Oct. Week 2, 2015
★ How to Remove a Curse?
不運の暗示をかける嫌がらせに対抗するには?


友達にCube New Yorkのウェブサイトを教えてもらって以来、欠かさずアクセスしている大ファンです。
特に「キャッチ・オブ・ザ・ウィーク」とこのコラムは一度も欠かさずに読んで、知識を得たり励まされたりしています。 いつもタダで読ませていただいているお礼にと、先日2回ほどお買い物をしたのですが(BKのバッグと、CJのジュエリーです!) どちらも素晴らしいお品で、非常に良いお買い物をさせて頂きました。ありがとうございます。
お忙しいと思うのですが、私の悩みというか、問題にもアドバイスを頂けたら嬉しいです。

詳細は書けないのですが、女性が非常に多い私の職場で 新しいプロジェクトがスタートしました。 そしてそのプロジェクトのチーフに私が選ばれました。これは自他共に認めるサプライズでした。
それというのも、私の先輩がそのプロジェクトに物凄く乗り気で、既に自分がチーフのように振舞っていたためですが、 その先輩はプロジェクトのメンバーにもならず、別のプロジェクトに振られていました。
私としては、いくらチーフの立場でも 常に威張っているその先輩に指示をするのは難しいので、 先輩がチームにいないことは好都合でしたが、先輩側にしてみれば、自分が担当すると思っていたプロジェクトのチーフが 私になってしまって、自分がそのメンバーでもないことは かなり面白くないようで、 妨害のような横槍を入れてきます。

例えば先日、チームのメンバーの勘違いで、プロジェクトのプレゼンテーションにちょっとしたミスがあったのですが、 「滑り出しから 失敗なんて 幸先が悪いわね。おはらいでもしてきたら?」などと言います。
また別の時にも 予定していた通りに物事が進まなくて、そのプランが最初からやり直しになってしまったことがあったのですが、 「ついてないわね。神様が味方してないって感じ」と、何かにつけて、私の運が悪いとか、 プロジェクトが呪われているとでも言いたげなことを言って、チーム・メンバーが 落ち込んだり、気分が悪くなるようなことをあえて言ってきます。

先日は、私たちチームがカフェテリアでやっていたミーティングの様子を見に来て 「上司に しっかり見ていてあげるように言われているから」と、 まるで私のスーパーバイザーを引き受けているような素振りをしたので、 そんな事では困ると思って上司に尋ねたところ、上司からは「そんなことを言った覚えはない」といわれました。
恐らく自分がやりたかったプロジェクトを任されなかったので、ヤキモチを焼いているのだと思いますが、 事あるごとに、「最初から不運が付き纏っているプロジェクト」のように言われるせいで、 こちらに変なプレッシャーが掛かって、ナーバスになってしまいますし、チームのメンバーも同じように感じていると思います。
本人にどのくらい悪意があるかは知りませんが、わざとこちらが気になるような、後味が悪くなることを言うので、 呪いを掛けられているような気分です。
つい最近には、ある大役を任せたチーム・メンバーが、その日に限って体調を崩すというトラブルがあったのですが、 そんな時も、社内の他の人達は同情してくれたり、力になってくれようとしますが、その先輩は 「あーあ、何となく こんな事が起こりそうな気がしてた」と言っただけでした。

私はプロジェクトのチーフとして、こんな負の連鎖を招くような言動をやめてもらうように 先輩にはっきり言おうと思いますが、何かが起こった時はその対応に追われているので、そこまで手が回りませんし、 何て言ったら良いかも分かりません。
その先輩は、気が強くて、弁も達者なので、上手く言わないと逆に攻撃されたり、自分が悪いように見せかけられたりしかねません。 その強さのせいで上司にはあまり好かれていないようですが、下からは恐れられていて、 何か言われる度に、プロジェクト・チームが沈んでしまう感じがするのを危惧しています。

こんな先輩に一体どう抗議するべきでしょうか。また呪いを掛けるようなことを言われたら、どう振舞うべきでしょうか? 情け無いチーフと思われるかも知れませんが、責任職に就くのが初めてなので、どうしたら良いか分かりません。 ご指導を頂けたら嬉しいです。 よろしくお願いします。
それと、これからもCube New Yorkさんのご発展をお祈りしながら、ショッピングをさせて頂きます!

−S−





私はこのコーナーにご相談を頂く度に、セントラル・パークをランニングしながらアドバイスを考えることが多いのですが、 Sさんへのアドバイスを考えながら走っていた今日、突然左手に何かが当たったので 見てみると、鳥の糞が手の甲にこびりついていました。
私はティッシュペーパーなど持たずに走っているので、すぐに拭き取ることも出来ず、ランニングを途中で止める訳にも行かないので、 「まったく、何てこと ?! 」と思いながら そのまま いつものコースを走り終えて、パークを出た途端に ペーパーナプキンをもらうために 近所のデリに駆け込みました。すると、そんな私を見た店主や店内に居たお客が、 「ラッキーじゃないか!、おめでとう!、その幸運は拭き取らないで、そのまま宝くじを買いに行くべきだ!」と満面の笑顔で祝福してくれたので、 ナプキンは貰ったものの、その場で拭き取る訳には行かなくなってしまいましたが、 確かに鳥の糞に当たるのはイタリアだけでなく、アメリカでもラッキーと見なされるので、 「何か良い事が起こるかも!」と、逆に気分良く戻ってくることになりました。

Sさんの状況も同様で、アンラッキーな暗示を掛けられて、そのまま沈んだり、腹を立てたりしていたら、どんどんネガティブなムードになっていきますし、 何かが起こる度に、それを悪運と関連付けて、更なる悪運を招くことになります。 7月2週目のこのコーナーの”人生の負の連鎖を止めるには?” でも、アドバイスさせていただきましたが、 人はネガティブにフォーカスし始めると、”負の連鎖”が始まります。
プロジェクトのチーフがそんな考え方を持ち始めたら、プロジェクトそのものも負の連鎖に陥ってしまいますので、 考えをポジティブに切り替えると同時に、誰に何を言われようと、動じない精神力を持つことが大切です。

先月9月22日に死去したニューヨーク・ヤンキーズのレジェンドで、現役中に10回ワールド・チャンピオンに輝いたヨギ・ベラ(享年90歳)の名言の1つに、 「自分はスランプなんかじゃない。ただ打てないだけだ。」というものがありますが、 これは打率不振で メディアからスランプだと騒ぎ立てられた彼が語った言葉で、彼のユーモアのセンスと共に、 精神的な強さを象徴していたセンテンスでもあります。
そのヨギ・ベラの最も有名な語録の1つが、「野球は90%が精神力、残りの10%が体力」というもので、 これは彼が死去した日に、ヤンキーズのアレックス・ロドリゲスが 記者会見での追悼コメントでも引用していたもの。 プロ・アスリートの世界でさえ、精神力が実力の大半を占めるのですから、 ビジネスの世界でも、趣味や娯楽で何かに取り組む際でも、 物事をやり抜こう、やり遂げようと思ったら、一番大切なのが精神力なのです。

その精神力とは、常に 前向きに物事を考え、積極的に取り組む意欲、、トラブルや不運に見舞われてもそれを乗り越えて、そこから学んで 苦境をポジティブな経験に変える強さ、自分の力と運を信じて 幸運を呼び寄せる信念、周囲を味方につけて ムードを盛り上げる情熱です。
Sさんは、先輩の嫌がらせめいたコメントに不愉快な思いをなさっているようですが、 私の目から見ると、先輩はSさんがリーダシップを学ぶための格好のレッスンを与えて下さっているように思います。 チーフ=リーダーとしてチームを引っ張っていくためには、周囲の余計な雑音などに耳を貸してはいけないのです。
滑り出しにミスやトラブルが続いたとしても、そこから学んで、2度と同じ事が起こらないシステムを構築する機会が 早い段階で与えらたことを ラッキーだと思うべきです。 プロジェクトがフル稼働した段階でそうしたトラブルに見舞われて 不完全さが露呈する方が、チーフのSさんにとっても プロジェクト・チームにとっても 大きなダメージになることを思えば、スタート時点の問題を ”不運”などと言って落ち込む方が不適切なのです。

Sさんは先輩からの ”呪いを掛けるようなコメント”のせいで、自分が何とかしなければならない対象が その口の悪い先輩だと考えていらっしゃるようですが、 プロジェクト・チーフのSさんにとって、最優先で、そして全力で取り組むべきはプロジェクト自体です。 チーフのSさんが、何を言われても明るいリーダーシップを発揮して、チームを引っ張っていれば、 誰が何を言ったところで、チーム・メンバーは気にしません。 先輩のコメントでチームが落ち込んでしまうのは、Sさんが落ち込んでしまっているからです。
そんな横槍を入れてくる先輩にエネルギーや関心を注いだところで、プロジェクトには何のプラスにもなりません。 また抗議をすれば、明らかに先輩を敵に回すことになりますが、敵を増やすことがSさんやプロジェクトにプラスになるとは思えません。 チームのために 先輩の嫌がらせに対抗することがリーダーシップだと思っていらしたら、それは大きな間違いです。

先輩に対しては、何を言われても、快活にポジティブな返答をし続けるのが最も効果的です。 「おはらいでもしてきたら?」といわれれば、「ご提案ありがとうございます」と感謝して、 「何となく こんな事が起こりそうな気がしてた」と言われたら、「さすがに先を見通してらっしゃいますね」などと かわすだけで良いのです。
Sさんが腹を立てたり、悔しそうな素振りを見せる事無く、恐れられている先輩からの嫌がらせコメントをあっさりかわせば、 チームのメンバーは胸がスッキリしたり、Sさんへの信頼が増してくるはずです。
リーダーというのは 弱音を吐いたり、愚痴ったり、心配を顔に出してはいけない立場ですので、 辛いことや、ストレスを感じることが多いかも知れませんが、 Sさんがチーム・メンバーをサポートしたり、盛り立てたりしながら プロジェクトを進めるうちに、 「Sさんのチームで仕事をするのが楽しい」、「皆のために頑張っているSさんのために、自分も頑張ろう」という気持ちを メンバーが抱いてくれれば、士気が高まって プロジェクトも必ず成功するはずです。

チームが楽しく仕事をして、ムードが上昇してきたら、先輩の嫌がらせが耳に入らなくなる以前に、 先輩がそれ以上 嫌がらせを言うことが出来なくなるはずですので、 チームの勢いとプロジェクトの成功で先輩を黙らせるのを目標に頑張ってください。
そしてこの状況を乗り越えることは、Sさんのこれからのキャリアに大きなプラスになりますので、 目先の感情に捉われず、自分を鍛えるチャンスと考えて 取り組んでみてください。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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