Nov. Week 1, 2016
★ "Fiance As a Care Taker"
”婚約” と称して、彼の病気の母親の介護に利用されました


Yoko様、
アメリカに1年半住んでいます。日本に居る頃からCube New Yorkの大ファンで、キャッチ・オブ・ザ・ウィークや、このコーナーを 欠かさずに愛読しています。いつもためになるコラムをありがとうございます。
私もアメリカの事情に詳しいYokoさんに是非アドバイスを頂きたいことがあります。

8カ月ほど前にクラブで会った男性とデートを始めました。彼の母親は高齢でしかも病気だったので、 デートの前に2人で母親の様子をチェックしてから出掛けることが多くて、 私はそんなお母さん思いの彼の優しさにも好感を持っていました。 彼にはお姉さんが2人と、未だ大学生の弟が居て、お姉さんはどちらも子育てで忙しく、弟は遠くの大学で寮生活で、 彼も仕事があるので、なかなか家族がお母さんの面倒が見られず、 介護の人はあまり良い人でなかったり、家の中のものが無くなることがあるので、彼があまり信用していなくて、 デートを重ねるうちに、彼のお母さんのところで待ち合わせて、彼がやってくるまで私がお母さんの面倒を見ることが多くなりました。
お母さんは私が作る日本食をとても喜んで食べてくれて、マッサージをしてあげたり、部屋を掃除してあげたりするうちに 私を頼りにするようになってきて、彼のお姉さんからも「すごく助かる」と褒められるようになりました。 彼も、私が「あっという間に家族のような存在になった」と言ってくれて、こんなに早く家族に溶け込んだガールフレンドは今までに居なかったといって、 プロポーズされました。 でもお母さんの病気で、家族が沈んでいる時なので婚約指輪を買うのは見合わせなければならないと言われました。

彼と口約束で婚約してからは、私は彼のお母さんを自分の母親だと思って看病して、週末を2日ともお母さんのところで過ごすこともあり、仕事が終わって お母さんのところに来た彼とディナーに出掛ける時にはクタクタになっていることも少なくありませんでした。 お母さんはとても喜んでくれていましたし、日本から1人でアメリカに来て、ずっと家族と関わらない生活をしていたので、 彼のお姉さんや、お姉さんの旦那さんと子供たちにかこまれて、家族として迎えてもらえるのも嬉しくて、まるで結婚して家族の一員になったかのように 頑張っていたのですが、お姉さんや彼が時々私に甘えているなと思えることは何度もありました、

彼からは、母さんが生きているうちに自分の子供の顔を見せたいから、子供を作りたいとも言われていて、 私もその気になりかけていましたが、お母さんの容体が急変して亡くなってしまいました。 私にとってもショックで、彼の家族もとてもショックを受けていると聞いていて、 彼に落ち着くまでそっとしておいて欲しいと言われました。
そしてお葬式もファミリー・オンリーで行いたいからと言って、私は出席することが出来ず、 突然家族から仲間はずれにされたような気になって落ち込んでいたのですが、 以来、彼から全く連絡が来なくなりました。 そして私からしばらくぶりに連絡をして、結婚についてどうするかを話そうとしたら、 「婚約は口約束だけだったら、無かったことにして欲しい」と言われました。

これを友達に話して相談したら、婚約と称して介護に利用されていただけなのでは?と言われました。 最初は、そんなことまでして、介護なんてしたことが無い私にお母さんの面倒を見させる人がいるかと思いましたが、 良く考えて煮ると、私は義理のお母さんになる人だからと思って、しかもお姉さんたちにも私を気に入ってほしかったので、 一生懸命やっていて、彼やお姉さんたちの負担を軽くしてあげようとしていました。 それに介護の人を頼むと結構なお金がかかりますが、私だったら介護の人よりもずっと熱心にやってあげて、 お金なんて請求しませんから、よく考えてみると友達の言う通りで、お母さんの介護のための婚約だったのかもしれないと思ったら、悔しい気持ちと悲しい気持ちが込み上げてきました。

友達は、彼が私を騙して看病をさせたのだから彼を訴えるべきだと言っていて、 私も本当に訴えられるのなら、訴えたい気持ちで一杯です。 看病代が欲しいというよりも、私の気持ちや親切を自分達の利益のために利用して、必要なくなったら感謝もせずに 追っ払うような残酷さを罰したいという思いが強いです。
でも、訴えるには弁護士を雇う必要がありますし、その前にコンサルテーションを受けたり、 いろいろ大変だと聞いて、まずは秋山さんのアドバイスをお願いしたいと思いました。
私はここでどうするべきかを教えて頂きたいです。 騙されて、利用された私が世間知らずだったのか、彼を罰する手段があるのか、何か建設的なアドバイスをしていただけたらとてもありがたいです。 よろしくお願いします。

- M -




残念ながらこのケースでは、Mさんが彼を訴えて、法的に制裁を与えることは不可能です。
というのは婚約が単なる口約束で、法的な効力を持つものではありませんので、一方的に婚約を解消されたとしても 婚約不履行には当たりません。 また、もしMさんがプロの介護士で、本来彼のお母さまの介護をして受け取れるはずのフィーを 婚約を理由に踏み倒されたというケースであれば、未払いのフィーの請求で訴訟を起こすことが可能ですが、 この場合、Mさんがしていたのは彼のお母様にの対象になります。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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