Oct. Week 5, 2015
★ Should I Believe in My Dream?
夢の中の出来事を信じるべきでしょうか?


秋山曜子さま、
こんにちは、Cube New Yorkを長く愛読している大ファンです。
いつもこのコーナー、キャッチ・オブ・ザ・ウィーク 、フェイバリット・オブ・ザ・ウィークの更新をとっても楽しみにしています。 特にこのコーナーのアドバイスは、本当にいつも素晴らしくて、時々感動して涙を流しながら読んでいます。
心が洗われるような気持ちになることも多くて、Yokoさんの豊かな人生経験とその経験を、ご自分の栄養にして前向きに生きていらっしゃる姿に 感服しています。
私もご相談というか、曜子さんのご意見を伺いたいことがあってメールをいたしました。

私には、腹違いの姉が居て、かなり年齢が離れているのですが、正直言ってずっとその姉から嫌われていると信じてきました。 そうなるには、それなりの経緯があって 私は姉の結婚式には出席しませんでしたし、 自分の姉とか、自分の家族という意識を持ったことも殆どありませんでした。
そうするうちに父の身体が弱ってきて、父を見舞ううちに、姉が私が知らないうちに他界していたことを知らされました。 その途端に、私と姉が 姉妹として歩み寄らずに、お互いに関わらないようにしていた関係を後悔するようになって、 何度も涙を流して、心から申し訳ないと思ったり、「どうしてあの時 あんな風に振舞ってしまったんだろう」、 「あんな事を言ってしまったんだろう」、「葬儀の知らせも来ないほど、嫌われてしまっていたなんて」と、 本当に落ち込みました。

もう1回、電話でも構わないから話してみたいという気持ちに苦しんでいた時に、 姉の夢を見ました。 「私の方こそ、何もしてあげられなくて、仲良くしてあげられなくて、ごめんね」と言ってくれましたが、 生前の姉との関係からは考えられない言葉です。
私はその夢を信じたいのですが、罪悪感を紛らしたいという気持ちから見ている 自分の心理状態がでっち上げた夢とか、 事実とは逆の逆夢ようなような気もして、解釈に困っていますが、とても鮮明で 実際に姉に話しかけられているように思えたのだけは確かです。 曜子さんが心理学を独学で勉強されたことを先日のこのコーナーで読んだのと、以前キャッチ・オブ・ザ・ウィークのコーナーにも 夢のことを書かれたエピソードがあったのを思い出して、ご意見を聞きたくてメールを差し上げました。

夢が信じられるかなんて、考えれば考えるほど下らない質問ではありますが、 何か曜子さんのアドバイスを頂けたら、どちらだったとしてもスッキリするような気がしています。 お時間がある時に、お考えを聞かせてください。 どうかよろしくお願いします。

−T−





Tさんがメールに書いて下さったように、独学で心理学を学んだ私ですが、実は私が大学時代に心理学に興味を持ったきっかけとなったのが 夢判断でした。
ユングは夢判断で知られる心理学者でしたが、そのユングも夢に関する著書の中で 「夢は自分の潜在意識が表れるだけでなく、未来や異次元と交信をしたり、 自分では考え付かないアイデアが得られるメディアである」と説明していたのを覚えています。

このコーナーを含む私のコラムでは、頻繁に母のことを書きますが、実は私の母は凄い霊感の持ち主でもあって、 母の夢を通じて亡くなった祖父母からのメッセージや、曽祖父の代のメッセージを受け取ることは全く珍しくありませんでした。 その例を挙げると、私の大学時代に 夜中に父が原因不明の咳に悩まされる日が続いたことがありました。プロの占い師である母が その咳の時間帯から原因を調べたところ、「どうやらご先祖様と関係がありそう」とのこと。
そこで母が ご先祖様のことを考えながら眠ってみたところ、 「墓石にツタが絡まっているのが不愉快だ」と夢の中で言われて、早速母が翌日 お墓に出向いてい見ると、本当に墓石にツタが絡まっていて、 それを母が全て除去してきたその日から、父の夜中の咳が収まったというエピソードがありました。

かく言う私は雑念が多すぎて、母のように霊界と交信するようなことは不可能ですが、以前キャッチ・オブ・ザ・ウィークに書いたことがあるように NYでこれまでに住んだアパートは、全て事前に夢に見ていたりします。

でも私がこれまで生きてきた中で、最も夢、それも母が見てくれた夢で恩恵を受けたのが、高校時代に巻き込まれたアクシデントでした。
これについては以前にもコラムに書いたことがあったのですが、リンクを付けようとしても 自分自身が何時のコラムか探せない状態ですので、 今一度ご説明すると、私が高校3年の頃、突然1日中 家の電話が鳴り続けたことがありました。 それというのは、私の名前で ある音楽誌に当時40万円以上した レアなギターを2万円で売るという広告が出ていたためで、 一家がノイローゼになりそうなほど、夜中まで電話が掛かってきて、1週間以上その状態に苦しみました。加えてほとぼりが冷めた頃には、 連続レイプ犯の捜査をしているという警察からも問い合わせが来て、私の名前と電話番号が容疑者の手帳に載っていたと言われる始末でした。

嫌がらせの犯人を突き止めるため、まずは雑誌の編集部に問い合わせて 私を装ってギターを売ろうとした人からの 申し込みの手紙を送付してもらいましたが、その文面は右利きの人が左手で書いたような筆跡。 封筒や消印にも全く手がかりになる情報が無く、普通ならお手上げ状態ですが、 母がその手紙を枕元に置いて眠ってみたところ、翌朝一番に母に「犯人が分かった」と言われました。
犯人について語る前に母が持ち出してきたのが、事件の2ヶ月ほど前に母が見た夢の話。 その夢とは、私がギターの形をしたスカートを履いて歩いているところを鮮明に見たというもので、 母がその夢の翌朝に「これからはギターの形のスカートが流行るの?」と 変な質問をしてきたので、私もその時の会話ははっきり覚えていました。 母によれば それがこの事件を予兆する夢だったとのことで、何故私がギターの形のスカートを履いていたかに犯人と思しき人物の鍵がありました。
というのは、母が夢に見た犯人は、幼い頃の私の服を何枚も仕立てたことがある女性だったのです。
その女性は事件当時、某音楽関連の企業に勤めていて、音楽雑誌から情報を拾う程度しか仕事が無いということは風の噂で聞いていたのですが、 母が見た夢というのが、彼女が自宅と職場を結ぶ電車の途中駅で降りて、手紙をポストに投函している姿で、 その途中駅と消印がぴったり一致していたのでした。

犯人と思しき人物を知らされた私の最初のリアクションは、「まさか!」というもので、それというのも その女性と私を含む家族は 何年も音信不通状態。 そんな彼女が どうして私に恨みでもあるかのような嫌がらせをするのか、最初は理由が分かりませんでしたが、 ふと思い出すと彼女には 密かに私を嫌う理由がありました。
かつて親戚宅の家政婦として働いていた その女性には 私と同じ年齢の1人娘が居たのですが、 ある時 親戚宅に遊びに行った私が、近所の友達に彼女のことを「家政婦さんの娘さん」と紹介したことがありました。 当時 私は小学校にも上がっておらず、幼稚園に通う身でしたので、 「家政婦さんの娘さん」という社会的なステータスさえ把握していませんでしたが、その言葉から自分の娘が 私に馬鹿にされたと思った女性は、 悔し涙を流しながら 叔母に文句を言ったことを後から聞かされました。なので、私にとっては いろいろな意味で そのことが決して忘れられない出来事になっていました。
もちろんそれ以来、私は一度も「家政婦さんの娘さん」などと口走ったことはなく、その女性も程なく親戚の家を辞めて、企業で働く身となり、嫌がらせの事件までには 約10年の月日が経過していました。ですから、最初にその女性が犯人と言われた時は「まさか!」というリアクションでしたが、 幼稚園児の言葉に悔し涙を流すような女性の性格を思い出すにつけて、母の夢がますます信憑性を帯びてきました。

放火犯が必ず火事現場を見物しているのと同様、その女性も嫌がらせをした私や家族がどうなっているかに興味があったようで、 その事件が一段落しかけたある日、女性が 突然家に電話を掛けて来たのですが、たまたまその電話を受けた私は その時の声色を聞いて この女性の仕業だと思いましたし、それ以上に母も その電話の時間帯を占いでチェックして、 やはり事件の犯人だと確信していました。
この嫌がらせは 人間の恐ろしさを私に教訓付けたエピソードの1つでしたが、私が心から母の夢に感謝したのは、 もし誰に嫌がらせをされたのかが分からず、そのまま生きてきたら 人が信用できない人間になっていたかもしれないと思えたためです。 陰湿な嫌がらせをされながらも、誰の仕業か分からず悶々と生きる人が少なくないことを考えると、 母のような存在が傍に居てくれたことは 、私にとって本当にラッキーなことでした。

ということで、前置きが長くなりましたが、夢というのはもちろん自分自身の潜在意識も映しますが、 未来や未知の世界からのメッセージでもあって、私はそれを受け入れたり、考えたりして、 自分の人生に生かすことこそが、人間としての柔軟さや謙虚さだと思っています。
腹違いのお姉さまからのメッセージをはっきりと夢に見て、 それを信じたいという気持ちがTさんの中にあるのでしたら、お姉さまの魂に毎日のように話しかけて、 生前では築けなかった良好な関係を これからTさんの中で築くことをお薦めします。 それを”一方通行の自己満足的な馬鹿げたもの” だと考えるのであれば、Tさんはこれからもずっと罪悪感にさいなまれるかも知れませんが、 お姉さまをガーディアン・エンジェルと信じて 毎日生きていけば、今後は 心の中のお姉さまの存在が必ず、そして様々な形でTさんを支えてくれるはずです。
私は新興宗教的なものには全く興味はありませんが、人間の強さとは 信じる心の強さですので、 自分が信じるものを沢山持てば持つほど、人間として強くなることが出来ます。 ですので夢に出てきたお姉さまを信じて、これからは後悔の涙を流したり、罪悪感に捉われたりすることなく、強く、そして幸せに 生きていただきたいと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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