Oct. Week 2, 2016
★ " Stop Showing the Video captured My Skirt Blew Up!"
私のスカートが捲れた映像をプレゼンで見せるなんて!


秋山 曜子さま、
長年コラムを拝読して、お買い物もさせていただいているファンです。 いつもサイトを楽しませていただいて、ありがとうございます。
私もご相談したいことがあります。

数カ月前にあるボランティアのような活動のお手伝いをしました。
野外のイベントで、風が強い日で、支給されたユニフォームのスカートが風でめくれてしまうので、 途中から着替えたのですが、着替える前のイベントの様子がビデオ撮影されていました。 その後、イベントの報告のプレゼンの席でそのビデオが映されましたが、 スピーチをする人が喋っている横に立っていた私と私の隣に居た女性のスカートが めくれて、下着らしきものが見えていたようなのです。
後から聞いた話では、そのビデオを見終わった人達が話していたのは そのスカートがめくれたシーンの話だけで、 イベントのことなどそっちのけだったそうで、私にそれを話した人は冗談交じりで、軽く受け止めているようだったのですが、 私はすっかり気分を害しました。 そこでイベントの主宰側の人に、「もうそのビデオを使わないでください」と念を押そうとしたら、 「そんなの無理だよ、これはイベントの記録だし、似たようなプレゼンが必要だったら またビデオを使うことになる」と言われて唖然としました。

私たちのスカートがめくれたシーンのせいで、見ていた人たちの関心が イベントのことなどそっちのけになってしまったのに、 それをまた使うなんてどうかしていると思いますし、私ともう1人の女性がみっともない思いをして不愉快な気持ちになっていることなんて どうでも良いと思っているところにも頭に来ました。
コンパニオンみたいにお金を払われてやっていたなら、諦めるしかないと思いますが、 頼まれて、無給でお手伝いしたことを思うと納得できません。 後日、お手伝いを頼んできた友達を通じて、再度抗議をしましたが 友達には「どの程度問題があるか、皆で拡大してチェックしたけど、大したことないから、このまま使っても大丈夫な感じだった」と 言ったそうで、「下着かもしれない場所にモザイク(ピクセルを粗くする画像処理)を掛けたら、スカートの下に何も着てなかったみたいに思われて、 かえってヤバいでしょう」とも言ったそうです。
私は、仕事と称して私たちのめくれたスカートの映像を拡大して男性スタッフが見ていると思っただけで吐き気がしましたし、 いつまたそのビデオが人前で映されて、私と隣にいた女性がいやらしい目で見られるか分からないと思うと、 本当に我慢できません。何か良い手立てはないでしょうか? アドバイスしていただけると嬉しいです。 よろしくお願いします。
これからも応援しています。お身体に気を付けて頑張って下さい。

- R -




Rさんが ボランティアでお手伝いしたイベントでの様子を捉えたビデオで不愉快な思いをされていらっしゃるご様子、お察し致します。
このケースでは、イベントのお手伝いをしているRさんがスピーチをしている人の横に立っていたという公の場での映像なので、 法的には主催者側がそのビデオをイベントの記録やプレゼンテーションに使うことには問題はありません。
ですが女性のスカートが捲れて、たとえ下着が見えていなくても脚が露出している姿、 それも水着やレオタードのように、最初から特定のボディ・パーツを露出する意図で着用している衣類ではなく、 アクシデントでボディ・パーツが露出した映像を、好意でイベントのお手伝いをした本人の意に反して使うというのは、 モラルが欠落している行為だと思います。

そのビデオを使用する側の意図が 純粋にイベントの記録やプレゼンであったとしても、 実際にその映像は性的な興味を煽るイメージとして見る側に捉えられてしまった事実がある訳ですから、 Rさんがご指摘になっていたように、その映像が含まれていることで、かえって本来の目的を果たさない内容になっているのは紛れもない事実です。
また、男性にとっては「大したことは無い」と判断する映像であっても、女性が見た場合には 映像から受ける印象だけでなく、 自分のスカートが風で捲れた記憶や経験がよみがえって、自分のことのように恥ずかしく感じるケースは少なくありませんので、 その映像に女性軽視、女性蔑視などのオフェンシブなメッセージを見出しても不思議ではありません。
Rさんのメールからは、主宰者側は捲れたスカートから下着が見えていなければ問題ないと判断している様子が伺えましたが、 もし主宰側がそれを基準だと考えている場合は、組織そのものに問題があるとも言えます。

Rさんがお手伝いされたイベントがどのような主旨のものかは分かりませんが、常識的なオーガニゼーションであれば、 こうしたことを抗議されてまで映像を使用する必要は無いはずです。
それでも まだ映像を使用すると言われた場合は、モザイクを捲れたスカートの部分に使用するのではなく、 Rさんと もう1人の女性の顔の部分もしくは、2人の画像全体に使うよう要求するべきです。 そうすれば、そのビデオを新たに観る人に対しては Rさんのプライバシーが守られますし、 顔だけを画像処理しただけでも、遥かにイメージのインパクトが薄れますので、 主宰者側にとっても、ビデオを意図した通りに見てもらえるというメリットがあります。

もし、主宰者側がその映像のエンターテイメント・ヴァリュー、すなわち「女性のスカートが捲れた映像が加わっている方が、 見る側にとって刺激になる」というような言い分を展開するようことがあれば、 アメリカ社会であれば、自分の映像が本来の目的と異なる用途に用いられているとしてRさんが訴えを起こす権利が生じます。 これはRさんがイベントの関係者で、ビデオがそのイベントを捉えたものであっても、 そのイベントが「風に煽られるスカートの撮影法」のレクチャーでもない限りは、Rさんはその映像を無許可で本来と異なる目的で使われた ダメージを請求することが出来るのです。
でもアメリカ社会であれば、Rさんが抗議をするまでもなく問題となりそうなシーンはあらかじめカットしたり、画像処理をして公開するのが通常です。 また問題シーンを映像処理の関係者以外が興味本位で画像を拡大してチェックした場合、たとえ本人不在で行われた場合でもそれは立派なセクハラですし、 それを行ったことを本人にフィードバックすることもセクハラと見なされます。セクハラという定義が世界共通である限りは、 これは日本社会とて同様です。

日本のカルチャーにおいても、現在は以前に比べると女性蔑視や差別にどんどん厳しくなってきているので、 あらゆる組織や団体が こうしたモラルに敏感になるべきだと思います。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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