Oct. Week 4 2017
★ "I'm Tired of My Life"
"変化が無く、平凡で 先が見えている自分の人生に疲れてしまいました"



秋山曜子さま、
久しぶりにCUBEさんのサイトにアクセスして、このコーナーを読むうちに私も是非アドバイスを頂きたいと思ってメールをすることにしました。 誰にも話せないことで、見ず知らずの方にアドバイスをお願いするのもどうかと思ったのですが、秋山さまの過去のアドバイスを読ませて頂いて、私にも 親身で、現実的で、厳しくても優しいお言葉がいただけたらと思っています。

私は、半年ほど前から自分が死んだらどうなるだろうと考えるようになりました。 自分がこれから結婚する訳でもなく、したい訳でもなく、このまま今の仕事を続けてもどうなることも無く、平凡で変化のない毎日が何となく過ぎていくだけで、 気分転換をするような経済的な余力も無くて、いつも疲れています。 身体が疲れているのもありますが、自分の人生に疲れていて、以前はライフ・コーチの指導を受けたり、タロット占いに将来の予測をしてもらったりして、 自分を騙し騙し生きてきましたが、もう自分に元気を出させるネタが尽きてしまいました。今から思うとそんな馬鹿らしい事に使ったお金で海外旅行でもすれば良かったと後悔する原因になっています。
私の場合、死にたいというような自殺願望ではなくて、どうせこのまま生きていても今の延長でしかなくて、それが楽しい訳でも何でもないなら、 どうしてこの先も生きてくべきなんだろうという疑問のようなものです。

こんなことを書くと 秋山さまは驚くかもしれませんが、私は友達が居ないとか、孤独という訳ではありません。 職場でもごく普通に振る舞っているので、誰も私がこんな事を考えているなんて知りません。 だから尚のこと誰にも相談できなくて、いつも普通を装っているのにも疲れています。
こんな私でも今から前向きに生きられるでしょうか。 秋山さまの以前のアドバイスの、「自分が幸せになれないなら、せめて他人を幸せにするべき」というのを読んで、私もそうしたいと思いますが 何となく私はそういう人と深くかかわるタイプじゃなくて、表面だけ上手くやって行くタイプなので、人も助けないけれど、人に助けられることもない人生を送ってきた感じです。 ですので、それが今から変えられるとは思えません。
とりとめのないことを書いているのは承知ですが、何かアドバイスをしていただけないでしょうか。 よろしくお願いします。

- T -





メールを拝見した私の第一印象はTさんが 頭脳明晰でいらっしゃるということで、そんな頭脳明晰な方は 英語で言う「ミッドライフ・クライシス」、 すなわち”人生の真ん中の危機” をこうした形で迎えることがあるように思います。 その英語では ”疲れる”という言葉も、”退屈する”という言葉も 共に「Tired」ですが、私がお見受けした限り、Tさんは人生に疲れているというよりも、 退屈しているという印象を受けました。

「半年ほど前から自分が死んだらどうなるだろうと考えるようになりました」とメールに書いていらしたTさんご自身が、 「死にたいというような自殺願望ではなくて」と書いていらした通り、 私はTさんの自殺は全く心配していません。Tさんは現在の人生に退屈して、自分が確実に歩むと予測する人生とは異なる展開「ここで人生が終わったら…」という シミュレーションで頭の中に描いているだけなのです。 それは現実逃避というよりは、独りぼっちの時間が長い子供が英語で言う「イマジナリー・フレンド(イマジネーションの友達)」を作って、 自分の潜在意識と会話をする様子に似ています。ですが そんなイマジナリー・フレンドとの会話が将来のビジネスに繋がったり、人生に影響を与えているケースが非常に多いので、 イマジネーションというものは決して侮るべきではありません。
またTさんのように社交においてはポーカー・フェイスで、思考が内向するタイプは そんなイマジネーションによるシミュレーションによって、自分に潜在的に眠っている能力や願望を悟るケースは非常に多いのです。 ですので今の「自分が死んだらどうなるだろう?」というシミュレーションを、「もし自分の人生が、過去に戻ってやり直せるなら、何時を選んで何をするだろう、どう生きるだろう?」という シミュレーションに切り替えてみることをお薦めします。

自分の人生に満足している人ほど、過去に戻ることなく、自分のそのままの人生を生き続けることを選ぶものですが、 もし「大学卒業時からこれをやっておけば良かった」、「あの時に、ああしていれば良かった」と過去の特定のポイントに戻ってやり直したいという気持ちがある場合は、 そこにTさんの本当の願望や夢が眠っているはずなのです。 これは単に今、自分がやっている習い事の先生が高収入を上げているのを聞いて、「そんな事なら、自分もやっておけば良かった」というような短絡的なものではないことは Tさんの頭脳明晰さであればご理解頂けることと思いますし、もしTさんがそんな風にお考えになる思考回路ならば、今のようなお気持ちを抱いていないはずと思います。

もし戻りたいポイントと、そこから生きたいと思う人生のブルー・プリントが思い浮んだ場合は、次に自分が何故それをしなかったのかを考えてみてください。 こうすることによって私がTさんに悟って頂きたいのは、自分の本当の夢や願望、自分が密かに誇りを持っている能力であり、それと同時に何がTさんをそれから妨げてきたのか?という事です。
Tさんのようなポーカー・フェイス・タイプは、人との対話によってそれらを悟るまでには時間が掛かりますが、自分の気持ちを自分で掘り下げていけば 答えは見つかると思いますし、たとえTさんを夢や願望から遠ざけていた要因が ”お金が無い”、”コネクションが無い” というような 一見自分の力ではどうにもならないと思える事であっても、それをさらに掘り下げて行けば、それを理由にチャレンジから逃れるという楽な選択をした自分や、 ネガティブな要素を積み上げて”諦める”という姿勢を正当化してきた自分の姿が見えてくるはずです。 もちろん それはTさんでなくても、常識や知識、自己防衛本能がある人ならば誰でもしていることですし、そうやって思い止まるからこそ 関わらずに済んで良かった事は人生には沢山ある訳ですので、自分を責める必要は全くありません。
このシミュレーションの目的は、それまでの自分を振り返って、潜在的にでも自分が本当に望んできた人生というものを悟って、 その障壁になってきたものを自覚することであって、反省したり、後悔するためのものではありません。 人生に自力でターニング・ポイントをもたらすためには、自分が求めている物や それまで生きてきた自分の姿勢を悟ることが必要不可欠なのです。

私は何度もこのコーナーで申し上げてきた通り、母が占い師なので 母から ”運勢” というものを学ぶ機会に恵まれましたが、 人間と言うのは誰もが運命を背負って生まれてきて、たとえ遠回りをしても それを悟ることによって 自分の運命を全うするように人生がプログラムされています。 また人間の運というのは必ずしも30歳や40歳で花開くようには出来ていません。 50歳、60歳を過ぎてから開運する人が如何に多いかということ、誰にとっても幸運期が40年以上続くことが無い事なども 私が母の占いから学んだことです。
Tさんがお幾つでいらっしゃるかは 私は知る由もありませんが、運勢というのはバイオリズムですので 今までが悪かった人、これまでパッとしなかった人ほど、これから向上のチャンスがあるのです。 また私の個人的な見解では、ライフ・コーチに指導されたり、タロット等に未来の展開を求めている間というのは、 まるで神様が 「まだまだ修行と悟りが足りない」とお説教をしているかのように 人生が好転することはありませんが、 それらが馬鹿らしく思えてきた今のTさんは、地に足がついて、余計な雑音や誘惑に惑わされることなく、 物事に現実的に取り組む姿勢が身に付いたのです。なので私に言わせれば、今からこそが 開き直ってでも頑張るべき時なのです。

Tさんのように頭脳明晰な方ほど 忘れがちなのが、人生は自分のチョイスの連続によって成り立っているものだという事です。 先のことまで予測が出来て、引かれた線路の上を走っているだけのように思える人生においても、 実は何度もその進路を切り替えるスイッチ・ポイントが訪れているのです。 Tさんが私にメールを下さったのは、何もしなければそのまま走っていくだけの線路で スイッチ・ポイントを切り替えてみたのだと私は解釈しています。
もちろんこのコーナーのご相談は無料ですし、匿名ですので、Tさんには何のリスクも無い訳ですが、 これまでのTさんだったら、メールに書いていらした通り「見ず知らずの人に相談して何になるのだろう」という気持ちで思い止まっていたものと思います。 でもその気持ちを振り切ってメールを下さった訳で、おそらくメールを書いている途中にも 「やはりやめようか」と迷われたとのではないかとお察しします。
それでもTさんがメールを下さったのは Tさん自身が変化を求めているという事ですし、それは自分で思い立ったというより 運命や運勢に動かされている、もしくは駆り立てられていると判断するべきなのです。
見方を変えれば、ここから徐々に変わる時期を迎えようとしているのがTさんの人生で、 一度運命や運勢が動き出すと、Tさんがこれまでどんなに新しい可能性や展開を否定してきたとしても、その流れには逆らえないのです。 これまで自分が閉じ込めてきた感情や欲望、才能、野心等が 新たな変化を求めて殻を破ろうとするはずなのです。

とは言ってもこれまでのように受け身でいたら 何も起こりませんし、自分の中に湧き上がってきたエネルギーが内向して 自分を責めたり、攻撃したりするだけです。 私にメールを下さったのと同様、小さくてもこれまでの自分と違う何等かのアクションを起こさなければなりません。 そんな小さなアクションや選択の積み重ねによって、全く異なる展開に導かれるということをTさんが悟れば、これまでの観光バスに乗せられてお決まりのコースを見せられているような人生から、 自分でハンドルを握りながら、自分の冒険心や好奇心を満たしていく人生に変わるはずです。
私が尊敬するベンジャミン・フランクリンの語録に「Some people die at 25 and aren't buried until 75 / 世の中には25歳で死んで75歳まで埋葬されない人間が居る」 というものがありますが、自分で人生の主導権を握ろうとしない人、夢や希望、理想に向けて努力しない人は、例え何歳でも死んだも同然なのです。 Tさんはそんな葬られるのを待っている抜け殻のような人間ではないはずですので、 まずは意図的に、どんな小さな事でも良いので、これまでの自分だったらやらなかったことにあえてチャレンジして頂きたいと思います。 それを実践するうちに、人生が 結末の見えている退屈な時間潰しではなく、幸運や難しいチャレンジが次々と巡ってくるスリルと生き甲斐がある展開になっていきます。
そうなった暁に もしTさんが「自分が死んだらどうなるだろう」と考えることがあるとすれば、それは 「このまま生きていても仕方ない」という意味ではなく、自分の万一に備えるための建設的な思考であるはずです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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