Oct. Week 2 2017
★ "How To Turn Enemies Into Friends"
"自分を嫌っている人に好感を持たれるようにするには、どうしたら良いのでしょうか?"



秋山曜子さま、
このコーナーを始めとする秋山さんのコラムの大ファンで、毎週欠かさずに読んでいます。私もアドバイスが頂きたくてメールをしました。
職場とプライベートで、明らかに自分を嫌っている人(同一人物ではなくて、1人ずつ別々の人です)が居て、どちらもその原因は分かりません。 私は何とか上手くやっていこうと思って、努力をしているのですが なかなか上手く行きません。 良かれと思ってやったことが裏目に出て、かえって嫌われる原因になったりして、もう何ヶ月も私のストレスと悩みの原因になり続けています。 その人たちのせいで何となく萎縮してしまう自分を感じて、何とかしたいと思いながらもどうすることも出来ないので、思い切って秋山さんにご相談しようと思いました。

自分を嫌っている人に好かれるために、心掛けるべきこととか、その人にどんな態度を取ったら好かれるようになるのか等を教えていただけないでしょうか。
私は人の好き嫌いはあまりありませんし、周囲とは万遍なく上手くやっていきたいので、何とかその気持ちを分かってもらいたいと思っています。 アドバイスよろしくお願いします。

- T -





Tさんがお幾つでいらっしゃるかはメールには記載されていませんでしたが、年齢に関わらず出来る限り早く理解しておいた方が良い人付き合いに関する ベーシックは以下の5つのポイントになります。

以前、社交に関するご相談を頂いた時にも書いた通り、1日は誰にとっても24時間しかなく、 その中で 睡眠、仕事、通勤を含む移動、食事、雑多な用事や日課、身だしなみを含む日常のメンテナンスなどを行うと、 一般の大人には自由に使える時間がごく僅かしか残されていません。 社交はその中で行うものなので、出来る限り効率良く、自分にプラスになる形で行っていくべきというのは、時間に追われる現代人ならば誰もが考えることだと思います。 その見地から言えば、人付き合いにおいて最も時間と労力の無駄と言えるのが、自分のことが嫌いな人間に自分を好きになってもらおうと努力することなのです。

Tさんは”私は人の好き嫌いはあまりありませんし” とメールに書いていらしたのですが、本当にそうでしょうか? 人間は誰もが 好きな人と嫌いな人、特にどちらでもない人という 大きく分けて3つのカテゴリーで 自分の人間関係が構成されているものです。
”人の好き嫌いが無い”というのは、 分け隔てなく、皆と上手くやっているとも受け取れる表現ですが、同時に嫌いな人も居ない分、大好きで信頼出来る人も居ないというようにも受け取れますし、 Tさんが「誰とでも仲良く、上手くやっていこう」という無理なタスクを自分に押し付けているスローガンのようにも聞こえます。
でも実際にはTさんとて、相手が自分を嫌っていることを察知して その人達との付き合いに苦手意識やストレスを感じている訳で、 それは世の中一般では”嫌い” というカテゴリーを意味するのです。
ですから、まずはTさんには

ということを悟って頂きたいと思います。 それを悟って 現在のTさんをがんじがらめにしている社交についての義務感やオブセッション(強迫観念)を払拭すれば、これからの人生の負担やストレスが大きく軽減されるはずです。

そもそも人間というのは一言も口をきいたことが無くても、見た目だけで好き嫌いの判断を下しますし、 噂話を聞いただけでも好き嫌いの印象を抱くものです。 「何となく嫌い」、「雰囲気が好き」というように実態も理由もないまま、 好き嫌いが決まるのも ごくごく当たり前のことなので、自分が思い当たる理由がないまま 相手に嫌われたとしても 全く不思議ではありません。
もし自分が嫌われた原因が明確である場合は、 その原因を取り除いて、問題をクリアにすることによって人間関係を修復することが可能ですが、 原因も理由も分からない相手の苦手意識や、偏見、気まぐれに働きかけて 上手くやっていこうと努力するのには最初から無理があるのです。

自分のことを嫌う相手に対して出来る気遣いがあるとすれば、その相手と関わらないことです。 世の中には嫌いな人間と一緒に居たいと望む人など居ませんので、自分が嫌われていると知りつつ、相手に取り入ろうとしたり、 自分の好意をアピールしようとするのは逆効果です。 そんな直接のアプローチをしてもダメな相手に対しては、間接的に有効なアプローチをするのが一番なのです。
世の中において自分が嫌いな人とでも上手くやっていかなければならないケースというのは、嫌いな人間が上司や先輩など自分に対してパワーや影響力を持つ場合や、 逆に相手が弱者で人道的な立場から助けたりサポートしなければならないケース。 そうでない場合は、自分が好きな人間、世話になった人間に 義理立てしなければならないケースです。 ですので、Tさんを嫌う相手が仲良くしている共通の友人と Tさんが上手くやっていく事がこうしたケースでは有効な解決策と言えるのです。
このやり方であれば、Tさんは自分を嫌う相手と関わらずして、表面的にはある程度上手くやっていける訳で、 Tさんとその相手の関係はその程度で十分なのです。 もちろん人間というのはひょんな事から、以前嫌っていた同士が突然仲良くなるケースもありますが、それは片側だけが努力したところで始まらないものです。

アメリカのビジネスマン&ビジネス・ウーマンの中には 「自分を嫌う人間が居てくれた方が、人脈や交友関係が自然に淘汰される」と合理的に考える人は多く、 確かに 誰とでも広く付き合ったところで 本当のコネクションと呼べる協調関係や協力関係が築けないのは事実です。 また人と上手く付き合って行くには、Eメールやメッセージを返して、イベントや食事に出かけて、時にギフトを贈る等、 時間や労力、気遣いを要する訳で、それらは自分にとって有益な人間関係のみに絞っていかない限りは、 社交の奴隷のような生活になってしまいます。
そもそも社交&人付き合いというのは、一緒に楽しい時間を過ごしたり、会話の中から学んだり、アイデアを得たり、 情報を交換するなどして 自分の生活を豊かにする一方で、ビジネス拡大等、個々の夢や目的達成に向けたネットワーク構築のために行うものであって、 人に好かれるためにやるものではありません。 人に好かれるために社交をしている人ほど、往々にして派閥を作りたがったり、自分の評判を気にするので、 一緒に居ても噂話ばかりを聞かされるような非建設的な付き合いをしているものなのです。

逆に社交を人生に上手く生かしている人は、時間や労力を有効に使って人付き合いをしています。 たとえば、食事やイベントへのお誘いメールが届いた場合でも、直ぐに返信すれば どんな短く、簡単な返事でも、 予定を立てる側は助かる訳ですし、そのお誘いを嬉しく思う気持ちなどは 返信のスピードによって相手に伝わります。 ですが時間が経過してから返事をすれば、返事が遅れた言い訳などを含めて相手の心象を気遣う文章を書くことになりますので、 時間も手間もかかります。また誘った側は返事を待つ間は 予定が立たないので、気を揉んでいるうちに 「主催者の立場を考えない身勝手な人」と思うかもしれませんし、 「自分が直ぐに返事をするに値しない 優先順位の低い友達として扱われている」等とネガティブな思いを巡らせるケースさえあるものです。
そんなメールへのリアクション1つに現れる姿勢が、更なる有益な交友関係を生み出すケースもあれば、 その関係を築き損ねるきっかけにもなるので、 Tさんには周囲の1人1人が自分をどう思っているかを気にするよりも、どんな相手にも有効に働きかける社交術を自分なりに考えて実践することに 貴重なお時間を使って頂きたいと思います。

そのためには社交の指南本などよりも、実生活の中の社交上手から学ぶのが一番ですので、自分の周囲を見回して お手本になる人をフォローしてみることをお薦めします。 特に、初対面の第一印象は人の好き嫌いのジャッジメントに大きな影響を与えますので、 そこで好印象を与える工夫は大切ですし、好印象を与えても相手がそれを忘れてしまっては意味が無いので、 記憶に残るインパクトのある好印象を心掛けてみて下さい。
その結果、自分の第一印象に自信が持てるようになれば、 それでも自分を嫌う人が居た場合でも、「この人は自分とは相性が悪い」と思うだけで、 上手くやっていくためのストレスなどは一切感じなくなるものと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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