支払いについて どういう考えの持ち主なのかが分からない場合が多いので、 会計の度に相手の出方を窺うことになったりします。
その点、男性が女性より年上で、収入が遥かに多い場合は、 男性がデートの場所を選んで、その支払いをするというのが 暗黙の了解事項ですので、金銭面では極めてシンプルかつ、 オールドファッションな関係になります。
これは女性が年上で、女性の稼ぎが遥かに多い場合でも同様になります。

でも比較的若い、同じような年齢のカップルの場合、全てを同等に折半できるイーブンな関係の場合は問題が無いようですが、 女性の方が高収入で、男性が「カップル間のイニシアティブは自分が握るべき」という、昔ながらの考えの持ち主であった場合、 女性が好意で示した金銭的オファーを、男性が侮辱と受け止めたり、単にそれが気に入らないという理由から、仲たがいの原因になることは多いようです。
中には、最初だけ高額のデート代を支払うものの、カップルとしての関係が固まってきたら、 デートのバジェットを下げたり、割り勘にしたりという男性が居る一方で、 女性側も単なる交際関係の時は、男性が自分にお金を使えば使うほど喜ぶものの、 やがて結婚を話し合うような仲に発展した場合には、男性のお金を自分の近未来の財産と考えて、 デートで余計な無駄遣いをするよりも、貯金をして婚約指輪や結婚後の新居の頭金にして欲しいと考える場合もあれば、 男性がレストランでのディナーに大金を叩く様子を浪費癖と捉えて、危険信号と受け止める場合もあります。

ですが、私がKさんのメールを拝読して感じたことを正直に申し上げると、Kさんに欠落しているのは 金銭収入ではなく、 ご自分に対する自信だと思います。
Kさんは 何故ご自分が金銭的に豊かではないことを自覚しながら、デート相手の分も支払おうとなさるのでしょうか? 1人目の女性は、以前から良いと思っていらしたとのことでしたが、2人目の女性については、私がKさんのメールから受けた印象では、 「とりあえずデートをしてみた」程度のお気持ちだったように読み取れたのですが、 何故そんな女性とのデート代も 「最初のデートくらいは男が払うもの」などと、ご自分に言い訳をしながら支払ってしまうのでしょうか?
またお金があったら 「デートの度に食事もタクシー代も払って、 誕生日に高いプレゼントをして 彼女を喜ばせたり出来ると思いますが」とのことですが、何故女性をそうまで金銭的に優遇して、 金銭面で好印象を与えようとするのでしょうか?

これは「デートに払えるお金が少ない」という金銭コンプレックスではなく、自分に欠落している何かを金銭で補おうとしているように 見受けられます。したがって「自分がデート代を払わないと、女性がデートをしてくれない」とKさんがお考えになる理由は、 ご自分に自信が持てないため、もしくは自分のどんな魅力を生かして女性にアプローチするべきかを理解していないためと私は判断します。
逆に自分に自信がある男性は、デート代など自分が負担しなくても、女性は自分とデートしたがる と信じている(=理解している)もので、 私の学生時代の男友達は、若い独身女性と不倫をして、自分の方が遥かに稼ぎが多いにもかかわらず デート代を割り勘にしていましたし、 アメリカの大手金融機関に勤める知り合いの独身男性にしても、ヴァレンタイン・デイや相手の誕生日以外はデートは割り勘とのこと。 別の知り合いの男性は、ガールフレンドと交互に食事代を支払うのが、2人の間に自然に成り立ったルールだと言っていました。

男性がデート代を支払わないと 交際が続かないケースは、女性が「自腹を切って会うほどまでには、相手が好きではない」と考えている場合で、 要するに一緒に居ても、さほど楽しくない、心がときめかない関係です。 それは、女性側が「相手が食事代を払ってくれるのなら、 1人で自宅に居るよりもマシ」と思って出掛けるような間柄ですが、 Kさんはご自分の魅力を女性にアピールする以前に、自らをそんな男性像に落とし込んでいるように見受けられます。
またそれとは別に、最初のデートで 何も言わずに会計の支払いをすれば、女性に「この男性はデート代を支払うタイプ」と 判断されても不思議ではありません。 Kさんが 「最初のデートくらいは男が払うもの」と考えてお支払いをするのであれば、 「今日は初めてのデートなので、ご馳走させてください」 などと、Kさんが支払う理由を明らかにして、「あまりお金が無いので、この先は、そうそうご馳走することが出来ないんですが…」などと言っておけば、 「次回からは割り勘」というシグナルを 相手に対して嫌味なしに送ることが出来ます。
ですが 何も言わずに支払っておきながら、後からデート支払いについての質問をしたり、 デート代をしばらく払い続けた後に、突然、相手に割り勘を求めるというのは、女性が好むとは言えないアプローチです。
最初の段階でクリアにしておけば、何でもなかったことでも、 後からKさんが金銭的な危機感や この先の不安を感じながら話題にした場合、女性に対して Kさんがデート代を電卓で計算して、コストパフォーマンスをチェックしているような印象を与えかねません。 また、この類のお金の話というのは 楽しいものではない反面、インパクトが強いので、 Kさんがたとえ頻繁にお金の話をした訳ではなかったとしても、 女性側が「いつもお金の話ばかりしているから、何となく 会ってても楽しくない」という気持ちになっても不思議ではありません。

デートというのは、楽しい時間を過ごしながら、お互いを良く知り合うのが最初の段階の目的ですが、 一緒に居て楽しかったり、何となくフィーリングが合って、好感が持てれば、 女性はまたデートに誘って欲しいと思うもので、その時の食事やドリンクが割り勘だったところで、大きな問題にはなりません。

そもそも男女間では”Opposite Attract / オポジット・アトラクト”、すなわち自分と反対のものに惹かれるというセオリーが 時代を超えてまかり通っていますが、人間が自分に無いものを相手に求めるのは、 自身に欠落したDNAを相手から補給して、より完成された子孫を生み出そうとする本能レベルの欲求と説明されています。
同じことはDNAレベルでなくても、人間が無意識のうちに行っているもので、 母親の愛情を受けずに育った男性は、母親のように愛情を注いでくれる女性に惹かれるなど、 自分の人生や生活に欠落しているものを伴侶や、交際関係から得ようとするのが人間です。

したがって、金銭面での豊かさを最優先で男性に求める女性というのは、自分自身がお金に困っていたり、 金銭面で満足感や安定感、優越感を得たことが無いなど、何らかの金銭コンプレックスを持っている場合が殆どですし、 実際に 生活費を節約するために、特に好きな相手でなくてもデートをする女性も居ます。
アメリカでは財産目当てで大金持ちを狙って結婚しようとする女性を”Gold Digger / ゴールド・ディッガー”と 呼ぶ一方で、人からの金銭的な施しに 一方的に甘え続けて、何の恩返しもしない人(主に女性)を ”Freeloader / フリーローダー”と呼んで、 どちらも社会の嫌われ者ですが、もしKさんがデートをした女性がそんなフリーローダーだった場合、 相手が離れていったとしてもKさんには悲観する理由はありません。

私が尊敬するベンジャミン・フランクリンの語録に 「Having been poor is no shame, but being ashamed of it, is / 貧しいのは恥ずべきことではないけれど、貧しさを恥ずかしく思うのは 恥ずべきこと」 というものがありますが、その言葉通り 経済力が無い自分を恥ずかしいと思うことは、経済力が無いことよりもずっと恥だとみなされるべきことなのです。
現在のような金銭コンプレックスをKさんが抱いていたら、経済状態など考えずに Kさんのことを好きになってくれる女性を 逃がしてしまうと思いますし、この先、もしKさんがビジネスで成功して、財産を築いたとしても、 「財産は出来ても地位が無い」とか「お金はあってもコネクションが無い」など、自分に無いものばかりにフォーカスして、 常に何らかの劣等感を覚えながら生きる人生になってしまいます。

そもそもKさんは未だ20代と お若くて、これから経済力を付けて行く段階にある方ですので、 デート相手を金銭的に施せなくても、それについて悩む必要など全くありません。 それより、4ヶ月に2人の女性とデートが出来る ご自身の魅力にフォーカスしながら、 女性を大切にして、様々な思いやりや気遣いを見せることの方が、 お金を使うより遥かに大切なことです。金銭的な施しは、回を重ねるごとに有り難味が薄れますが、 優しさや包容力は注がれる度に 感謝の気持ちや幸福感が増すものです。
人の心や愛情、信頼はお金では買えない一方で、お金が無くても手に入れられるものだということを ご自分に言い聞かせて、自信を持って堂々と、そして無理の無いアプローチを女性にしてみることをお薦めします。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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