Oct. Week 3, 2015
★ Breaking Up a Bromance...
ブロマンスを断ち切る方法 !?


秋山さん、初めまして。
29歳の男性です。仕事でニューヨークに関する検索をしていた時にCube New York見つけて以来、愛読し始めて2年ほど経ちます。
最初はアメリカの様子が良く分かるキャッチ・オブ・ザ・ウィークを熟読していましたが、このコーナーを読み始めてすっかりハマってしまって、 過去のアドバイスを全部読んで、すっかり秋山さんを尊敬しています。
情け無いながら、自分も秋山さんにアドバイスをお願いしたくて、思い切ってメールをしました。

自分は20代なのにバツイチで、別れた妻とは 結婚して2年弱で離婚しました。元妻とは友達の結婚式の2次会で出会って、とんとん拍子で結婚したんですが、 結婚生活の賞味は1年くらいででした。
仲間の間では2番目に早い結婚だったんで、結婚式の時とかは仲間が張り切って2次会まで仕切ってくれて、 妻は仲間の男性に囲まれて、チヤホヤされているのが気分が良かったみたいで、結構喜んでました。
それが様変わりしたのが、結婚して半年くらい経った頃で、仲間と時間を過ごしすぎると文句を言われて、 ある日 大喧嘩になりました。 交際中は、全く喧嘩などしたことが無かったので、その時は正直言って 妻の気の強さにビックリしましたが、 妻の言うことに一理あると思えたのは、週末はいつも仲間とスポーツ観戦やコンサートなどに出かけて、 平日は仕事か、そうでなかったら職場の連中と飲みに行ったりが多くて、 あまり夫婦が一緒に時間を過ごしていませんでした。

仲間は学生時代のスポーツ・チームからの繋がりで、大学時代は合宿や旅行まで常に一緒で、 しょっちゅうお互いの家に泊まりに行くような間柄だったんで、 深い絆というか、誰よりも自分を理解しているのが学生時代からの仲間です。
自分にとって仲間との友情が大切なことは随分妻に説明しましたし、時には仲間と出かけるのを諦めて 妻の実家の行事とかにもきちんと顔を出して夫らしく振舞おうとしましたが、妻には「私より友達の方が大事なんでしょ」と言われ続けて、 結局 別居して、 そのまま離婚になりました。

夫婦らしい夫婦ではなかったとは言え、離婚届に判を押した時は さすがに落ち込んでしまい、 「俺は何をやっているんだ」と思いましたが、その時の仲間のリアクションは 独身に戻ったのを祝ってくれただけで、 その時に「こいつらは、未だ結婚ってものの重みを理解して無いな」と思いました。
仲間の間では、自分達の男の友情に理解を示してくれることが、彼女や結婚相手の条件みたいになっていて、 誰かが新しい彼女と付き合い出すと、皆に紹介する飲み会があって、そこで仲間達が 男の友情が如何に大切かをレクチャーするのがイニシエーションみたいになってます。

ところが今年の初めに、仲間の1人が結婚した時、また例によって仲間同士が手分けをして、披露宴の司会から、 2次会の仕切りまでやっていたんですが、花嫁側の祝辞で、 「新郎はかなり男の友情の結束が固いみたいですが、年齢を重ねて行った時に、本当に自分を支えてくれるのは 伴侶ですから、男の友情はほどほどにして、新婦を大切にしてください。」という警告のような言葉が出てきて グサリと刺さりました。 自分の親を見ていても、母親無しでは 父親が生きられるとは思えません。その逆は大丈夫だと思いますが。
その祝辞は仲間の新郎にも深く刺さったみたいで、結婚してからその新郎はあまり 仲間の集りに顔を出さなくなりました。 別の仲間は「男の友情に理解が無い奥さんなんかと結婚すると、段々村八分になるんだよ」などと言いますが、 自分はその方が将来のためかもしれないと思うようになりました。
自分のことは 仲間の目からは、「男の友情を理解しない妻と結婚して失敗した奴」ということになっているんで、 「今度こそは ちゃんと理解があるのを見つけて、結婚しないとな」と言ったり、 仲間の彼女に向かって「男の友情に理解を示さないと、コイツの奥さんみたいに離婚されちゃうよ」 と言ったりしますが、それを聞くたびに不本意な思いをしてます。

実は、今好きな女性が出来てやっと上手く行き始めたところです。 仲間には内緒にして、仕事が忙しいことにして彼女とデートをしていて、 少なくとも今は未だ仲間には紹介したくないと思ってます。 また失敗を繰り返したくないこともあるんですが、正直なところ 彼女と仲間が一緒にいる席で、どう振舞って良いか分からなくなってきてます。 友情は大切ですが、結婚式の祝辞のように本当に支えてくれるのは伴侶だと思うと、 どこで一線を引いたらよいか分からなくなっているからです。
仲間と上手くやりながらも、女性ときちんと付き合っていくにはどうするべきなんでしょうか。 何でも、どんなことでも構いませんので、女性の立場からアドバイスをしてもらえないでしょうか。 よろしくお願いします。

−K−





Kさんがメールに書いてくださった状況はアメリカで言う、典型的なブロマンス(Brother と Romance を合わせた造語)の状況です。
ブロマンスというと セレブリティで例を挙げるならば マット・デイモンとベン・アフレックのように男の友情で結ばれたカップルを指す言葉ですが、 それがグループであってもやはりブロマンスで、アメリカの女性の間では、「ブロマンスをしている男性とは 関わらない方が良い」と言われるほど、恋愛の障壁になるものです。
というのは 浮気に等しいほど交際相手の男性の時間や関心を奪っていくにも関わらず、ヤキモチを焼いたり、 文句を言おうとしても、相手は友達であって 浮気相手ではないので、自分の方が了見が狭いと見なされたり、 コントロール・フリークだと思われるなどして、煮え切らない思いを強いられるケースが多いからです。

カップルのブロマンスと、グループのブロマンスでどちらが性質が悪いかと言えば、私の意見ではカップルのブロマンスです。 私が90年代にCube New Yorkの前身になるビジネスを一緒にスタートした2人のアメリカ人パートナーは、ブロマンス状態の大親友でしたが、 当時の私はそのうちの1人と付き合っていたので、女性の立場から見たブロマンスの厄介さはとても良く理解しています。 私は彼らとはもう一切の関わりがありませんが、彼らは今もブロマンスを続けていると思います。
それに比べて、グループのブロマンスの方が遥かにブレークアップするのが簡単であると私が考えるのは、 ある程度の年齢になると、何時までも学生時代のような友達関係ではいられないことに気付いて、 1人抜け、2人抜けしていくうちに、グループ・ブロマンスが崩壊するケースが殆どだからです。

私の知人に、かつてグループ・ブロマンスのメンバーであった男性が居ますが、彼の場合も 「この連中と一緒に居たら、一生結婚できない」と悟って、ある時から きっぱりメンバーと付き合うのをやめて、 ガールフレンドとの交際を優先させてた結果、今は結婚して 2人の子供が居る家庭を築いています。
結束の固いブロマンスのグループには、必ずと言って良いほど ”男の友情の大切さ”を 常日頃から唱えているヴォーカルな存在が居るものですが、 その訴えが功を奏するのは、メンバーが未だ若くグループ・ブロマンスに属していることが 自分のサポート・システム、すなわち自分が孤独にならないための状況だと信じている時期だけです。

Kさんもメールに書いていらした通り、Kさんの仲間は、未だ結婚というものの重みや意味を理解していない段階なので グループ・ブロマンスに属する価値を見出しているようですが、自分の周囲が段々と結婚して 自分が取り残されていく思いをするのは女性だけではありません。 あるアメリカのコメディアンが、男性が結婚する理由について 「誰も バーで1人でたむろす年寄りにはなりたくないから…」 と説明していましたが、最後に1人で取り残される状況になりたく無い気持ちは、男性の方が女性より強いかも知れません。 というのは、Kさんがご両親について書いていらした通り、女性は1人でも生きられますが、男性でそれが出来る人は極めて少ないのです。

Kさんの年齢を考慮すると、現在Kさんがグループ・ブロマンスに対して抱えていらっしゃる問題は あと1年もしないうちに解決するというのが私の見方です。 グループの仲間だけでいるときは、ブロマンスに価値を見出すように振舞っているメンバーも、 30歳を迎える段階になったら、自分の財産や社会的地位、自分の家族といった安定した環境を築くことに本腰を入れる必要が出てきますし、 周囲が自分を見る目も変わってきますので、ブロマンスに対する考えを改めざるを得ない状況になります。 グループ・ブロマンスの仲間は飲み会をしたり、スポーツ観戦の時などでは一緒に居て楽しい存在ですが、 それ以上の存在にはならないことを悟らざるを得ない年齢に Kさんの仲間も差し掛かっているのです。
人生を一緒に過ごして、その過程でお互いを支えあう関係、住む家から財産までシェアする関係になるのが伴侶ですが、 Kさんが離婚する羽目になったのは、結婚してからも独身時代とさほど変わらない状況でグループ・ブロマンスに興じていた過ちが原因です。 グループ・ブロマンスに理解を示さない奥様に対してKさんが見切りをつけたのではなく、 まるで学生時代の続きをやっているかのようにグループ・ブロマンスを断ち切れなかったKさんに対して奥様が見切りをつけて不仲になったのが実情です。

ですから 現在お付き合いを始めた女性との仲を大切にしたいとお考えでしたら、まず過去の過ちをご自身の肝に命じて、 常に交際相手の女性との仲を最優先で考えることをお薦めします。 一度、優先順位がKさんの中で明確になれば、あとはそれにしたがって行動するだけで良いのです。 Kさんには、離婚の苦い経験があるのですから 「男の友情を優先させ過ぎて結婚に失敗した」と 仲間にはっきり宣言して良いのです。 Kさんがそう宣言することで、もっと楽に女性とお付き合いできるようになる仲間もいるかもしれません。
メールには、Kさんが不本意な思いをしながら、仲間が勝手に思い込んでいる言い分を聞き流していらっしゃるご様子が書かれていましたが、 それは既にKさんの心がグループ・ブロマンスから離れつつある証拠でもあります。 思っていることをはっきり言えないような友達との関係に捉われながら、好きな女性と交際する必要などありません。

そもそも夫やボーイフレンドが自分よりも 男友達を優先しても構わないと女性が本気で思っているのであれば、それは夫やボーイフレンドに対する 関心が失せている証拠ですので、その女性が自分の人生のパートナーになってくれるなどと思っているのであれば、 男性側は考えが甘過ぎます。 そういった身勝手な考えで女性の存在を軽視していたら、一番支えて欲しい時に見放されたとしても それは男性側の自業自得としか言いようがありません。
人生においては伴侶も、仲間も大切ですが、それぞれが違った意味で大切なのであって、 同じテリトリーを争うものではありません。仲間達がどんな女性と交際したり、結婚したとしても、 友達である限りは、もっとフレキシブルな形で友情を続けることが出来るはずです。

前述のように、現状を放置していても やがて仲間が悟る日が来るので、 それまで待つか、それとも Kさんがそれを仲間に呼びかけるかは、 ご自身の判断だと思います。その結果、今までずっと付き合ってきた友達と一時的に疎遠になったとしても、 それがお互いの友情を見直す好機会になる場合も多いのです。
ですから、仲間との関係はあまり深く考えずに、今は意中の女性との関係が上手く行くように務めるのがベストだと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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